メールやチャットツールで動画を送受信するシーンは少なくありません。特にWebやアプリ開発に携わる業界では、動画で動きや不具合を共有することもあるでしょう。

しかし、動画の容量が大きいと、送信やダウンロードに時間がかかります。時間がかかると煩わしいだけでなく、通信環境によっては確認すらできないこともあります。

というわけで今回は、macで動画のファイルサイズを圧縮する方法をご紹介いたします。Macならデフォルトの機能のみで簡単に圧縮可能です。

Macのデフォルト機能のみで動画サイズを圧縮する方法

Macではデフォルトの機能のみで動画サイズを圧縮する方法は2つあります。

1つ目は、動きなどを確認したいだけの(クオリティを無視できる)場合に使える方法で、2つ目はできるだけクオリティを維持したままファイルサイズを圧縮したい際におすすめです。

それぞれ見ていきましょう。

右クリックでエンコードして圧縮

まずは、一つ目。任意の動画ファイルを右クリックしてエンコードするだけで簡単に圧縮できます。

右クリックでエンコード

例えば、下記のようにある動画ファイルを「H.264 480P」を選択してエンコードすると4.1MBまで圧縮できました(オリジナルの動画ファイルサイズは約240MB)。

H.264 480Pでエンコード

圧縮前 圧縮後
拡張子 .mov .mov
画面の大きさ 1920×1080 640×360
動画ファイルの大きさ 240MB 4.1MB

ここでは詳しく触れませんが、H.264という動画コーデックでYouTubeの画質の480P相当のクオリティに圧縮したと思っていただいて支障はありません。ただし、お察しの通り、動画の物理的なサイズ(画面の大きさ)まで小さくなっているんですよね。

動作確認のための一時的な動画等であれば、この方法が最も簡単かもしれませんが、映像のクオリティまで落ちてしまいます。そのため、サイト内に設置する動画などにはオススメできません。

そういう場合は、「HEVC 1080P」などを選択してエンコードしましょう。

HEVC 1080Pでエンコード

これは、HEVC(=H.265)という動画コーデックでYouTubeでいう1080P相当のクオリティに圧縮すると思っていただければ大丈夫です。この方法でテストしたところ、約240MBあったmov形式の動画サイズが、12.2MBまで圧縮されました。動画の画面サイズはそのままでクオリティにも大きな差は無いようです。

圧縮前 圧縮後
拡張子 .mov .mov
画面の大きさ 1920×1080 1920×1080
動画ファイルの大きさ 240MB 12.2MB

ただひとつ難点があり、HEVCという動画コーデックで圧縮したものは、最新のOSやデバイスのみで対応しており、一部の環境ではスムーズに再生できない可能性があります。

動画を共有する相手や閲覧される環境に合わせてエンコードしなければなりません。

iMovieで書き出して圧縮

そこでもうひとつ、MacにデフォルトでインストールされているiMovieを使って圧縮する方法をご紹介いたします。この方法であれば、mp4形式で書き出すことができます。多くのデバイスで再生可能なmp4形式の動画に変換して圧縮可能です。

できるだけクオリティを保ったまま容量のみを圧縮できます。

iMovieは、Macにデフォルトでインストールされているアプリなので、Spotlightやランチャーアプリなどを使ってスムーズに起動いただけます。デフォルトでは「Control」キー+「スペース」キーで起動して「iMovie」と入力して検索できます。

spotlightで検索した例

おすすめのランチャーアプリはこちらでもご紹介しています。

起動した後は、アプリ内に圧縮したい動画ファイルをドラッグ&ドロップします。

iMovie起動直後の画面

ドロップ後に画面右上からファイルを選択して書き出す準備をします。

書き出しの準備

品質を最高(ProRes)以外にするとmp4形式で書き出されます。

品質で「カスタム」を選択して調整する画面

また「カスタム」を選択すると上記のようにつまみが表示されるので、手動で品質を調整可能です。左側に予想されるファイルサイズが表示されるので、参考に調整してみましょう。今回の例では12MBを切るように調整してみました。

ここまで下げてもmp4形式であれば、クオリティの劣化は気になりませんでした。お好みの度合いで調整してみてください。

圧縮前 圧縮後
拡張子 .mov .mp4
画面の大きさ 1920×1080 1920×1080
動画ファイルの大きさ 240MB 11.7MB

同じ画面サイズで、ほぼクオリティを保ったまま動画のファイルサイズを圧縮できましたね。MP4形式なら多くのデバイスで閲覧可能なので、もっとも汎用性のある形でファイルサイズを圧縮できたといえます。

まとめ

Macのデフォルトの機能だけで、動画のファイルサイズを圧縮する方法をご紹介して参りました。

もっとも手軽でスピーディなのは動画ファイルを右クリックしてエンコードする方法ですが、mp4形式に変換することはできません。元々インストールされているiMovieを使えば、mp4形式に変換して圧縮可能です。ですので、以下のように使い分けてみるのもいいかもしれません。

用途別にスマートに動画を圧縮してみてください。当記事が参考になれば幸いです。