「メディア」は直訳すると媒体のこと。データを保存する記録メディアの他、情報を伝える手段や方法、媒体もメディアと呼ばれます。大衆に情報を伝えるマスメディア、自社で保有するオウンドメディアなどです。それではローカルメディアとは何でしょうか。地方から情報を発信したいと考える人に、ローカルメディアを作るためのヒントを紹介します。

ローカルメディアって何?

ローカルメディアは直訳すれば「地方のメディア」です。マスメディアのような大衆相手ではなく、地方の情報を地方に届ける局地的なメディアのことです。地方紙もローカルメディアのひとつで、全国的なニュースを掲載するメジャー紙に対してローカル紙と呼ばれることもあります。

しかし、紙媒体は印刷や配布にどうしてもコストがかかってしまいます。そのため、ローカルメディアはより低コストで運営することができるwebが主流になりつつあります。webであれば、発行にあたっての制約がないため、より多くの情報をよりタイムリーに発信できるでしょう。また、紙媒体と違って実際に配布する必要がないため、地元の人に対して発信するだけでなく、地方から外側に情報を発信できるメリットもあります。地方のメディアが紙からwebに変わっていくにつれて、ローカルメディアは情報誌だけでなく広報誌の役割も担うようになるのかもしれません。

ローカルメディアはSNSでシェアされやすい?

ローカルメディアの主流がwebになることで、紙媒体の地方紙よりも地方の外側に情報を届けやすくなるでしょう。地方紙は直接手に取った人にしか届けられませんが、webであれば多少の興味を持って検索した人などに幅広く届けることができます。SNSでシェアされることで、地方の情報はより拡散されていくでしょう。

「今」知りたいリアルタイム情報

その地方で今何が起こっているかといった局地的な情報は、SNSでシェアされやすい傾向にあります。例えば、何かしらのトラブルで電車が遅延したとき、情報を求めてSNSをチェックしたことがあるのではないでしょうか。ひとりの発信があっという間にシェアされるのは、知りたいと思う人が多いからです。実際に、事故や事件が起こったりした場合にも、気付いた人が情報をまとめると一気に拡散されて情報が広がっていきます。地方の情報には、「今知りたい」という気持ちがあり、それがシェアにつながっているといえるでしょう。

また、芸能人に出会った、テレビ番組の撮影をしていたという情報も誰かに伝えたくなる情報です。そして、知ったらシェアして広げたくなるでしょう。全国的なニュースと違って、ローカルニュースは範囲が狭い分、自分にとって身近なことです。自分の身近なところで何かが起これば、自分のこととして人に伝えたくなるのかもしれません。身近なところとは、今住んでいる場所に限らず、出身地や旅行で訪れた好きな町など、何かしらの好意を持っている地方が該当します。好意や関心があるからこそ、今起こっている情報に興味を持ってシェアしたくなるのです。

出先で必要になるローカルニュース

旅行や観光で地方を訪れると、その地方の情報がリアルタイムで必要になります。地方の名産やお土産、観光地といった情報は前もって調べることができても、臨時休業やメニューの変更といったその日限定の情報はリアルタイムで必要になります。そこで新たな発見や出会いがあればSNSでシェアしたくなるでしょう。シェアされやすいのは、見映えが良い、面白いといった全国に通じる価値を持った情報です。

また、訪問のきっかけが何であれ、その地方に興味があるからこそ、旅行や観光で訪れるわけです。その地方の名産や歴史といった情報をさらに知りたいと思うのも、訪れたタイミングではないでしょうか。旅行先で気になることを調べるのに、いくつものサイトを見なければならないのはよくあることです。その地方の情報を網羅したローカルメディアがあれば、チェックするサイトはひとつですみます。今何が起こっているかのリアルタイムな情報に出会えれば、予定になかった地方イベントに参加するとなど、臨機応変に楽しむことができます。訪れた観光地にどういった歴史や謂れがあるのかをその場で知ることで、より興味を持ってもらえるかもしれません。そういった便利なローカルメディアこそ、ブックマークしたりSNSでシェアしたりしたくなるのではないでしょうか。

実は国内に数多く存在するローカルメディア

実はローカルメディアは地域ごとに無数と言える数ほど存在します。多くは個人や地元を愛する企業が運営しているメディアです。例えば、「全国ローカルニュースサイト名鑑」を見ると、地域ごとに数多くのローカルメディアが存在することが分かります。

しかも、コンテンツも充実していて、中には地元企業がスポンサーになっていたり、地元企業やお店の広告を掲載しているローカルメディアもあるほど。パイが小さい分、需要が小さい。これは確かではありますが、そうした小さな需要に確実な応えていくというのがローカルメディアの性質でもあります。

まずは確実な需要に対応するメディアへ

ローカルメディアを運営するにあたって、最初に心掛けたいのが地方の情報を必要とする人に確実に届けることです。地方の情報を発信するという根本を忘れないようにしましょう。

本当に必要なのは地域の小さな情報

全国的なニュースは、もちろん知識として必要です。多くの人は、日々何が起こっているのか、マスメディアのチェックを欠かさないことでしょう。しかし、生活するうえで本当に必要なのは、住んでいる地域の小さな情報なのかもしれません。近所の病院の評判や、新しく開店するスーパーなど、決して全国ニュースにはならないけれど、その地で生活する人にとっては必要な情報を届けることもローカルメディアの役割のひとつです。

地域の身近な情報を発信する

身近な情報をただ発信するよりも、住む人にフューチャーした地元情報と観光客や地域外の訪問者に向けた地元情報を発信するのがおすすめです。同じ情報であっても切り口を変えることで、情報誌と広報誌の役割を兼任することができます。地域の人に地元の魅力をインタビューしてみたり、地域名物を効率良く回れるマップを作成したり、その地域を楽しめる情報の見せ方を考えてみましょう。ユニークな取り組みであれば、拡散されて全国的に話題になるかもしれません。

次なるステージは多言語化対応。
需要を取りに行くメディアへ

現状国内にあるローカルメディアの大半(「全国ローカルニュースサイト名鑑」を見る限りほぼ99%?)は日本語のみの発信で、外国語言語での発信も併用しているメディアはほぼ存在しません。しかしながら、JETROの発表を見ても年率で10-20%程度の訪日外国人が増えている現状があり、「日本」をインターネット上から知りたい人もそれに呼応して増加している現状があります。

そうした状況を踏まえ、多言語対応したローカルメディアの存在感は日増しに大きくなっています。下記ページでご紹介したローカル情報のインバウンドメディアはほとんどが行政が運営しているサイトか日本在住の外国人が運営しているものばかりです。ただ、行政が運営するインバウンドメディアはコンテンツ量が少なく、多くの人に魅力的に映るようなサイト運営がなされていません。

ローカルメディアを多言語で発信していくことは需要を取りにいく、広げていく意味でも有効な施策であると言えます。

簡単におしゃれなローカルメディアを作ろう

とは言え、地方ならではの情報を発信するためのローカルメディアは、地方の魅力を理解している人が記事を書くからおもしろいというものがあります。その地方にライターやエディターが必要です。リモートワークである程度対応できたとしても、地方の情報を発信する以上その場所を知っている人とメディアを作りたいものです。

その為、多くのローカルメディアは運営者自身が住んでいる地域から始めて記事を更新していき、メディアが大きくなってからその土地に住んでいるライターを募集して、記事を増やしていくスタイルが多いようです。まずは運営者自身が動くことが第一歩のようですね。

また、更新性を高めることがローカルメディアには必要なので、WordPressがおすすめです。WordPressは多くのWebのライターには馴染みのあるCMSですし、情報発信、記事更新を重ねて、検索エンジン経由の集客をしていくには都合の良いブログツールです。テンプレートも豊富なので、完成度の高いテンプレートを選ぶことで簡単におしゃれなローカルメディアを作ることが可能です。

ローカルメディア作成に最適なWordPressテーマ5選

ローカルメディア構築に最適なWordPressテンプレートを5つ選びました。このWordPressテーマを使うだけでメディア構築の準備は整ったと言えるでしょう。

RUMBLE

WordPress Theme RUMBLE
ウェブマガジンを作るために開発されたWordPressテーマ「RUMBLE」。インパクトの大きいメガメニューやヘッダーで写真をコンテンツとして活用し、魅せることができるテンプレートなので、ローカルメディアには最適です。

RUMBLE デモを見る

TOKI

WordPress Theme TOKI
ローカルメディアというよりは、インバウンドメディア構築のために開発されたWordPressテーマ。行政が運営するインバウンドメディアでは食文化などの更新性の低いページを辞典的に掲載されていますが、そうしたページに加えて更新性の高い情報発信もミックスで発信できるのが特徴です。日本の魅力を最大限に発信していきたい方におすすめ。

TOKI デモを見る

IZM

WordPress Theme IZM
大規模かつ、つかいやすいレイアウトでローカルメディアを運営したいならWordPressテーマ「IZM」。サイドに配置するウィジェットで過去コンテンツへのピックアップも出来るので、色んな見せ方ができます。レイアウトを2カラム(左右)へ変更することも可能。

IZM デモを見る

ROCK

WordPress Theme ROCK
とことんオシャレで最先端のイメージを出したいならWordPressテーマ「ROCK」がおすすめ。レイアウトも先進性をイメージしたカードリンク型を採用し、ファッション性のイメージも醸し出せます。

ROCK デモを見る

NUMERO

WordPress Theme NUMERO
インバウンドメディアを構築するために開発されたWordPressテーマ「NUMERO」。コンテンツを写真メインとして、美しい景色や目を引く写真などで、ユーザーを引き付けていきたい方にはおすすめです。逆に言えば、文章をあまり必要としない構成なので、多言語化もしやすいテンプレートです。

NUMERO デモを見る

いつも身近なローカルメディアを目指そう

ローカルメディアを運営するなら、その地方に住む人も訪問した人も、一度は見てみたくなる身近なローカルメディアを目指しましょう。発信すべき情報は、「地方の」と頭に付くだけで、独自性の高い内容となります。自分にとって身近な情報なら、とりあえず見てみようと考える人は多いでしょう。そういった地元の人に役立つ情報を発信しながら、SNSで思わずシェアしたくなるような切り口を考えたりSEO施策をしっかりと行ったり、地方の外側で目に留まるための施策を行います。そうすることでローカルメディア自体に拡散力がついてきます。見せ方や伝え方を工夫して、ローカルメディアからその地方に興味を持ってもらえるようになりましょう。