貸借対照表の資産の部には自分が育てたオウンドメディア(自社メディア)は載りません。課税対象になることもありません。ゆえに一般的には資産的な価値として見ている人は少ないものの、実態としては資産に限りなく近い働きをします。
Webサイトは完成後に短期的に効果を生むのではなく、その後も効果を生み続けるからです。さらに、適切にメンテナンスをすれば長期的に利潤を生み続けます。今更新したコンテンツだけでなく、アーカイブが働くのが大きなポイントです。
では、オウンドメディアはどのような働きをするのか、その具体的なところと、メリット・デメリットについて本記事で解説していきたいと思います。
オウンドメディアの集客効果を法定通貨の価値に置き換える
こちらは本サイトの直近のアクセスデータをSEOツールの「Ahrefs」 で出したものです(下記はahrefsツールの使い方解説記事です)。
『Ahrefs』 というツールを知っていますか? Ahrefsは、SEOの被リンク分析ツールとして有名ですが、その実態はコンテンツマーケティングやSEO全般をカバーするオールインワンツールです。自社サイトの解析はもちろん、競合分析、キーワードリサーチ、コンテンツネタ調査など、すべてAhrefs...
右端のトラフィック価値に注目してください。「$86.1K」 とありますね。これは、「もし当サイトのSEO流入を、有料検索広告で得ようとしたら、だいたいこのくらいのコストがかかりますよ」 ということを算出した数値です。
「K」は1000の単位なので、約86,100ドル。日本円でおおよそ月900万円の広告費がかかる計算です。
つまり、それだけの金銭的価値の自然検索トラフィックを毎月獲得しているということです。この数値はアクセス解析を見てもあながち外れていない金額だと思います。オウンドメディアは育てることの恩恵を舐めてはいけないですね。
オウンドメディアを持つメリットとは?
オウンドメディアの価値がわかったところで、オウンドメディアの3つのメリットを解説していきたいと思います(他にもありますが、3つに絞ってます)。
- 持続的な集客効果を生む
- 利益率が上がる
- 他の自社メディアとシナジーを生む
1. 持続的な集客効果を生む
オウンドメディアのすべてのコンテンツが、ネット上の永続的かつ安定した資産になります。ゆえに、コンテンツ作成の作業は”コスト”ではなく”投資”です。未来に投資しているところは成長するし、投資を減らしているところは伸びないという当たり前のことが起こるのです。
TCDのオフィシャルサイト(当サイト)は毎月安定して60万PV(ページビュー)ほどのアクセス数あります。これは長い期間をかけてコツコツと記事作りに投資してきたからこそ得られる効果です。
また、このような持続的な効果はSNSには望めません。瞬発力では有利ですが、メディアとはそもそもの性質が異なります。例えば、検索エンジン経由のユーザーは興味関心レベルや購買意欲も高いため売上に繋がりやすい一方、SNS経由のユーザーは無料で情報を見るだけで終わる確率が高いという性質の差もあります。
これが、オウンドメディアのコンテンツが「資産」 だといえる理由です。
2. 利益率が上がる
利益率の高さは、ビジネスにおける競争力の高さそのものです。ビジネスの利益率は扱う商品にも左右されますが、オウンドメディアを持っているかどうかでも、実質的に残る利益が変わってきます。先ほども提示しましたが、オウンドメディアは自然検索で集客した分だけ広告費を節約できるということです。
広告費を節約すれば通常は売上も下がります。ですが、自分でメディアを持っていれば、自前で削減分を補填できます。オウンドメディアのアクセスで利益が出ているからこそ、その利益を広告に投資して、売上をさらに伸ばすための顧客獲得に活かせます。あるいは、コンテンツ作成や商品開発により多くのお金を使えます。
また、自分で集客ができるということは、他社プラットフォームや広告だけに頼らなくても十分に利益を出せる体制にあるということです。つまり、強い経営ができるのです。
3. 他の自社メディアとシナジーを生む
オウンドメディアを情報発信の母艦(ベース基地)にすれば、複数のメディアとの連携戦略やシナジー効果を狙えます。たとえば弊社では、TCDのオフィシャルサイトが母艦であり、その衛星として、メルマガやサテライトサイト、SNS、広告があります。
たとえば、弊社ではいくつものサイトを運営しています。一部をご紹介します。
・PhotoMarche
・LogoMarche
・Button Marche
・TCD MUSEUM
・TCD GALLERY
・TCD LABO
これらのサイトから、本体サイトへアクセスを流すことができますし、複数のサイトがあることで、TCDブランドの厚みは増していくわけです。
また、オウンドメディアにメルマガの登録フォームを用意して、メルマガ読者のリストを集めるのもいいですね。オウンドメディアではメルマガリストの収集だけをおこなって、メルマガで商品を販売する、といったモデルも作れます。
TCDのサイトでいえば、過去のWordPressテーマを無料でプレゼントする代わりに、メルマガに登録してもらう流れを作っています。
以下のページですね。
このような戦略的な運営ができるのも、オウンドメディアを持っているからです。
オウンドメディアのデメリットはあるのか?
ここまで、オウンドメディアを持つことのメリットを解説してきました。もちろん、オウンドメディアはメリットばかりではありません。デメリットもあります。
それは、成果が出るまでに時間がかかることです。コンテンツを作っても、Googleからすぐに評価されるわけではありません。そもそも、オウンドメディアは短期的な成果を求めて運営するものではないので、長期的な視野をもって運営する必要があります。このあたりの運営姿勢や目的については、以下の記事で解説しています。
「オウンドメディアって、やる意味あるのかな……?」 「成果が出なくて、すぐやめてしまった……」 「なんとなく競合がやっているから始めたけど、目的が曖昧……」 オウンドメディア運営で、こんなことに悩んでいませんか? もし、上記の悩みを抱えているなら、ぜひ続きを読み進めてみてください。 ...
ただ、時間がかかるからといって、SEOで順位がつくのを悠長に待っているだけではいけません。コンテンツがGoogleに評価されるのを期待するだけでは、ビジネスのコントロールを放棄しているのと同じだからです。
そこで、オウンドメディア立ち上げ当初は積極的に初期露出をおこないます。つまり、広告を出すということです。Google広告やYoutube広告、Facebook広告などですね。
広告を出して素早くアクセスを集めれば、被リンクを獲得したりSNSで言及されたりするチャンスができますし、ユーザーの行動データ(滞在時間や直帰率など)も蓄積していきます。それらがポジティブなものであれば、SEOの成果が出るまでの期間も短縮できるわけです。つまり、初期の段階では「広告を出す」 ことが必須だといえます。
オウンドメディアって、作るのが大変そう・・・
「オウンドメディアのメリットはわかったけど、作るのが大変では?」
たしかに、オウンドメディアを構築するのは大変な作業のように思えます。しかし、いまはWordPressを使えば、だれでも簡単にオウンドメディアを構築できる時代です。ホームページ制作業者に頼む必要はありません。個人で作れるのです。
「作るのが大変だから無料ブログに・・・」 という言い訳は、もうできません。
TCDのWordPressテーマなら、驚くほどハイクオリティのオウンドメディアを、インスタントに作れます。美しいデザインのメディアが簡単に構築できてしまいます。
メディアの構築は本来、かなり手間のかかる作業ですが、TCDのWordPressテーマならインスタントラーメンのように新しいメディアを素早く立ち上げることができます。インスタントであるにも関わらず、クオリティの高いメディアが出来上がります。
そのようなテーマを日々研究して、生み出しているわけです。ぜひ、・テーマ一覧をチェックしてみてください。
また、オウンドメディア運営に関する記事一覧を以下にまとめています。こちらもぜひチェックしてみてください。
・オウンドメディア tips集