「お寺の参拝者が少しずつ減ってきている」
「しかし、だからといってコンサル会社に頼るのは、どこか“お寺らしくない”気がする
そのような悩みを抱える住職・僧侶の方に向けて、“お寺らしさ”を損なわずに済む方法を提案します。

本記事では元僧侶としての実体験をもとに、お寺のX運用が向いているケース・慎重に考えたほうが良いケース、投稿内容の考え方などを整理しました。

「SNSを始めるべきか迷っている」
「Xが気になっているが、何から手を付ければいいかわからない」

上記の悩みを抱える方が、自分のお寺に合った情報発信を考えるきっかけとして、本記事を役立てていただければ幸いです。

WordPressテーマ「ZEN」
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美しいお寺のホームページが作成できる。

Xはお寺の情報を拡散したい時におすすめ

Xは、お寺の活動や想いを不特定多数の方に広く知ってもらいたい時に向いているSNSです。ホームページのように「探しに来てもらう」媒体とは異なり、投稿内容がフォロワー以外の方にも表示され、他のユーザーによって拡散される特徴があります。

実際にXを活用した私の体感としても、これまで接点のなかった方にもきっかけとして情報が届いた結果「こんなお寺があるのか」と知ってもらうきっかけになりました。

お寺の様子や季節の変化、行事の準備風景などを発信することで「閉じられた場所」という印象を和らげ、開かれたお寺として認知してもらいやすくなるでしょう。

地域との接点を増やしながら、若い世代にも自然に存在を知ってもらいたいお寺にとって、Xは取り入れやすいSNSと言えるでしょう。

X運用を取り入れるべき・向いていないお寺の特性

X運用を検討する際は、まず「自分のお寺に合っているかどうか」を整理しておくことが大切です。お寺によって、立地や役割、日々の業務内容、情報発信にかけられる時間は大きく異なります。

ここからは、実際の運用経験を踏まえながら、X運用を取り入れやすいお寺の特徴と、慎重に検討した方が良いお寺の特徴を整理します。ご自身の寺院の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

X運用を取り入れたいお寺

X運用を取り入れやすいのは、不特定多数の方にお参りしてもらうきっかけを作りたいお寺です。観光地に近いお寺や、地域外からの参拝者も想定しているお寺では、Xの拡散力が活きやすいと感じます。

特に行事やイベント、季節ごとの見どころなど「今届けたい情報」が定期的にあるお寺にもおすすめです。特別公開や花の見頃、行事準備の様子などは、短い文章と写真だけでも十分に伝えられます。

私自身が運用してきたなかでも、日常の発信を続けることで「Xを見て知りました」「前から気になっていました」と声をかけていただく機会が増えました。日々の業務の合間に、週に数回でも無理のない範囲で情報発信ができる体制があるお寺は、X運用は前向きに検討しやすいでしょう。

X運用が向いていないお寺

X運用は拡散力のあるSNSですが、すべてのお寺に必ず合うとは限りません。特に、地域とのつながりが強く、参拝者や檀家との関係がすでに十分築けているお寺では、Xを使った発信が必須でないケースもあります。

また、行事やお知らせが年に数回程度で、発信できる内容が限られている場合も、X運用の効果を感じにくいでしょう。更新が長期間止まってしまうと、かえって「今は動いていないお寺なのか」と受け取られてしまう可能性もあるため注意が必要です。

日々の業務が忙しく、情報発信にほとんど時間を割けない体制では、無理にXを始めるよりも、まずはホームページや紙媒体での案内を整えるのが無難です。お寺ごとの役割や状況に応じて、無理のない発信手段を選ぶことが大切です。

なお、Xはお寺の存在を知ってもらうための「入口」になりますが、その先に「受け皿」となるホームページを整えておくと安心できます。受け皿としてはWordPressテーマ「ZEN」が1つの選択肢になります。

WordPressテーマ「ZEN」
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お寺用のXアカウントで投稿したい内容

お寺のX運用では、特別な企画や難しい発信をする必要はありません。日々の行事や季節の移ろい、普段の境内の様子など、お寺のなかにすでにある情報が、そのまま投稿内容になります。

大切なのは「誰に何を届けたいのか」を意識しながら、日々の業務の延長で無理なく続けることです。

ここからは、実際の運用経験をもとに、お寺のXアカウントで投稿しやすく、反応を得やすかった内容を具体的に紹介します。

行事やイベント情報

お寺のX運用において、行事やイベント情報はもっとも投稿しやすく、反応を得やすい内容の1つです。法要や特別公開、写経会、花見など、すでに実施している取り組みをそのまま発信するだけでも十分です。

投稿する際は、難しい説明を加える必要はありません。
「◯月◯日に行事があります」「どなたでもお参りいただけます」といったシンプルな情報と、当日の雰囲気が伝わる写真を添えるだけで、見た方に安心感を与えられます。

実際、私が運用していた際も、行事前の告知や準備風景を投稿することで「前から気になっていました」「タイミングが合えば行ってみたいです」といった反応が増えました。

行事やイベントは、お寺が「今も動いている場所」であることを自然に伝えられる題材です。無理に集客を意識せず、事実を淡々と届ける意識で続けることが、結果的に参拝のきっかけにつながります。

桜や紅葉などを含めた新着情報

桜や紅葉、雪景色などの季節の移ろいを伝える投稿は、お寺のX運用と相性の良い内容です。行事のように日程を決めて準備する必要がなく、境内の様子を切り取るだけで投稿できるため、負担を感じにくいのが特徴です。

特に、桜や紅葉の見頃は参拝を検討している方が気にしやすい情報でもあります。「今日は境内の桜が咲き始めました」「紅葉が見頃を迎えています」といった一言と写真があるだけで、十分に参拝の判断材料になります。

実際、私がX運用していたお寺でも、季節の写真を投稿することで「今度見に行きます」といった反応を多くいただきました。

新着情報は、お寺の時間が今も穏やかに流れていることを自然に伝えてくれます。無理に言葉を足さず、風景をそのまま共有する意識で続けることが、X運用を長く続けるコツと言えるでしょう。

学びになる仏教の教え

お寺のX運用では、仏教の教えを日常に寄せて伝える投稿も相性の良い内容です。難しい専門用語や長い説法にする必要はなく、日々の出来事に重ねた一言や、掲示板に書いている言葉をそのまま紹介するだけでも問題ありません。

例えば、人とのかかわり方についての短い言葉は、読む人の生活に自然に入り込みやすいものです。Xは流し読みされる媒体だからこそ、短く区切られた言葉のほうが、かえって心に残りやすいのが特徴です。

実際に私がX運用をしていたお寺でも、仏教の教えに触れた投稿に対して「考えさせられました」「今の自分に刺さりました」といった反応をいただくことがありました。

特に、仏教の教えを発信することは、売り込みではなく、お寺が本来持っている価値を静かに差し出す行為と言えます。Xでは、そうした姿勢そのものが、少しずつ信頼につながっていきます。

お寺用のXアカウントでフォロワーが増えるお寺の特徴

お寺のX運用では、フォロワー数の増加を目的にする必要はありません。しかし、結果として参拝者が集まりやすいお寺には共通点があります。

ここからは、実際の運用経験をもとに、無理なく参拝者が集まりやすいお寺の特徴を整理していきます。また「そうは言ってもフォロワー数を意識したい」方に向け、フォロワーが増える傾向のあるお寺についてもまとめました。

「見る楽しみ」が感じられる

お寺のX運用で参拝者が集まりやすいお寺に共通しているのが、投稿を見た時に「少し覗いてみたい」「次も見たい」と感じられる投稿があるかです。

例えば、境内の様子や季節の風景、行事準備の一コマなど、日常のなかにある写真や出来事を淡々と発信しているだけでも十分です。投稿が続くことで、お寺の空気感が少しずつ伝わっていきます。

実際、私が運用していたお寺でも、宣伝目的ではない日常の投稿に対して「写真を見るのが楽しみです」「落ち着きます」といった反応をいただくことがありました。こうした“見る楽しみ”が積み重なることで、自然にお寺への親しみが生まれていきます。

Xでは、役立つ情報を発信すること以上に「そこにある時間や雰囲気」を感じてもらえることが大切です。見るだけでも心地よい投稿が続くお寺ほど、結果として参拝のきっかけを作りやすくなるでしょう。

定期的に更新している

お寺のX運用で結果が出やすいかどうかは、投稿内容そのもの以上に「継続して発信できているか」が大きく影響します。毎日更新する必要はありませんが、一定のリズムで投稿が続いているお寺ほど、安心感を持って見てもらいやすくなります。

Xは流れの速いSNSのため、投稿が長期間止まってしまうと、アカウント自体の存在が忘れられてしまいがちです。一方で、月に数回でも定期的に更新されていると「今も活動しているお寺」という印象が自然に伝わります。

私が運用していたお寺でも、更新頻度を意識するようになってから「いつも見ています」と声をかけていただく機会が増えました。

X運用は短期間で成果を求めるものではありません。行事や季節の投稿を軸にしながら、できる範囲で更新を続けていくことが、参拝者との接点をゆっくりと増やす近道と言えるでしょう。

ハッシュタグや投稿時間の工夫ができている

お寺のX運用では、専門的な分析をしなくても、投稿の反応を見ながら感覚的に工夫できます。例えば、目に留まりやすい夕方に投稿したり、行事名や地名を入れたりする小さな違いです。

「◯◯寺」「写経会」「特別公開」など、投稿内容に合った言葉を添えるだけでも、必要としている方に届きやすくなります。また、行事の告知は直前よりも数日前が見てもらいやすいのが特徴です。

私がX運用をしていたお寺でも、投稿の時間帯や言葉選びを少し意識するようになってから「Xを見て知りました」と声をかけていただく機会が増えました。しかし、特別なツールを使ったり、数字を細かく記録したりしていたわけではありません。

お寺のX運用では「少し工夫してみる → 反応を見る」という繰り返しで十分です。お寺の雰囲気や発信内容に合った形を、無理のない範囲で見つけていくことが大切です。ハッシュタグや投稿時間について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

お寺用アカウントを運用する際の注意点

お寺のX運用は、工夫次第で多くの方に想いや活動を届けられる一方、使い方次第では誤解を招いたり思わぬ負担になったりすることもあります。

ここからは、実際の運用経験を踏まえながら、お寺用アカウントを運用する際に意識しておきたいポイントを整理します。無理なく、安心して続けていくための視点として参考にしてみてください。

むやみにリプライやフォローをしない

お寺のX運用では、他のアカウントとのかかわり方にも気を配る必要があります。フォロワーを増やしたいからといって、無差別にフォローしたりすべての投稿に反応したりする必要はありません。

Xは気軽に交流できる反面、やり取りの内容や距離感によっては「寺院としての発信」として違和感を持たれてしまうこともあります。特に、個人的な意見への過度な反応や話題性だけを狙ったリプライは、意図せず誤解を招いてしまいます。

私が運用していた際も、基本的には必要な問い合わせや感謝の言葉に対して丁寧に返す程度に留めていました。それでも「見てくれている」「きちんと対応してくれるお寺」という印象は十分に伝わります。

お寺のXアカウントは、交流を広げる場というよりも、想いや情報を静かに届ける場として捉えるのがおすすめです。無理にかかわろうとせず、適切な距離感を保つことが、長く安心して運用を続けるコツと言えるでしょう。

炎上するような対応はしない

お寺のX運用では、強い主張や感情的な言葉を避け、落ち着いた発信を心がけることが大切です。Xは拡散力が高いため、意図しない受け取られ方をされると、想像以上に広まってしまいます。

特に、価値観がわかれやすい話題や、その場の感情で書いた投稿には注意が必要です。反論したくなる場面があってもすぐに反応せず、一度立ち止まるだけでトラブルを防げる見込みがあります。

私自身も運用していた際は「今この投稿は、お寺として発信して違和感がないか」を基準に、慎重に言葉を選んでいました。つまり、発信を控える判断も、運用の一部なのです。

お寺のXアカウントは、意見をぶつけ合う場ではなく、安心感や信頼を積み重ねる場です。静かな姿勢を保つことが、結果的に無理なく長く続けられる運用につながります。

X運用の成果が出るまでの目安

私自身の運用経験をもとにお伝えすると、お寺のX運用で成果が出るまでの目安は、1〜3ヶ月以降と言えます。ただし、ここで言う成果は「Xを見て来ました」と言ってもらえるかを基準にするのがおすすめです。

投稿に対して感想の返信が届いたり、同じ方が何度か反応してくれたりするようになるのが、初期の成果です。また、行事の投稿に対して「次は行ってみたいです」といった声が見られるようになれば、十分に意味のある変化と言えるでしょう。

私自身の経験でも、しばらく発信を続けたあとに「Xを見て知りました」「前から気になっていました」と声をかけられるようになりました。これは数字には表れにくいものの、参拝につながる大切な兆しです。

X運用の成果は、急に大きく現れるものではありません。小さな反応を積み重ねながら、ゆっくりと信頼が育っていくものだと考えておくと、無理なく続けやすくなるでしょう。同時に「お問い合わせ先」や「行事の詳細情報」などは、ホームページでまとめておくのがおすすめです。

まとめ

本記事では、お寺のX運用について、向いているお寺の特徴や投稿内容の考え方、無理なく続けるためのポイントをお伝えしました。本記事の内容をまとめると以下のとおりです。

Xは、参拝者数を一気に増やすための手段というよりも、お寺の存在や想いを必要としている方にそっと届けるための媒体です。日々の行事や季節の風景、仏教の教えといった、お寺のなかにすでにあるものを発信するだけでも、少しずつ関心や信頼は積み重なっていきます。

無理にSNSを活用する必要はありませんが、もし「今の想いを伝える場所がほしい」と感じているのであれば、Xは無理のない形で想いを届けるための、受け皿の1つになり得ます。

なお、他のSNSとの相性を種類ごとに知りたい方は、以下の記事でまとめているのであわせてご覧ください。

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