SEOに精通している人なら被リンクの重要性は周知の事実。

被リンクはリンク元によって良し悪しが決まるため、むやみに数を増やせば良いわけではありません。質の悪い被リンクは、サイトの評価を下げる原因になる可能性もあります。

SEO的にポジティブな効果をもたらす被リンクとは、どのようなものでしょうか。

本記事では、被リンクの種類や期待できるSEO効果、獲得方法などをお届けします。被リンクに関する基礎知識を理解して、サイト運営に活用していきましょう。

被リンクとは?

被リンクとは

被リンクとは、別のドメインから自分のサイトへ外部リンクされることを指します。英語では「Backlink(バックリンク)」や「Inbound link(インバウンドリンク)」と呼ばれることが多いです。

多くの論文から引用される論文が評価が高いとされるのと同様、ウェブページも多くのウェブページから被リンクされることで評価が上がるとされています。

被リンクされることは他者から「良いコンテンツ」と認められるようなものです。様々な人からお墨付きをもらうことで、Googleから信頼性の高いコンテンツであると判断されやすくなるでしょう。

なお、別ドメインのコンテンツを自社サイト内にリンクすることを「発リンク」と言います。

良い被リンクと悪い被リンク

被リンクには、大きく分けて以下2つの種類があります。

  • ナチュラルリンク:良い被リンク
  • スパムリンク:悪い被リンク

ナチュラルリンク:良い被リンク

Googleにとって評価の高い被リンクなのが「ナチュラルリンク」です。

  • 関連性の高いサイト
  • 知名度の高いサイト
  • 専門性の高いサイト

上記のようなサイトから被リンクを獲得しているのが特徴です。Google公式でも、被リンクについて重要性が解説されています。

PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。

参考: Google が掲げる 10 の事実

「ナチュラル=自然」と表現されるのは、名前の通り「自然な流れで獲得したリンク」だからです。

例えば「副業で稼ぐ方法」をテーマに作ったコンテンツを読んだ読者が「ためになったな」と、自社サイトのコンテンツに参考記事としてリンクするのは自然な流れですね。

関連性が高くコンテンツの質が高ければ、被リンクを獲得できる可能性が高まります。

スパムリンク:悪い被リンク

反対にサイトの評価を下げる原因になるのが「スパムリンク」です。

  • 過剰な相互リンク
  • 量産サイト・コンテンツからの被リンク
  • 低評価サイトからの被リンク

上記のような被リンクは「悪い」と判断されやすいです。

被リンクの重要性を理解している人の中には「裏技」的に、大量の被リンクを獲得しようと考える人もいます。しかし、年々進化するGoogleのアルゴリズムは、わざとらしい被リンクを検索エンジンから除外しつつあるのです。

参考: リンク プログラム

昨今では「競合サイトのコンテンツに質の低い被リンクを大量につける」ような戦略も普通に出てきました。

悪い被リンクを受けるとサイトの評価も下がってしまいます。サイトの健康状態を最適化するためにも、良質な被リンク獲得が大切になるということです。

「nofollow」と「dofollow」の違いについて

被リンクには「nofollow」と「dofollow」の基本的なタイプがあります。

「nofollow」は、検索エンジンに「このリンクは無視してください」という指示を送るためのものです。SEO的に不利になりそうなリンクに「nofollow」をつければ、コンテンツやサイトへの悪影響を防止できます。

「dofollow」は通常のリンクのことで、検索エンジンに認識される仕組みです。

評価の高いサイトから被リンクを獲得する際は、通常のリンクになっていることが望ましいでしょう。逆に「nofollow」を設定されると、SEO効果を期待できないとされています(※諸説あり)。

ただし、どちらのタイプで被リンクを獲得しても、リンク元のサイトからのアクセス流入は期待できます。人気のサイトであるほど、アクセスアップが見込めるでしょう。

あなた自身が発リンクする際、目的やリンク先の質に応じて「nofollow」をつけることはありですが、基本的には「dofollow」です。

nofollow

<a href="https://tcd-theme.com/" rel="nofollow">テキスト</a>

dofollow

<a href="https://tcd-theme.com/">テキスト</a>

リンクのHTMLに「rel= “nofollow”」を付与することで「nofollow」の設定が完了します。

被リンク獲得で期待できるSEO効果

良い被リンクを獲得することで、得られるSEO効果をまとめました。

  • 検索順位の向上
  • ドメインパワーの向上
  • クローラビリティの向上

検索順位の向上

「被リンクされたことへの評価」と「リンク元からのアクセス流入」により、結果的に上位表示されやすくなるでしょう。

リンク元がGoogleから高く評価されているサイトであるほど、良い効果が期待できます。

ドメインパワーの向上

被リンクの獲得は、ドメインパワーの向上にも効果的です。

コンテンツの評価が上がることで、相対的にサイト自体の評価も上がります。ドメインパワーの強いサイトは、新しいコンテンツがインデックスされやすく、検索順位も上がりやすいものです。

「ドメインパワーを上げたければ被リンクを獲得しろ」と言われるほど、密接に関係しています。

クローラビリティの向上

被リンクの獲得により、検索エンジンのクローラー(ロボット)が、サイトを巡回しやすくなります。

サイト内を上手にクロールできると、コンテンツが迅速にインデックスされるので、SEO的にも効果的です。

被リンクの獲得方法:10個の戦略

ここでは、実際に被リンク獲得に有利な方法を10パターン用意しました。

  1. 質の高いコンテンツの作成
  2. SNSでコンテンツをシェアする
  3. 広告に出稿する
  4. 無料ツールやテンプレートの配布
  5. インフォグラフィック
  6. スカイスクレイパーテクニック
  7. クライアントの事例紹介記事
  8. 調査データをまとめて記事にする
  9. 相互リンク
  10. リンク切れ

できる施策から試してみて、被リンクが獲得できるかチェックしてみてください。

質の高いコンテンツの作成

質の高いコンテンツを作れると、シェア(被リンク)される可能性が上がります。完成度の高いコンテンツは、競合サイトからも被リンクを獲得しやすいです。

<例>
1. ブロガーが「ブログ アクセスアップ コツ」と検索
2. 競合サイトのためになる記事を発見
3. 自分のコンテンツを作成する際に内部リンク

上記のような感じで、被リンクを獲得できるのはコンテンツ自体の質によるもの。キーワードに対して的を得たコンテンツの作成が鍵を握ります。被リンクはもちろん、サイト運営の基本とも言える要素です。

SNSでコンテンツをシェアする

良いコンテンツを作成したら、SNSでシェアしましょう。

シェアしたコンテンツが誰かの目に止まれば、さらに拡散される可能性があります。結果として被リンクを獲得できる機会が増えるはずです。サイト運用のためのアカウントを持っていない方は、公式アカウントを作成してコンテンツをシェアする習慣をつけてみましょう。

広告に出稿する

広告に出稿することで、コンテンツの露出が増えます。露出が増えれば、記事を紹介される機会も増えるため、被リンク獲得が期待できます。ただし、広告費がかかるという点がデメリットです。

無料ツールやテンプレートの配布

読者が求めているツールやテンプレートを配布すると、被リンクを獲得しやすいです。当社の事例としては、以下の記事が該当します。

競合調査に用いられるフレームワークのテンプレートを作成して、無料で配布しています。ターゲットになる読者が困っている問題や、面倒に感じていることを直接解決するコンテンツは、被リンクされやすいのでおすすめです。

また、下記のウェブストックサービスも、無料で配布しているため、需要は常にあります。

インフォグラフィック

インフォグラフィック
インフォグラフィックとは、画像やグラフ、文字などでまとめられた表現のことです。

視覚的に理解できるため、文字を読むよりも分かりやすいメリットがあります。必要な情報がまとまったインフォグラフィックは、被リンク獲得に少なからず役立つでしょう。

コンテンツを作る際は、インフォグラフィックでの表現も検討してみてください。

スカイスクレイパーテクニック

スカイスクレイパーテクニック(The Skyscraper Technique)は、以下の流れで行います。

  1. 被リンクをたくさん獲得している競合記事を探す。
  2. 競合記事より優れた記事を作成する
  3. 競合記事を紹介している各サイトに自分で作成した記事をメールやDMなどで知らせる

上記の流れで、競合の記事に発リンクしているサイトから、被リンクを獲得できる可能性が生まれます。要するに、各サイトに対して営業が必要になってくるということですね。

このテクニックは、SEO関連の情報を発信する米国メディア「BACKLINKO」で紹介されました。「最も高いビルよりも高いビルを作る」という思想から生まれたため「スカイスクレイパー(空を削る)」という名前になったそうです。

発リンクしている各サイトは、利用者にとって利便性の高いコンテンツをリンクしたいはずです。営業メールと同じ要領で「もしよろしければ、私が作成した記事をリンクしていただけると幸いです」といった文章を付け加えるのがポイント。

競合記事に発リンクしているサイトの数%が、自社の記事に発リンクを乗り換えてくれれば作戦成功です。

「既存のコンテンツよりも良いものを作る」のはSEOの基本ですが、作成したコンテンツを「被リンク元にメールで送信する」という点が戦略的。BACKLINKOで実際にスカイスクレイパーテクニックを実践したところ、被リンク数が爆発的に増えたそうです。

スカイスクレイパーテクニックの事例

サイト全体のオーガニック検索トラフィックも、14日間で2倍になったとのこと。

アクセス解析結果

被リンク獲得の好影響を存分に受けた良い例と言えます。

参考:BACKLINKO

クライアントの事例紹介記事

クライアントがいる事業者であれば、事例紹介記事を作って被リンク獲得に繋げることもできるでしょう。

  1. 事例紹介コンテンツを作成
  2. クライアントに連絡
  3. 被リンク獲得

クライアントのサイトから被リンクを得られれば、自社サイトのドメインパワーが上がる効果も期待できます。

調査データをまとめて記事にする

コンテンツの説得力をグッと高める調査データを、自ら作成することで被リンク獲得しやすくなります。

例えば、以下のようなコンテンツには事実を調査したデータが必要です。

  • 家電量販店の売上げランキング
  • ECプラットフォームの利用者数
  • 副業している会社員の数

ほとんどの場合、国や調査機関が提供していますが、中には調査データがないことも。自社ですでにある調査データが活かせるケースもあるでしょう。貴重なデータを公開することで、被リンク獲得に繋げる作戦です。

相互リンク

自社または自社サイトと関連性が高いサイトは、相互リンクすることで良い効果が得られます。

Googleは「過剰な相互リンク」をガイドライン違反としているものの、明確な判断基準を設けているわけではありません。そのため、ジャッジが難しいところですが、重要なのはリンク元の質や関係性になるでしょう。正しく相互リンクをすることは、利用者にとっても役に立ちます。

サイト運営をしていると「相互リンクのパートナーになりませんか?」といった営業メールが来ることもあるでしょう。しかし、無闇に相互リンクすると、ペナルティを受ける原因になってしまうものです。

相互リンクは、相手をしっかり調べた上で実施するか検討するようにしましょう。

参考:ガイドラインの概要

リンク切れ

はじめに、競合サイトが作成したコンテンツで紹介されている、サービスや商品にリンク切れがないかチェックします。

次に競合サイトへリンク切れしていることをメールします。この時、ついでに自社のコンテンツを発リンクしてほしい旨も記載しておきましょう。リンク切れをキッカケに、被リンクを獲得できるかもしれません。

リンク数が必然的に増える「まとめ記事」や「ランキング記事」などは、リンク切れを見つけやすいのでおすすめです。

他サイトのリンク切れは「dead-link-checker.com」で確認できます。リンク切れをチェックしたいURLを入力して「チェック」をクリックすればOKです。

また、サイトにWordPressプラグイン「Broken Link Checker」を有効化しておくと、リンク切れになった瞬間に通知して教えてくれるようになります。

被リンクの獲得状況をサチコで調べる方法

Googleサーチコンソールを使えば、被リンクの獲得数をチェックできます。

>> Googleサーチコンソールはこちら

サーチコンソールの左側にある「リンク」をクリックしてください。

Google Search Console

「外部リンク」の項目内にある「上位のリンクされているページ」は、被リンクを獲得しているページです。「上位のリンク元サイト」は、発リンクしているサイトになります。「詳細 >」をクリックすると、個別に被リンクを確認することも可能です。

Google Search Console

各項目を確認すれば、自社サイトにとって良くない被リンクの発見にも繋がるでしょう。利用者やSEOを考慮して、被リンクの質も厳選してみてください。

まとめ

被リンクを獲得することは、アクセスアップや検索順位の向上など、様々なメリットが得られます。

ポイントは「Googleの評価が高く、関連性の高いサイト」から被リンクを獲得すること。関連性が低いサイトや、ツールで量産されたようなサイトからの被リンクは、SEO的に不利になるケースが多いです。

良い被リンクをもらう第一歩は、質の高いコンテンツ作りになります。

サイト運営の基本である良質なコンテンツが作れたら、SNSでシェアしてみましょう。コンテンツには適宣、発リンクやインフォグラフィックを挿入して信頼度を高める努力も大切です。

被リンク獲得に完成形はありません。あなたなりの戦略を導き出して、強いサイト作りをしていきましょう。