本稿ではPayPalを自社のECサイトの決済手段として利用する方法を解説します。PayPalはどなたでもすぐに利用できるため、スモールビジネスやデジタルコンテンツ販売に特に利用しやすい決済手段だと思います。現に弊社でも10年以上前からPayPalを主要の決済手段として利用しています。

PayPalとは?

PayPalはテスラやスペースXを創業したイーロン・マスクが過去に立ち上げたことでもよく知られていますね。

決済手数料3.6%から利用できるオンライン決済サービスで、ユーザーがPayPalアカウントを通して、相手に即座にクレジットカード・デビットカード・銀行振込による資金送金が可能です。

PayPalは海外のECサイトでは主流で利用者も多い決済手段のため、海外展開の際にも有効です。クレジットカードで直接資金を受け渡しするよりも、PayPalを通して決済するほうが安全(信用できる)というユーザーもいるため、PayPal決済を好むユーザーが海外には少なくないためです。

PayPal送金のメリット

  1. 入金サイクルが早い
  2. デジタルコンテンツなら自動発送できる(条件あり)
  3. 豊富な決済手段(クレジットカード,銀行振込)
  4. 決済手数料が比較的安い

私がPayPalを使いだした一番の理由は1と2でしょうか。顧客から送金されてから1-3営業日程度で口座に資金が振り込まれます。決済代行会社と提携すると通常は月末締め翌月末払いといった契約が多いのですが、この入金サイクルの速さは「送金」という概念ゆえにでしょう。

また、弊社はWordPressテーマというデジタルコンテンツを扱っているため、決済後に商品を自動的に納品する仕組みが必要です。PayPalにはサンキューメール機能がありませんので、外部ツールを使うことでこれもクリアできました。

というわけで、年商1億以下のECビジネスであれば、PayPalと銀行振込(自社の銀行口座に直接送金)の2パターンの決済手段だけでも十分対応できると私は考えたわけです。弊社はすでに年商5億に近づいていますが、それでも上記の決済手段だけで対応できています。

PayPal送金の設定方法

それでは具体的にPayPalを使った決済フォームの作り方を解説しましょう。PayPalのビジネスアカウントを作成してください。アカウント登録についてはこちらの記事を参考にしてください。

管理画面にログインした段階から解説します。

決済フォームを作成する

PayPal管理画面

メニュー【ツール】→【すべてのツール】を選択します。

PayPal決済フォーム
「決済ボタン」を開きます。

決済フォームの種類
様々なボタンが用意されていますが、ここでは記事の趣旨に従ってもっともシンプルな「今すぐ購入」ボタンを選択します。

「今すぐ購入」ボタンの特徴は、決済フォームと決済リンクのURLの2つを発行できることです。単一商品の販売(送金)に便利な決済手段です。

商品情報を入力
商品の価格等を入力します。
商品名:
商品ID:
価格:
税率:未使用の場合は空欄に

PayPal在庫管理
在庫状況を入力します。デジタルコンテンツの場合は在庫に制限はないので入力不要です。

チェックアウト後の入力
チェックアウトページをカスタマイズします。最低限、決済後・決済キャンセル時のリダイレクト先URLは設定しておきましょう。

すべての設定が完了したら「ボタンを作成」で完了すると、下記の通り各種コードが生成されます。

決済フォームのコードを生成

決済フォームのコードを生成
コードをコピーして、サイトに貼り付けます。

決済リンクURLを生成

決済リンクを生成
URLをコピーして、貼り付けます。サイトに貼り付けることも可能です。

例えば、「ANTHEM」テーマであれば、リンクボタンの「URL」にPayPalで発行された決済リンクを入力して利用できます。

デジタルコンテンツの自動発送をサポートするツール

PayPalは決済後にサンキューメールを自動で送信することができません。デジタルコンテンツの場合は商品の発送をサンキューメールで行うことが多いため、悩ましい問題です。というわけで、サンキューメールを自動配送するツールをご紹介します。

オートメール for PayPal(有料)

弊社でも10年ほど使っているツール。サーバーにアップして使います。

決済後にサンキューメールが自動送信されるだけのツールですが、サンキューメール内にダウンロードURLを通知しておけば、データ販売はこれでOKです。非常に便利なツールですね。

オートメール for PayPal

PayMail(無料)

無料でもあるんですね。使用経験がない為、どうなのかは分からないですがサンキューメールが自動送信される機能は問題なく実装されているようです。しかし、こんな便利な機能がなぜ無料なのでしょうか・・・。

PayMail

最初はシンプルな決済手段にし、
後々カートを導入すればよし。

本稿ではショッピングカートを導入しない場合の決済手段として、PayPalの送金機能をご紹介しました。TCDでもこの決済方法は10年間利用してきましたので、おすすめできる手段です。

一方で、商品点数が多いECサイトであれば、ショッピングカートを導入するメリットは大きいです。なぜなら、商品の複数購入が期待できるからです。本格的なECサイトを構築したい場合はこちらのWordPressテーマ(WooCommerce,Welcart)をご利用ください。いずれもショッピングカートに対応しています。

ECサイト構築用WordPressテーマ

決済フォームをつくったら、決済テストも行なっておきましょう。ダミーのアカウント情報で簡単に検証できる方法をご紹介しています。