WordPressテーマ「Motors」に、管理者アカウントが乗っ取りされる危険がある深刻な脆弱性が報告されました。放置すると、ご利用中のWordPressにさまざまな影響を与える可能性があるため注意が必要です。

この記事では、WordPressテーマ「Motors」の脆弱性と影響、対策を詳しく解説します。WordPressを脅威から守りたい方、安全な運用を継続するための具体的な知識が得たい方は、ぜひ最後までお読みください。

WordPressテーマ「PANDORA」
WordPressテーマ「PANDORA」
レイアウト自由自在なブログ・メディアを構築。

WordPressテーマ「Motors」の深刻な脆弱性

WordPressテーマ「Motors」において、セキュリティ上のきわめて重大な問題「CVE-2025-4322」が発見されました。この脆弱性は、悪意を持った第三者がWordPressの管理者権限を不正に取得できるというものです。

参照元:22,000 WordPress Sites Affected by Privilege Escalation Vulnerability in Motors WordPress Theme

想定されるリスクは、特定の機能に存在する不備を悪用され、正規の認証プロセスを経ずに管理者アカウントが乗っ取られることです。他にも、コンテンツが改ざんされたり個人情報が流出したりする危険性が高まるなど、深刻な被害につながる可能性があります。

この脆弱性はWordPressのバージョンや他のプラグインの有無に関わらず、Motorsテーマのバージョン5.6.67以下を使用しているすべてのサイトに影響を及ぼす危険性が高いです。

そのため、テーマの利用者は早急に最新バージョンへの更新をしてください。

脆弱性の原因

WordPressテーマ「Motors」における脆弱性の原因は、テーマに含まれるLogin Registerウィジェット内のpassword-recovery.phpテンプレート・ファイルにおけるパスワードリセット処理の不備です。

ユーザーのメタデータ内のハッシュが「empty」の場合 (パスワード・リセットが開始されていない) 、hash_checkパラメータに無効な UTF-8文字が渡され、チェックが回避されます。

脆弱性の分類は、CWE-620「未検証のパスワード変更」です。

修正されたバージョン

WordPressテーマ「Motors」の深刻な脆弱性は、開発者によって速やかに認識され、すでに修正済みのバージョン5.6.68がリリースされています。最新版では、脆弱性対策だけでなく、パフォーマンスの向上や新機能の追加なども含まれている可能性があります。

現在「Motors」テーマを利用しているWordPressの管理者は、セキュリティを確保するためにも、修正済みバージョンへアップデートしましょう。

WordPressテーマ「Motors」の脆弱性が与える影響

WordPressテーマ「Motors」の脆弱性が与える影響は、大きく分けると5つあります。

  1. 管理者アカウントの乗っ取り
  2. サイトの改ざん
  3. 悪質なプラグインやテーマのインストール
  4. マルウェアの配布
  5. ユーザー情報の窃取

それぞれ詳しく解説します。

管理者アカウントの乗っ取り

今回の脆弱性でもっとも注意すべき影響は、管理者アカウントの乗っ取りです。攻撃者は機能の不備を悪用し、正規のパスワードを知ることなく、WordPressサイトの最高権限を持つ管理者アカウントにログインできます。

アカウントを乗っ取られると、WordPress上のコンテンツや設定を自由に操作される可能性が高いです。

たとえば、記事の削除や新規ページの作成、ユーザー情報の閲覧と変更、サイトの閉鎖などです。これは、運営者からすると致命的な事態と言えるでしょう。

サイトの改ざん

管理者アカウントが乗っ取られると、攻撃者によるサイトの改ざんが行われる可能性が高まります。たとえば、WordPressサイトの見た目を損なう不適切な広告の挿入をはじめ、特定の政治的メッセージの表示、フィッシングサイトへの誘導などです。

サイトの改ざんは、企業のブランドイメージを著しく低下させるほか、訪問者の信頼を失う可能性が高まります。

また、改ざんされたサイトを通じて、さらなるサイバー攻撃の足がかりにされるリスクもあります。

悪質なプラグインやテーマのインストール

攻撃者が管理者権限を握ると、WordPressサイトに悪質なプラグインやテーマを自由にインストールされるリスクが高まります。これらのはバックドアとして機能し、攻撃者がいつでもアクセスできる状態を作り出す可能性があります。

また、サイトのデータを外部に送信したり、スパムメールの送信元として利用されたりするなど、さまざまな不正行為の温床となる危険性があるでしょう。

場合によっては、正規のプラグインやテーマと見分けがつきにくいように偽装されている場合があるため、発見が遅れる可能性も考えられます。

マルウェアの配布

脆弱性を悪用されたWordPressサイトは、マルウェア配布の拠点として利用される危険性があります。

攻撃者は、サイトにアクセスした訪問者のコンピューターに、ウイルスやランサムウェアなどのマルウェアを自動的にダウンロードさせるように仕向けるかもしれません。これにより、訪問者が意図せずサイバー犯罪の被害に遭うリスクが高まります。

また、WordPressサイトがマルウェアを配布するサイトと認識されると、検索エンジンのランキング低下や、ブラウザからの警告表示など、信頼性の回復に多大な労力を要するでしょう。

ユーザー情報の窃取

今回の脆弱性は、WordPressサイトに登録されているユーザー情報が窃取される危険性も無視できません。特に、ECサイトや会員制サイトの場合、ユーザーの名前やメールアドレス、住所、電話番号、クレジットカード情報などの機密性の高い個人情報が漏洩する可能性があります。

窃取された情報は、不正利用やダークウェブでの売買など、さらなる犯罪行為に利用されるかもしれません。

また、ユーザー情報の漏洩は企業の社会的信用を損ない、損害賠償請求に発展する可能性もあります。

WordPressテーマ「Motors」の脆弱性を対策する方法

WordPressテーマ「Motors」の脆弱性を対策する方法は、以下のとおりです。

  1. Motorsテーマを最新版に更新する
  2. セキュリティプラグインのインストール
  3. 管理者ログイン履歴のチェック
  4. 2段階認証の導入
  5. WordPress本体の更新

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Motorsテーマを最新版に更新する

すぐにでも取り掛かるべき対策は、WordPressテーマ「Motors」を最新の修正済みバージョン5.6.68に更新することです。

最新版にアップデートすれば、管理者アカウントを乗っ取られるリスクを解消できます。ただし、更新作業を行う際は、万が一の事態に備えてサイト全体のバックアップを取得しておきましょう。

最新版への更新はセキュリティだけでなく、パフォーマンスの向上や新機能の利用にもつながるため、定期的な実施するべきです。

セキュリティプラグインのインストール

WordPressのセキュリティを強化するには、信頼できるセキュリティプラグインをインストールしましょう。そうすれば、不正なログイン試行のブロックやマルウェアのスキャン、ファイアウォール機能による攻撃からの保護など、サイトの安全性が高まります。

たとえば、Wordfence SecuritySucuri Securityといったプラグインは、多くのWordPressユーザーから利用され、総合的なセキュリティ対策が可能です。これらを導入すると、今回の脆弱性だけでなく、他の潜在的な脅威からもサイトを保護し、安全な運用体制を構築できます。

管理者ログイン履歴のチェック

WordPressサイトのセキュリティを維持するには、管理者ログイン履歴を定期的にチェックする習慣を身につけるべきです。不審なログイン試行や、身に覚えのないログイン履歴がないかを確認すれば、不正アクセスの兆候を早い段階で発見できます。

ログイン履歴を記録するプラグインを導入すると、いつ、どのIPアドレスから、どのユーザー名でログインがあったかを把握できるので便利です。

異常なログイン履歴が確認された場合は、直ちにパスワードの変更や、疑わしいユーザーアカウントに対するBANを講じてください。

2段階認証の導入

セキュリティ対策をさらに強化したい場合は、2段階認証(2FA)を導入しましょう。

この認証は、パスワードによる認証に加え、スマートフォンアプリで生成されるワンタイムパスワードや生体認証など、もう一つの認証を要求する仕組みです。これにより、仮にパスワードが漏洩した場合でも、攻撃者がアカウントにログインする難易度を高められます。

2段階認証はWordPress.comが提供しているほか、プラグインもいくつかあります。

サイト全体のセキュリティレベルを高めるためにも、導入を検討しましょう。

WordPress本体の更新

WordPressはテーマの脆弱性対策に加えて、本体を常に最新の状態に保ちましょう。

WordPress本体にはセキュリティパッチやバグ修正が定期的に適用されているため、古いバージョンを使い続けると、新たな脆弱性のリスクに晒されるリスクが高まります。

テーマやプラグインの互換性を考慮しつつ、最新バージョンを利用する習慣を徹底しましょう。

まとめ

WordPressテーマ「Motors」の重大な脆弱性「CVE-2025-4322」は、認証なしで管理者権限が奪われ、サイトが完全に乗っ取られる可能性があります。影響を受けるサイトは22,000件以上とされているため、テーマを使用中の方は速やかにバージョン5.6.68以降にアップデートしてください。

迅速な対応と追加のセキュリティ対策を講じれば、被害を未然に防げます。

また、安全なWordPressテーマへの移行も検討しましょう。

TCDでは、多種多様なデザインを持つテーマが揃っているほか、いつでも安全に利用できます。興味がある方は、ぜひ製品一覧をご覧ください。

世界最高品質のデザインの
WordPressテーマ集
WordPressテーマ「ISSUE」
WordPressテーマ「ISSUE」
人材不足を解決する求人採用サイトを。
WordPressテーマ「SEEED」
WordPressテーマ「SEEED」
Webサービスを販売するLP型テーマ。
WordPressテーマ「GENESIS」
WordPressテーマ「GENESIS」
スタイリッシュな企業サイトの決定版。
WordPressテーマ「SOLARIS」
WordPressテーマ「SOLARIS」
一流の企業のための一流の企業サイトを。