インターネットを閲覧するブラウザにChromeを使っている方は多いですよね。拡張機能も豊富で人気ですが、使い込んでいると動作が重たくなることもあります。そこで今回は、Chromeの動作が重くなった時の対処方法をいくつかご紹介いたします。

Chromeの動作が重い原因と対策

Chromeの動作が重たい場合の原因について、よくあるパターンをいくつかピックアップしました。原因別の対策を後述しますので、関連してそうなものをチェックしてみてください。ひとつずつお試しいただければ、Chromeの動作はほぼ確実に改善されると思います。

メモリ不足

これは根本的な原因ですが、PC自体のスペックの問題となります。そのままですが、PCのメモリを増設するか、メモリの大きなものに買い換える対策が必要です。

PCのメモリというのは、一般的に大きいほど複数の処理を同時に行えると覚えておけばOKです。データを保存できるPCの容量(入れ物の大きさ)ではなく、複数のタスクを同時にこなせる指標(作業テーブルの大きさ)として考えるとイメージがつきやすいかもしれません。

メモリ(作業テーブル)が小さいと同時に行える作業量が少なり、動作が重たくなるという理屈です。

Chromeのバージョンが古い

ご利用のChromeのバージョンが古いと動作が重たくなることもあります。

chromeのバージョンが古い

このように表示されている場合は、クリックして最新版に更新しておきましょう。更新するとChromeが再起動されますが、開いていたタブはすべて復元されるのでご心配はいりません。

ネット環境が良くない

根本的な問題ですが、ネット環境が悪い場合は、当然動作が重たくなります。

スマホのテザリングなどを使って出先で作業する場合などは、ネット環境が悪くなることも想定しておき、あらかじめ重たいファイルをダウンロード(アップロード)しておいたり、ローカルでできる作業のみを行うのが賢明ですね。

閲覧しているサイトが重たい

サイズの大きな動画がセットされていたり、アニメーションが多いサイトの場合、スムーズに読み込みができないことがあります。こういったケースの場合は、基本的に閲覧者側では制御できません。

サイト側の問題ですので、他の対策をすべて行っても動作が改善されない場合は、サイトの管理者が対策するのを待ちましょう。

閲覧履歴の肥大

長期間Chromeを使っていると、閲覧履歴が肥大して動作が重たくなります。デフォルトでは過去90日保存されるので、定期的に削除することで対策できますが、標準の機能だけでは痒い所に手が届かないんですよね。

なぜなら、現在から過去最大4週間までの履歴、もしくはすべての履歴を削除することしかできず、最近の履歴を残したまま古い履歴のみを一括削除することができないからです。

最近の履歴は残したまま、古い履歴のみを削除できる下記の拡張機能が便利です。

拡張機能「History Limitter Custom」のイメージ

History Limiter Custom

使い方は、履歴の保存日数をセットしておくだけです。あとはバックグラウンドで自動で削除されます。

「History Limiter Custom」の使い方1

拡張機能の設定画面より「オプション」を開くと日数の設定画面が開きます。

「History Limiter Custom」の使い方2

このようにデフォルトでは100となっていますので、過去100日間の検索履歴は保存されますが、それ以上古い履歴は削除されるということです。30と設定すると、過去1ヶ月間の検索履歴より古いものは自動で削除されるようになります。

ちなみにゼロにすると履歴は完全に記録されなくなりますが、アクセスしたことのあるページのURLが履歴から削除され、新しいタブページに表示されるショートカットも削除されます。

よくアクセスするサイトのURLもアドレスバーの予測候補に表示されなくなるので、ある程度は履歴を残しておく方が使いやすそうですね。

キャッシュの蓄積

閲覧履歴と同じく、キャッシュもどんどん蓄積されていきますので、Chromeの動作を重くする原因になります。本来はページを素早く読み込むための役割を担っているのですが、溜まりすぎると作業用のメモリを圧迫してしまうからです。

キャッシュを削除してもログイン情報やパスワード、フォームの入力履歴などは削除されませんので、ご安心ください。以下のショートカットキーで「キャッシュされた画像とファイルの削除」の画面が開きます。

Win:Ctrl +Shift +Delete
Mac:Command +Shift +Delete

ブラウザ別の操作方法については下記記事でご紹介しております。

クッキーの蓄積

こちらもキャッシュと同じく、蓄積されすぎるとChromeの動作が重たくなります。定期的に不要なクッキーを削除することで動作を改善できるかもしれません。

ただすべてのクッキーを削除すると記憶されていたログイン情報等がすべて消えてしまい、少し不便ですよね。下記記事では特定のサイトのみのクッキーを削除する方法もご紹介しています。よろしければ参考にご覧ください。

ブックマークが多すぎる

Chromeに保存しているブックマークの数が多すぎても、動作を重たくしてしまうことがあります。これが原因でページの読み込みスピードの妨げになってしまうのです。

あまり使わないブックマークは削除して、整理するようにしましょう。

また、仮にすべてのブックマークを削除した場合に動作が軽くなるか検証したい際は、既存のブックマークをエクスポートしておくことで後からかんたんに復元可能です。詳しくは下記記事をご覧ください。

拡張機能の入れすぎ

Chromeには便利な拡張機能が豊富にありますが、入れすぎると動作を重たくする原因にもなります。利用していない拡張機能は整理して削除しておきましょう。

タブの開きすぎ

後で見るかもと思って、ついついタブを開きすぎてしまうこともありますよね。どのブラウザでも同じですが、タブを開きすぎると動作は重たくなります。Chromeも例外ではありません。定期的に不要なタブを閉じることで、動作を軽量化できるかもしれません。

多数のタブを開きながらもメモリを節約したい場合は、下記の拡張機能が便利ですので、よろしければご覧ください。

重たいタスクがメモリを消費している

諸々試してもChromeの動作が改善されないときは、タスクマネージャを使って何のタスクにメモリが消費されているのかを確認します。

Chromeの画面右上の「⁝」から「その他のツール」を開き、「タスクマネージャ」を開きます。

タスクマネージャ

下記画面が開いたら、「メモリ使用量」や「CPU」の部分をクリックして、使用量の多い順にソート可能です。そこから不要なタスクを選択して右下の「プロセスを終了」でメモリを節約できます。

タスクマネージャの画面

「GPUプロセス」や「ユーティリティ:〜」はChromeを動かすためのプロセスにつき、削除しても瞬時に復活します。それ以外のメモリ使用量の多いものや、CPUを圧迫しているものを終了しましょう。

Mac専用ですが、PCのメモリを解放できる無料ツールもございます。よろしければ参考にご覧ください。

ページのプリフェッチが無効になっている

ページのプリフェッチとは、ユーザーが開く可能性のあるページを事前に読み込む機能です。Chromeに標準実装されています。この機能を有効にするとページを素早く開けるようになります。

Chromeの画面右上の「⁝」から「設定」を開き、「プライバシーとセキュリティ」の中の「Cookie と他のサイトデータ」をクリックします。

ページのプリフェッチ設定箇所

ページの下部にある「ページをプリロードして、閲覧と検索をすばやく行えるようにする」を有効化します。

ページのプリフェッチ設定箇所2

設定はこれで完了です。ここは常にonにしたままで良さそうです。

まとめ

Google Chromeの動作が重たい時の原因と対策をご紹介いたしました。そもそものPCのスペックやネットワーク環境のほか、個別で対策できることも多くありますね。

ブラウザの動作が重たいと何をするにも煩わしいと思いますので、ぜひ当記事を参考に対策してみてください。一般ユーザーの方はもちろん、Web関連の仕事をされている方のお役にも立てれば嬉しいです。