今回は、WooCommerceにPayPalを連携させる方法について紹介します。
PayPalは買い手と売り手を安全に繋いでくれるサービスです。Stripeと並ぶメジャーな決済方法なので、導入しておけば購入機会の損失を防げるでしょう。
PayPalの設定手順は、以下3ステップで完了します。
- PayPalのビジネスアカウントを作成する
- API認証情報を取得する
- WooCommerceにPayPalのAPIキーを設定する
手順に沿って進めていけば、迷うことなく設定できるはずです。本記事の画像と実際の手続き画面を照らし合わせつつ、WooCommerceとPayPalを連携していきましょう。
目次
PayPalのビジネスアカウントを作成する
PayPalで売上金を受け取るには、事前にビジネスアカウントの作成が必要です。
現在、パーソナルアカウントを持っている方は、ビジネスアカウントへアップグレードできます。新しくビジネスアカウントを作成するには、別途メールアドレスを用意して登録してください。
はじめに以下のリンクからPayPalにアクセスして「新規登録(無料)はこちら」をクリックしましょう。
アカウントの種類は「ビジネスアカウント」を選択し、「新規登録に進む」をクリックしてください。
ビジネスアカウントのログインに利用するメールアドレスとパスワードを設定します。
PayPalからの重要な通知が届くので、店舗運営でよく利用するメールアドレスを入力しましょう。入力が完了したら「続行」をクリックしてください。
次にPayPal決済を利用する事業に関する情報を設定します。
- 代表者の氏名
- 生年月日
- 自宅の住所
- 電話番号
- 正式な事業者の名称
上記を入力します。
「事業所の住所」にチェックを入れて「同意して続行」をクリックしましょう。
次に事業情報を設定します。
- 事業タイプ
- 商品またはサービスのキーワード
- 会社の成立日(任意)
- クレジットカード明細に記載される名前
間違いがないことを確認して「続行」をクリックしましょう。
全ての入力が完了すると、登録したメールアドレス宛に確認メールが届きます。「メールアドレスを確認する」をクリックして、PayPalにログインすると登録完了です。これでPayPalのビジネスアカウントが作成できました。
API認証情報を取得する
次にWooCommerceとPayPalを連携するためのAPI認証情報を取得します。
「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略。異なるプログラムやサービスを繋ぐための仕組みのこと。今回の場合では、WooCommerceとPayPalを連携するためにAPIを使う。”
PayPalビジネスアカウントにログインして、トップページ右上にある「アカウント設定」をクリックします。
「アカウントへのアクセス」にある「APIアクセス」の「更新」をクリックしましょう。
「NVP/SOAP APIの実装(旧バージョン)」にある「API認証情報の管理」をクリックしてください。
「API認証情報の請求 – PayPal」の「ショッピングカートまたはソリューションプロバイダがAPIユーザー名、パスワード、著名を要求している、またはカスタムショッピングカートを開発している場合は、API署名を請求してください。」にチェックを入れて「同意して送信」をクリックします。
API認証情報が表示されます。
- APIユーザー名
- APIパスワード
- 署名
上記3つはWooCommerceの設定画面で利用するので、事前にコピーしておきましょう。
これでAPI認証情報の取得は完了です。
WooCommerceにPayPalのAPIキーを設定する
最後にWooCommerce側に取得したAPIキーを設定していきます。
WordPressの管理画面から「WooCommerce」→「設定」→「決済」→「PayPal Checkout」を有効→「管理」の順で進めてください。
「アカウント設定」の項目を設定していきます。「環境」は「ライブ」を選択してください。
「APIログイン情報」では、事前にPayPal側でコピーしておいた3つのAPI情報を入力します。最後に画面最下部にある「変更を保存」をクリックしたら、全ての手続きは完了です。
決済テストにはサンドボックスが使える
アカウント設定の「環境」では、ライブの他にテスト環境でチェックできる「サンドボックス」があります。
サンドボックスはPayPalの決済の流れを確認できるテストモードです。仮想アカウントはこちらで紹介している手順で簡単に作成できます。
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テスト環境で不具合が起きる場合は、「自身のPayPalのパーソナルアカウント+本番環境」でも実際に決済する方法をおすすめします。購入、返金などの各操作をチェックして問題なく動作するか見てみましょう。
PayPalは2種類の決済の仕組みがある
PayPalの決済画面は2種類あります。
1. PayPal Standard
PayPal Standardは、決済手続きの際にPayPalの決済画面に遷移する仕組みです。
「WooCommerceの決済画面」→「PayPalの決済画面」→「WooCommerceの決済画面」という順序で決済が完了します。名前の通り、スタンダードなPayPalの決済手順です。
ビジネスアカウントを持っている全ての人が、無料で利用できます。WordPress側で特別な設定をする必要もないので、手軽にPayPalを導入できるでしょう。
2. PayPal Express
PayPal Expressは、WooCommerceの決済画面上にPayPalのカートが表示でき、ログインするだけで決済ができる仕組みです。
利用者からすると決済完了までの手続きが少ないため、ストレスが少ないメリットが得られます。PayPal Expressを設定するには、以下のプラグインをWordPressに追加してください。
>> WooCommerce PayPal Checkout Payment Gateway
決済に関するワンポイントアドバイス
あえてPayPalを使いたい人も少なからずいるので、ECサイトの決済方法に追加しておいて損はありません。
しかし、PayPalは決済の手続きに手間がかかりがちです。PayPalを知らない人からするとストレスに感じるかもしれません。
問題を最小限にするためには、Stripeの利用をおすすめします。StripeはWooCommerceにデフォルトで追加される決済サービスです。クレジットカード決済をスムーズに行えます。
PayPalとStripeを併用することで、より決済に強いサイトが作れるはずです。まだ、Stripeを連携していない方は、この機会に設定しておくと良いでしょう。
WooCommerceに標準装備されている決済方法の1つがStripeです。 クレジットカード決済をかんたんに組み込めるStripeですが、はじめてWooCommerceと連携する人にとっては、少々複雑な設定画面に困惑してしまうでしょう。 そこで本記事では、WooCommerceとStr...
まとめ
PayPalは世界的にも有名な決済サービスなので、WooCommerceと連携しておいて損はないでしょう。
ビジネスアカウントとAPIを取得しておけば、比較的かんたんに設定が完了します。利用する際は、ご自身のパーソナルアカウントを使って本番環境でチェックしてみてください。
また、PayPalにはスタンダードとエクスプレスの2種類があります。ただし、WooCommerceの決済方法をPayPalのみにするのは良くありません。まずはStripeを追加して、利用者の選択肢を広げておくことも大切です。
PayPalやStripeは、年々決済方法のバリエーションを広げつつあります。なるべく早く導入しておき、利用者にとってストレスの少ないECサイトを目指しましょう。
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- WordPressテーマ「BASARA」:和菓子・日本酒・和食器・呉服・和楽器・日本画・書道作品
- WordPressテーマ「RIKYU」:物販(あらゆる業種)
第1回 :WooCommerceとは?
第2回 :インストール
第3回 :基本設定
第4回 :商品登録
第5回 :デジタルコンテンツ販売
第6回 :クーポンの設定
第7回 :レビューの承認制
第8回 :おすすめの決済サービス
第9回 :Stripeの導入
第10回 :PayPalの導入(当記事)
第11回 :指定の商品のみを表示
第12回 :マイアカウントのカスタマイズ
第13回 :カートボタンのリンク先を変える
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