ウェブサイトの解析などによく使われる「ヒートマップ」。一説には19世紀からすでに利用されていたという話もありますが、金融市場の情報にも活用されるなど幅広い分野で使われている可視化グラフです。

ヒートマップ解析有料で提供されていることが多いですが、それを無料でも使えるようにしたWordPress用のプラグインが今回ご紹介する「Aurora Heatmap」です。このプラグインを使うと、次のようなヒートマップが解析できます。

▲色の濃淡などで、ユーザーがどこに興味を持っているのかわかる「ヒートマップ」。

「Aurora Heatmap」の概要

「Aurora Heatmap」を導入して、サイト管理者がわかることは「ユーザーが満足しているか?」ということです。ユーザーがコンテンツのどの部分を見て移動していくかを可視化することで、サイトを改善していくときの有効なツールとして活用することができるというわけです。

本プラグインには無料版と有料版が用意されていますが、無料版でもPCとスマートフォンのクリックヒートマップを制限無しに利用することができます。ちなみに有料版にアップグレードすることで、メールサポートのほか、「離脱ヒートマップ」「熟読ヒートマップ」の表示やURLの最適化、データ保存期間の延長(半年)を利用することが可能になります。

「Aurora Heatmap」のインストール

下記のボタンからプラグインをダウンロードして、wp-content/pluginsディレクトリにインストール後、管理画面から有効化するか、WordPressのサイドメニューにある「プラグイン」から「新規追加」を選び、プラグインの検索で「Aurora Heatmap」を入力して、インストールしましょう。

Aurora Heatmap

「Aurora Heatmap」の使い方

「Aurora Heatmap」は、難しい設定はほとんどありません。日本語にも対応しており、インストール後有効化しておくことで、すぐに利用開始することができます。アクセスが多いサイトは別ですが、インストール後すぐにヒートマップが見られるというわけではないため、数日間はデータが蓄積されていくのを待ちましょう。

蓄積されたデータにアクセスするときは、メニューの「設定」から「Aurora Heatmap」を選択します。

「Aurora Heatmap」の設定画面上部のタブから「設定」を選ぶことで、調整することができます。

画面からもわかるように、「保存期間」や「URLハッシュ」「URLパラメータ」などは、有料版の機能になっています。「精度」はカウント量を絞り込むときの条件を2種類から選ぶことができ、デフォルトでは「高精度」が選ばれています。「描画ポイントの数」は、デフォルトの状態で最新3000件が表示されます。「カウントバー」は、ヒートマップの画面右側に表示されるカウントバーの表示の有無の設定となっています。

aouroraheatmap

記事のタイトルとURLの横に数字が並んでいますが、こちらが「Aurora Heatmap」でカウントされた数字です。左から、パソコンのクリック数、離脱、熟読、モバイルのクリック数、離脱、熟読となっています。無料版ではクリック数のみカウントされるようになっています。

WordPress内の全ページのヒートマップを表示

「Aurora Heatmap」をインストールしておくと、特定のページだけでなく全ページのヒートマップが計測・表示できます。トップページや記事ページだけでなく、アーカイブページなども含みます。実際のヒートマップを見るときは、記事タイトルの下にあるURLではなく、パソコンまたはモバイルのクリック数の数字部分を選択してください。

aouroraheatmap▲赤枠で囲んだ数字をクリックすることでヒートマップを表示することができます。

この時点でもわかりますが、パソコンで見えるユーザーとモバイルで見るユーザーとではクリックされるページの傾向も大きく変わります。それぞれを分析して、なぜそのページが多くクリックされているのか分析していけば、他のページでもクリックされる数が増えていくかもしれません。

先ほどのクリック数を選択すると、別ウインドウでヒートマップが表示されます。クリックが多いところは色でもわかるほか、右側の「カウントバー」にも数字が表示されわかりやすくなっています。

スマホだけのヒートマップ計測も可能

ユニークな点は、モバイルのクリック数を選ぶとしっかりモバイルのサイズで表示されるところです。ここにはPCやタブレットなどの他のデバイスの数値は除外されますので、スマホだけのヒートマップ計測が可能です。

スマホ最適化を図る際に、重要なヒントが得られますね。

LPの動向分析にも重宝する解析プラグイン

WordPressの固定ページを使ってLPやセールスページを作成したり、「OOPS!」や「SOURCE」テーマなどのLP構築用のテンプレートでサイト全体をLP化しているWebサイトは多いと思います。

このようなコンバージョン率が重要なページとヒートマップ計測はとても相性が良いです。アクセス解析だけでは分からないような貴重なデータが手に入るので、実際に売上を上げていくための具体的な施策が見えてくる可能性があるからです。また、ECサイトでも有効ですね。

有料版、全然ありかも?と思わせてくれるプラグイン

無料版でもなかなか使い処のあるプラグインですが、有料版ではデータの保存期間の延長や熟読ヒートマップ、離脱ヒートマップなどの機能が追加されます。PV制限なしの「Aurora Heatmap スタンダードプラン」は月額2189円(19.9ドル=1ドル110円換算)、支払方法はクレジットカードまたはPaypalが選べ、月額払いや年払いも可能です。

当記事執筆時点では無料版しか利用していませんが、「有料版ありかな?」と思わせてくれるプラグインですね。さらなる詳細は、日本語で書かれた有料版に関する説明サイトを確認してみてください。

●Aurora Heatmap スタンダードプラン
https://market.seous.info/ja/aurora-heatmap/premium