世界4億人以上が利用するオンライン決済サービスのPayPal(ペイパル)。日本国内を含む2400万以上のショップで利用する事ができます。
PayPalとはどんな決済サービスなのか?登録や支払いはどのようにすればいいのか?本稿ではPayPalの概要と使い方をわかりやすく解説しました。
目次
PayPalとは?
PayPal(ペイパル)とは、オンラインでの支払いや送金を行うための電子決済サービスです。
1998年に設立され、その後急速に成長し、世界中で広く利用されています。PayPalを利用することで、個人やビジネスが安全かつ簡単に支払いを受け取ったり、送金を行ったりすることができます。
アカウント作成後に銀行口座やクレジットカード番号などを登録すると、ネットショッピングで簡単に決済できます。電子マネーのPayPay(ペイペイ)のようにお金をチャージするのではなく、銀行口座やクレジットカードから直接支払いが行われます。
どこで使える?
PayPalは主にネットショッピングの支払いに使えます。日本国内では以下のようなサイトで決済できますが、海外の通販やサービスで利用できるものが多いです。
航空・ホテル:
ANA、Agoda、hotels.com、airbnb
ネット通販:
楽天市場(一部の店舗のみ)、Qoo10、ヤマダ電機、HMV&BOOKS online、Animate、eBay
Webサービス:Facebook、Dropbox、Evernote、STORES、ストアカ、Freee、ふるさとチョイス
コンテンツ:
YouTube、Vimeo、Google Play、Nintendo Store、PlayStation Store、TCD WordPressテーマ
ショッピング以外では、ご家族やお友達への送金にも使う事ができます。
PayPalのビジネスアカウントを利用する場合は、お取引先への請求書・見積書・Webサイトに貼り付ける決済フォームなど、事業者向けの機能が充実しています。
メリット・デメリット
PayPalの最大のメリットは、様々なショップで支払う度にカードや口座番号を入力しなくて済む点です。商品を購入するとあらかじめ登録しておいたカードや口座から支払われます。
一方デメリットとしては、クレジットカードの分割払いができない点です。PayPal決済対応の月額販売の商品やサービスであれば、一回払いのデビットカードでも支払う事ができます。
また、日本円のサイトで購入したり個人間の送金は手数料がかかりませんが、海外での取引や送金をする場合はかかります。送金などで受け取ったお金を引き出す時に、残高が5万円未満の場合も手数料がかかります。
安全性と危険性
PayPalは全ての取引を24時間・365日監視しており、不審な動きがあったらログインを制限してくれます。また、業界最高水準の暗号化で個人情報が保護されています。購入する際にカード番号などを入力しなくて済むため、ショップ側に把握されるリスクもありません。
さらにPayPalでは「買い手保護制度」があり、商品が届かなかったり違う商品が届いた場合に返金してもらえます。そのため、PayPalは安全性の高いオンライン決済サービスと言えます。
一方でPayPalの不正利用には注意が必要です。 推測されにくいパスワードに変更したり、2段階認証のログイン設定で対策する事ができます。不正ログイン後にパスワード変更されないよう「セキュリティに関する質問」も設定できます。
その他にも送信者を偽ってメールを送信する「フィッシングメール」にも注意が必要です。公式URLの「paypal.com」が付いていないメールアドレスから届いた場合は開封しないようにしましょう。
これらの方法でPayPalの危険性を回避する事ができ、より安全に利用する事ができます。
アカウントの種類
PayPalには、パーソナル(個人)とビジネスの2種類のアカウントがあります。それぞれのアカウントで別々にアプリが提供されています。
パーソナルアカウント:
ネットショッピングでの購入や、ご家族や友人に送金できる個人向けアカウント。
ビジネスアカウント:
購入や送金だけでなく、お取引先への請求書・見積書・決済フォームなどを作成できるビジネス向けアカウント。
登録しないで使える?
残念ながら日本ではアカウントなしでPayPal決済をする事ができません。PayPalを使って支払いや送金をしたい場合は、必ずアカウントの登録をする必要があります。
チャージ方法はある?
PayPalの管理画面には「残高」が表示されますが、日本のPayPalアカウントではWeb上やコンビニなどでお金をチャージする事はできません。残高は送金や商品販売などでお金を受け取った後に表示され、そのまま他の支払いに使う事もできます。
基本的にPayPal決済をする場合はお金をチャージする必要はなく、登録したカードや口座から直接支払います。
PayPalの使い方
PayPalの使い方として、アカウントの作成方法・ネットショッピングでの支払い方法・個人間での送金方法について解説します。
アカウントの作成方法
PayPalのアカウントは、公式サイトとアプリから登録できます。なお、PayPalの利用は18歳以上となっており、高校生以下の方は登録できませんのでご注意ください。
はじめにPayPal公式サイトにアクセスして新規登録ボタンを押します。次にアカウントを選択します。個人利用ならパーソナルアカウント、事業向けならビジネスアカウントを選択してください。
国を選択し、メールアドレス・パスワード・電話番号を入力します。登録した携帯のショートメールに送られてくるコードを入力します。
国籍の選択し、お名前と生年月日を入力します。
支払い方法として各種カード又は銀行口座の番号を入力すると完了します。登録後に複数のカードや口座を登録する事ができます。
本人確認
PayPalでの本人確認は必須ではありませんが、以下の場合に必要となります。
パーソナルアカウント:銀行口座でのお支払いか、1回10万円以上を受け取る場合。
ビジネスアカウント:残高やカードでのお支払い・残高の引出し・支払いの受け取り。
本人確認には、運転免許証・マイナンバーカード・在留カードのいずれか1点の原本を撮影してアップロードする必要があります。本人確認の手続き後、完了までに約2週間〜4週間程度かかります。
また、個人と法人では本人確認の方法が違いますので、以下のページを参考にしてみてください。
参考:
パーソナル(個人)アカウントの本人確認手続き
ビジネスアカウントの本人確認手続き(法人の方)
お支払い方法
PayPalは主にネットショッピングで利用する方が多いかと思います。楽天市場でもPayPal決済ができますが、一部店舗のみとなっています。
そこで、会員数2000万人以上でPayPalクーポンが不定期で提供されるQoo10(キューテン)での購入手順を解説します。楽天市場や他の通販でも似たような手順となりますので参考にしてみてください。
はじめにQoo10の公式サイトかアプリにアクセスし、新規登録かログインをします。
その後、購入したい商品ページにアクセスし、「カートに入れる」ボタンを押します。
お届け先住所やメールアドレスなどを入力します。新規登録時に入力した住所で良い方はそのまま進みます。
お支払い方法のページで「PayPal」を選択します。
PayPalにログインする画面が表示されます。メールアドレスか携帯番号でログインします。
「購入を完了する」ボタンを押すと注文が完了します。
このように、買い方としてはカードや口座番号を入力する代わりに、PayPalへログインして支払うような形となります。
クーポンの使い方
PayPal対応のショッピングサイトでは、PayPay決済の割引クーポンが提供される事があります。キャンペーンはPayPalの公式ページでも確認する事ができます。
例えばQoo10で初回2000円以上をPayPal決済すると、1000円分のクーポンがもらえる事があります。過去に最大で50%OFFのクーポンが発行された事もあるようです。
使い方としては、PayPalクーポンが掲載されているWebページから「クーポンを保存する」ボタンを押してPayPalに保存します。対象サイトで次回の購入時に自動的にクーポンが適用されます。
適用できるのは、日本円のショッピングサイトでPayPal決済の場合のみです。また、クーポンの使用期限は付与後30日程度ですのでご注意ください。
コンビニで使う方法
PayPal決済は基本的にコンビニで使う事はできません。しかし、お金をチャージして利用するVISAプリペイドカードをPayPalと連携するとコンビニで使えます。
VISAプリペイドカードはいくつか種類がありますが「バンドルカード」が有名です。このカードは審査がなく、未成年が発行したい場合も保護者の同意があれば作成できます。また、後払い決済ができるメリットもあります。
バンドルカードを使うには専用アプリから発行して、店舗で使えるリアルカードも発行します。その後、 PayPalにバンドルカードの番号を登録します。
届いたリアルカードをコンビニで使う事で、PayPalと連携して決済する事ができます。バンドルカードは後払いができますので、よりお得に利用する事ができます。
参考:
バンドルカードはPayPalでも使えます
【裏技】PayPalで後払い決済を使う方法!クレカなしでもOK!
コンビニやスーパーで商品をどうやって買うの?
送金方法
PayPalから送金する場合は、口座振替設定ができる銀行の登録が必須となります。なお、送金する場合はPayPalアカウントを持っている人同士でないとできません。
送金の手数料については日本国内の個人間では無料ですが、海外への送金は1回あたり499円となります。日本円以外の通貨で受け取る場合は3〜4%の手数料がかかります。
参考:
個人間での送金方法(個人)|サポート| PayPal JP
海外送金|個人向け | PayPal JP
個人アカウントでの送金はPCやスマホからもできますが、アプリの方が操作が簡単です。ここではアプリの画面で解説しますが、PCやスマホでも同ような手順で送金できますので参考にしてみてください。
PayPalで送金するにはアプリを開き、左下の「送金」ボタンを押します。
検索窓からPayPalアカウントを持っている方のお名前やメールアドレスを入力します。
送金する金額と必要に応じてメッセージを入力します。
「送信」を押すと、指定の相手に送金されます。
クレジットカード決済より安心?
PayPalは、クレジットカード決済より安全と言われることがあります。
理由は、ECサイトに直接クレジットカード番号を入力することなく決済できるからです。信頼性の低いネットショップ(たとえば、海外の知らないサイトで決済する時など)で購入する際にはPayPalを間に介することで、クレジットカード番号を抜き取られたり、情報漏洩のリスクが減らせるため、PayPalの方が安全と言われるわけです。
筆者も海外のサイトで商品やサービスを一見客として購入する時には、PayPal決済に対応してくれていると安心できますね。クレジットカード番号が漏洩する心配もないし、「商品が届かない」といったトラブルが起こったときにはPayPalの購入者保護プログラムがあるので、決済のキャンセルができます。
まとめ
PayPalとは、支払いや送金ができるオンライン決済サービスです。事前に各種カードや口座番号を登録しておけば、ネットでお買い物をする度に番号を入力しなくて済みます。
ネットショッピングでの使い方は、カード番号などを入力する代わりにPayPalにログインして決済するだけです。送金も簡単でアプリからPayPalユーザーを検索し、金額を入力してボタンを押すだけです。
PayPalを活用する事で便利に決済や送金ができますので、ぜひ活用してみてください。
消費者側として解説してきましたが、PayPalを自社のECサイトの決済手段として利用する方法はこちらからご覧いただけます。ECサイト運営側の視点になります。
本稿ではPayPalを自社のECサイトの決済手段として利用する方法を解説します。PayPalはどなたでもすぐに利用できるため、スモールビジネスやデジタルコンテンツ販売に特に利用しやすい決済手段だと思います。現に弊社でも10年以上前からPayPalを主要の決済手段として利用しています。 PayPal...
第1回:PayPalとは?(当記事)
第2回:決済フォームの作成方法
第3回:決済テストの方法
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