近年は企業・個人を問わず、オンラインで商品やサービスを販売するのが当たり前になりました。その中でよく使われる言葉が「ECサイト」と「ネットショップ」です。

一見すると同じ意味のように見えますが、実はこの2つには僅かな違いがあります。

本記事では、「ECサイト」と「ネットショップ」の定義の違い・使い分けのポイント・それぞれの種類についてわかりやすく解説します。

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ECサイトとネットショップの違いとは

ECサイトとネットショップは、ほとんど同じ意味で使われています。しかし、僅かな違いがあります。まずは、2つの言葉の定義を整理しましょう。

ECサイトとネットショップの定義の違い
用語 定義 具体例
ECサイト
(E-Commerce)
インターネット上で商品やサービスを売買するすべてのサイトの総称。 Amazon、楽天市場、企業の公式通販サイトなど
ネットショップ ECサイトの中でも、自社で商品を販売する店舗型のサイトを指す。 無印良品の公式ストア、BASE・Shopifyで作った個人店など

つまり、ECサイトは広い概念であり、ネットショップはその一部にあたります。

Amazonや楽天のようなモール型も「ECサイト」には含まれますが、「ネットショップ」は自社または個人運営の「オンライン店舗」を指すケースが多いです。

ECサイトやネットショップは、どちらも通販に属する存在。通販とは顧客が店舗に足を運ばなくても、通信手段を使って商品を購入できる販売形態を指します。ECサイトやネットショップは、通信手段にインターネットを利用した通販の一種です。

インターネットの普及によって、カタログや電話での注文が主流だった通販の形態が、Webサイト上での取引に変わったわけです。ECサイトやネットショップは、インターネット通販という広いくくりに含まれる存在です。

以下の項目をくわしく解説します。

  1. ECサイトとは
  2. ネットショップとは

それぞれ見ていきましょう。

ECサイトとは

ECサイトは「Electronic Commerce Site」の頭文字を取った言葉で、電子商取引を行うWebサイトを指します。

具体的には、インターネット上で商品の売買やサービスの提供を行うシステム全体を意味します。企業が自社の商品を販売するWebサイトや、個人間で取引を行うフリマアプリなどもECサイトのひとつです。

また、商品を陳列するだけでなく、決済システムや在庫管理、顧客情報管理など、販売に関わる一連の機能を持つのが一般的です。

ECサイトの主な種類
種類 概要 メリット デメリット
モール型
ECサイト
複数の店舗が集まるECモールに出店する形式。
例:Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング
集客力が高い/信頼性がある 手数料が高い/顧客データを自社で管理しにくい
自社型
ECサイト
自社でドメインを取得し、独自のショップを運営する形式。
例:ユニクロオンラインストア
ブランドを自由に表現できる/顧客データを活用しやすい 集客が課題になる/初期構築コストがかかる
ハイブリッド型
ECサイト
自社サイトを持ちながらモールにも出店する形式。 販路拡大ができる/リスク分散が可能 運営コストが増える/在庫管理が複雑になる

ネットショップとは

ネットショップはインターネット上に開設されたお店のことで、Webサイトを通して商品を販売する店舗全般を指します。

具体的には、個人や企業がインターネット上に自社のホームページを作成し、そこに商品を掲載して販売する形態です。

ネットショップは、ECサイトにおけるひとつの形態と捉えるのが一般的です。たとえば、自分で作成したアクセサリーを販売するWebサイトや、地域特産品を扱う通販サイトなどが該当します。

ECサイトとネットショップの使い分け

ECサイトとネットショップは、広義では同じ意味を持つ言葉です。しかし、専門家や文脈によっては使い分けされる場合があります。

たとえば、システム開発の現場ではECサイトという言葉が使われるケースが多く、決済機能や在庫管理システムなどを含めたWebサイト全体の仕組みを指します。

一方、小売業者が自分のショップを立ち上げる際には、ネットショップという言葉を使うケースが多いです。

用語の使い分けの目安
適切な用語 シーン 理由
ECサイト 業界や市場の全体像を説明するとき ネット上の売買全体を指す広い概念のため
ネットショップ 自社のオンライン販売事業を紹介するとき ブランドや店舗の世界観を伝えやすい
ECサイト IT・ビジネス記事など専門的な文脈 業界標準の用語として認識されているため
ネットショップ デザイン・構築・運営を語るとき 「店舗」としての運営要素が強い

ECサイトとネットショップの種類

ECサイトとネットショップの種類は、大きく分けると4つあります。

  1. モール型
  2. オンプレミス型
  3. クラウド型
  4. ASP型

それぞれ詳しく解説します。

モール型

モール型ECサイトは楽天市場やYahoo!ショッピングのような、複数の店舗がインターネット上のショッピングモールに出店する形態です。

楽天市場

メリットはすでに多くの人が利用しているため集客力があり、新規顧客を獲得しやすい点です。一方で、出店する費用や手数料が発生します。

また、多くの競合店舗が並ぶため、独自性を出すハードルが高いともいえるでしょう。

オンプレミス型

オンプレミス型ECサイトは自社でサーバーやネットワーク機器を用意し、ECサイトのシステムを構築する形態です。

自由度が高く、事業に合わせたカスタマイズを自由に行えるほか、独自の機能を追加したり既存のシステムと連携したりできます。

しかし、初期費用や構築期間が長く専門知識が必要になるため、大規模なビジネスやシステム開発のリソースがないと運営が困難です。

クラウド型

クラウド型ECサイトは、インターネット上のサーバーやソフトウェアを利用してECサイトを構築する形態です。

導入している企業には、株式会社大戸屋、株式会社エスエスケイ、株式会社USENなどがあります。

クラウド型を採用している大戸屋のネットオーダー専用サイト

クラウド型は自社でサーバーを用意する必要がなく、比較的低コストで始められる点が特徴です。必要なときに必要な分だけ利用できるため、事業規模の拡大に合わせて柔軟にECサイトを構築できます。

ただし、クラウド事業者が提供する範囲でしかカスタマイズができないため、システムの自由度はオンプレミス型に比べると低いです。

ASP型

ASP型ECサイトは「Application Service Provider」の略で、ECサイト構築に必要な機能をインターネット経由で提供するサービスです。

導入している企業には、株式会社スギ製菓、京越株式会社、株式会社ジェイシークリエイティヴなどがあります。

ASP型を導入した株式会社スギ製菓の通販サイト「えびせん家族」

ASP型はサーバーやシステム構築の知識がなくても、サービスに申し込むだけでECサイトを開設できます。テンプレートを選んで商品を登録するだけで、すぐに販売を始められる点がメリットです。

初期費用を抑えて手軽にECサイトを始めたい個人や、小規模なビジネスに適した選択肢といえるでしょう。

ECサイト・ネットショップを運営するメリット

ECサイト・ネットショップを運営するメリットは、3つあります。

  1. 時間や場所に縛られずに商品を販売できる
  2. さまざまなWeb集客を実施できる
  3. 店舗を大勢の人に知ってもらえる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

時間や場所に縛られずに商品を販売できる

ECサイトやネットショップは、24時間365日営業できます。

実店舗のように、営業時間や休業日に左右されません。

さらに、ユーザーは自分の好きな時間に場所を問わず商品を購入できます。

地方の特産品を全国に販売したり、海外の顧客に商品を届けたりする運営も可能です。これにより、販売機会を最大限に増やし、事業の可能性を広げられます。

さまざまなWeb集客を実施できる

ECサイトやネットショップでは、インターネットを活用した集客施策を数多く実施できます。

たとえばGoogleやYahoo!の検索エンジン最適化(SEO)により、自社のECサイトを上位表示させ、多くのターゲットへのアプローチが可能です。

また、SNSを活用して商品情報を発信したり、インフルエンサーとのコラボレーションで商品を宣伝したりするなど、さまざまな集客方法があります。

集客方法 特徴
SEO対策 検索エンジン最適化によりオーガニックトラフィックを増加させ、長期的な集客効果を期待できる
SNSマーケティング SNSプラットフォームを活用し、ターゲット層に直接アプローチ。インフルエンサーとの提携も効果的
リスティング広告 検索結果に広告を表示させるため即効性が高く、特定のキーワードに基づいてターゲットを絞り込める
コンテンツマーケティング ブログや動画を通じて価値ある情報を提供し、顧客の関心を引けるほか、SEO対策とも連携可能
インフルエンサーマーケティング 影響力のあるインフルエンサーを通じて商品を宣伝できる(ターゲット層にリーチしやすい)

それぞれを組み合わせれば、ターゲット層への訴求効果を高められます。

店舗を大勢の人に知ってもらえる

ECサイトやネットショップは、実店舗のように地理的な制約を受けません。インターネットにつながる環境さえあれば、誰でもECサイトにアクセスが可能です。

これにより、日本全国、さらには世界中の顧客に店舗や商品を知ってもらう機会が増えます。

ニッチな商品を扱っている、もしくは特定の地域に根ざした商品の場合でも、インターネットを使えば関心を持つ顧客に効率よくリーチできます。

ECサイト売上ランキングの上位はどこ?

ECサイト売上ランキングTOP3は、以下のとおりです。

  1. Amazon
  2. ヨドバシドットコム
  3. ZOZOTOWN

それぞれ詳しく解説します。

Amazon

Amazonは世界規模で展開するECサイトで、国内トップの売上(3兆6556億円)を誇ります。

強みはあらゆる商品を扱う圧倒的な品揃えと、迅速な配送システムです。プライム会員向けの特典や購入履歴に基づいたおすすめ表示など、ユーザーの利便性を高めるサービスが充実しています。

また、マーケットプレイス機能によって、個人や中小企業も手軽に出店できる仕組みも売上を伸ばている要因です。

Amazon

ヨドバシドットコム

ヨドバシドットコムは、家電量販店として知られるヨドバシカメラが運営するECサイトです。売上高は2268億800万円と、国内ではAmazonに次いで2位となっています。

特徴は実店舗と連携したサービスで、商品の受け取り方法を自由に選べる点です。

また、家電製品を中心に幅広い商品を取り扱っており、独自のポイント制度や充実したサポート体制によって、高い顧客満足度を維持しています。

家電やカメラなど、高単価な商品の購入に強みを発揮しているECサイトといえるでしょう。

ヨドバシドットコム

ZOZOTOWN

ZOZOTOWNはファッションに特化したECサイトとして確固たる地位を築き、ターゲットとなる顧客層に深くアプローチしています。

売上高は1970億1600万円と、国内では3位です。

数多くのブランドが出店しており、最新のトレンドから定番アイテムまで豊富な品揃えが魅力です。

また、商品ごとのレビューやサイズ感の情報、独自の採寸データを提供し、ECサイトでのファッション購入に対する不安を軽減し、ユーザーの利便性を高めています。

ZOZOTOWN

まとめ

ECサイトとネットショップはわずかな違いがあるものの、ほぼ同じ意味で使われます。どちらも、インターネット上で商品やサービスを売買する通販の一種です。

一般的に個人事業主や中小企業が開設するのは「ネットショップ」です。ネットショップを作成するなら、最もコストの安いWordPressでの運営を検討すべきです。TCDテーマを使用すれば、手間いらずで高品質なデザインと機能性を手に入れられます。

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