2025年8月に公開されたGoogleの画像生成AI「Nano-Banana(Gemini 2.5 Flash Image)」は、いま世界中で注目を集めている最新のAIモデルです。

一風変わった名前ではあるものの、従来のツールでは難しかった“同じキャラクターを一貫して登場させる”ことを得意とし、幅広いクリエイティブで力を発揮します。

本記事では、豊富な生成例を交えながら、その特徴や使い方、注意点をわかりやすく紹介していきます。

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Nano-Banana(ナノバナナ)とは?

Nano-Bananaで生成

「Nano-Banana」は、Googleが開発した最新の画像生成AI「Gemini 2.5 Flash Image」に付けられた愛称です。海外メディアやGoogle公式でもこの呼び名が使われており、ユニークな響きながらも中身は正真正銘GoogleのAIモデルです。

なお、専用アプリとして独立しているわけではなく、GeminiやGoogle AI Studioを通じて利用できます

Nano-Banana(ナノバナナ)の特長

Nano-Bananaの特長は、これまで専門的なツールや高度なスキルが必要だった画像編集を、誰でも直感的に扱えるようにした点にあります。

ポイントは、次の4つです。

  1. 同一キャラの一貫性
  2. 複数画像の合成
  3. 段階的な編集
  4. 「~して」で即生成・編集

それぞれについて、詳しく解説していきます。

同一キャラの一貫性

これまでの画像生成AIでは、同じ人物や被写体を複数枚にわたって登場させようとすると、顔立ちや髪型、服装がバラついてしまうのが大きな課題でした。たとえば1枚目では笑顔でも、2枚目では全く違う表情になるといった「崩れ」は当たり前だったのです。

しかし、Nano-Bananaはこの弱点をほとんど克服しました。複数枚を生成しても、人物の特徴がぶれにくいです。

複数画像の合成

Nano-Bananaは、複数の画像を組み合わせて1枚に仕上げられます。

たとえば「人物写真に小物を加えたい」「バイクの写真を絶景の風景に溶け込ませたい」といった合成はもちろん、実際の花の画像を取り込んで花柄の服を作るといった応用まで可能。その自由度は非常に高いといえます。

段階的な編集

生成した画像をベースに、段階的な編集を積み重ねていけるのもNano-Bananaの特徴です。

たとえば自分の部屋の画像をアップロードし、まず壁紙の色を変え、次にソファを配置、さらにデスクやフロアライトを追加する、といった具合にイメージを少しずつ形にしていけます。

「~して」で即生成・編集

「同一キャラの生成」や「複数画像の合成」などの高度なことも、「~して」と直感的に指示するだけで即座に反映されます。

従来のようにPhotoshopやIllustratorといった専門ツールを使いこなす必要はなく、かかる時間もごくわずか。テキスト入力だけで高度な編集を実現できる──まさに画像編集の「民主化」を象徴する画期的な進歩といえるでしょう。

Nano-Banana(ナノバナナ)の使い方

それでは、Nano-Bananaの具体的な使い方を、【基本】と【応用】に分けて解説していきます。

基本編では、AI Studioを使ったシンプルな画像生成、そしてテキストによる簡単な編集まで。応用編では、複数画像の合成や段階的な編集、キャラクターの一貫した活用法など、さらに実践的な使い方を見ていきましょう。

【基本】Google AI Studioでの生成・編集フロー

まずは基本の使い方からです。

STEP.1 Google AI Studioにログイン

Google AI Studioにアクセスし、Googleアカウントでログインしましょう。

ログインが完了したら、右上のモデル選択タブから「Nano Banana」を選択します。

STEP.2 プロンプトを入力して画像を生成する

それでは入力バーにプロンプトを入力して、画像を生成してみましょう。今回は以下のプロンプトを入力してみました。

「黒髪ロングヘアの日本人男性が、青いシャツを着て公園のベンチに座っている写真を生成して。背景には緑の木々を入れてください。少しアップ気味で」

そして生成されたのが、上記の画像です。プロンプト通りの画像を生成してくれましたね。

ただ、こういった「シンプルな画像生成」だけでは、これまでの画像生成AIとさほど違いはありません。

STEP.3 画像を編集する

ここからがNano-Bananaの真骨頂です。先ほど生成した画像に編集を加えていきましょう。

「服装をアロハシャツに変えて、メガネを掛けさせて」というプロンプトを追加で入力してみます。

表情や画角、背景、ベンチの形状など、すべてを保ったままアロハシャツとメガネが追加されましたね。

さらにここに、「バナナを食べさせて」というプロンプトを入力するとどうなるでしょうか。

すると、さきほどのアロハシャツを着てメガネを掛けた男性が、バナナを食べている様子の画像が生成されました。

この一貫性が、Nano-Bananaの大きな強みです。

【応用①】複数画像を組み合わせて1枚に仕上げる

続いては応用編です。

Nano-Bananaは、異なる画像を組み合わせて新しい1枚に仕上げられます。今回は例として、まずは「赤・黄色・青の花」と「無地のドレスを着た女性」の画像を生成してみました。

次に「花の模様をドレスに反映して」と指示すると、

ご覧のとおり、ドレス全体が豪快な花柄に変化しました。かなり派手な仕上がりですが、これもまたAIならではの自由さを実感できるポイントです。

【応用②】段階的に編集を重ねる

まずはまっさらな部屋をNano-Bananaで生成しました。

ここに「壁紙をピンクに」「左側の壁面に本棚を追加」「右側に緑色のソファを追加」と順番に指示していくと、

このように、段階的に完成形へと近づけられます。

【応用③】顔だけのアップ画像から全身を生成

さきほど登場した「バナナを食べている男性」の画像をもとに全身画像を生成してみましょう。

「同じ人物の全身を見せて」

さらに「ドロップキックさせて」と指示すると、

見てのとおり、動きやポーズの追加にも対応します。

【応用④】統一感のあるアイキャッチやサムネイルの生成

Nano-Bananaを使えば、自分で作ったキャラクターや架空の人物を、アイキャッチやサムネイルに繰り返し登場させられます。

今回は実際に、Canvaで用意した「NANOBANANA」と書かれた背景に、先ほどの男性をスーツ姿に変えて合成してみました。

プロンプトは次のとおりです。

「最初の画像の男性を2番目の背景画像の左側に配置し、アイキャッチ画像を作成して。男性には、スーツを着せてセミナー風にして」

続いて、この男性が驚いているような画像を生成してみます。

こうした使い方により、アイキャッチやサムネイルに統一感が生まれ、ブランドの世界観を自然に演出できます。

【応用⑤】9枚の画像で物語を紡ぐ

Nano-Bananaのおもしろい使い方のひとつが、複数の画像を連続させてストーリーを作ることです。

今回はアニメ風に変換した先ほどの男性キャラクターを使い、9枚の画像だけで物語を表現してみました。

プロンプトは次のとおりです。

「9枚の画像を使って、この男性が主人公のストーリーを創作してください。平凡な日常から始まり、謎の光に包まれてヒーローに変身し、怪物との戦いで敗北するが、“闇の自分”と戦い、最後にはその力を受け入れて真のヒーローとなり街を守る9部構成の物語を描いてください。各画像は言葉やテキストを入れず、感情の起伏が分かるようにしてください。」



プロンプトの内容を再現した、それっぽい9枚が完成しましたね。

プロンプトを書くときのちょっとしたコツ

Nano-Bananaで狙った画像を出すには、ただ単語を羅列するよりも「シーンを細かく描写する」書き方のほうがうまくいきます。Google公式もこの方法を推奨しています。

たとえばフォトリアルな人物を作りたいなら、次のような要素を入れると効果的です。

  • 被写体(誰が、どんな姿で)
  • 動作や表情
  • 撮影場所や背景の様子
  • 光の当たり方や雰囲気
  • カメラやレンズの設定

例文:

「年配の陶芸家が工房で茶碗を見つめている。夕方の柔らかな光が窓から差し込み、表情や器の質感を際立たせる。85mmレンズで撮ったように背景は柔らかくぼかして」

Nano-Banana(ナノバナナ)の料金プラン

Nano-Bananaを試すだけなら「Gemini」アプリや「Google AI Studio」を通じて無料で利用できます

一方で、API経由だと有料となります。 この場合は使った分だけ料金がかかる従量課金制で、1枚あたりおおよそ数円程度。料金が発生するのはあくまでAPI利用時のみなので、「知らないうちに課金されていた」という心配はありません。

無料利用時には画像の右下にひし形の「Geminiマーク」が表示されますが、API経由ではこのクレジットが入らないため、商用やクリエイティブな制作にはこちらの選択肢が向いています。

Nano-Banana(ナノバナナ)の活用シーン

ここからは、Nano-Bananaを実際にどのように使えるのか、具体的なシーンを紹介していきます。

  1. アイキャッチやサムネイル、広告バナーの生成
  2. SNS投稿の世界観をそろえる
  3. 記事内容に合わせたオリジナル画像を生成
  4. 撮影イメージのバリエーション検討
  5. インテリアシミュレーションに活用

順番に詳しく見ていきましょう。

なお、ここで取り上げるのは代表的な5つの例にすぎません。アイデア次第で、さらに幅広い活用が期待できます。

アイキャッチやサムネイル、広告バナーの生成

先ほども説明しましたが、アイキャッチやサムネイルの制作にはやはり効果的でしょう。同じキャラクターを継続登場させると、ブランド想起が高まりやすくなります。

さらにキャンペーンバナーや広告に応用すれば、期間ごとにデザインを変えても、全体として統一感のある印象を保てます。

SNS投稿の世界観をそろえる

Nano-Bananaを活用すれば、SNSに投稿する画像に一貫した世界観を持たせられます。

実際に、さきほどの男性を使い回して「カフェテラス」「ジェットコースター」「公園でランニング」といったシーンを作成しました。異なる背景やシチュエーションでも同じ人物が登場することで、投稿全体のトーンが揃います。

今回は人物を題材にしましたが、同じようにオリジナルのキャラクターやブランドモチーフを一貫して使うのも有効でしょう。

記事内容に合わせたオリジナル画像を生成

たとえば「ノウハウ記事」や「ハウツー記事」の場合、ホワイトボードの前で指し棒を持ち、解説している人物のイラストを生成して挿入するといった具合です。

従来は素材探しや撮影が必要でしたが、Nano-Bananaなら必要な画像を短時間で生成できます。

撮影イメージのバリエーション検討

続いては「撮影イメージのバリエーション検討」です。

例としてシューズブランドであれば、自社のシューズ画像をNano-Bananaにアップロードし、着用シーンのイメージを生成するといった活用が考えられます。

実際にスニーカーの生成画像をもとに、先ほどの男性モデルに履かせてみました。

このように「1枚の商品画像からイメージカットを無限に展開できる」という特徴を活かせば、撮影前に仕上がりイメージを検討する際に役立つはずです。

インテリアシミュレーションに活用

部屋のインテリアを考えるときにも活用しやすいです。自分の部屋の写真をアップロードし、欲しい家具やインテリアの画像も続けてアップロードします。

そのうえで「この位置にソファを置いて」「壁に絵を取り付けて」といった指示を出すと、配置後のイメージがすぐに反映されます。

家具を実際に購入してから「思っていた雰囲気と違った」と後悔するケースは少なくありませんが、事前にシミュレーションしておけばレイアウトの失敗を防ぎやすくなります。

Nano-Banana(ナノバナナ)の注意点

Nano-Bananaで生成された画像には、自動的に目に見えない電子透かし(SynthID)が埋め込まれます。これは「AIで生成・編集された画像であること」を識別する仕組みです。

また、生成結果が既存の著作物に酷似する可能性もあるため、著作権への配慮が欠かせません。特に既存ブランドやキャラクターに似たものを利用する場合は注意しましょう。

さらに、商用利用の可否や条件は利用規約やポリシーに従う必要があります。今後のアップデートで仕様やルールが変わる可能性もあるため、実際に利用する際は必ず最新の公式情報を確認してください。

まとめ

Nano-Bananaは、想像したアイデアを直感的に形にできるだけでなく、同じキャラクターや人物を繰り返し登場させることで、一貫した世界観をつくり出せるのが大きな強みです。

フリー素材に頼らず、自分だけのオリジナルビジュアルを自在に生み出せる──その体験は、まさにクリエイティブの新しい常識を切り拓くものといえるでしょう。

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