WordPressはSEOに強いと言われています。ただし、設定の仕方によっては最大限のSEOパフォーマンスを発揮できません。そこで、WordPressインストール直後に最低限やっておきたい、SEOの設定項目を9個、ピックアップしました。
- SSL化対応
- サイトURLを統一する
- パーマリンクを設定する
- タイトルとキャッチフレーズを設定
- ページキャッシュの導入
- 画像ファイルの圧縮
- 読み込み遅延設定
- SNSのシェアボタンを設置する
- サイトマップページを作る
それでは、順番に見ていきましょう。
WordPressのSEO設定
1. SSL化対応
SSL化とは、サイトURLのHTTPS化のことです(暗号化)。
SSL化していないと、安全ではないサイトということでアクセスできないユーザーが出てきてしまいます。SSL化はサイトの信頼性向上に欠かせない施策です。
SSL化の手順はこちらの記事を参考にして下さい。
WordPressサイトの公開時に確認しておきたいことのひとつに「SSL化」があります。 サイトをSSL化することで、セキュリティを強化でき、ユーザーや検索エンジンに対して安全性の証明になります。SSL化されているサイトでは、URLに「https」と表示され、接続が保護されていることがわかりま...
2. サイトURLを統一する
WordPressをインストールした直後は、複数の異なるURLで、同じページにアクセスできてしまいます。たとえば、「www」のあり・なしの違いです。
https://sample-site.com/
https://www.sample-site.com/
上記のどちらのURLでも同じページにアクセス可能ですが、この状態を放置すると、ページの評価が分散するリスクがあります。1つのページに対して複数のURLが存在しているので、どのURLを評価すればいいのか、Googleは迷ってしまうのです。
そこで、サイトURLを1つに統一する設定をおこないます。「設定」→「一般」をクリックして、WordPress アドレス(URL)とサイトアドレス(URL)の欄に、統一したいURLを入力します。
※WordPressインストール時の「WordPress アドレス (URL)」から変更してしまうとサイト(管理画面)へアクセスできなくなります。変更する場合は、「サイトアドレス(URL)」のみを編集しましょう。それぞれの違いは以下の通りです。
「WordPress アドレス (URL)」:WordPressをインストールした場所
「サイトアドレス(URL)」:WEB上でサイトが表示されるURL
こうすると、上記で設定したURLにリダイレクトされるようになります。たとえば、「https://www.sample-site.com/」 でアクセスを試みると、「https://sample-site.com/」 にリダイレクトされるわけです。評価分散リスクを回避できます。上記画像はWordPressのインストール時にインストール先のURLを「www」なしの「https://sample-site.com/」にしている場合の例です。
ちなみに、「www」 のあり・なし、どちらを選んでも、SEOの効果は変わりません。好みで決めて大丈夫です。「www」のあり・なしを選ぶのはWordPressをインストールするタイミングであり、この編集画面で「WordPress アドレス (URL)」を変更するとログインできなくなります。
ダッシュボードにアクセスできなくなった場合に元に戻す方法
万が一「WordPress アドレス (URL)」を変更してダッシュボード(管理画面)へアクセスできなくなった場合は、「wp-config.php」の最下部に以下を追記することで解決できます。
update_option( ‘siteurl’, ‘元のURL’ );
update_option( ‘home’, ‘元のURL’ );
契約しているサーバーのファイルマネージャーか、FTPソフトを使って編集しましょう。
これで、通常通り管理画面にアクセスできるようになります。一般設定からURLが元に戻っていることを確認し、正常に表示されることを確認したら上記の記述は削除してかまいません。
wwwありで設定したい場合
独自ドメインではなくサーバーの初期ドメイン(xsrv.jpなど)を使っていると、wwwが設定できず、wwwにURL変更するとログインできなくなります。wwwありで設定する場合は独自ドメインでのみの利用にしてください。
・よくある質問 – wwwありのURLを使いたいのですが可能ですか? | WordPress専用クラウド型レンタルサーバー【wpX Speed】サポートサイト
https://www.wpx.ne.jp/support/faq/domain_multi_www_ok.php
3. パーマリンクを設定する
パーマリンクとは、ページURL末尾の部分です。WordPressのデフォルト設定では、ページのIDが設定されています。
ただ、デフォルトのページIDではページの内容がわかりにくくなります。「?p=3110」という文字列を見ただけでは、何が書いてあるのかイメージできません。そこで、人間が見ても意味を読み取れるパーマリンクに変更します。
「設定」→「パーマリンク設定」をクリックします。
パーマリンク設定画面に移動するので、「カスタム構造」を選択。「/%postname%/」のタグを入力して保存します。
ここまで完了すれば、投稿ページや固定ページで、パーマリンクの文字列を自由に設定できるようになります。
カテゴリ名も含めるか? 投稿名だけにするか?
ちなみに、パーマリンクの一般的な構造は「カテゴリと投稿名の両方」、「投稿名だけ」の2パターンです。
- /%category%/%postname%/(カテゴリと投稿名の両方)
- %postname%(投稿名だけ)
「/%category%/%postname%/(カテゴリと投稿名の両方)」のパターンは、カテゴリの文字列まで含まれるので、ページの階層がわかりやすくなる点がメリットです。
ただ、1投稿に複数のカテゴリを設定した場合、カテゴリIDの小さいものだけがパーマリンクとして表示されてしまいます。2つ以上のカテゴリをパーマリンクとして表示できないのです。
1投稿1カテゴリという運用なら問題ないのですが、複数カテゴリを設定したい場合は、「%postname%(投稿名だけ)」を選んだほうが管理しやすくなります。SEO的なマイナスもありません。
注意!一度設定したパーマリンクは原則、変更してはいけない
一度設定したパーマリンクは、よほどの理由がなければ変更しないほうがいいでしょう。
投稿ページや固定ページのパーマリンクを変更するとURLが変わりますが、それはつまり、違うページとしてGoogleに認識されるということです。これまで積み上げてきたSEO評価やSNSのシェアカウントの数値も、すべてリセットされます。
公開したばかりのページであれば影響は少ないですが、むやみやたらにパーマリンクを変更しないほうが安全です。
4. タイトルとキャッチフレーズを設定
サイトタイトルとキャッチフレーズを設定します。
- サイトのタイトル: meta title
- キャッチフレーズ: meta description
SEO対策として一番最初に行うのが、タイトルやディスクリプションの設定です。タイトルタグやメタディスクリプションは、内部SEOで最も基本かつ重要な設定の一つです。今回はタイトルやメタディスクリプションの基本的な考え方と設定方法について解説します。 「meta title」とは title...
各ページに固有のmeta titleを設定するには?
H1とmeta title、それぞれ別のタイトルを設定したい場合は、「All in one seo Pack」というプラグインが便利です。
インストールすれば、各ページにオリジナルのmeta titleを設定できるようになります。
ちなみに、meta titleの設定機能をデフォルトで搭載したWordPressテーマも、今は多くなっています。
All in one seo Packは多機能な反面、重ためのプラグインで有名です。SEOのためにプラグインを入れたのにページの表示速度を落としてしまうなら本末転倒という考え方もあるでしょう。そのため、meta titleの設定機能を標準搭載したWordPressテーマの導入をオススメします。これまた手前味噌ですが、TCDテーマも各ページにmeta titleとmeta descriptionを設定できます。
5. ページキャッシュの導入
ページキャッシュをあらかじめ保存しておくと、サイトを開く時にすべてのファイルを読み込まずともページを表示できます。それによって、サイトの読み込み速度がアップします。
ページキャッシュを保存するには、キャッシュ系のWordPressプラグインを1つ入れておきましょう。
「WordPressで構築されたサイトの表示速度が遅い!」 そんなときに役立つのがキャッシュプラグインです。 キャッシュプラグインを使えば、サーバーへの負荷を軽減しつつ手軽にサイトの表示速度を改善できます。 しかし、キャッシュプラグインはたくさんあるので、どれを選んでいいのかわからない...
6. 画像ファイルの圧縮
画像ファイルの容量をより小さくし、サイト表示速度をアップさせます。そのために「WebP」画像に自動変換するプラグイン「Converter for Media – 画像最適化 | WebP & AVIF に変換」を入れます。
「画像を軽量化するためにWebP対応を行いたい」 しかし、「WebP」は古いブラウザに対応していないため、直接使用するのは現実的ではありません。 そのため、対応ブラウザには「WebP」、未対応ブラウザでは従来の形式の画像(JPEG等)を配信するのが理想的です。ただし、このような振り分けは...
他にも画像圧縮を行うWordPressプラグインをまとめた記事をリンクしておきます。
Webサイトの表示速度を上げるには、画像ファイルを圧縮するのが効果的です。 WordPressならプラグインを使うことで、手軽に画像を圧縮できます。しかし、プラグインや画像の種類によって圧縮率が変わるため、最適化するにはちょっとしたコツの習得が必要です。 本記事では、WordPressの...
7. 読み込み遅延設定
画像を多用したページの場合、画像を一気に読み込むとページ表示速度に影響します。
WordPressプラグイン「Lazy Load – Optimize Image」を使うと、画像の読み込み遅延(Lazyload)ができます。インストールして有効化するだけで機能します。
8. SNSのシェアボタンを設置する
ソーシャルでの言及数は、サイトの検索順位と相関関係にあります。
ソーシャル上であなたのサイト名やブランド名に言及する人が多ければ多いほど、SEOは強くなる可能性があります(たとえ被リンクという形でなくても)。そのため、SNSのシェアボタンはぜひ設置しておきたいパーツです。
シェアボタンを設置できるプラグイン「WP Social Bookmarking Light」
プラグインを使うなら、「WP Social Bookmarking Light」 が便利です。
インストールして有効化したら、「設定」→「WP Social Bookmarking Light」をクリック。簡単な初期設定をおこないます。
Position:
シェアボタンの設置位置。以下の4つから選択できます(Bothを推奨)。
- Top(上部のみ)
- Bottom(下部のみ)
- Both(上部・下部両方)
- None(シェアボタンを表示しない)
Individual Article:
Yesにすると、個別投稿記事のみにシェアボタンが表示されます。Noにすると、トップページやカテゴリページにもシェアボタンが表示されます。
Pages:
固定ページにもシェアボタンを表示するかどうか。一般的に、固定ページにシェアボタンは表示させませんが、ここは好みの問題なのでどちらでも大丈夫です。
Enable Services:
表示させるシェアボタンの種類をドラッグ&ドロップで選択します。
9. サイトマップページを作る
サイトマップとは、サイトのすべてのコンテンツへのリンクをまとめたページを指します。サイトの目次のようなものです。
ちなみに、Googleのクローラーが参照するためのXMLサイトマップについては、以下のページで解説していますので、そちらをご参照ください。
新しいサイト立ち上げたり、ブログを書くと、記事が「Google」にインデックスされるまでに時間がかかります。できるかぎり早くインデックスされることで記事等のコピー対策にもなります。今回はクローラーが巡回する仕組みや、こちらから「Google」に新しい記事やサイトを伝える方法をご紹介いたします。 ...
サイトマップページからすべてのコンテンツにアクセスできるため、ユーザビリティが上がると言われています。
また、トップページにサイトマップへのリンクがあれば、SEOで理想的なリンク階層にもなります(TOPから2クリック以内で最下層ページまで到達できる)。クローラビリティも向上するわけです。
サイトマップの生成には、こちらのプラグインが便利です。
HTMLサイトマップは、ユーザー向けのサイトの目次のような役割を担っています。サイト全体の概要がユーザーに伝わり、目的のページにアクセスしやすくなるというメリットもあります。 そこで当記事では、HTMLサイトマップを簡単につくれるプラグインをご紹介いたします。 以前、当ブログでもご紹介し...
WordPressのSEOの設定項目9選まとめ
ここまで、WordPressインストール直後に最低限やっておきたい、SEOの設定項目を9個解説してきました。9項目を以下にまとめます(クリックで該当する見出しに移動します)。
- SSL化対応
- サイトURLを統一する
- パーマリンクを設定する
- タイトルとキャッチフレーズを設定
- ページキャッシュの導入
- 画像ファイルの圧縮
- 読み込み遅延設定
- SNSのシェアボタンを設置する
- サイトマップページを作る
今回ご紹介したSEOの設定はごくごく基本的なことなので、これだけで検索結果が上位に来るとは限りません。ただ、Googleから適切に評価してもらうための土台は完成します。
そこからさらにSEOを強化する場合、デザインやレイアウト(導線)の整備、あるいは戦略的なキーワード設計などが必要になります。
SEOをより強化するのに役立つ参考記事
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