不動産会社にとって自社サイトのSEO(検索エンジン最適化)は、安定した集客チャネルを確保するために非常に重要な手法です。リスティング広告、SNSなどの集客施策も有効ですが、長期的に費用を抑えながら自社サイトを「資産」として育てるためには、SEO対策が欠かせません。SEOに成功すれば安定した検索流入が中長期で見込めるようになります。
以下、不動産市場のSEOの現状と具体的なSEO対策の方法を解説します。
目次
不動産市場のSEOの現状
不動産集客は、他業種と比較してもオンライン集客が遅れている市場です。そのため、SUUMO、アットホーム、ホームズなどの不動産テック企業が権勢を振るっており、仲介事業者の中でオンライン集客できているのは大手のみといった状況です。中小の不動産屋さんは効果的な施策を打てていません。
Google検索は不動産テック企業の寡占状態
「オシャレな部屋 地域名」「広めのワンルーム 地域名」など有効需要があるキーワードの検索結果は大手の不動産プラットフォームばかりが表示されます。住友不動産などの大手事業者が時折検索上位に食い込んでいるものの、8割はテック企業が独占しています。
「100㎡ 横浜」のGoogle検索結果
ビッグ&ミドルキーワードは不動産テック企業の独壇場です。
中小の不動産会社はSEOを試してすらいない
多くの不動産会社は、コーポレートサイトを作るのがやっとのことで、ウェブ集客しようという考えに至っていません。ウェブで集客する概念がありません。物件掲載やお家選びのノウハウなどの情報発信を通じて、集客できるということを知らないのです。
このような状況下では、真剣に情報発信を行う事業者がシェアを一気に獲得することになります。
たとえば、税理士業界では「ベンチャーサポート税理士法人」がいち早くウェブ集客を積極的に取り入れたパイオニアです。彼らは十数人の小さな事務所から10年ほどで国内2番手の大手税理士法人に急成長しました。今ではあらゆる士業もウェブ集客が一般的となりましたが、当時はその概念がなかった業界だったため、ウェブ集客の効果も大きかったのです。
ウェブマーケティングが進んでいない不動産業界は大きなチャンスのある市場です。
不動産でSEOするメリット・デメリット
不動産会社がSEOでウェブ集客をするメリットは、
- 集客が毎月安定する。
- 集客コストが下がり、競争力がつく。
- ネームブランドが醸成される。
- ドメインが強くなると他の自社サイトも成功しやすくなる。
ウェブ集客に成功している不動産会社は、「買いたい・借りたい」という需要だけでなく、「売りたい・貸したい」という問い合わせも届きます。つまり、売り主や物件オーナーからの引き合いも来るので、SEOの売上効果は小さくありません。
SEOにはデメリットもあります。
- 先行企業が有利であること。
- 成果が上がるまで手間と時間がかかること。
- 成果が上がらない場合があること。
SEOを通じて、サイトのドメインが強くなっていきます。それはあなたの会社の資産となります。強くなった自社サイトを使って、他のサイトに波及させることもできるし、新事業を作るときにもウェブ戦略が立てやすくなります。ですので、SEOには当然デメリットもありますが、業務に差し支えがない程度で種まきと育成を始めることが推奨されます。
SEOの具体的な方法
1. 不動産ポータルサイトを作成する
不動産ポータルサイトを自社で運営することが、不動産市場のSEOで有利になる一番の近道です。
不動産ポータルサイトとは、エリア・駅路線で物件検索機能がついたサイトのことです。
物件ページはそのままGoogle検索結果を通じて窓口となります。1000以上の物件を掲載すると、単純に間口も1000以上となります。掲載物件数が多いほど有利になっていくゲームなので、不動産ポータルサイトの運営は不動産集客でもっとも強い方法といえます。
但し、不動産ポータルサイトは複雑なシステムとなっているため、製作にかかる初期&固定費用は決して安くはありません。弊社のGRAVITYは、その中でももっとも低コストかつ品質の高い不動産ポータルサイトが作成できます。
不動産ポータル開発の手段 | 初期コスト | 年間コスト | |
A社 | オリジナルで一からシステム開発 | 1000万円〜 | 120〜240万円 |
B社 | 既存テンプレートを使った開発 | 300万円前後 | 60〜150万円 |
C社 | プラグイン&テーマを購入し、自社で作業 | 66万円 | 7万円〜 |
GRAVITY | テーマを購入し、自社で作業 | 20万円 | 1〜3万円 |
2. 需要のあるキーワードを意識して物件を掲載する
レインズに掲載されている物件の写真を撮りに行き、それを自社のポータルサイトでいち早く掲載するのでも良いでしょう。ただ、マンパワーの壁もありますので、「特徴・エリア」で物件の範囲を絞る方が効果的です。
たとえば、「100㎡以上 大阪」の物件だけを掲載していきます。掲載物件数は大いにこしたことはありません。特定のキーワードに特化した物件を集中的に掲載し、そこで成果が出てきたら、「ルーフバルコニー 大阪」などとキーワードを横展開していきます。
どのキーワードの物件を紹介するのか。それを決める方法は2パターンあります。
- 自社の得意分野の物件を紹介する。
- キーワードの検索需要で決める。
店舗の立地が若者に人気のエリアにあるなら、たとえば「広めのワンルーム 地域名」というキーワードにしてもいいでしょう。どういったユーザー層を獲得したいかでキーワードを決めます。
キーワード調査ツールを使うと検索需要がわかりますが、それはおまけ程度の判断材料で良いと思います。なぜなら、あなたの会社が得意な物件を紹介する方が、お客様に響くからです。
>> 記事タイトルの注意点
>> 記事の文字数の目安
3. アーカイブページを検索上位に上げる
物件数が増えてきたら、カテゴリーやタグページ(アーカイブページ)で集客力が上がってきます。
たとえば、「ペットOK」というタグをつくる。ペットOK物件をいくつも掲載していくうちに、Googleから「ペットOK」の分野で専門性を評価され、アーカイブページがSEOで強くなっていきます。
「賃貸マンション ペットOK 東京」等といったビッグキーワードで上位表示されるようになると、お問い合わせは常時入るようになります。

ウェブサイト上のアーカイブページは、記事やコンテンツを日付、カテゴリ、タグなどの基準でまとめたページです。 SEOと言えば、記事などの詳細ページだけに焦点が当てられがちです。しかし、アーカイブページを使った集客は、大手サイトではよく取られる手段であり、より多くの検索流入を目指すなら避けて通れな...
以上の手順で進めていくと、不動産ポータルサイトはSEO的に強くなっていきます。
不動産のSEO戦略のポイント
ここまで解説してきた不動産のSEO戦略をポイントをまとめます。
- 物件は写真付きで詳細に情報を公開する
- 同じエリア(地域)の物件をより多く掲載する
- 「ペットOK」等のタグを作って、そこに該当する物件をより多く掲載する
- 物件ページ同士の内部リンクを増やす
- SNSで物件ページを投稿する
- ブログで特集ページを作り、物件ページにリンクする
そして、それらを実現するのが、WordPressテーマ「GRAVITY」です。
第1回 :不動産集客のネット戦略方法の紹介
第2回 :不動産のSEOについて(当記事)
第3回 :不動産の広告媒体・出稿先一覧
第4回 :不動産ポータルサイトの制作事例
第5回 :不動産ブログの成功事例
第6回 :不動産ポータルを構築するGRAVITY
第7回 :GRAVITYのよくある質問
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