日本時間2023年8月9日、最新バージョンのWordPress 6.3がリリースされました。
>>WordPress公式のリリース情報(日本語)

各種ブロックや、サイトエディターにアップデートが加えられています。サイトエディターはブロックテーマ専用の編集機能で、サイト全体をフロント画面を見ながら編集できる機能です。WordPress 5.9で実装された際は、FSE(Full Site Editor)という表現が使われていましたが、最新版では単にサイトエディター(The Site Editor)という表現に変わっているようです。

当記事では、各種ブロック、サイトエディター、その他、という3つのセクションに分けて、WordPress 6.3でアップデートされた新機能をご紹介いたします。

WordPress 6.3の概要

WordPress 6.3

WordPress 6.3では、各種ブロックとサイトエディターのアップデートが中心です。

各種ブロックまわりは、UI変更/機能追加(移設)だけでなく新規ブロックも追加されています。サイトエディターは、個別ページごとのブロックエディターとよりスムーズに連携できるように仕様変更され、スタイルリビジョン機能が新規実装されました。

各種ブロックのアップデート

WordPress 6.3の概要
それでは早速、WordPress 6.3で実装された各種ブロックのアップデートをご紹介いたします。UI変更や新機能のほか、新しいブロックも追加されました。

パディングやマージンのUI変更

パディングやマージンのUIが変更されています。より直感的に操作できるようになっており、「ブロックの間隔」という項目も追加されました。

パディング・マージン設定のUI変更

カーソルホバーでどこが変化するか一目瞭然なのがいいですね。

カバーブロックにボーダー(枠線)を追加可能に

カバーブロックにボーダー(枠線)を簡単に追加できるようになっています。

カバーブロックにボーダーを追加可能に

画像ブロックと同様で、四隅を個別に編集したり、角を丸くする編集も可能です。

カバーブロックでレイアウトを変更可能に

画像とテキストを重ねて表示できるカバーブロックで、レイアウトを変更できるようになりました。

テキストのボリュームに合わせてプレビューしながらレイアウトを調整できて便利ですね。

ブロック内にデュオトーンフィルターが追加

画像関連のブロックにデュオトーンのフィルターを適用できます。6.2でもできましたが、オプションの位置がわかりやすくブロック内に移設されていますね。

デュオトーンフィルター

上記はカバーブロックを例にしていますが、画像やギャラリーブロックにもデュオトーンオプションが追加されています。

アートでスタイリッシュなイメージになりますね。

画像のアスペクト比を変更可能に

6.2ではサムネイル・中・大・フルサイズなどの選択肢しかなかったのですが、6.3ではさまざまなアスペクト比に変更可能になりました。

アスペクト非の設定

以下のアスペクト比が用意されています。

  • 正方形 – 1:1
  • 標準 – 4:3
  • ポートレイト – 3:4
  • クラシック – 3:2
  • クラシックポートレイト – 2:3
  • ワイド – 16:9
  • 縦長 – 9:16

テキスト入りの画像を設置した際などに、見え方を調整できて便利そうです。

脚注ブロックの追加

本文内に脚注を入れたい時に使える「脚注ブロック」が新規追加されました。

脚注ブロック

対象のテキストを選択して「」()を押すと「脚注」()と表示されるので、そこから注釈を入力できます。そのページの本文中の脚注が「脚注ブロック」にまとめて表示される仕様です。

脚注の表示箇所

補足説明が必要な文章に使えますね。

詳細ブロックの追加

開閉式のコンテンツをつくれる「詳細ブロック」が新規追加されました。

詳細ブロック

上記のように入力すると、フロントでは以下のように表示されます。

詳細ブロックのイメージ

クリックで開閉できるので、FAQ(よくある質問)コンテンツなどに使えそうですね。

サイトエディターのアップデート

サイトエディターのアップデート

ここからは、WordPress 6.3 で実装されたサイトエディター(ブロックテーマ専用)のアップデートについてご紹介いたします。

ナビメニューの編集が可能に

サイトのナビゲーションメニューをサイトエディターの「ナビゲーション」から直接編集できるようになりました。

ナビメニューの編集

直感的にナビゲーションメニューの並び替えや追加が可能です。

テーマのスタイル切り替えが可能に

6.2では各ページの編集画面からでないとスタイルを切り替えられませんでしたが、6.3ではサイトエディターの下記箇所(スタイル)からすぐに変更できるようになりました。

スタイルの切り替え

複数のパターンをさくさく確認できますね。

固定ページの編集が可能に

サイトエディターのメニューに「固定ページ」が追加されており、個別の固定ページにスムーズにアクセスできるようになりました。

固定ページ編集へのアクセス

サイトエディターと、個別ページのブロックエディターとの往来がしやすいですね。

その他のアップデート

その他、細かい箇所のアップデート箇所はこちらでご紹介いたします。

下書き・プレビューボタンの移設

下書き・プレビューボタンが移設されました。

  • ver.6.2
  • ver.6.3

「下書きボタン」が大きく目立つようになり、プレビューボタンは2つのアイコンに変更されました。

「下書きボタン」が大きくなり、プレビューボタンは2つのアイコンに変更。

左側のアイコンは、従来通りのどの仮想デバイスでプレビューするか、というオプション。右側のアイコンでは、即時別ウィンドウでプレビューできます。今までは2ステップのフローが必要でしたので、操作しやすくなっています。

地味ですが、何度もプレビューすることを考えると有効なアップデートですよね。

スタイルリビジョン機能の追加

サイトエディターでスタイルを変更&保存した際に、以下のようなタイムライン形式でリビジョンが保存されるようになりました。スタイル変更をリビジョン保存するため、スタイルリビジョンと呼ばれており、通常の投稿のリビジョンとは別物のようです。

スタイルリビジョン

いつ誰が、スタイルをどのように変更をしたのか一目瞭然です。タイムラインを辿ってワンタッチで変更点を復元できます。

テーマを有効化せずにライブプレビュー可能に

バージョン6.2まではテーマを有効化しなければ、外観を確認できませんでしたが、6.3からは以下の「ライブプレビュー」ボタンが追加されております。

テーマのライブプレビューボタン

テーマを有効化しなくても外観を確認できるようになりました。ローカル環境プラグインを使わなくても運営中のサイトでテーマの外観を確認できるようになったわけですね。

まとめ

WordPress 6.3 でアップデートされた新機能や変更点をご紹介いたしました。

UI変更により直感的な操作が可能になり、既存ブロックの機能追加に加え、新規ブロック(脚注ブロック詳細ブロック)も追加されましたね。いずれも実用的です。サイトエディターと個別ページの往来をスムーズにしたのも、ブロックテーマを意識してのことでしょう。

ブロック関連・サイトエディター関連・その他という3つのセクションで解説いたしましたが、わずかな変更でも使いやすさがぐっとアップするものがありますよね。

余談ですが、WordPressテーマ開発を行う弊社も日々機能追加や仕様変更を検討しています。新しく開発中のテーマはもちろん、過去にリリースしたテーマも例外ではありません。例えばこんなメジャーアップデートを行なっています。よろしければご覧ください。

合わせて読みたいWordPressアップデートの関連記事