WordPress本体の更新(アップデート/ダウングレード)する方法について解説します。

アップデートに大幅な変更があると、テーマやプラグインに影響を与える可能性があります。アップデートの前には下記を参考に必ずバックアップをとってください。

WordPressのアップデートは2種類ある

WordPressのアップデートは下記の2種類存在し、リリースの番号(x.y.z)で見分けます。上2桁の数字が変わったらメジャーアップデート、下1桁の数字だけが変わるとマイナーアップデートと覚えておきましょう。

  • メジャーアップデート(例:5.4 → 5.5)
  • マイナーアップデート(例:5.5 → 5.5.1)

メジャーアップデート

大幅な機能追加や仕様変更等を行うアップデートです。下記は1例ですので、参考にしてください。

4.9 → 5.0 ブロックエディタ(Gutenberg)登場
5.4 → 5.5 ネイティブLazy-load 実装

メジャーアップデートは、上記のように大きな変更を含む更新となります。テーマやプラグイン側の対応が必要なケースが多いため、必ずバックアップをとってから更新してください。

マイナーアップデート

軽微な修正を行うアップデートです。大幅な機能追加や変更はありません。

また、メジャーアップデートと異なり、管理画面から更新せずとも、自動的にアップデートされます。

WordPressのアップデート方法

アップデートは管理画面から簡単に行えます。ダッシュボードから「更新」を選択して「今すぐ更新」を押します。

今すぐ更新を押す

下記のような画面(about.php)が表示されたらアップデート完了です。追加・変更された機能の確認やテーマ・プラグインが正常に動作しているかを確認しましょう。

最新バージョンの確認画面

通常は、上記のように簡単にアップデートできますが、何らかの理由で管理画面に入れない場合は、手動で更新する方法があります。

WordPressのダウングレード方法

WordPressのバージョンは常に最新に保っておくことが理想ですが、アップデートによって問題が起きたら、一刻も早くバージョンに戻したいですよね。

下記のプラグインを使用すれば、管理画面から任意のバージョンにダウングレードできますので、ぜひ導入してみてください。

WordPressを手動で更新する方法

ダッシュボードに入れない、プラグインが使えないときは、FTPソフトを使った手動更新で対応します。

WordPressのファイルの一部を手動で差し替えるということです。

FTPソフトというとやや難しいイメージがあるかもしれませんが、やることはファイルのアップロードや削除だけです。ただ、サーバーやFTPのアクセス情報等が必要だったり、ファイルを誤って削除すると重大な問題を引き起こす可能性があるため、難しいイメージにつながっているのでしょう。

  • どのファイルを差し替えるのか
  • どのファイルを削除してはいけないのか

をしっかりと理解してから行えば、作業自体は難しくはありません。

手順は以下の通りです。

  1. WordPress公式からファイルを一式をダウンロードする
  2. 現行の環境から一部のファイルを削除する
  3. 現行の環境に新しいファイルをアップロードする
  4. 管理画面にログインして確認する

1. WordPress公式からファイルを一式をダウンロードする

まずは、WordPress公式から任意のバージョンのファイルを一式ダウンロードします。下記箇所からzipファイルをダウンロードすればOKです。WordPressバージョン別ファイルダウンロード箇所

>> Release Archive | WordPress.org 日本語

上記の公式リリースアーカイブでは、最新版を含むWordPressが配布している全バージョンのファイルをダウンロード可能です。アップデートするのかダウングレードするのか。用途に合わせて必要なバージョンをダウンロードしてください。

各バージョンの表記については、以下の記事が参考になります。

ダウンロードしたzipファイルは解凍しておきましょう。

2. 現行の環境から一部のファイルを削除する

現行のWordPress環境から一部のファイルを削除します。この作業は、バックアップを取ってから慎重に行なってください。誤ったファイルを削除するとサイトが壊れて復元できなくなります。

FTPで現行のWordPressサイトに接続して、下記ファイルを残して、それ以外を削除します。

削除してはいけないファイル/フォルダ
wp-config.php(データベースの設定ファイル)
.htaccess(サーバーの設定ファイル)
wp-content(プラグインやテーマを含む、コンテンツが保存されているフォルダ)

FTPソフト(FileZilla )の画面でいうと、黒くマークされているファイルのみを削除するということです。

FTPで削除するファイルを選択している例

削除後は次のようになればOKです。

FTPで該当ファイルを削除後の画面

そのまま続けて、wp-content/languagesも削除します。wp-contentのフォルダの中にあるlanguagesというフォルダです(翻訳データが保存されています)。

翻訳ファイルの削除

別バージョンのWordPressを適用する際、翻訳データも更新する必要があるため、このタイミングで削除しておきましょう。

3. 現行の環境に新しいファイルをアップロードする

続いて、1.でダウンロード&解凍したフォルダから下記以外のファイルをアップロードします。

アップロードしてはいけないファイル/フォルダ
wp-config.php(データベースの設定ファイル)
.htaccess(サーバーの設定ファイル)
wp-content(プラグインやテーマを含む、コンテンツが保存されているフォルダ)

先ほど現行の環境に残しておいたファイルは、絶対に上書きされないように注意してください。

WordPress公式からダウンロードしたフォルダ内に「.htaccess」と「wp-config.php」は含まれていないはずですので、アップロードする際のFTPの画面は以下のようになります。

新しいWordPressからアップするファイルをFTPで選択している状態

「wp-content」以外の黒くマークされているファイルのみをアップロードするということです。

アップロード後は、以下のようになります。

FTPでアップロード後のファイル一覧

グレーでマークされている更新日時を見ると、元のファイルが上書きされていないことを確認できます。

最後に、新しい翻訳フォルダもアップしておきます。2.で現行のWordPressから削除したlanguagesというフォルダです。

新しい翻訳フォルダをアップした例

このようにwp-contentのフォルダの中にアップできればOKです。ここまででFTPを使ったファイルの操作は終わりです。

4. 管理画面にログインして確認する

最後に管理画面にログインできるか確認してみましょう。

次のように「データベースの更新が必要です」という画面が出ますので、更新します。

データベースの更新画面

ダッシュボードにログインすると、WordPressのバージョンが更新されていることを確認できます。

WordPressのバージョンの更新が確認できる画面

今回の例では、WordPressのバージョンを6.5.2 → 6.4.4 にダウングレードできていますね。

FTPを使ってWordPressのバージョンを手動更新するのも、手順を踏めば難しくありませんが、必ずバックアップを取ってから行なってください。

何らからの理由で、プラグインが使えない、ダッシュボード内に入れない際に、手動でWordPressを更新できると安心です。

リリース前のbeta版にアップデートする方法

正式にリリースされている最新バージョンよりも新しいバージョンのbeta版(試用版)にアップデートしたいときもあると思います。大規模な機能実装が控えている場合や、正式リリース前に概要をチェックしてみたいときなどですね。

そんなときには、下記記事でご紹介しているプラグインが便利です。かんたんにbeta版を試せます。beta版は不具合なども見つかりやすいので、ローカル環境でお試しいただくことを推奨いたします。

まとめ

  • WordPressのアップデート/ダウングレード方法
  • FTPを使ってWordPressを手動更新する方法(プラグイン無し)
  • 正式リリース前のbeta版にアップデートする方法

をご紹介いたしました。

WordPressは開発・検証が活発に行われており、機能の追加や変更も都度行われます。特に冒頭でご紹介したメジャーアップデートの際は、WordPress公式のニュースをこまめにチェックいただくのがオススメです。

私たちTCDのブログでも大きなアップデートがある場合は、記事にして概要をお伝えしております。よろしければ参考にご覧ください。