ECサイトや会員制サイトをWordPressで作成する時、会員(ユーザー)のリストを大量に扱うことになります。そうすると、リストを手動でインポート(入力)・エクスポート(出力)するのは大変なので、CSVで一括で管理できるようにしたいものです。
本稿ではWordPressとWooCommerceのユーザーリストをインポート・エクスポートするプラグイン「Import and export users and customers」をご紹介します。
最初に言っておくと、当プラグインはかなり高機能ですが、ユーザーデータをインポート・エクスポートするだけのシンプルな使い方も可能です。
「Import and export users and customers」機能概要
- CSVでユーザーを一括インポート、エクスポート
- 新しくインポートしたユーザーにメール送信可
- 権限を設定してインポート可
- 既存ユーザーがいる場合、情報の上書き更新も可能
- メタデータの直接編集
- 定期的なインポートに対応
- フロントからユーザーインポートもできる
- 上記機能はすべて無料で使える
プラグインのインストール
管理画面から「Import and export users and customers」を検索してインストールするか、下のボタンからもダウンロード可能です。プラグインファイルを wp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。
Import and export users and customers
CSVファイルの様式について
インポートできるCSVの様式は、1行目に項目、2行目以降に内容を入れたものを使用します。
CSVテンプレート
左はプラグイン作者が、右は当サイトが作成したCSVテンプレートです。試しにインポートしてみてください。
当サイトが用意したCSVは、必要そうな項目だけ抜き出したテンプレートです。適宜編集してお使いください。
権限
ユーザーに権限(Role)を付与する場合は、CSVに次の内容を英語で入力してください。
管理者: Administrator
編集者: Editor
投稿者: Author
寄稿者: Contributor
購読者: Subscriber
使い方・設定の解説
使い方を解説しますので、まずはWordPressダッシュボード左メニュー【ツール】→【Import and export users and customers】に移動してください。
Import/ 入力
ここではユーザーデータの一括インポート(入力・登録)ができます。
File
CSVファイルをここにアップロードします。
Roles
権限の指定ができます。CSVファイル内でRole項目を設けている場合はファイル内容が優先されます。
Options
What should the plugin do with empty cells?: 空のセルの扱いをどうするか
Do you wish to send a mail with credentials and other data?: 登録ユーザーにメールで情報を送るか
Do you wish to send this mail also to users that are being updated? (not only to the one which are being created): 上書き更新したユーザーにもメールを送るか
Update users
Update existing users?: 既存ユーザーの情報を上書きするか?
Update emails?: メールアドレスを更新するか?(ユーザー名で識別されたユーザーを別のメールアドレスで見つけた場合の処理)
Update roles for existing users?: 既存ユーザーの役割を更新するか?
Never update passwords?: パスワードを更新するか?
Users not present in CSV file
Delete users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザーを削除するか?
Change role of users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザーの役割を変更するか?
Export/ 出力
ここではユーザーデータをCSVでエクスポートします。条件を入力して、「Download」ボタンでエクスポートしてください。
Role: 権限フィルター
User created: 登録日フィルター
Delimiter: コンマ、コロン、セミコロン、タブから選択
Convert timestamp data to date format: 日付の様式
Order fields alphabetically: フィールドをアルファベット順に並べるかどうか
Download CSV file with users: ダウンロードする
Frontend/ フロントエンド
Execute an import of users in the frontend
用途・利用シーンは不明ですが、フロントエンドからユーザーのインポートができます。このショートコートをフロントのどこかに入れると、そこからユーザーインポートができるようになります。
[import-users-from-csv-with-meta]
権限を購読者(Subscriber)に限定したい場合は下記のように記述します。
[import-users-from-csv-with-meta role = "Subscriber"]
フロントエンドでのインポートに限り、権限付与を無効とする設定も可能です(「Disable role assignment in frontend import」を選択)。
Send mail when using frontend import?: メールを送信するか?
Send mail also to users that are being updated?: 更新したユーザーにもメールを送信するか?
Send notification to admin when the frontend importer is used?: フロントエンドでのインポートが実行された時、管理者に通知するか?
Update existing users?: 既存ユーザーを更新するか?
Update roles for existing users?: 既存ユーザーの権限を更新するか?
Delete users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザーを削除するか?
Change role of users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザーの権限を削除するか?
Execute an export of users in the frontend
フロントページでのエクスポートも可能です。個人情報を誰でもダウンロードできるようにするのは不味すぎるので、ベーシック認証など厳重にロックしたページでないと使えないですけどね。こちらも用途は不明です。
このショートコートを入れるとフロントでエクスポートできます。
[export-users]
権限を限定したい場合は次のように記述。
[import-users-from-csv-with-meta role="editor"]
Cron import/ 定期的なインポート
ファイルパスを指定して、定期的なインポートを実行します。
Activate periodical import?: 定期インポートを実行するか?
Path of file that are going to be imported: 定期インポートするファイルパス
Period: 周期
Send mail when using periodical import?: ユーザーにメールを送信するか?
Send mail also to users that are being updated?: 更新する既存ユーザーにもメールを送信するか?
Role: 権限
Update roles for existing users?: 既存ユーザーの権限を更新するか?
Move file after import?: インポート後、ファイルを移動させるか?
Delete users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザーを削除するか?
Change role of users that are not present in the CSV?: CSVに存在しないユーザー権限を削除するか?
まとめ:インポート・エクスポートが楽になる
「Import and export users and customers」は細かい設定ができる高機能プラグインです。今回紹介した機能はすべて無料で利用可能です。
但し、実際現場で使う際には、シンプルにインポート・エクスポートするだけだと思いますので、ほとんどの機能は無視して構わないです。
冒頭にも述べた通り、WooCommerceなど顧客情報を扱うECサイトでは特に重宝するプラグインです。よろしければご活用ください。