今どきのスマホカメラは1280万画素以上、1枚あたりのファイル容量は1MB以上にもなっています。なかには、4800万画素という高性能カメラを内蔵したスマホもあります。
1280万画素カメラの場合、1日平均10枚撮る人なら1カ月で300枚、1.5GBになります。1年間撮りためると、18GBになります。4800万画素のスマホなら、1年間に54GBになります。動画はさらに容量を使います。
そのため、スマホの内部ストレージを使い果たしてしまう人も少なくないでしょう。本記事では、スマホに撮りためた写真の容量を十分に確保する方法をご紹介します。
目次
スマホの容量を整理する方法
1.ジャンクファイルを削除する
スマホに保存した写真の容量を抑える一番手っ取り早い方法は、写真を削除することです。スマホに「ストレージの空き容量がありません」という警告メッセージが出たとき、あわててスマホの写真を削除してしまったという失敗経験はありませんか。また、写真が満杯のため、シャッターが切れなくなったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。それが貴重な写真であれば、なおさら悔しいと思うでしょう。
そんなとき、あわてて写真を削除するのはもったいない話です。その前に、スマホの空きストレージ量を増やすのが賢い方法です。最初にしたいことは、不要な(ジャンク)ファイルを削除して、空きストレージの容量を増やすことです。
Androidスマホの場合:
Androidスマホの場合は、「設定」の「内部ストレージ」で「クリーンアップ」を選択し、「不要ファイル」などをクリーンアップすれば、空きストレージを増やすことができます。
iPhoneスマホの場合:
iPhoneスマホの場合は、設置→一般→iPhoneストレージで、「写真を最適化」を「有効」に設定すれば、不要な写真ファイルを自動的に取り除いて、空きストレージを増やすことができます。
2.拡張ストレージを活用する
Androidスマホなら、スマホの拡張ストレージ(メモリーカード)を写真の保存場所にすることで、空き容量不足の問題はすぐに解決します。本体にmicroSDカードを装着し、写真の保存先を内蔵ストレージではなく、メモリーカード(microSD)に設定します。これによって、スマホで撮った写真データの保存量が大幅に増え、ストレージ不足に悩まされなくなります。
けれども、もしあなたのスマホがiPhoneだとしたら、写真の容量不足の問題を解決するのはこれほど簡単ではありません。というのは、iPhoneにはmicroSDカードを挿入できる拡張スロットが用意されていないからです。写真をたくさん撮りたい人、ゲームアプリをたくさんインストールする人は、内部ストレージが最低256GBモデルのiPhoneを選ぶ方が無難です。
3. iCloudの利用
iPhoneでは、内部ストレージが不足する場合に備えて、iCloudというオンラインストレージを提供しています。もしiPhoneの内部ストレージが64GB未満のモデルをお持ちの場合には、iCloudを活用することをおすすめします。
iCloudは、iPhone、iPad、macbookなど、Appleのデバイスに最初から組み込まれているクラウドで、無料で5GBまで外部ストレージを利用できます。iCloudに保存されている写真などのファイルは、すべてのAppleデバイスで共有することができます。
「写真」アプリで行った編集は、あらゆる場所で自動的にアップデートされます。また、共有アルバムを使えば、自分が選んだ人と写真やビデオを共有したり、その人を招待して写真、ビデオ、コメントを共有アルバムに投稿したりしてもらうことが簡単にできます。
ただし、ストレージの利用容量が5GBをこえると、各種のデータ保存とバックアップが行えなくなります。その場合は、保存されたデータを削除するか、ストレージの容量を増やすかしなければなりません。
4.オンラインストレージの比較
オンラインストレージには、iCoud以外にも多くの種類のサービスが提供されています。写真の保存と整理に便利な主要クラウドをスペックで比較してみましょう。
Googleフォト | Amazonフォト | iCloud | One Drive | DropBox | |
無料 ストレージ |
15GB | 5GB | 5GB | 5GB | 2GB |
有料プラン (月額) |
100GB ¥250 200GB ¥380 2TB ¥1,300 |
月500円 プライム会員で容量無制限 |
50GB ¥130 200GB ¥400 2TB ¥1300 |
100GB ¥224 1TB ¥1,284 (Officeアプリ付) |
Plus 2TB ¥1,200 Family 2TB ¥2,000 |
写真の 整理機能 |
◯ | ◯ | ◯ | x | x |
特徴 | 編集ツールとスマートフィルタで写真編集 | プライム会員:オリジナルサイズのまま保存 | フル解像度で写真を保存 | Microsoft365: Office365利用可能 | Family 6人まで共有 |
無料で利用できるストレージの量が一番大きいのは、Googleフォトで、15GBあります。その他のストレージは5B以下となっています。15GBよりも多く写真を保存したい場合は、上の5つのどれかを選ぶのがおすすめです。それぞれに特徴的なサービスがついています。Amazonのプライム会員になっている人なら、Amazonフォトがお得です。追加料金なしに、オリジナルサイズの写真が容量無制限で保存できます。iPhoneを使っている方なら、Appleの全デバイス間で写真をすぐに同期できるiCloudが便利です。ふだん、MicrosoftのOfficeを使っている方なら、OneDriveがお得かもしれません。家族や友人と写真を共有して楽しみたい場合には、DropBoxのFamilyプランがお得でしょう。
オンラインストレージと契約していれば、複数の異なるデバイス間で多数の写真を共有できるので、便利です。200GB以上のストレージがあれば、写真のほとんどをストレージの中のフォルダーに整理して保管しておき、必要なときだけ任意のデバイスから取り出して活用することができます。ストレージ不足の心配から解放されます。
5.写真サイズの圧縮
写真の保存容量を節約するもう一つの方法は、写真のファイル容量を圧縮したり、写真のサイズを小さくすることです。その際、画質をあまり落とさずに圧縮する方法を覚えておくといいでしょう。おすすめの無料アプリとしては、iPhoneでは「画像圧縮アッシュ」、Androidなら「写真リサイズ」があります。いずれも、スマホで撮った写真をアプリだけで好きなサイズに圧縮することができます。
iPhone用の写真リサイズアプリ「画像圧縮アッシュ」
「画像圧縮アッシュ」は、写真の容量を画質の劣化なく大幅に圧縮できるiPhone向けアプリです。無料版では、一度に10枚まで写真を圧縮することができます。
1.画像の選択
まず、画面右上の「画像選択」をタップすると、「画像アッシュ」から「写真」にアクセスしようとしています、というメッセージが表示されます。特に問題がなければ、「すべての写真へのアクセスを許可します」をタップすると、iPhoneの写真アルバムに収めれらた写真の一覧が表示されます。無料版では、一度に10枚までの同時処理ができますので、下の画像のように10枚まで写真を選択します。
2.写真の圧縮率の指定
右上の「完了」マークをタップすると、画像圧縮率の選択画面が表示されます。
圧縮率の選択法は2通りあります。ひとつは圧縮率の%で指定する方法です。ためしに50%を指定すると、画面下に圧縮前の合計容量52.1Mbと圧縮後の合計容量13.9Mbが表示されます。差し引き38.2GB圧縮されることがわかります。約73%圧縮されることを示しています。
もう一つは、圧縮後のサイズ(単位はpx)を指定する方法です。このほうが視覚的には分かりやすいですね。ためしに、横幅サイズを1280pxと指定すると、下の画像のような表示になります。なんと圧縮後の画像サイズは合計2.6Mbと、圧縮前の20分の1になっています。
3.圧縮画像の確認
これだけ圧縮されると画質が大幅に劣化するのでないかと心配になりますが、画面右下の「圧縮画像一覧」をタップして、圧縮前後の画像を比較すると、下のようになっており、スマホの画面での見た目にはほとんど差がありません(上の画像が圧縮前、下の画像が圧縮後)。SNSやブログ記事に使うにはこれでも十分でしょう。
Androidスマホ用の写真リサイズアプリ「写真リサイズ」
Androiidスマホ用の写真リサイズアプリとしては、「写真リサイズ」がおすすめです。「端末上の写真、メディア、その他のファイルへのアクセスを写真リサイズに許可する」と設定すれば、端末に保存された写真にアクセスすることができます。
1.圧縮したい写真の選択
そこでまず、圧縮したい写真を選択します。無料版では、トップ画面の「写真を選択」をタップします。そしてリストアップされた写真のなかから圧縮したい写真をチェックします。
次いで、「サイズ変更」をタップします。
すると、写真の圧縮度を指定する画面になります。圧縮度の指定は、「割合(%)」「幅×高さ」「ファイルサイズ」のどれかを選択できます。割合で25%を指定すると、1945×1278pxの画像に縮小されます。ここでは、1280×875(ピクセル)で指定してみましょう。
すると、下の画像のように、圧縮前と圧縮後の写真が表示されます。下が圧縮前、上が圧縮後の写真です。大幅に圧縮したのですが、スマホの画面で見る限り、違いはほとんど分かりません。SNSやブログへの投稿写真としては十分でしょう。
以上紹介した2つの画像リサイズアプリで、圧縮前の写真を削除すれば、スマホの容量を節約することができるでしょう。
6. 使っていないアプリを削除する
スマホのストレージを節約するもう一つの方法は、未使用のアプリを削除することです。
スマホを毎日使ううちにアプリも自然と増えてしまうものです。そのまま放っておくと、未使用アプリがストレージを圧迫する原因にもなります。定期的に不要なアプリを削除していきたいものです。
Androidスマホの場合は、Google Playストアのアプリを起動し、画面右上のアカウントアイコンから「アプリとデバイスの管理」を選択。続いて「管理」タブを選ぶとインストール済みアプリが一覧表示されるので、不要なアプリにチェックを入れ、最後に画面右上のゴミ箱ボタンをタップするだけです。
iPhoneの場合は、「Appを取り除く」機能を使うのが便利です。
「設定」アプリで「一般」→「iPhoneストレージ」の順でタップします。アプリが一覧表示されるので、使用頻度の低いアプリを探してタップし、「Appを取り除く」を2回続けて選択すると、データを残したままアプリ分の容量を解放できます。「Appを取り除く」によって削除したアプリは、関連データをiPhoneに残した状態で削除されるので、アカウント情報を保持できるのはもちろんのこと、再インストール後も現在と同じ状態でアプリを利用することが可能です。アプリを完全に削除する方法は、次の「アプリのデータとキャッシュを削除する」をごらんください。
7. アプリのデータとキャッシュを削除する
スマホからアプリを取り除くだけでなく、アプリと関連のあるデータとキャッシュも削除すれが、スマホの容量をもっと節減することができます。
Androidスマホのアプリを削除する手順は次のとおりです。
- Google Play ストア アプリ を開きます。
- 右上のプロフィール アイコンをタップします。
- [アプリとデバイスの管理] [管理] をタップします。
- 削除するアプリの名前をタップします。
- [アンインストール] をタップします。
Androidには、キャッシュの機能があります。キャッシュとは、Webページやアプリを表示した際に、画像やHTMLファイルなどのデータをスマホへ一時的に保存する仕組みのことです。キャッシュがあることで、再利用が必要となったデータをインターネットを経由せずに迅速に呼び出すことができます。その代わり、溜まったキャッシュでスマホの動作が遅くなったり、スマホのストレージが圧迫される心配もあります。
Android 8以降のスマホは不要なキャッシュが自動で削除されるため、ユーザーは過剰に気にする必要はありません。Android 7以前のスマホでは全アプリのキャッシュを一括削除する機能があります。
iPhoneの場合、アプリのデータを削除するには、ホーム画面で削除したいアプリのアイコンを長押しします。次に、「Appを削除」を2回続けてクリックすると、アプリをデータごと削除することができます。
まとめ
スマホのカメラ性能は日進月歩で、1枚当たりのファイル容量は1MGを超えるのが当たり前になっています。動画を撮るならば、さらに桁違いに大きな容量になってしまいます。特に長時間の動画は、あっという間にスマホのストレージが一杯になる原因になってしまいます。
当記事で提案した7つの対策を活用することで、少ないストレージでも有効活用できます。
また、Androidスマホなら拡張ストレージを利用することが有効です。拡張ストレージのないiPhoneなら、写真や動画のサイズを圧縮すること、オンラインストレージを利用することが有効です。なかでも、写真や動画をこまめに圧縮して、ストレージのサイズを節約する習慣をつけたいものです。
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