当記事では、2023年11月7日にリリースされたWordPress 6.4「シャーリー」の変更点、新機能についてまとめています。

WordPress 6.4「シャーリー」のアップデート概要

WordPress 6.4「シャーリー」

WordPress 6.4「シャーリー」。今回は、2023年最後のアップデートということで、新しいデフォルトテーマが付属します。サイトエディタ機能も新しくなっています。

その他は、各種ブロックの細々とした改変がメインで、大規模アップデートというようなものではありません。どちらかというと、サイトエディタのアップデートがメインという印象です。

新デフォルトテーマ「Twenty Twenty-Four」

Twenty Twenty-Four

WordPress 6.4には新しいデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Four」が追加されました。毎年その年の最後のリリースに付属するみたいですね。

ミニマルなデザインですが、サイトエディターと連動するブロックテーマですので、スタイル切り替えやパターンを利用したカスタマイズができます。

スタイル切り替えた例

WordPress 5.9でサイトエディタが登場して以降のデフォルトテーマは、ブロックテーマとして開発されています。サイトエディタの機能を使ってみたい時や、検証時などにも便利です。

サイトエディターのアップデート

まずは、ブロックテーマ専用のサイトエディターのアップデートからご紹介いたします。

豊富なパターンが追加された

前述のデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Four」で使える豊富なパターンが追加されています。

パターンライブラリ

「CTA(行動喚起)」や「お客様の声」などとカテゴリー分けされて探しやすくなっています。

パターンにカテゴリーを設定可能に

新規作成したパターンにもカテゴリーを設定できるようになりました。

パターンカテゴリーの追加画面

自前の色んなパターンもカテゴリーで整理しやすくなっています。

パターンのインポートがスムーズに

サイトエディタの画面から、パターンを簡単にインポートできるようになりました。

パターンをインポート

他のサイトで利用しているパターンをjsonファイルでエクスポートしておけば、上記画面からスムーズにインポートできます。複数のサイト間でパターンを共有できる機能です。

各種ブロックのアップデート

ブロックエディタで使える各種ブロックのアップデートについてご紹介いたします。

テキストを縦書きに変更可能に

テキストを縦書きに変更できるようになりました。

縦書きに変更する箇所

タイポグラフィの項目に「テキストの向き」という項目が追加されています。そこから上記の「方向」というオプションを表示できます。

グループブロックに背景画像を設定可能に

グループブロックに背景画像を設定できるようになりました。

グループブロックに背景設置

バージョン6.3では背景色のみ設定可能でしたが、画像も設定できるように拡張されています。

グループブロックに名前を登録可能に

グループブロックに名前を登録できるようになりました。

グループブロックに名前を登録できます。

左側のリストビューにも反映されるので、全体の構成を組み替える際なども便利ですね。

脚注ブロックの強化

脚注ブロックのオプションが拡張されました。

脚注ブロックの拡張

リンクやテキストの色、タイポグラフィ、サイズ(パディング、マージン)等を調整可能です。

画像ブロックをポップアップ可能に

画像ブロックに「クリックで拡大」というオプションが追加されました。

クリックで拡大

このトグルスイッチをONにすると、クリックで画像が拡大されるようになります。簡易的なライトボックス系のプラグインは不要になりますね。

ソーシャルアイコンブロックにXとThreadsが追加

ソーシャルアイコンに「X」と「Threads」が新しく追加されました。

ソーシャルアイコンに「X」と「Threads」追加

弊社のTCDテーマでも旧Twitterアイコンは、Xにアップデートされています。

その他のアップデート

その他の仕様変更や、UI変更などをご紹介いたします。

添付ファイルページの無効化

メディア(画像など)を表示するだけの添付ファイルページを無効化できるようになりました。従来は手動で対策が必要だったものがWordPressの仕様変更で改善されたということです。

ただ注意点は、添付ファイルページが無効化されるのは、WordPress 6.4を新規インストールしたときのみということ。既存のWordPressをアップデートした際には、無効化されません。

完全に無効化する方法はこちらの記事を参考にご覧ください。

パターンフィルターの追加

パターンを追加時、パターンカテゴリー別に表示され、ソースやタイプでフィルタリングできるようになりました。

パターンフィルター

上記赤枠箇所からパターンフィルターが開きます。

リストビュー内に画像プレビュー追加

リストビュー内に画像プレビューが追加されています。

リストビュー内に画像プレビュー機能

プレビュー自体はとても小さいですが、ページのどこに何の画像を配置したかは把握しやすくなります。

リンク設定にnofollowオプションの追加

テキストリンクなどを設定時に、nofollow属性を追加できるようになりました。

nofollow属性オプション

nofollow属性は、特定のリンク先を検索エンジンにクロールさせないようにする属性値です。ただSEO的なメリットはなく、ほとんど使う機会はないかもしれません。

参考:Google のジョン・ミューラー氏: すべてのアウトバウンドリンクを nofollow としてマークしてもメリットはない

まとめ

WordPress 6.4「シャーリー」で実装された新機能や仕様変更をご紹介いたしました。

今回のアップデートは、サイトエディタや新たなデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Four」の追加がメインで、ブロックやその他の更新内容には、そこまで目立ったものはありませんでした。

バージョン6.4で実装される予定だった「フォントライブラリ」機能が、バージョン6.5に持ち越されたので、次は大きなアップデートになりそうです。

WordPressのアップデート一覧表

バージョン 名前 リリース日
(現地時間)
解説記事 WordPress公式
6.7 Rollins
(ロリンズ)
2024年11月12日 解説記事
6.6 Dorsey
(ドーシー)
2024年7月16日 解説記事
6.5 Regina
(レジーナ)
2024年4月2日 解説記事
6.4 Shirley
(シャーリー)
2023年11月7日 解説記事
6.3 Lionel
(ライオネル)
2023年8月8日 解説記事
6.2 Dolphy
(ドルフィー)
2023年3月30日 解説記事
6.1 Misha
(ミーシャ)
2022年11月15日 解説記事
6.0 Arturo
(アルトゥーロ)
2022年7月1日 解説記事
5.9 Josephine
(ジョセフィン)
2022年2月18日 解説記事