ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)とは、商品・サービスの販売効率を上げるマーケティング手法の1つ。

インターネット・DM・テレビ・ラジオ・チラシなどのチャネルを使った「通信販売」の販売効率を上げることを目的としており、アメリカから輸入したマーケティングの手法になります。

チャネル・媒体によって手法は異なるものの、いずれもリストを集め、教育し、販売するという3つの段階を踏むことで収益最大化を狙います。

  1. 見込み客リストを集める
  2. 教育する
  3. 販売する

無料もしくは低単価の「フロントエンド商品」を用意し、見込み客のリストを集める。集まった見込み客に対して関係性を構築していくことで、バックエンド商品の販売につなげる。

この3段階が、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の骨子です。

DRMの特徴

DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の特徴は、収益最大化です。

広告を出す場合、一般的なメーカー・販売者は商品の販売ページをターゲットURLにして広告を出します。しかし、初見のユーザーに販売ページでいきなり商品を売り込んでも、多くのユーザーは判断に迷います。ゆえに成約率も下がります。

DRMでは、いきなり商品は売り込みません。最初にお試し商品・無料商品などの「フロントエンド商品」を提供し、手に取ってもらうことを目指します。

フロントエンド商品を手にした見込み客に対して、メルマガやDMで関係性を作っていく。その後に販売する過程を踏みます。いきなり商品を売り込むことはしないため、成約率も飛躍的に向上することになります。

たとえば、販売サイトに直接誘導する場合は成約率1%だったものがDRMで10%になれば、同じ広告費でも売上が数倍になることがあります。

成約率はあくまでも喩えです。いずれにせよこの段階を踏むかどうかで成約率に大きく影響します。

DRMがよく使われる業種

DRMが使われている業種はインターネット販売全般に及びますが、特に浸透している業界は下記となります。

  • 健康食品
  • 化粧品
  • クレジットカード
  • サプリメント
  • 美容商品
  • デジタルコンテンツ

上記は無料、もしくは低単価のフロントエンド商品をまず最初に提供することで見込み客を獲得。その後、バックエンド商品の販売で利益を上げるという手法がとられています。

DRMのメリット

  • 広告の無駄を減らす。
  • 成約率を上げる。
  • 顧客リストが多く手に入る。

基本の流れ

ということで、ここからはDRMを使ったネットビジネスの構築方法を解説していきます。

ネットビジネスにおけるDRMの流れ

このステップを、順々に見ていきましょう。

1. リストを集める

まずは、リストを集めます。リストとは、見込み客リスト(商品・サービスに興味を持っているお客さん)のことで、簡単にいえばメールアドレスや住所です。

最初のリスト集め、ここが最も重要なステップです。リストがなければ、ビジネスはできないからです。少なくとも、安定して成長するビジネスは作れません。

リストを集めずにビジネスをするのは、ほとんどギャンブルに近いです。リストがなくても、たまたまサイトに訪問した人が商品を買ってくれるかもしれません。しかし「買う・買わない」 という2択しかないので、売れるかどうかは運任せです。

リストがないビジネスはギャンブルと同じ

でも、そこにリストを集める仕組みがあれば、まずはメルマガに登録してもらって、有益な情報を発信して信頼関係を築いてから売る、という戦略がとれます。

これなら、すぐには売れなかったとしても、メルマガのリストは残ります。再びセールスする機会を持てるです。しかしリストがなければ、最初のセールスで失敗すればもう次はありません。二度とサイトには戻ってこないでしょう。

ここが、DRMの大事な考え方です。

つまり、1つ目のフェーズでは商品を売ることよりリスト獲得です。広告も、商品を売るためではなくリストを獲得するために出す、という考え方です。

たとえば、商品の販売ページにいきなり誘導するのではなく、メルマガ登録のオプトインページにまずは誘導してメルマガリストを集めていきます。

<例>
オプトインページを作成する
オプトインページで無料オファー(※)を提供し、リストをとる

※無料オファーとは、メールアドレスをもらう対価として提供する商品・サービスのこと。無料のPDFレポートや動画講座など。たとえばTCDのトップページでは、WordPressテーマ 「GLUE」 のプレゼントを無料オファーに使っています。

TCD公式のトップページのGLUEのバナー

このバナーをクリックした先が、以下のオプトインページです。ここで無料オファーと引き換えに、メールアドレスのリストを収集しています。

GLUEのLP例

無料WordPressテーマ「GLUE」 | ワードプレステーマTCD

弊社の場合、自社サイトからリストを集める仕組みが充実しています。

上記の「GLUE」 無料オファーがそうですし、あとはロゴマルシェやフォトマルシェ、ボタンマルシェなどですね。必然的に自社サービスに興味のある人たちが登録してくれるので、リストの質も高いわけです。

また、人気メルマガへの広告出稿などもおこなっています。リスト獲得のための投資をつねにしているわけです。それだけ、リストの重要性を理解しているからですね。

2. 教育する

リストを取得したら、メルマガで有益な情報を発信していきます。ここで大事なのは、読者があえて読みたいと思える配信内容を心がけることです。
※「教育」という言葉をここで使うのは個人的にあまり好きではないのですが、便宜上わかりやすくするため「教育」という言葉を使っていきます。

メルマガの配信内容が商品の宣伝ばかりだと、精読率はみるみると落ちていきます。読者との関係性がなければ、どのような説得力も持ちません。商品が売れたとしてもそれはラッキーであり、確率の問題でしかないのです。すでにあなたが有名人でファンがいるならまだしも、今はそのタイミングではありません。

読者に対してやることは、ギブ(Give)です。将来お客さんになってくれる人に対して、自分は何が出来るのかを考えてみてください。

一つは、有益な情報をメルマガで配信していくことです。いわば、問題解決のアドバイザーという立ち位置で、見込み客のタメになる情報を発信していくのです。彼らの悩みや不安、疑問の解決策を真摯にアドバイスして、見込み客と信頼関係を築いていきます。

他にも読者から上がってきた要望を実行してみてもいいかもしれません。まだお客さんになっていな人たちに対してできることは限られているでしょう。それほどコストもかけられません。とは言え、損して得をとれという言葉がある通り、商売は最初にあなたが「ギブ」をして、顧客に儲けていただいた後に自分に返ってくるというサイクルも真理です。

毎日毎日、売り込み目的だけのメールが来たらウンザリしてしまいますからね。もっとおもしろいことを配信し、読者と喜びを共有しましょう。情報を提供し、役立てていただきましょう。

余談ですが、インターネットができる前は、これをするにはとてもコストがかかりました。しかし今はメルマガという便利なツールがあります。1人に送るのも1000人に送るのも、かかる労力やコストはさほど変わりません。

メルマガは低コストで何度でも情報を届けられる

よく「リストに価値がある」 ともいわれますが、実はリスト自体に価値はありません。正しくは、関係構築ができたリストに価値があります。

関係構築ができていないリストは、ただのメールアドレスのデータでしかありません。そこに、血の通った人間らしい結びつきは存在しません。

DRMは人間関係構築ビジネスだと言われるゆえんは、見込み客との人間関係が企業にとって財産になるからでしょう。

そのため、メルマガによる教育は、極めて人間らしいコミュニケーションが不可欠です。弊社のメルマガでも、決して顔の見えない「企業」 として語っているわけではありません。一人の人間として、共感できる語り口で情報を発信しているのがわかるはずです。

最後に、「教育」という言葉には、上の立場から教えるイメージがあり、そこの部分だけ切り取るとちょっとニュアンスが違ってくるのですが、実際にやっていることは「共感」に近い部分があります。共感を示してくれた相手に対しては、自分も同じように共感するように人はできているからです。

しかし、「共感を得るために読者に媚びる」こととはまた違います。ですので、「共感」よりは「教育」という言葉がもっとも適切だろうというところに落ち着きます。

3. 売る(そして繰り返し買ってもらう)

自分と読者の関係性を構築しつつも、自分の商品を使ってもらうことも必要でしょう。手弁当のボランティア状態では事業が継続できないのですから。

そして、「いつ売り込みのメールを送ればいいのか?」 という質問を頂くのですが、厳密なタイミングは決められません。むしろそこは狙いすぎると、関係性は長続きしないというのが本音です。

オススメは、役に立つ情報を発信しつつ、同時に商品・サービスページへのリンクも載せておくことです。TCDのメルマガもそうなっています。

メルマガで商品を売る

興味がなければ見ない。読者が必要とするタイミングで商品を使ってもらえればいい。そんな感覚が適切でしょう。

また、読者の利益を優先してということでしたら、継続的なPR配信も問題なかろうと思います。売り込み=悪ではないからです。売り込みが悪いという思い込みは、自分の商品に自信がないからです。

新商品をリリースしたとき、過去の商品に新機能を実装したときなどは、メルマガでお知らせしてほしいという読者は少なくないでしょう。これもwinwinの関係性が出来ていることが前提になります。

そして、もう一つダイレクトマーケティングの効用をお伝えすると、顧客のLTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)向上があります。メルマガで関係性を継続していれば、一度買ってくれた顧客に対して、何度でも必要な時に商品を案内することが可能だからです。

リピート購入でLTV(顧客生涯価値)を最大化させる

単一の商品だけでビジネスを成立させることは難しいでしょう。AppleもiPhoneを売っているだけではありませんよね。iPhoneから先にあるAppleStoreやサブスクリプションサービスなど、バックエンドが奥に広がっているからこそ、世界でもっとも影響力のある巨大企業たりえるのです。

ちなみに、TCDはだいたい4割のお客さんがリピートしてくれています。一度TCDテーマのメリットを享受したお客様は良いテンプレートがあればまた買いたいと思っています。メルマガではTCDをどのように活用して売上をアップしていくかといった現実的な情報を配信しているので、読者のイマジネーションを促進するお手伝いになっているのです。

ゆえに、読者がやりたいこととマッチした時にはまた買ってもらえるという流れが、ここ10年間続いています。

さて、ここでDRMに話を戻し、Webマーケティングの原則をお伝えします。

リスト(新規の見込み客)獲得に最もお金を投資できるところが、市場を制圧して、その業界で王者になる。

リスト獲得にお金を投資するには、LTVを最大化する仕組みが必要不可欠です。そしてリピート購入の仕組みがあれば、リスト獲得にたくさんお金を投資できますよね。一人の顧客からたくさんの利益が生まれると予測できるわけですから、広告費を積極的にかけられます。

たとえば、1リストを獲得するのに1万円かかるとしましょう。多くの人は「これではペイできない」と考えがちます。ですが、LTVを10万円まで高められればどうでしょうか。しっかりと利益が残ります。

そのようにして利益を残すことができれば、積極的な広告戦略がとれます。

実用例

DRMの基本的な流れを理解しましたね。では、次はおさらいとして一般的な販売とDRMでは、どのような違いがあるのかを説明して、理解を深めてください。

一般的な販売:

  1. 商品を作る。
  2. 販売ページで商品を販売する。
  3. 販売ページを広告で宣伝する。

DRM:

  1. 無料のフロントエンド商品を作る。
  2. LPでフロントエンド商品を配布する。
  3. LPを広告で宣伝する。
  4. メールマガジンのリストを取得する。
  5. リストに定期的に役立つ情報を発信する。
  6. バックエンド商品を販売する。

DRMは、一般的な販売手法とはこれだけの過程の違いがあります。この過程の差が大きな売上の差となって返ってきます。

フロントエンドを販売するLPサイト

DRMはここで挙げた業界では当たり前の販売手法であるものの、一般的にはあまり知られていません。

多くのウェブサイトオーナー・運営者は、商品の販売ページに対して直接広告を打っています。だからこそ、DRMは同業他社とも差別化ともなります。

では、DRMでLPを作る場合はどういうサイトを作ればいいのか。このようなWordPressテーマを使ってサイトを構築するのも一つの手となります。

SEEED
デモ

DROP
デモ

ECサイト(ネットショップ)なら、これらのWordPressテーマを使って、固定ページでランディングページを作っても良いです。

RIKYU
デモ

common
デモ

TCDシリーズのWordPressテーマを使えば、こうした一見高度に見えるサイトも専門知識不要で作れます。

メルマガの読者が増やせるサイトを構築

メルマガの読者増加の効率的な方法は、「会員制サイト」を運営することです。会員登録と同時にメールアドレスも取得できるため、集客すればするほど、読者が増えていく仕組みです。

例えば、下記のWordPressテーマを使えば、読者を増やす仕組みを手に入れることができます。

>> WordPressテーマ「SHIPS」
>> WordPressテーマ「EVERY」

いずれも会員制サイトを簡単に運営できるようになっています。

合わせて読みたい「ランディングページ」関連記事

第1回:DRMとは?(当記事)
第2回:売れるランディングページの作り方
第3回:ランディングページの成約率
第4回:LPが作成できるWordPressテーマ