WordPressのバージョン更新(アップデート)はダッシュボードからワンタッチで行えますが、ダウングレードは一手間かかります。ダウングレード機能はWordPressには用意されていないので、手動で対応するしかないんですよね。
ワンタッチでダウングレードできる便利なプラグインもありますが、「ダッシュボードに入れない」「プラグインがうまく機能しない」という状況では使えません。
というわけで今回は、プラグインを使わず、手動でWordPressのバージョンを更新(アップデート/ダウングレード)する方法を解説いたします。
目次
FTPソフトでファイルを更新する
WordPressのバージョンを手動で更新するには、FTPソフトを使います。WordPress関連のファイルの一部を手動で差し替えるということです。
FTPソフトというとやや難しいイメージがあるかもしれませんが、やることはファイルのアップロードや削除だけです。ただ、サーバーやFTPのアクセス情報等が必要だったり、ファイルを誤って削除すると重大な問題を引き起こす可能性があるため、難しいイメージにつながっているのでしょう。
- どのファイルを差し替えるのか
- どのファイルを削除してはいけないのか
をしっかりと理解してから行えば、作業自体は難しくはありません。
FTPソフトを使ったWordPressバージョンの更新手順
今回は、FTPソフト(File Zilla)を使ってWordPressのバージョンを更新する手順を解説いたします。アップデートしたい時も、ダウングレードしたい時も差し替えるファイルは同じですので、一つずつ操作いただければ、確実に更新できるはずです。
今回は、WordPressのバージョンを6.5.2 → 6.4.4 にダウングレードするケースを用いて解説いたします。
1. WordPress公式からファイルを一式をダウンロードする
まずは、WordPress公式から任意のバージョンのファイルを一式ダウンロードします。下記箇所からzipファイルをダウンロードすればOKです。
>> Release Archive | WordPress.org 日本語
上記の公式リリースアーカイブでは、最新版を含むWordPressが配布している全バージョンのファイルをダウンロード可能です。アップデートするのかダウングレードするのか。用途に合わせて必要なバージョンをダウンロードしてください。
各バージョンの表記については、以下の記事が参考になります。
アプリやソフトウェアでよく目にするバージョン。「働き方2.0」や「Web3.0」などの表現にも使われていますよね。 バージョンはエンジニアだけのものではなく、書き方を覚えれば、一般的なファイルや資料の管理等にも役立ちます。というわけで今回は、誰もが使えるバージョンの書き方ついてご紹介いたします...
ダウンロードしたzipファイルは解凍しておきましょう。
2. 現行の環境から一部のファイルを削除する
現行のWordPress環境から一部のファイルを削除します。この作業は、バックアップを取ってから慎重に行なってください。誤ったファイルを削除するとサイトが壊れて復元できなくなります。
FTPで現行のWordPressサイトに接続して、下記ファイルを残して、それ以外を削除します。
wp-config.php(データベースの設定ファイル)
.htaccess(サーバーの設定ファイル)
wp-content(プラグインやテーマを含む、コンテンツが保存されているフォルダ)
FTPソフト(FileZilla )の画面でいうと、黒くマークされているファイルのみを削除するということです。
削除後は次のようになればOKです。
そのまま続けて、wp-content/languagesも削除します。wp-contentのフォルダの中にあるlanguagesというフォルダです(翻訳データが保存されています)。
別バージョンのWordPressを適用する際、翻訳データも更新する必要があるため、このタイミングで削除しておきましょう。
3. 現行の環境に新しいファイルをアップロードする
続いて、1.でダウンロード&解凍したフォルダから下記以外のファイルをアップロードします。
wp-config.php(データベースの設定ファイル)
.htaccess(サーバーの設定ファイル)
wp-content(プラグインやテーマを含む、コンテンツが保存されているフォルダ)
先ほど現行の環境に残しておいたファイルは、絶対に上書きされないように注意してください。
WordPress公式からダウンロードしたフォルダ内に「.htaccess」と「wp-config.php」は含まれていないはずですので、アップロードする際のFTPの画面は以下のようになります。
「wp-content」以外の黒くマークされているファイルのみをアップロードするということです。
アップロード後は、以下のようになります。
グレーでマークされている更新日時を見ると、元のファイルが上書きされていないことを確認できます。
最後に、新しい翻訳フォルダもアップしておきます。2.で現行のWordPressから削除したlanguagesというフォルダです。
このようにwp-contentのフォルダの中にアップできればOKです。ここまででFTPを使ったファイルの操作は終わりです。
4. 管理画面にログインして確認する
最後に管理画面にログインできるか確認してみましょう。
次のように「データベースの更新が必要です」という画面が出ますので、更新します。
ダッシュボードにログインすると、WordPressのバージョンが更新されていることを確認できます。
今回の例では、WordPressのバージョンを6.5.2 → 6.4.4 にダウングレードできていますね。
WordPressを手動更新できると安心
プラグインを使わず、FTPを使ってWordPressのバージョンを更新する方法を解説いたしました。手順を踏めば難しい作業ではありませんが、必ずバックアップを取ってから行なってください。
WordPressのバックアップや復元はデータベースに直接アクセスする必要があるなど、初心者にはハードルが高いものです。ただし、今回ご紹介するWordPressプラグイン「All-in-One WP Migration」は初心者でも驚くほど簡単にバックアップとサイトの復元の双方が可能となります。テレ...
WordPressのアップデートは簡単に行えますが、いざダウングレードしたいときに手順を覚えておくと役に立つかもしれません。プラグインが使えない、ダッシュボード内に入れないなどの緊急事態に、手動でWordPressを更新できると安心です。
WordPressのバージョン更新に関する記事
WordPressはバージョン5.6以降から、自動更新がデフォルトになりました。 セキュリティ面から見ると嬉しい機能ではある一方で、自動更新するリスクもあるため、事前に仕組みを理解しておくことをおすすめします。 安全にアップデートするには、どのような手順を踏むべきか? 本記事では、...
コメント