株式会社PLAN-Bの運営メディア「エラベル」の調査によると、2021年12月に発表された「大人がなりたい職業ランキング」では、“ライター(WEBライター)”が1位とのことです。

1位 ライター 6位 投資家
2位 公務員 7位 看護師
3位 医師 8位 WEBデザイナー
4位 ユーチューバー 9位 プログラマー
5位 薬剤師 10位 教師

参考: YouTuber?エンジニア?令和時代の大人1231人のなりたい職業ランキングTOP10!

ライター(WEBライター)になりたい理由として、以下の声が挙げられていました。

場所や就業時間、仕事量などをある程度自分で調整ができ、今の時代に合った自由な働き方だと思うため」(男性30代/新潟県)
「自分の時間配分で仕事ができ、自由な時間を増やす事ができて心も豊かになると思います」(男性40代/和歌山県)
「社会人になってから、会社のしきたりや人間関係に悩まされることが多く、組織に所属して働くことの大変さを痛感しています。ライターの方は、在宅で自分のペースで仕事をされている方が多いイメージで羨ましく思いますし、私のように人と接することに少し苦手意識のある人には働きやすそうに感じるのでなりたいです」(女性20代/岩手県)

しかし、副業WEBライターは2022年の時点で、めちゃくちゃ飽和しています。クラウドソーシングでは、1つの案件に対し10件以上応募が集中するのが普通です。

そうした状況を踏まえ、本記事では副業WEBライターが飽和した状況下でも生き残るための戦略をWEBライター歴3年の筆者が考察します。

本記事を読むことで以下のメリットがあります。

  • 副業WEBライターが継続案件を受注できる方法がわかる
  • WEBライターサロンの内情がわかる
  • 僭越ながらライター採用を経験した筆者が「採用したくなるライター」の特徴がわかる

また、本記事の対象者は以下のとおり。

  • 副業でWEBライターに興味がある主婦・学生・大学生
  • クラウドソーシングでライティング案件をこなしてきたが、単発案件が多い人

それでは、解説していきましょう。

副業WEBライターは飽和している

WEBライターは飽和しています。下記は執筆時点でクラウドソーシングに出ていた案件の一部です。

業種 条件 提案数
ウェブ制作 1.66円 / 文字 19件
食品商品紹介 1記事/1500円/800文字以上 52件
女性向け健康食品 1,000円/1記事/500文字以上 39件
美容 7,000円/1記事/5,000文字以上 36件
資格 12,000円/1記事/5,000~6,000文字程度 34件
美容・健康 2,000円 / 3000文字以上 25件
森林・木材 1.6円 / 文字 32件
指定の本の要約 20,000円/1記事/6000文字以上 31件
美容 700円/1記事/700文字程度 25件

クラウドソーシングでライターを募集すると、あっという間にライターからの応募があり、募集期間3-7程度で締め切られてしまいます。案件も多いですが、それ以上にライターの数が多いため、供給過多となっています(条件がよくない案件にも応募は殺到する)。

これだけで「ライターは飽和している」とは言えないですが、他にもSNSやオンラインサロンの案件状況など全体を見渡してみた体感値としても、飽和感は感じます。

 ただ、こうした反論をまずまず耳にします。
「副業ライターのほとんどはマナーもなってないし、書き方もわからない『できない』ライターだから、普通にテクニックさえ身につければ差別化ができて稼げる」

つまり、国語力が致命的に低かったり平気でコピペしたりと、ごく一部の底辺ライターは淘汰されるが自分は大丈夫、と思っている方が多いようです。これって危険な考えだと思うんですね。

WEBライター「15:70:15」の法則

Webライターの15:70:15の法則

あらゆる分野で使われている「15:70:15」の法則。これをWebライターに適用すると上記のようになります。

本記事は、この70%に該当するライターに向けたメッセージです。どんな分野でも下位15%が淘汰されることは最初からわかっていることです。というか、すでに入れ替わり立ち替わり入場・退場を繰り返されています。

問題は、多数派層の70%が実は危ないんだよという話なのです。WEBライターの実力は、オンラインコンテンツの充実などもあって実はほとんど差がありません。考えられる理由はこのあたりでしょうか。

  • WEBライター向けのテンプレートが無料で公開されている
  • ライティングのハウツー情報が溢れかえっている
  • オンライン講座・サロンの充実により、ライター間の情報格差が縮まっている
  • 「できない」ライターは自然淘汰されるので、絶対数が増えることはない

下位15%と比べて、「自分はできている」と思い込んで成長を止めてしまうと、量産型WEBライターとなってしまうのです。

量産型WEBライターが厳しい理由

量産型WEBライターが、長期的に文章を生業に行きていくのが難しい理由を述べたいと思います。

AIライティングツールの台頭

近年、AIライティングツールが続々とリリースされています。ツールの台頭で低品質コンテンツ記事を量産するWEBライターは淘汰されます。

TCDメディアでは、文章執筆AIのレビューを多数行っており、いずれのツールも課題はまだまだ残るものの、精度を上げていけば量産型ライターは存在を脅かされるでしょう。

実際に、Cathyで「動画編集 おすすめ BGM」で入力したら「Whitney Houston – I Will Always Love You」を含め3曲の魅力が段落ごとにきちんと改行されて出力されました。

完全に仕事を奪われるわけではない

しかし、手前味噌な意見になりますが、やはりレベルの高いWEBライターは生き残ります。というのも、

AIライティングで執筆した文章、あるいは少し書き換えた文章をGoogleのAIを判別できるかについて質問をした方に対し、Google社員のジョンミューラー氏は

ほとんどのサイトは質の高いコンテンツを作るのに苦労しているため、私たち(Google)は低品質なコンテンツを作る手助けは必要としていない。

と発言しているからです。

https://twitter.com/JohnMu/status/1505643631775989761?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1505643631775989761%7Ctwgr%5E6ace90bf0c4ca136f23e3dfb9af0d9c54c5fb7b6%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.suzukikenichi.com%2Fblog%2Fcan-ai-gererated-content-get-high-rankings-in-google-search%2F

上記のように回答しているため、AIによる自動生成コンテンツを今後はスパムと認定する、あるいはSEOの悪影響を与えると発言しています。しかし、それと同時に逆に「AIが生成した文章でもコンテンツの質がよければ検索順位に影響を与えない」という噂もあります。

要するに、「コンテンツの質」がよければ、執筆者が人間なのかAIなのかは問われない未来が待っていそうです。

このことは、Googleがたびたび提唱する「コンテンツイズキング」に沿っています。低品質な記事を量産するライターの仕事を奪っていくことは間違いないでしょう。

日本語ができるだけでいいと思われがち

雑誌や広告媒体で活躍しているライターは、ライターがもつ専門性や知見を文章で表現し、その分の対価をいただくもの。

ですが、それがWEBになった途端、意味合いが変わってきます。ただチープになるどころか。日本語ができれば誰でもできるとすら勘違いされることがあります。WEBライターは、心理的にも物理的にも参入障壁が低いのです。当然、競合は増えるばかりです。

確かに日本語ができることはライターになるための前提条件のひとつです。しかし、前提条件だけで人の役に立つ記事が書けるわけではありません。

実力の差がほとんどない

昨今のオウンドメディアのマニュアルは非常に充実しているので、誰にでも60点の記事を執筆できるような見出し・構成シートが作成されています。

そして、その記事が2022年12月時点でも上位表示できている現実を見ると、優秀なライターの価値を表現することが難しくなっています。

それゆえ、文章後半ではどうすれば生き残るWEBライターになるのかについて後述します。

WEBライターのオンラインサロンに入ってみた

近年、副業・フリーランスの人気に伴い、空前のオンラインサロンブームです。私ももともと興味はあったので、WEBライターのオンラインサロンに入ってみました。

オンラインサロンでは、主に下記が実施されています。

  • 動画教材
  • 記事添削
  • 質問・雑談チャット
  • 案件の受発注

オンラインサロンでは仕事の受発注も盛んであり、案件に応募すればサロン内で仕事を得られるとのことです。非常に便利ですね。

入ってみた感想と結論を以下にまとめます。

  • 結果を出している人は、チャット上にほとんど現れず粛々と作業を「孤独」に進めている。案件の受発注に応募したりとうまく活用している。
  • 結果を出していない人ほど、チャット上で意味のない雑談チャットに入り浸っている。解像度の低い質問ばかりして机上の空論のような目標を打ち立てる(だけ)。

サロン用のオフィスに訪れたとき、雑談の声がめちゃくちゃうるさくてそそくさと自宅に帰った覚えがあります。その後、「サロンで知識を身につけるより。静かにするというマナーを先に身につけたらどうでしょうか?」という言葉を飲み込みマックで作業を続けました。

オンラインサロンには交流目的の会員が多い印象です。雑談、バーベキュー、オフ会などは親睦を深めるために必要なのかもしれませんが、サロンに入った目的を忘れて、時間ばかり過ぎていく人が多くて驚きました。

オンラインサロンの功罪

オンラインサロンに入ると、似た境遇が多いので安心してしまいがちです。なぜなら、結果を出してなくても、すごい人(主催者など)と距離が縮まるので、自分がすごくなったと錯覚しがちになるからです。

WEBライターのオンラインサロンも例外ではなく、主催者が書籍を販売すると、思考停止状態で書籍を購入し、SNSで拡散しあっているのを見ると本来のサロンの目的はどこいった?と思わずにいられませんでした。

ハウツー、テクニック論だけが横行

大型書店に入ると、「ライターで稼ぐ!」「月10万円を稼ぐライティングテクニック」みたいなタイトルが棚の半分以上、あるいは平積みされて所狭しと並んでいます。

何冊か購入しましたが、クライアント側・ディレクター側の意見が少なくライター側からの考えが非常に多いなと感じました。

具体的には

  • WEBライターで月10万円稼ぐ方法
  • ゆるく在宅でWEBライターで稼ぐ方法

などがあります。

飽和しないライターとは、経営視点を持つライター

ゆるライターに関して、WEBライターとセットで引き合いに出される手垢のついたフレーズとして

「ズボラでも稼げる!」
「ゆるライターでも月50万円稼げました!」

はっきり言いますが、これらはポジショントークです。

ヒアリングと彼らのツイートを総合すると、1日の稼働時間は軽く10時間は超えています。ゆるくないですよね。

これは、別のたとえでいうならば「ズボラ主婦でも月2万円でズボラ料理を作ろう!」的なタイトルの書籍があったとして、小綺麗なワインレッド色の食器と洗練された位置に配置されたハンバーグの写真を記載しているようなものです。

「ズボラでもできる」は信じすぎない方が良い

「ズボラでも月〇〇円稼げた!WEBライティング術」(仮名)みたいなタイトルをKindleの電子書籍で何冊か見ました。

しかし「ズボラな人はそもそも書籍を出版しようとしません。」

専業WEBライターでも月に100万円稼げる!というツイートが散見されますが、作業量が半端じゃありません。月50万円稼いでいるWEBライターに作業時間を聞きましたが、1日12時間は執筆しているそうです。

経営視点を持つWEBライターとは

WEBライターは労働時間と売上が比例するので、収入を得るにはズボラから脱する必要があります。

WEBライターが必要とされる流れを解説すると、経営でデジタルマーケティング施策を打ち、デジタルマーケティングの一環としてWEBマーケティング、WEBマーケティングの一環としてコンテンツマーケティング、コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアの運営、そしてオウンドメディアの運営で必要とされます。

このように、フルリモートが多めのWEBライターにおいても、経営の一環としてWEBライターを採用しているという認識は心の中に持っています。

また、経営視点をもつWEBライターは下記を意識している方が多いですね。

  • CV数を増やすライティングができる
  • SEOライティングできる
  • WEBライターが上流側の視点に立ち、提案する

「WEBライターが経営意識なんて、そんなこと考える必要はない!」
「報酬が増えないから、言われたことしかしない」

との声が聞こえてきそうですが、これはあくまで他人に奉仕する形ではなく、自身が WEBライターとして選ばれ続けるための施策です。

このように、全体を俯瞰できるWEBライターになれば、記事の熱量も変わってくるはずです。また、文字単価のみならずライティング以外の業務も任せてもらえるかもしれません。

このように、継続案件を勝ち取るWEBライターは常に、クライアントファーストで物事を俯瞰して見ている印象があります。

ちなみに、私が尊敬しているWEBライターで藤原将さんが運営する「藤原将軍」というサイトがあります。ランサーズ2021に入賞するほどの猛者ライターであり、サイト内で下記を主張していました。

「経営視点を持っているWEBライターになるのが重要」

上記の文言が非常に印象的です。月収100万円のライターでした。

テクニック論より前にWEBライターがやるべきこと2つ

書籍においては、「稼ぎ方」についてフォーカスされがちですが、

月10万円ライターで収入を得たとしても、翌月、翌々月も同収入を得られる保証はありません。

そのため、飽和しても生き残る「WEBライターが継続案件を得る方法」を改めて考える必要があります。

これらは、2つに大別できると考えています。

  1. WEBライターの記事がPRとなり、売上に貢献する
  2. WEBディレクター・クライアントの架け橋となる記事を執筆する

WEBライターの記事がPRとなり、売上に貢献する

WEBライターの記事がPRとなり、売上に貢献できるWEBライターは継続案件を掴みやすいです。

具体的に言えば、執筆記事をシェア・拡散して多くの人に見られるほどの「知名度」を誇っているかどうかです。

WEBディレクター・クライアントの架け橋となる記事を執筆する

架け橋とは、執筆してほしい記事を忠実に執筆すること。

「そんなの、当たり前じゃないか」と言われるかもしれませんが、筆者自身もWEBライターにおいて、以下のようなミスを過去に犯していました。

  • 文字数4,000の記事で4,050文字で提出。記事の修正により不足する。→最低でも4,200文字以上は執筆するべきだった。
  • ですます調は4回までと書いてあるのに平気で8回連続ですます調で提出する

WEBライターとして継続案件を受注するには、上記を意識する必要があります。

上記のレギュレーションを守れる、「当たり前のことを当たり前に行える」WEBライターは多くありません。

実際に、私がディレクターとして携わっている案件でのライター採用では、テストライティングを約10人に実施しました。「レギュレーションを忠実に守っているライター」は2人だけでした。

そのため、ディレクターから渡されたレギュレーションを忠実に守るだけで「印象」は上がります。

文字単価を自慢するTwitterアカウントを見てヒヤヒヤ

「文字単価2円案件取れました・・・!!」

と実績を報告するTwitterアカウントがありますが、これならまだしもSNSでクライアントの悪口を言っているのは論外です。

クライアントがTwitterアカウントをいつ発見して不快な思いをされるかわかりません。達成感は心の中に留めておいて、SNSでできる限り発信しないのが賢明でしょう。

初心者WEBライターのTwitterプロフィール文章における注意点

収入・文字単価報告以外に初心者WEBライターが注意すべき点は以下のとおりです。

「駆け出し」
「なんでも執筆できます」
「初心者」
「〇〇とつながりたい」
「前の会社に嫌気がさし、 WEBライターとして独立」

予防線を張りたくなる気持ちはわかります。
しかし、採用側がこれを見るとマイナス評価になることが多いです。

ところで、経営者はときに、アルバイトに「経営者視点を持て!」と発言してよく炎上しています。

しかし、業務委託、フリーランス、副業WEBライターにいたっては経営者視点を持つべきと私自身が勝手に思っています。

なぜなら、フリーランス・個人事業主はマイナスポイントが全て自分の売上に直結するからです。

Twitter以外でWEBライティング案件を獲得するには

副業WEBライターの多くは、「Twitter」「クラウドソーシング」を活用することが多いです。しかし、競合が多いのでライターの需要が飽和しがちです。

SNS・ビジネスマッチングアプリ 特徴
Yenta 経営者と個人事業主が繋がれるマッチングアプリ
Facebook WEBライティング案件を募集していることも
Wantedly ベンチャー企業・スタートアップ企業がWEBライターを募集していることも

上記のSNS・ビジネスマッチングアプリを活用することで、案件を獲得できる「機会」が増えます。また、他のWEBライターがあまり使っていない媒体なので、副業WEBライターの方はぜひ活用してみてください。

金を掘るスコップを売って、
収入を得るインフルエンサー

ここからは、飽和するWEBライター界隈において悪質なインフルエンサーに騙されにくくする処世術について解説します。

インフルエンサーはWEBライターに関するコンテンツをたびたび販売していますが、まさに玉石混交。

こたつ記事のような薄っぺらいハズレコンテンツもあれば、実体験に基づいた良いコンテンツもあります。(というのも多くは具の少ないサンドイッチみたいなフェイク商品が多いですが・・・)

ham sandwich

引用:BuzzPlusNews

そのため、本章ではオンライン講座でハズレくじを引かない3つの方法を解説します。

ところで、2019年ごろから、WEBライターの収入ではなく、「WEBライターで稼ぐ方法」をパッケージ化して売っているインフルエンサーが増えていると感じます。

つまり、WEBライターを受講生に教えることで、収入を得るインフルエンサーが増えている印象を受けますね。

具体的には、以下の3種類に大別して販売しているインフルエンサーが多いですね、

媒体 特徴
情報商材(note・brain) 1人で学習できる
オンラインサロン 多人数で学習できる。
コンサル・コーチング マンツーマン・少人数で学習できる。

しかし、受講内容や特典、また「講師の経歴」を見てみると「WEBライター経験がない、あるいはほとんどない」インフルエンサーもちらほらいます。

これはたとえるなら、寿司の握り方を知らない人が、「マグロやサバの握り方」を教えているようなものです。普通はありえませんよね。

名前は伏せます。

何が言いたいかと言いますと、インフルエンサーのフォロワー数よりもWEBライターのオンライン講座で重要な3つのポイントがあります。

  1. 質問対応に寛容か(無制限)
  2. アフターフォローが充実しているか
  3. WEBライター経験を1年以上積んでいるか

それぞれ解説します。

質問対応に寛容か(無制限)

質問対応に寛容かを判別する方法として、以下のとおりです。

  • 質問の仕方にレギュレーションが厳しく設定されていないか
  • 回答が受講生のスキルを伸ばそうとわかりやすい

上記を判別するために、無料体験があれば加入しても良いでしょう。

よく「抽象的な質問だと回答するのに時間がかかる」とベテランは初心者に「質問のお作法」を問いかける人がいます。

とはいえ、質問に慣れていない人はどうしても抽象的な質問になりがちです。

しかし、初心者に対して、やや質問の仕方が悪くても内容をそれなりに汲んでくれる人は信用して良いです。(無料で質問すると門前払いされて怒るのはお門違いなので、これはまた別の話)

また、回答内容が「受講生のスキルを伸ばそうという意図」が垣間見えるかは重要です。

たとえば、質問回答で以下のような風土がサロン内であれば、そのオンラインサロンはおすすめです。

  • 質問に対する回答のみならず、関連URL・具体例を用いて解説を挟んでくれている
  • 励ましのメッセージがときどきある
  • 良い質問はサロンメンバーに積極的に共有する風土がある

アフターフォローが充実しているか

受講生の卒業後に「受注案件スレッド」で案件の受発注ができることをアピールするインフルエンサーがいます。

初心者は、「卒業後に初案件が取れるから実績になる!」と思って入会を決意する方もいらっしゃいますが、要注意です。

受注案件スレッドが「1ヶ月に1件しか投稿がない」サロンも目にしたことがあるので、必ずこの受注案件スレッドがアクティブに投稿されているか確認してください。

サロンに4つ・5つ以上加入経験がある筆者からすると、少なくとも1週間に7投稿以上あれば、個人的に、そのサロンはアクティブに活動しています。あくまで個人の私見です。

WEBライター経験を1年以上積んでいる

担当講師が、WEBライター経験を積んでいるかどうかは必ずチェックしてください。また、粘り強く指導してくれそうな人に教えてもらう方がスキルアップにつながります。

なぜなら、WEBライター初心者は「執筆スピード」「量」ともに少ないので、添削・フィードバックがWEBライター担当講師の見せ所だからです。

水泳を教える先生が正しい泳ぎ方でなければ、間違った泳ぎ方になるのと同じです。

そして、担当講師自身がWEBライター経験が1年以上ある経験は非常に重要です。
また、「WEBライターで何の記事を執筆してきたのか」を記載せずにオンラインサロンで大量の受講生を集めているサロンも目にしたので注意してください。

選ばれるWEBライターになるには

じゃあ飽和するWEBライター界隈において、どうすれば選ばれるWEBライターになれるか考えてみました。

以下の3段階に分けて、具体的に解説します。

  1. クライアントの「めんどくさい!」を解決(難易度:やさしい)
  2. 専門性で差をつける(難易度:普通)
  3. 名前指名される(難易度:むずかしい)

下記の記事では、今後求められるWEBライターの在り方を3種類に分けており、「専門性」「明確な強み」「プロモーション意識」を挙げています。

上記に加えて、本記事では、「クライアント・ディレクターの「めんどくさい!」を解決するWEBライター」を解説していきましょう。

また、WEBディレクター・WEBマーケターに転職する選択肢は本見出しとは論旨がズレるので、省略しています。

クライアントの「めんどくさい!」を解決(難易度:やさしい)

もし専門的なスキルに自信がないWEBライターは、クライアント・ディレクターの「負担を減らせる作業」を代行するのがおすすめ。

具体的には以下のとおりです。実際にWEBライターで下記を提案したところ、喜ばれることが多かったので、ぜひ試してください。

具体的なアクション 内容
図解作成をまとめて請け負う インフォグラフィックを作るオウンドメディアが増えている(例:マイベスト
WordPress入稿もまとめて代行する WordPress入稿で文字単価が上がるケースも
SEOに準じた見出しやタイトル構成も代行する ディレクターが行う業務を巻き取って他のライターと差別化する

それぞれ解説します。

図解作成をまとめて請け負う

「デザインスキルはセンスだから図解作成なんかできるわけがない!」

との声が聞こえてきそうですが、デザインスキルは「センス」ではなく「論理」、そして「努力」です。

  • 余白を広めに取る
  • 既存のテンプレートを使う
  • 3色以内で赤・緑・青といった彩度デカめの色を避ける

上記を意識したことで、デザイン音痴の筆者もまともなデザインを作成できました。

また、Canvaには図解テンプレートが備わっているので、こちらを活用すればダサい図解を
作成するリスクは大幅に減少します。

このことを提案したところ、クライアントによっては文字単価が倍になったこともあります。Canvaではインフォグラフィックのテンプレートが無料で1,000種類以上を活用できます。

Canva

WordPress入稿もまとめて代行する

WordPressとは、ざっくり言えば「誰でも簡単にホームページを作成できる」CMSです。多くのメディアではWordPressを使用しています。

ライターが執筆したドキュメントをWordPressに入稿して初めて記事が全世界に投稿されます。WordPress入稿は意外と細かいタスクが多く、下記の作業工数が発生します。

  • パーマリンクの変更
  • カテゴリー・タグの変更
  • アイキャッチ画像の変更
  • 記事装飾
  • 画像入稿

上記のタスクもWEBライターが案件を巻き取れるライターは、継続案件を狙えるチャンスがあります。というのも、WordPress入稿ができるWEBライターは、年々増えてきていますが、まだまだできる人が少ない印象です。

WordPress入稿は、WordPressブログを自分で一度開設すれば容易にできるようになります。初期費用5,000円ほどかかりますが、 WEBライターでペイできるのでぜひ試してください。

ちなみに筆者は、WordPressブログで下記のサイトを運営しています。
https://webeaaat.com/

また、 WordPressブログの作り方に関しては、インフルエンサーが非常にわかりやすい記事を作ってるので、そちらを参考にしてください。

SEOの基礎を勉強して見出しやタイトル構成もまとめて代行する

見出しやタイトル構成もまとめて作成できるWEBライターは希少性が高いです。私は、WEBライター兼ディレクターとして活動していますが、見出し・構成シートの作成は割と労力のいる作業です。

同じ考えのディレクターは多いかもしれません。下記URLは、実際にライターに外注するときに使っているシートです。

下記のチェックシートの内容を理解できている状態であれば、記事・見出し構成を買ってでることをおすすめします。

内容を理解しているとは、下記の見出し・構成シートでライター用の記事を執筆できるよう穴埋めできるということです。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1R8EqXp8blnHJksC0l6Yjc0TYHSKyCXRUwoc2Nk_UMJA/edit#gid=649766233

ただ、SEOの基礎を勉強すれば、WEBライター記事の見出し・構成シートは誰でも作れるようになります。

ちなみに筆者は5〜10記事執筆後に、ディレクターに提案することが多かったです。ディレクター業務の負担削減ができる上に、経験・スキルを得られるのでおすすめですね。

「作業量が増えるから、単価が上がっても時給換算しても変わらない」
と思うかもしれませんが、初期段階では時給換算を意識する必要はありません。

専門性で差をつける(難易度:中)

専門性の高いWEBライターと聞くとハードルが高そうですが、金融や医療といったYMYLに該当するライティングを行う必要はありません。

たとえば、

  • 動物が好きなら「動物特化ライター」
  • バイクが好きなら「バイク特化ライター」
  • ゲームが好きなら「ゲーム特化ライター」
  • コーヒーが好きなら「コーヒー特化ライター」

と〇〇特化ライターを名乗って活動することで、クライアントがあなたを選ぶ理由が生まれます。

専門性の高いライターの条件とは

GoogleのEATに関するため、WEBライターは必ずチェックしておきましょう。非常に重要な概念であり、飽和しないWEBライターに繋がるヒントが隠れています。

専門性の高さは、以下を基準とすることが多いです。

専門性 特徴
資格を保有している(オススメ) 資格文化が根強い日本では、いまだにWEBライターでも効果テキメン。コスパが良い。
本業で実務経験がある これからライターを始めるのであれば、本業関連ジャンルを選定すると、知見の深さをアピールできる。
本を出版している 電子書籍を活用すれば、誰でも書籍を出版できる。
ブログ・Twitterで常日頃から発信しておく(オススメ) 未経験ジャンルに挑戦する方は、書籍や雑誌でインプットした情報を、ブログやTwitterでアウトプットしておくと、専門性が高いライターに認定されやすいのでおすすめ。

Twitterはモーメントを作成してまとめてツイートを見られるようにしよう

また、最低書籍10冊以上は読み込んでおくと、細かい知識を補填できるため、執筆前に行なっておくとスピードが上がります。もちろん、体験談やエピソードはあるに越したことはありません。なぜなら、説得力のあるコンテンツを執筆できるからです。

「ジャンルを絞ったら受注可能案件が少なくなるのでは?」

と思うかもしれませんが、ニッチすぎるジャンルを選んだ場合は、少し範囲を広めれば問題ありません。

また、意外と執筆ジャンルを絞った方が「仕事が増えやすいです。」

しかし、ウーパールーパー特化ライターのようにニッチすぎるジャンルを選んでしまった場合は少し広げれば問題ありません、

  • 爬虫類特化ライター
  • 動物特化ライター

と徐々に範囲を広げて調整していきましょう。

オウンドメディアに直営業する

なぜ公式サイトオウンドメディア直営業が良いのかについて、以下に理由を記載します。

  • クラウドソーシングサービスを挟まないので、手数料がないため
  • 高単価案件が多い印象があるため
  • 応募するライターが少ない穴場であるため(ほとんどのライターはTwitterかクラウドソーシングを活用)

応募方法は「〇〇 オウンドメディア」で検索してください。

「初心者だから相手にされるわけないよ!」
と思うかもしれませんが、オウンドメディア直営業を行っている副業ライターはほとんど存在しません。

たとえば、動物ジャンルを執筆したいのであれば、「動物 オウンドメディア」で検索します。

すると、以下のようなオウンドメディアが検索表示に現れました。

ここでは、株式会社シムネットが運営するオウンドメディア「みんなのペットライフ」を見てみましょう。

フッターを見ると、ライター募集ページがないため、ほとんどのWEBライターはここで募集を諦めます。しかし、コラム記事のカテゴリーが見られる場合は、外注ライターに依頼している可能性があります。

そのため、お問い合わせフォームからライター応募を件名にして応募しましょう。

ライター申し込み

このように、公式サイト内にライター採用のタブが見つからなくても積極的にライター応募をしてください。

「たまたまライターが1人抜けたから助かったよ!」
ということがたまにあるからです。

「なんでも執筆できます!」は後述する「名前指名で選ばれるWEBライターになる」レベルでなければ案件を獲得し続けることは難しいでしょう。

1日3件応募すれば、1ヶ月で100件近く応募できることになります。

スプレッドシートで応募状態を確認

実際に、私がWEBライターの応募で使っている案件管理シートのテンプレを添付します。

案件管理シート

1回目・2回目・3回目には日付を書いています。1回目に落ちても、数ヶ月に2回目を応募することは問題ありません。

1回目に落ちたライティング案件が2回目に通過したことが何度かあります。1度落ちたからといってオウンドメディア応募を諦めてはいけません。

しかし、前回との変更点がなければ、1回目の二の舞なので注意しましょう。
まとめると、以下の手順で行うと良いです。

  1. 「〇〇 オウンドメディア」で検索
  2. 外部ライターが執筆したであろう記事を探す(〇〇編集部と書いている記事は非記名ライターが執筆である可能性が高い)
  3. お問い合わせからメール応募する
  4. 案件管理シートに載せる

名前が売れる(難易度:むずかしい)

ここまでになるとインフルエンサーの領域なので、難易度が上がりますが、名前指名で選ばれるには下記の条件を満たしている必要があります。

  • バズらせる記事(Yahoo!やスマートニュース、Googleディスカバリーに取り上げられる)
  • TwitterやFacebook、noteなどで拡散される

また、名前で選ばれるには「バズらせる」ことは必須です。たとえば、下記に列挙した私が尊敬するライターさんは、指名検索で大手メディアで執筆しており、SNSで投稿すると、多くの方が「いいね」や「リツイート」をします。

ライターの最終形態でもあり、私もこの形態を目指しています。

名前 媒体
ヨッピー ジモコロ・オモコロなど
arufa ジモコロ・オモコロなど
雨宮紫苑 ダイヤモンド・オンライン
Book & Appsなど

いずれのライターも書籍を出しており、1記事執筆すれば、多数のPVを獲得しているため、メディア側も継続発注しています。

上記著者の共通点は以下のとおり。

  • この人でしか書けない記事
  • プロモーションにも対応できる

飽和しないWEBライターになるには、プロモーションできるライターになれば発注者の売上アップにもつながるので、名前指名でWEBライターの案件をいただけるかもしれません。

ブログやTwitter、Youtube、TikTokで発信しよう

2022年以降、 WEBライターの知名度を上げる発信媒体はブログ・Twitter・TikTokがおすすめですね。

TikTokは「エンジニアあるある」「デザイナーあるある」がバズっていたりするので、WEBライターがTikTokにチャレンジすると知名度が上がるかもしれません。

発信媒体 特徴
ブログ ブログとライターは同じライティングスキルを必要とする上に初期費用が安いのでおすすめ。
ブログでポートフォリオ記事を作成してアピール。寄稿記事を記載できるメリットがある。
noteやはてなブログは、WEBライターが無料でできるため、手軽にできておすすめ。
Twitter 成熟感があるが、WEBライターから案件をもらえる、募集できるメリットは大きい。

#ライター募集でハッシュタグ検索すると案件がたくさん出るため、継続案件の獲得では下記を意識するのがおすすめ。

TikTok 爆発力があるので、あるあるネタやモノマネなど、エンターテインメント力に自信があれば、参加するとバズるかもしれない。

目立つのが苦手なら、Twitter・ブログがまずは無難かと思います。

副業WEBライターは飽和:まとめ

副業WEBライターは飽和していますが、動画やAIに取って変わることはありません。

なぜなら、

  • 動画より大量の情報を一度に摂取できるテキスト
  • AIの執筆文章より、拙いけれどリアリティあふれるエモいテキスト

はこれからのWEBライターに求められると感じるので、私も精進します。WEBライターを始める主婦・学生・サラリーマンが増加していますが、9割以上のライターは単発、あるいは案件獲得までに挫折しています。

そのため。現在ライティングの案件が取れなくても「なぜ取れなかったのか」を脳が汗をかくまでひたすら考え続けることが重要です。重要なことは、スキルだけでなく、営業でもあります。