不動産業界では近年、特定の会社に所属せず、個人事業主(フリーランス)として活動する「不動産エージェント」が増えています。
この働き方は自分の裁量で自由に活動できる一方で、お客様を自ら獲得しなければならない課題を伴います。つまり、集客がうまくいかなければ収入が不安定になるため、事業の継続が困難です。
この記事では、不動産エージェントで効果が期待できる集客方法を詳しく解説します。
不動産エージェントとして働くメリット・デメリットを知りたい方、取得すべき資格を把握したい方も、ぜひ最後までお読みください。
目次
不動産エージェントとは?
不動産エージェントとは、特定の不動産会社に所属せず、個人事業主(フリーランス)としてお客様の不動産取引をサポートする専門家です。
不動産エージェントという働き方は、自由度の高い働き方です。不動産会社に勤めていると発生する雑務や資料作成といった業務がなく、営業活動に集中できます。内覧や契約などの営業活動時だけ働けば良いので、時間的な自由も効きます。但し、ベースの給与はない場合がほとんどで、フルコミッション型(完全歩合制)が一般的です。
コミッションの相場は、仲介手数料の50-80%が多く、売上や貢献度、エージェントの経験によって契約金額も変わります。
不動産エージェントになるには、賃貸売買での不動産営業の経験と営業力、そして不動産に対する深い知識が必要です。宅地建物取引士の資格を持っていると優遇されることはありますが、必須要件ではないことが多いです。それよりもこれまで不動産会社に勤めた経験年数や実績の方が重視されます。
不動産エージェントは、不動産会社と契約すれば、本業としても副業としても行うことができます。本業の傍ら、週末に内覧を案内するといった働き方も可能です。
不動産エージェントと不動産会社に勤める営業マン(サラリーマン)との違いは次の通りとなります。
待遇 | 不動産エージェント | 不動産会社所属の営業マン |
勤務日 | 自由 | 週5(1日8時間労働) |
報酬 | フルコミッション 仲介手数料の50-80% |
・月額給与 ・月額給与+インセンティブ |
仕事内容 | 営業活動のみ | 営業活動+雑務 |
集客 | 自分でやる必要がある | 会社がやってくれる |
不動産エージェントは契約のどこまでが業務?
不動産エージェントの仕事は、簡単に言えば、自分の顧客に対し、物件の仲介からアフターフォローまでが仕事です。
- 顧客に物件情報を提供
- 鍵の手続きや内覧
- 契約交渉
- 契約
- 顧客のアフターフォロー
契約書類は不動産会社が用意するケースがほとんどなので、エージェントが用意する必要はありません。重要事項説明も当人が宅建取引士でなければ、会社側がやってくれます。但し、契約内容を会社側に伝えたり、自身で書類を用意する必要もあるので、そこは注意が必要です。
不動産エージェントのメリット・デメリット
不動産エージェントという働き方には、メリットも多いですが、デメリットもあります。
不動産エージェントのメリット:
- 歩合率が高いので稼ぎやすい
- 毎朝出社しなくて良い
- 働く時間が自由
- 人間関係の煩わしさが少ない
不動産エージェントのデメリット:
- 経験の浅い営業マンにはキツい
- 収入が不安定
- 顧客を持っている必要がある
- 集客スキルが必要
不動産仲介関連サービスを提供する株式会社TERASSの調査によると、不動産エージェント(TERASSに専業で参画しているエージェント)の5割が年収1,000万円を超えているようです。
実力に自信のある営業マンは不動産エージェントになる方がメリットがあり、そうでない人は会社に所属していた方がメリットがあるでしょう。
不動産エージェントになるには?
不動産エージェントを募集している不動産会社と契約するところから始まります。募集している不動産会社は、「不動産エージェント」と検索すれば出てきます。そちらで条件の良い企業を選ぶと良いでしょう。
多くの不動産会社は、募集要項に宅建士や不動産経験3年以上と書かれているところが多いです。
小さい不動産会社でも不動産エージェントを募集しているケースは多いです。なぜなら、不動産会社にとってフリーの営業マンを囲い込むことは、コストもかからず、メリットが大きいためです。
また、小規模な不動産会社だと、営業活動や契約までの流れを最初はサポートしてくれたりするので、人脈さえあれば不動産をあまり知らない人でも契約してくれるところもあります。
不動産会社での営業経験が少ない人は、小規模な不動産会社を当たってみるのもひとつです。Googleマップ等で、お近くの不動産会社に電話やメールを送ってみると良いでしょう。
不動産エージェントの集客方法5選
不動産エージェントの集客方法は、大きく分けると5つあります。
- SNS
- ブログ
- ホームページ
- 人脈
- リピーター
それぞれ詳しく見ていきましょう。
SNS
手軽に始められる不動産エージェント集客は、SNSです。スマートフォンさえあれば出来るので、多くの不動産エージェントが実践しています。
SNS | 集客に適した物件タイプ | 特徴 |
---|---|---|
ファミリー向けの戸建て、賃貸物件 | 視覚的なコンテンツが強み。物件の魅力を写真や動画でアピールしやすく、ハッシュタグ機能でターゲットを絞りやすい。 | |
不動産投資物件、家族向け物件 | 具体的な情報を提供できるため、地域の魅力を紹介する場合に最適。ターゲット層に対する広告配信が可能。 | |
X(旧Twitter) | 若年層向けの賃貸物件 | 短文で情報を発信しやすく、拡散力が高い。特定の人物による情報発信がファン化につながる。 |
TikTok | 若年層向けの賃貸物件 | 動画コンテンツが主流。フォロワー外へのリーチが拡大しやすいほか、エンターテイメント性が高い。 |
YouTube | ルームツアーや物件紹介動画 | 動画による具体的な物件紹介が可能で、視覚的に訴求しやすい。内見をしているような感覚を提供できる。 |
Instagramで個人で集客しているエージェントはちらほら見かけます。業者だとYouTubeでお部屋紹介をやっているケースはよく見受けられます。
それぞれ異なる特性を持っているため、ターゲット層や物件の種類に応じて使い分ける必要があるでしょう。また、情報発信する側に立つことで信頼関係を築けるほか、成約に繋がる可能性が高まるでしょう。
ブログ
不動産エージェントの集客には、ブログの運営が欠かせません。
ブログでの情報発信は、SNSよりも濃い情報を発信できるので、信頼関係も結びやすく、成約件数にも影響しやすいです。「ブログをやるのは面倒・・・」と思う人が多いからこそ、成果に繋がるブログができた際にはリターンも大きいです。
ブログでは、住宅購入や売却に関する専門知識、住宅ローンの情報、地域の暮らしに関する記事などを発信すると良いでしょう。主な記事アイデアは、以下のとおりです。
記事のアイデア | 説明 |
---|---|
物件紹介 | 自社で取り扱う物件を紹介する記事。物件の特徴や周辺環境、価格などを詳しく説明することで興味を引く。 |
不動産用語の解説 | 一般の人には難しい不動産用語をわかりやすく解説し、読者の知識を増やして信頼を得る。 |
融資・税制・お金の話 | 住宅購入や賃貸に関連する税制や助成制度についての情報を提供し、読者の理解を深める。 |
住宅設備・機器 | 住宅の断熱性や耐震性など、設備や性能に関する情報を提供し、物件の価値をアピールする。 |
地域エリアの街紹介 | 自社が営業する地域の魅力や特徴を紹介し、地域に対する関心を高め、訪問者を引き寄せる。 |
お客様の成功事例の紹介 | 実際の顧客の体験談や成功事例を紹介し、信頼性を向上させ、他の見込み客の興味を引く。 |
市場動向やトレンド分析 | 不動産市場の最新トレンドや動向についての分析を行い、専門家としての立場を確立する。 |
DIYやリフォーム | 住宅の改装やインテリアに関するアイデアを提供し、読者の興味を引く。 |
お客様の疑問や悩みを解決するブログ記事を投稿すれば、専門家としての信頼性を高められるだけでなく、あなたにファンがつきます。そのようなブログは、もはや資産と言えるでしょう。
集客できるブログを作るなら、WordPressテーマ「PANDORA」で作るのが良いでしょう。デザイン性も高く洗練されているので、ライバルと差別化したブログが低コストで所有できます。
ホームページ
不動産エージェントとしての強みや実績をアピールするには、ホームページによる集客が有効です。
集客効果は、いくつかあります。
効果 | 説明 |
---|---|
信頼性の向上 | 洗練されたデザインと具体的な情報提供により、お客様に対して信頼を与えられる。 |
継続的な集客 | 情報を定期的に更新すれば、検索エンジンからの訪問者を増やせるだけでなく、安定した集客効果が得られる。 |
問い合わせの窓口 | 問い合わせフォームや連絡先情報を掲載すれば、お客様が簡単に問い合わせできる。 |
物件情報の提供 | 物件の詳細情報や写真、バーチャルツアーを掲載すると、お客様の興味を引けるほか、成約につなげられる。 |
SEO対策による検索順位の向上 | 適切なキーワードを使用すれば、検索エンジンでの上位表示を狙えるほか、多くの見込み客にリーチできる。 |
ユーザーエンゲージメントの向上 | インタラクティブなコンテンツやブログ記事を通じて、訪問者の関心を引き、サイト内での滞在時間を延ばせる。 |
地域密着型の情報提供 | 地域の特性や魅力を紹介すると、地域に根ざしたエージェントとしての認知度を高められる。 |
マーケティングツールとしての活用 | ホームページを通じてSNSやメールマーケティングと連携し、広範囲な集客戦略を展開できる。 |
ホームページは、お客様からの信頼を得るために欠かせないツールです。顔写真や自己紹介、これまでの実績などを掲載するだけでも、見る側に安心感を与えられます。
自身のポートフォリオサイトをつくるなら、信頼性を高める意味でもWordPressテーマ「BIJOUX」が作りやすいでしょう。
物件掲載を目的としたポータルサイトを作るなら、WordPressテーマ「GRAVITY」が良いでしょう。コストはかかりますが、不動産ポータルサイトの開発コストとを比べると圧倒的なコスパです。不動産ポータルサイトを運営すれば、集客力はライバルを大きく引き離すことができるので、コストをかけてでも作る価値はあります。
人脈
不動産エージェントにとって、人脈を活用した集客はきわめて重要です。なぜなら、成功しているエージェントの多くは、人脈や紹介から仲介数を伸ばしているからです。
友人や知人、以前のお客様からの紹介は、高い確率で成約に繋がりますし、クレームも少ない。
不動産は誰もが必要とするもの。衣食住のひとつですし、事業や投資で買ったり借りたりする人も少なくありません。日頃から誠実な対応を心がけ、自然な形で人脈を広げている人は、いつか自分を頼ってくる日が来るはずです。
リピーター
多くの人は、不動産を買ったり借りたりするのは、人生で数回ほどしかありません。頻繁に不動産屋で買い物するわけではないので、売り手の営業マン側も上っ面だけの適当な対応が普通になっています。
不動産の営業マンで、リピーターを大事にする人は残念ながら、ほぼ皆無です。1回きりで終わりの関係なので、「お金がたくさん入れば、お客がどうなろうとどうでも良い」と営業マンは考えています。これは本当に。
彼らはリピーターの顧客を一人も抱えていないことが多いです。大半が新規顧客なのです。
一度でも不動産屋に勤めたことがある人ならわかるでしょう?
安定的に高収入を得る不動産エージェントは、人脈や紹介の他にもリピーターを確実に持っています。「不動産で相談するならこの人」という状態をつくっているわけです。
年に数回以上取引のある顧客を10人以上、5−10年で1,2回取引がある顧客を100人以上持っていれば、常に回転するため、安定して高収入を得ることができます。
また、リピーターが紹介を呼び、人脈は広がっていきます。不動産エージェントの中には、ほぼ毎日アポが入っている人もいますが、そういった人はリピーターと良好な関係を継続しています。
リピーターになってもらうには、「正直不動産」を実行すること。目先の売上を優先している人は、不動産エージェントで長期的に食べていくことは難しいでしょう。
不動産エージェントとして働くメリット
不動産エージェントとして働くメリットは、3つあります。
- 高収入を目指せる
- 柔軟な働き方ができる
- 得意分野で勝負できる
それぞれ詳しく解説します。
高収入を目指せる
不動産エージェントは成果が収入に直接反映されるため、高収入を目指せるメリットがあります。
成約件数が増えるほど収入も増えるため、努力や能力次第では会社員の時よりも高い報酬を得られるでしょう。
参照元:PRTIMES
生産性が高められる環境を構築できれば、年収1,000万円を十分に目指せる働き方といえるでしょう。
柔軟な働き方ができる
不動産エージェントは自身の裁量で仕事を進められるため、柔軟な働き方が可能です。
特定の勤務時間に縛られず、お客様とのアポイントや物件の案内など、都合に合わせてスケジュールを調整できます。
これにより、プライベートとの両立がしやすくなるでしょう。
自由な働き方を望む方にとっても、不動産エージェントは良い選択肢といえるかもしれません。
得意分野で勝負できる
不動産エージェントは、得意な分野や専門性を活かして勝負できる点がメリットです。
たとえば、投資用不動産や高級物件、特定の地域に特化するなど、自身の強みを活かしたサービスを提供できます。
これにより、他のエージェントとの差別化を図れるため、ニッチな市場で成功できる可能性が高まるでしょう。
不動産エージェントとして働くデメリット
不動産エージェントとして働くデメリットは、以下のとおりです。
- 信用の獲得が難しい
- 自己管理が難しい
- 収入が安定しない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
信用の獲得が難しい
不動産エージェントとして働くデメリットは、信用の獲得が難しい点です。
会社員とは異なり、個人の信用のみで信頼を得なければいけません。したがって、実績が少ないうちはお客様からの信頼を得るまでに時間がかかるでしょう。
信用されるまでは、ホームページやSNSで実績や専門知識をアピールしていく必要があります。
自己管理が難しい
不動産エージェントは自身の裁量で仕事を進められる反面、自己管理が難しくなる傾向があります。
1人でスケジュール管理や業務の進捗管理を行わなければいけないため、高い自己管理能力が必要です。
仕事を計画的に進められないと、作業効率が悪くなるでしょう。
収入が安定しない
不動産エージェントのデメリットは、収入が安定しない点です。
会社員のように毎月決まった給料がもらえるわけではなく、成約件数に応じて収入が変動します。
時期や景気によっては大幅に減少する可能性があるため、常に収入が不安定になるリスクを考慮しておくべきです。
不動産エージェントが取得すべき資格
不動産エージェントが取得すべき資格は、3つあります。
- 宅地建物取引士
- 不動産キャリアパーソン
- 不動産基礎研修
それぞれ詳しく解説します。
宅地建物取引士
不動産エージェントとして活動する上で、宅地建物取引士は取得しておきたい資格のひとつです。
宅地建物取引士は、不動産取引の専門家であることを公的に証明する国家資格です。法律で定められた重要書類の作成や説明が行えるため、お客様からの信頼を大きく高められるでしょう。
宅建資格の有無は、不動産会社に勤める際やエージェントとして登録する際の報酬にも関わります。また、自分が不動産仲介業者として独立する際にも資格があると強いです。
取得は必須というわけではありませんが、持っていると業務の幅が広がります。
不動産キャリアパーソン
不動産キャリアパーソンは、不動産取引の基本的な知識や実務能力を証明する資格です。
宅地建物取引士の資格を持っていなくても、不動産取引の基礎知識を身につけられるだけでなく、お客様に安心感を与えられます。
不動産エージェント初心者が、最初に取得を検討するのにおすすめの資格です。
不動産基礎研修
不動産基礎研修は、不動産取引に必要な基礎知識を学べる研修です。
お客様への対応方法や物件調査、契約手続きなど、実務に直結する内容を学べます。
経験が浅い不動産エージェントからすると、専門知識を習得できるほか、お客様からの信頼を得るために役立つでしょう。
まとめ
不動産エージェントとして成功するには、SNSやブログ、ホームページなどを活用し、お客様に存在を知ってもらう必要があります。
信頼を得るためにも専門知識をアピールしたり、宅地建物取引士などの資格を取得したりすることも有効です。
また、ホームページで集客力を高めるには、デザイン性が高くお客様に好印象を与えるサイトの構築が欠かせません。WordPressサイトをお持ちの方は、ぜひTCDテーマをご検討ください。
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