海外訪日客をターゲットにしたインバウンドメディアは今も増え続けています。そんな中、地域版はどれくらいあるのかも調べてみました。結論から言うと、すべてを掲載するのは難しいほどありました。なので、完成度の高い地域版インバウンドメディアをご紹介します。なお、全国版のインバウンドメディアはこちらにまとめています。
東京五輪を控えている日本。昨今のインバウンド需要の高まりを受けて、訪日外国人観光客に向けたメディアがどんどん誕生しています。WEBメディアやアプリ、本、フリーペーパーなど、そのタイプも多種多様です。どの国に向けて発信しているかによって、その媒体がフォローしている言語の数も変わってきます。 当記...
目次
- 地方のインバウンドメディア 15選
- Visit Tokyo
- Inside Kyoto
- KYOTO-ASU
- The Official Wakayama Travel Guide
- Kyoto Travel Guide
- Discover Kyoto
- OSAKA-INFO
- Nara Travelers Guide
- Official Nara Travel Guide
- NAGANO CITY OFFICIAL TRAVEL GUIDE
- How to Enjoy OSAKA
- FUKUSHIMA NOW
- The Official Miyazaki Prefecture Travel Guide
- Official GIFU Tourism Website
- Niigata city
- 需要がさらに加速する地方のインバウンドメディア
地方のインバウンドメディア 15選
まだまだインバウンドメディアが存在しない地方サイトもあるし、存在していてもその多くが行政が運営しているメディアです。そのため、オーソドックスな観光地紹介に限定されているのが現状です。ここでは掲載に値しないレベルのものは大幅に省略しましたが、公営のインバウンドメディアはデザインや運用面でも難を感じるサイトが多かったです。
実際に観光地や周辺のお店を巡ってみた体験記など、人の温かみや細かいところにも手が行き届く民間の地域インバウンドメディアの誕生が待たれそうですね。
Visit Tokyo
東京観光財団が運営する東京から東京近郊エリアまで幅広く網羅した情報サイト。ヘッダーの動画がかっこよく、全体的にも洗練されています。日本語、英語、簡体字、繁体字、韓国語、タイ語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、フランス語に対応
Inside Kyoto
京都在住のイギリス人がつくったインバウンドメディア。他にも「Truly Tokyo」と「Inside Osaka」を運営されています。
KYOTO-ASU
雑誌「婦人画報」が運営する京都人おすすめの上質な「食べる」「泊まる」「買う」「観る」を紹介するサイト「KYOTO-ASU」。日本語版はボリュームも豊富なので日本人に向けた発信が主のようです。
The Official Wakayama Travel Guide
和歌山県観光連盟が運営するインバウンドメディア。高野山、熊野古道、白浜、那智滝など美しい写真が並んでいます。日本語、英語、韓国語、簡体字、繁体字、フランス語、スペイン語、ドイツ語、インドネシア語、タイ語の10カ国語に対応。
The Official Wakayama Travel Guide
Kyoto Travel Guide
京都市観光協会が運営するメディア。京都のオーソドックスの観光エリアや京文化を紹介。レストランなどの詳しいお店は紹介されていません。英語、フランス語、簡体字、繁体字、韓国語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、トルコ語、マレー語、タイ語、ロシア語に対応。日本語には対応していないようです。
Discover Kyoto
京都を拠点に外国人だけで編成されたチームが運営する「Discover Kyoto」。SNSを積極的に活用している点、動画で撮影された京都の美しい光景が見られる点が素晴らしいです。対応言語は英語のみ。
Beautiful Kyoto: Amazing Cherry Blossoms (Sakura 2015)
OSAKA-INFO
大阪観光局が運営するインバウンドメディア。大阪府下の人気スポットを網羅しているだけでなく、大阪の現在や成り立ちまで見れて、大阪人が見てもおもしろい内容になっています。日本語、英語、韓国語、簡体字、繁体字、タイ語の6カ国に対応。写真と動画素材は大阪の観光振興に寄与するものであれば利用できるようです(要クレジット表記)。詳しくは規約をご覧ください。
Nara Travelers Guide
奈良市観光協会が運営する奈良振興メディア。奈良市内の巡り方のコース紹介や宿泊施設の検索などに対応。日本語、英語、韓国語、簡体字、繁体字の5ヶ国語。
Official Nara Travel Guide
こちらは奈良県の観光局観光振興課が運営するメディア。飛鳥や吉野など奈良県全域の観光地を紹介。
NAGANO CITY OFFICIAL TRAVEL GUIDE
公共財団法人ながの観光コンベンションビューローが運営するメディア。コンテンツは少なめです。
NAGANO CITY OFFICIAL TRAVEL GUIDE
How to Enjoy OSAKA
南海電車が運営するインバウンドメディア。関空からの観光地案内や交通情報などが発信されています。英語、中国語、韓国語に対応。
FUKUSHIMA NOW
福島県が運営する「FUKUSHIMA NOW」。英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応。
The Official Miyazaki Prefecture Travel Guide
宮崎県が運営するインバウンドメディア。
The Official Miyazaki Prefecture Travel Guide
Official GIFU Tourism Website
岐阜観光連盟が運営するインバウンドメディア。英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、フランス語、タイ語、インドネシア語に対応。
Niigata city
新潟市の観光協会が運営する「Niigata city」。
需要がさらに加速する地方のインバウンドメディア
いかがでしたでしょうか。調査したところ、多くの地域版インバウンドメディアは行政が運営しているローカルメディアがそのまま多言語対応しているようで、まだまだ民間が運営しているローカルインバウンドメディアは少ないようです。また、行政が運営するメディアはコンテンツの量が少ないのが特徴です。一度つくってしまったら、後は誰も管理する人がいないのか放置されてしまう傾向が強いように思います。色んなインバウンドメディアを見ていて、「とりあえずはつくりました」という空気が筆者には見え隠れしました。
民間が運営するローカルメディア自体は国内にたくさんあり、コンテンツも充実しているのですが、大半は日本語しか対応していないことが多いのが現状です。JETROの統計発表によれば、訪日外国人の数は年間10-20程度の高水準で伸びています。その分、外国語言語での発信の重要性は高まっているというわけです。
とは言え、ウェブサイトを完璧な外国語言語でローカライズするのは大変な作業であることには変わりません。ただ、多言語化は、「とりあえずやってみる」ことが大事です。まずは手頃な英語化から始め、その他言語は機械翻訳で始めてもいいですし、利用者(読者)が増えてから本格的にローカライズしても遅くはないからです。全国版ではリーチしきれないケースも出てきている中、よりローカルメディアの海外発信が求められる時代になっていくと思われます。