「ブログに目次を設置したほうがSEOは強くなるのか?」
「ほかの人の記事を見ても目次があるから、やはり必須なのか?」

これらの疑問に答えるために、ブログ記事に目次を設置することのSEO効果を考察しました。

多くのブログ記事に目次が設置されていることから、「SEO効果を高めるのでは?」と思うかもしれませんが、さほど強い影響はないかもしれません。

目次の設置と検索順位との間に因果関係はない

結論をいうと、目次を設置することに直接的なSEO効果はありません。目次を設置したからといって、それが直接の原因で検索順位を押し上げるわけではないのです。

そもそも、目次はページ内リンクの集合体にすぎません。ページ内リンクの有無や数で検索順位が決まるアルゴリズムを、Googleが採用しているわけがないので、目次を設置しただけでSEOが強くなることはないでしょう。当然、目次がないからといってSEOが弱くなることもありません。

SEOに強いといわれるメディアやブログでも、目次を設置していない例はたくさんあります。SEOに強いメディアの代表格『バズ部』は目次がない記事がほとんどですし、有名ブロガーのなかにも、目次を設置していない人は多いです。TCDメディアの記事も、目次を設置している記事は少数です。

目次を設置した場合と外した場合、それぞれの検索順位の結果を比較したわけではありませんが、ほとんど違いはないと思います。

もちろん、目次があることで記事の利便性が上がることはあるでしょう。知りたい情報にワンクリックで移動できたり、記事の概要をざっくり把握できたりすることは、読み手にとって便利です。離脱防止や滞在時間のアップにつながった場合、検索順位に影響する可能性はあります。

ただ、あくまで可能性です。「たしかに相関関係があるかもしれないね」というだけの話であり、目次の有無が直接的に検索順位に影響するわけではありません。

その前提で、ここから先を読んでみてください。

目次を設置すべきケース・すべきでないケース

目次の有無がSEOに直接影響しない以上、目次を設置するかどうかはケースバイケースということになります。目次があることがプラスに働くなら設置すべきですし、マイナスに働くなら設置しないほうがいい、ということです。

ここでは、目次を設置すべきケースとすべきでないケース、それぞれを解説します。

目次を設置すべきケース

どの場所から読んでも内容の理解に支障がなく、かつ、それが読み手の利便性につながるケースでは、目次を設置したほうがいいです。たとえば以下のような記事は、目次があることで利便性が向上します。

  • 比較記事
  • ランキング記事
  • リスト形式記事

商品の比較・ランキング記事は、詳細を知りたい商品の説明箇所に自由に移動できたほうが便利ですよね。すべてを読ませる必要もなく、気になった商品の箇所に目を留めてもらえれば、それで成立します。

その「気になった商品」を探す便利な手がかりが、目次というわけです。

とくに、50選や100選のように紹介数が多い場合は、目次がないと記事の利便性が著しく下がるので、ぜひ設置することをオススメします。WordPressを使っているなら、「Table of Contents Plus」というプラグインで簡単に設置できます。

リスト形式の記事も、どこから読まれても成立するので、目次を設置して大丈夫です。リスト形式は「7つのテクニック」 「25のチェックリスト」 といった形で、それぞれ独立した項目を順々に並べていくものなので、最初から順番に読まれる必要はないからです。

目次を設置すべきでないケース

途中から読まれたら内容を十分に理解してもらえない、あるいは誤解して受け取られるようなケースでは、目次を設置すべきではありません。

Aという主張を受けてBという主張があり、Bという主張を受けてCという主張があり・・・

このような論理の流れが存在する記事は、最初から順番に読んでもらわないと意図が正しく伝わりません。

たとえば以下の記事。順々に論理を展開しており、上の段落の主張が下の段落の主張につながっているので、途中から読まれると正しく理解してもらえない恐れがあります。

上記は比較的短い記事ですが、もっと長い記事でも同じです。論理の流れが厳然と存在する場合は、順番に読んでもらうためにも、目次を設置すべきではありません。

読みたい箇所から自由に読めることは、記事の利便性を高められる一方で、論理をショートカットしているわけなので、中途半端な理解や誤解によって記事の満足度を下げてしまうことがあります。

本文の内容を箇条書きで記載するくらいは問題ありませんが、ページ内リンク付きの目次を設置するのは避けたほうがいいでしょう。

好きな箇所から読めることが、必ずしも最適とは限らない

ここまで見てきたように、目次の設置は必ずしもプラスに働くとは限りません。記事の種類によっては、目次を設置しないほうがいいということです。

とくに、読み手に特定の行動を起こしてもらいたい文章では、「好きな箇所から自由に読んでください」という前提では、行動につながりにくくなります。

なぜなら、行動を決断するためには、ある程度の情報量のインプットが必要であり、それなりの文章量を、キチンとした順番(論理の流れ)で読んでもらう必要があるからです。

もちろん、一言一句順番通りに読んでくれる読み手の数は、そう多くありません。しかし、情報を真剣に求めている読み手が一定数いるのも事実です。そういう人々は、文章を積極的に読んでくれます。

つまみ食い程度に情報を知れればいい、 という読み手ではなく、情報を貪欲に求める真剣な読み手をターゲットにするなら、全部読ませる前提で記事を構成したほうがいいです。「好きな箇所から自由に読んでください」という前提で構成するよりも、反応は取れます。

SEOという側面だけで考えていると盲点になりやすいですが、行動を引き出すための文章を書く場合、好きな箇所から読めることが、必ずしも最適とは限らないのです。

まとめ

目次の設置と検索順位との間に因果関係はないので、目次を設置するだけでSEOが強くなることはありませんし、逆に目次がないからといって、SEOで不利になることもありません。

目次を設置するかどうかは、記事の種類によって使い分けましょう。

比較やランキング、リスト形式など、どこから読んでも理解に支障がない記事は、目次を貼ることの弊害はありません。記事の利便性も高まるので、設置することをオススメします。

逆に、一貫した論理の流れが存在する記事には、目次を貼ってはいけません。論理をショートカットして途中から読まれても、中途半端な理解にしかならず、記事の満足度を下げる恐れがあるからです。

目次に限らず、SEOには「○○○しないと評価が下がる」「○○○すれば順位が上がる」といった情報が多いです。たとえば文字数もそうですよね。

SEOに対して、人はどうしても明確な答えを求めてしまいがちですが、SEOに正解はありません。正解があるように見えますが、そんなものはGoogleの内部にいる人間しかわからないのが実情です。

世の中でいわれているSEOのテクニックや理論は、どんなに信頼性や精度が高いものであっても、「こうではなかろうか?」 という推測にすぎません。

今回取り上げた目次にしろ、そのほかのテクニックや理論にしろ、ほとんどの場合そこには明確な因果関係が存在せず、あるのはただの相関関係です。検証すること自体は問題ありませんが、それらを真に受けて振り回されないよう、注意してください。

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