「綺麗なソースコードにすればSEOに強くなる」
「HTMLの構造によって検索順位は変わる」
このような主張がありますが、マークアップやコーディングなど、HTMLの記述方法・構造とSEOは、関係があるのでしょうか?
HTMLの構造が直接的に関係することはあまりない
「SEOに強いHTML構造」 といったことがよく言われますが、HTMLの構造は、SEOにそこまで影響するものではありません。
metaタイトルのような、一部の重要な要素を除けば、HTMLのマークアップやコーディングが、検索順位に直接的に影響を与えることは少ないのです。
SEOに関係する要素
SEOに直接的・間接的に影響を与えるHTMLの要素は、以下のようなものです。
metaタイトル(最重要)
metaタイトルにキーワードを入れることは極めて重要であり、SEO効果も大きいです。ページと関連性が高いキーワードを含めた、簡潔なタイトル(28〜32文字以内が目安)を設定することをオススメします。
タイトル作成の詳しいノウハウは、以下の記事をぜひ参考にしてください。
記事のタイトルは、SEOにおいて重要な要素です。タイトルの付け方しだいで、記事の検索順位や検索結果でのCTR(クリック率)が大きく変わるからです。この記事では、SEO効果を最大化するタイトルを作るための10のテクニックを解説してきます。 なぜSEOではタイトルが重要なのか? まず...
metaディスクリプション
metaディスクリプションは、ページの説明文のことです。
検索結果で、ページタイトルの下に表示されます。ランキング要素ではないので、検索順位には直接影響しませんが、検索結果でのクリック率を大きく左右するものです。
以下の記事で、記述のポイントを解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
ディスクリプションとは、検索結果で、ページタイトルの下に表示される説明文のことです。 ディスクリプションの正式名称は、meta description(メタ ディスクリプション)といいます。3種類のmetaタグ(title、description、keyword)のうちの1つです。 ...
alt属性
alt属性(代替テキスト)は、画像の内容を判断するためにGoogleが参考にするものです。画像検索でのヒット率にも影響するので、画像の内容を簡潔に表したテキストを記述しましょう。
また、画像を表示できない環境のユーザーに対しては、alt属性のテキストが表示されるので、ユーザーの利便性向上にも役立ちます。
ブログ記事を書いていると内容を補足するためや、リンク先のイメージを示すために画像を挿入することがあると思います。 画像を挿入時には、alt属性を正しく活用していますか?意外と見落としているケースも少なくありません。 実は読者にも検索エンジンにも有効で、SEO的にも効果を望めます。というわ...
構造化マークアップ
構造化マークアップとは、テキストやコンテンツの内容を、Googleのクローラーが正しく読み取れるようにする記述方法のことです。
構造化マークアップはランキング要素ではないので、検索順位には影響しませんが、検索での見え方が変わります。たとえば、パンくずリストや写真、レビューなどの情報が検索結果に表示されるので、テキスト情報だけの状態よりも、クリック率の向上が期待できます。
SEOにあまり関係しない要素
以下のような要素は、いまだに話題になることがありますが、SEOにあまり影響しません。
H1の使用方法や使用回数
H1にページタイトルを設定しようが、ロゴを設定しようが、検索トラフィックにたいした差はありません。また、1ページにH1がいくつあっても、あるいは存在しなくても、SEOに悪影響はありません。
H1の使用方法や使用回数がSEOに影響することは、ほとんどないでしょう。
「H1タグはSEOで重要」 よくいわれますが、実際はどうなのでしょうか? また、「ページのタイトルにはH1を設定すべき」「H1は1ページに1個まで」という通説は、今も正しいのでしょうか? この記事では、上記のような疑問に回答して、H1タグとSEOの関係性を紐解いていきます。 ...
見出しの階層
見出しのHタグは、1〜6の階層通りの順番で使うことが正しいルールですが、仮に順番を間違えても、SEOに影響はほぼありません。
GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)も、Twitterでそのように発言しています。
.@JohnMu if a page has an H5 header right above the H1 header for design purposes, will this hurt the page’s organic value or in any other way?
— Brady Madden (@bmadden12) August 4, 2020
SEOに強いHTML構造 = 簡単に上位表示できる
という意味ではない
ここまで見てきたように、HTMLのマークアップやコーディングなどの内部構造がSEOに与える影響は、そこまで大きなものではありません。
metaタイトルのような一部の要素を除けば、検索順位に大きな影響を与えるものは少なく、ほとんどが間接的な影響を与える(もしくは全く影響しない)ものでしかありません。
SEOに強いHTML構造 = 簡単に上位表示できる、という意味でないことは、よく理解しておくべきです。
そもそも、Googleの評価基準は極めて多岐にわたるので、HTMLのマークアップやコーディングなど、内部構造の影響はそこまで大きくありません。
仮に内部構造がSEOのセオリーから多少外れていても、あまり心配しなくても大丈夫です。すべてのサイト運営者がマークアップやコーディングに詳しいわけではないことを、Googleも承知しているので、順位を不当に下げられることはありません。
WordPressテーマの「SEOに強い・弱い」 もあまり気にしなくていい
WordPressテーマの分野でも、「SEOに強いコーディング」 「検索エンジンに評価されやすいマークアップ」 といったことが言われますが、テーマを変えただけで検索順位が劇的に上がることは、まず考えられません。
「あのテーマはSEOに強い(弱い)」 といった議論には、実体的な根拠がほとんどないので、あまり気にしなくても大丈夫です。
そもそも、有料で販売されている主要なWordPressテーマであれば、アクセシビリティやユーザービリティを極端に悪くするようなマークアップやコーディングはされていないので、どんなテーマでも一定以上のSEOが考慮されています。
SEOに極端に強い、あるいは弱いテーマは存在しないので、「検索順位が上昇しやすいテーマはどれか?」 という視点で選ぶ必要はありません。
HTMLの内部構造のことは気にせず、機能の豊富さや利便性、デザインなどを基準に選べばいいと思います。何なら、デフォルトの無料テーマ(twentyシリーズ)でも、SEOの内部構造的に問題はありません。
まとめ
HTMLの構造(マークアップやコーディング)は、metaタイトルなど一部の要素を除けば、SEOに直接影響することは少ないです。
影響するにしても、検索結果での見え方やクリック率など間接的に影響するものであり、検索順位を自動的に引き上げるような効果はありません。
結論、HTMLの構造に対して、そこまで神経質になる必要はないと言えます。
複雑な構造の大規模サイトでもなければ、HTMLのマークアップやコーディングよりも、コンテンツ作成やリンク獲得などの基本的なSEOに力を入れることをオススメします。
そのほうが、順位上昇やトラフィック獲得の効果を確実に実感できるはずです。