先日、WordPressテーマ「PANDORA」に有料記事機能を実装しました。WordPressで書いたブログ記事を、そのまま販売できる機能です。

自分の書いた記事が購入されると、やっぱり嬉しいものですよね。

ただ、実際には「どんな記事を有料販売すべきか」「無料記事とどう差別化するか」で迷う方も多いでしょう。そこで当記事では、売れやすい有料記事の特徴や注意点をご紹介します。

WordPressテーマ「PANDORA」
WordPressテーマ「PANDORA」
レイアウト自由自在なブログ・メディアを構築。

有料記事にしやすいジャンル

有料記事として成立しやすいのは、「その記事を読むことで、読者の判断・行動・試行錯誤を省略できるもの」です。必ずしも専門家や著名人である必要はありません。

ここでは、個人でも取り組みやすく、無料記事との差をつくりやすい代表的なジャンルをご紹介します。

実体験をまとめた記事

実体験をもとにした記事は、有料記事として比較的取り組みやすいジャンルのひとつです。

たとえば、次のような内容です。

  • どんな状況や前提で取り組んだのか
  • 途中でつまずいた点や、うまくいかなかった部分
  • 試行錯誤の結果、最終的にどう判断したのか

その執筆者の実体験・調査・失敗談などが盛り込まれており、検索してもかんたんには手に入らない一次情報であることがポイントです。

これから同じことを始める読者にとって、行動のヒントや遠回りを減らせる情報になれば、有料化する価値が生まれやすいでしょう。情報ではなく、時間を買ってもらう形を目指すといいです。

このジャンルと相性がいいテーマ例
  • ビジネス・副業の実践記
  • 育児・教育・家族に関する体験談
  • 美容・ダイエットの変化の記録
有料記事のタイトル例
  • 未経験から○○を始めて分かった、最初につまずいた3つのポイント
  • 副業で○○に挑戦して分かった、やらなくてよかったこと・やるべきだったこと
  • 独学で○○を続けて気づいた、遠回りだった学習方法と改善点

ノウハウ・手順記事

ノウハウ・手順記事は、仕事術やツールの使い方や、サービスの操作方法などを整理した記事です。

単なる機能紹介や一般的な使い方の解説ではなく、実務レベルの流れが書かれている必要があります。

  • どの順番で進めているのか(その理由を含めて)
  • 最初に設定しておかないと後で困るポイント
  • 実際につまずいた点や、遠回りだった手順

無料記事で手に入るような情報ではなく、段階的に学べるガイドブックや講座、教科書をつくるようなイメージです。

実際には、すべてを完璧に網羅する必要はなく、ここまで読めば一度は実践できるというラインを目安にすると書きやすくなります。

作成に労力はかかりますが、繰り返し読まれるような内容になりやすく、長期的に収益化できる可能性も期待できます。

このジャンルと相性がいいテーマ例
  • 仕事術・業務改善・タスク管理
  • ツール・サービスの実践的な使い方
  • 習慣化・時間管理・自己管理の仕組み化
有料記事のタイトル例
  • 仕事で使っている○○ツールの初期設定から、実務で回すまでの運用手順
  • 作業をスムーズにする|タスク管理ルールと例外処理の決め方
  • 業務効率化のためのAI活用手順と、実際に使っているプロンプト例

考え方・視点の記事

特定のテーマについて「どう考えるか」「どこで判断が分かれるのか」を、執筆者なりの視点で整理した記事です。単なる感想や意見ではなく、思考の前提や判断基準そのものを言語化するジャンルといえます。

有名人や第一線のプロフェッショナルでない場合、「なぜその考えに至ったのか」を説明できないと、難易度が高く感じるのも自然でしょう。

ただ、次の点が整理されていれば、有料記事として成立する余地は十分にあります。

  • どんな立場や経験を前提にした考え方なのか
  • 他の選択肢もある中で、なぜその判断を選んだのか
  • この考え方が向いている人・向いていない人は誰か

前提条件が明確なら、同じ状況にいる読者にとっては、「自分はどう判断するか」を考えるための材料になります。万人に通用する正解である必要はありません。

むしろ、有料記事として価値が出やすいのは、次のように思考の切り口や判断軸そのものを提供しているケースです。

このジャンルと相性がいいテーマ例
  • 仕事観・キャリア観・働き方の考え方
  • 人間関係やコミュニケーションの捉え方
  • モチベーション・行動・意思決定に関する視点
有料記事のタイトル例
  • 成果が出ないときに「努力不足」ではなく「構造」を疑うという考え方
  • 正解を探す癖をやめてから、判断が楽になった思考の切り替え方
  • モチベーションに頼らず、行動し続けるための仕組みとは

有料記事の価値を高める工夫

ここまで有料記事として成立しやすいジャンルをご紹介しましたが、そのまま書くだけでは、無料記事の違いが伝わりにくいこともあります。

そこで意識したいのが、「その記事をどう使ってもらうか」という視点です。編集や構成次第で有料としての価値が変わる場合もあります。

たとえば、次のような工夫です。

  • 点在する情報を集め、不要な部分を削ぎ落とした「まとめ・比較・データ系コンテンツ」
  • 読んだあとすぐ実務で使える「テンプレート・チェックリスト・ワークシート付き記事」

読者にとっての価値は、情報だけではなく、次のような便益も含まれるためです。

  1. 調べる手間が省けること
  2. 考える時間を短縮できること
  3. すぐ行動に移せること

有料記事では、何が書いてあるかよりも、何ができるようになるかを基準に構成すると、価値が伝わりやすくなります。

有料化する前に知っておきたい注意点

有料記事は、書けば必ず売れるものではありません。また、やり方を誤ると、思わぬデメリットが出ることもあります。ここでは、トラブルや後悔を未然に防ぐためのポイントをまとめておきます。

既存の無料記事をそのまま有料化しない

すでに公開している記事を、途中から有料に切り替える場合は注意が必要です。

検索エンジンは、ページ全体の内容量や品質を評価しています。これまで全文読めていた記事が、途中から読めなくなると、評価が下がる可能性があります。

中でも検索流入が多い記事ほど影響は大きくなりがちです。

既存記事を活かしたい場合は、次のような方法がおすすめです。

  • 無料記事はそのまま残し、補足・深掘り部分を別の有料記事として切り出す
  • 概要や結論までは無料で公開し、具体的な手順や事例を有料にする
購入者のみが閲覧できる有料記事は、通常の記事とは流入経路が異なります。SEO目的の記事とは切り分けて、別の記事として新規作成する方がベターです。

無料部分だけでも内容が成立しているか

有料記事であっても、冒頭の無料部分がスカスカだと、購入されにくくなります。

実際にあなたが購入したことのある優良記事はどうでしょう?冒頭の無料部分で興味を惹かれていることは間違いないと思います。無料で読める範囲から「この先に価値がありそうか」を判断しているからです。

  • 何が書かれている記事なのか
  • どんな人向けの内容なのか
  • どんな悩みが解決できそうか

以上の内容が無料部分だけで伝わらないと、購入の検討すらされないので、しっかりと作り込んでおく必要があります。

1記事で完結する構成になっているか

有料記事は、基本的に「1記事で理解できる」構成が向いています。

前提となる情報が別記事に散らばっていると、読者は不親切に感じてしまうからです。購入後に「結局、他の記事も読まないと分からない」となると、満足度は下がってしまいますよね。

記事全体の構造は、見出しだけで伝わるようにしておくといいです。

TCDの有料記事機能では、記事のアウトラインがわかるように、購入前でも目次をすべて表示できる仕様になっています。

価格に対して期待値を上げすぎない

価格が高いほど、読者の期待値も上がるので、最初は、低〜中価格帯から試すのがいいでしょう。

まずは「買って後悔しない」と感じてもらうぐらいがいいです。

読者の反応を見ながら、内容を追加・改善していく前提で考えると、取り組みやすくなります。売れている有料記事を実際に買ってみるのもいいかもしれません。

まずは実際に販売してみよう

有料記事だからといって、過度に気負う必要はありません。

最初から完成度の高いものをつくるよりも、「お金を払ってもらえる内容なのか」を、実際の読者の反応で確かめるつもりで書いてみてください。

売れるかどうかは、出してみないと分かりません。有料記事は、公開後の反応を見ながら改善していけるコンテンツでもあります。

最初の一歩としては、次のような形がおすすめです。

  • まずは1記事、テーマを絞って小さく出してみる
  • 価格は低〜中価格帯に設定し、反応を見て調整する
  • 購入者の反応や質問をもとに、内容を追記・改善していく

完璧な記事を目指すよりも、「誰かの判断や行動を少し楽にできるか」という視点で書いてみる方が、有料記事としてはうまくいきやすいです。

PANDORAの有料記事機能は、既存のブログ記事と同じ感覚で使えます。まずは1本、あなたの中にある経験や考えを、形にして販売してみてください。

WordPressテーマ「PANDORA」
WordPressテーマ「PANDORA」
レイアウト自由自在なブログ・メディアを構築。

実際に有料記事を販売するまでの流れや設定方法は、下記記事でご紹介しています。