アプリやソフトウェアでよく目にするバージョン。「働き方2.0」や「Web3.0」などの表現にも使われていますよね。

バージョンはエンジニアだけのものではなく、書き方を覚えれば、一般的なファイルや資料の管理等にも役立ちます。というわけで今回は、誰もが使えるバージョンの書き方ついてご紹介いたします。

バージョンの書き方

アプリやソフトウェア開発者以外でも、資料やファイルを編集した際にバージョンを付けておくと管理しやすくなります。ご紹介する書き方を参考に活用してみてください。

バージョンの区切りは小数点ではない

「2.0」という数字は、小数点で区切られているわけではありません。

これは、セマンティックバージョニングと呼ばれるバージョニング方法に基づいた記述であり、少数点のように繰り上がることはありません。

各数字がそれぞれのバージョンを示しており、3桁の数字で書かれていることが多いです(3桁目が0の場合は省略されることもあります)。例えば、Ver.2.3.1の場合、読み方は「バージョンにてんさんてんいち」となり、次の章で説明する意味ごとに「.」で区切られています。

バージョンの各数字が持つ意味

「.」で区切られている数字は、次の意味を持ちます。

バージョンの書き方

それぞれバージョンアップの規模に応じて使い分けられます。以下はアプリを例に説明していますが、変更内容の規模を一般的な資料などにも応用可能です。

  • メジャーバージョン・・・大部分のデザインや機能が変更されたとき(変更内容「大」)
  • マイナーバージョン・・・一部機能の改善や、細かい追加機能が実装されたとき(変更内容「中」)
  • パッチバージョン・・・軽微なバグの修正や誤字や注釈表現を変更したとき(変更内容「小」)

明確な定義はありませんが、上記のような認識を持っていれば、バージョンアップする側も、確認する側(ユーザーや自分自身)もどういった変更が行われたのか大まかに想像がつきますね。

バージョンアップ時の注意点

バージョンアップ時の注意点は、次の四つです。

  • 繰り上げない
  • 欠番させない
  • バージョン更新時は、下位バージョンをリセットする
  • ゼロパディングを入れない

繰り上げない

例えば、「Ver.1.9.9」のファイルの誤字を修正したとしましょう。先ほどのバージョンの意味に基づくと、パッチバージョンの更新となり、「Ver.1.9.10」と更新するのが正解になります。

先述の通り「.」は小数点ではないので、「2.0」に繰り上がることはなく、そのバージョンの数字のみをカウントするからです。

欠番させない

欠番があると管理に支障が出るので、「Ver.1.2」でマイナーアップデートを行った場合は、「Ver.1.3」となるように、必ず1つずつ更新します。

バージョン更新時は、下位バージョンをリセットする

仮に「Ver.2.3.1」というバージョンをマイナーアップデートしたとしましょう。

その場合は、「Ver.2.4.0」となり、マイナーバージョンの下位であるパッチバージョンはゼロにリセットされます。この場合、パッチバージョンを省略して「Ver.2.4」としてもOKです。

ゼロパディングを入れない

桁数を揃えるためのゼロパディングは、「1201」などのように日付(12月1日)などを表す時に使われますが、バージョンでは使いません。

「Ver.15.01」などとはせず、「Ver.15.1」とします。

注意点をまとめると、バージョン更新時は下位バージョンをリセットし、数字の前にゼロは付けずに、「.」で区切られている数字ごとに1ずつ更新すればOKです。

バージョンで管理している例

バージョンの書き方に基づいて、実際に管理している例をご覧ください。

一般的なファイルの管理例

Excelやスプレッドシートなどで一般的な資料や表を管理する際に、ファイル名の末尾などにバージョンを記しておくことで、管理しやすくなります。

スプレッドシートのバージョン管理例

ファイル名との間位に「-」か「_」を使うか、先頭か末尾に記載しておくかはチームと相談して決めるといいでしょう。個人で管理している場合でも、バージョンを付けておくと見やすいのでオススメです。

どのバージョンで、どれほどの変更が行われたのか一目瞭然になります。

ソフトウェアやアプリケーションの管理例

書き方がわかれば、お使いのソフトやアプリのアップデート情報もわかりやすくなります。弊社TCDのアップデート情報を参考にご覧ください。

例えば、以下のWordPressテーマ「KADAN」のアップデート。

>>【KADAN】Ver1.9.2→1.10

マイナーバージョンの数字が9から10に更新されており、マイナーアップデートとわかります。中規模の変更があったということです。パッチバージョンの「2」は、ゼロにリセットされて省略されています。省略しない場合は、「Ver1.10.0」となります。

続いてこちらの例。

>>【Muum】Ver1.2.6→2.0

メジャーバージョンが1から2に変更されているため、大規模な変更があったことがわかります(大規模なUI変更を行いました)。メジャーバージョンが更新されたので、下位バージョン(マイナー、パッチ)はリセットされています。

まとめ

バージョンの書き方について解説いたしました。

一度書き方を覚えると、自分自身や企業内でのファイル管理に活用できたり、アプリやソフトのバージョンアップの内容も直感的に想像がつくようになります。ぜひ非エンジニアの方も活用してみてください。