コロナをきっかけにネットショップ(ECサイト)を開設した、または開設しようとお考えの方も増えているのではないでしょうか。
著者の周りでも個人のクリエイターがハンドメイドのアクセサリー、アロマキャンドルなどを販売するためにネットショップを立ち上げた方が何名かいました。
統計データからもECサイト市場の成長は見て取れます。2020年度の通信販売市場の売上高は10兆6,300億円と、なんと前年比20%以上の成長(調査開始以来初の記録)となっています。(参照元:公益社団法人日本通信販売協会)
通販市場は22年連続で増加しており、需要は今後も伸長するとみられています。ECサイトを作れるサービスは多数存在しますが、今回は世界で最も使われているフリーのWordPressプラグイン「WooCommerce」についてご案内します。
WooCommerceとは
WooCommerce(ウーコマース)は、WordPressでECサイトを作成できる無料のプラグインです。商品ページやショッピングカート、決済方法の設定など、ECサイトを作成・運営する上で必要な機能がパッケージ化されています。
拡張性が高くWordPressユーザーに最適化されているので、本格的なECサイトも構築可能です。
WooCommerceに対応しているWordPressテーマを使うことでお洒落なデザインや機能性を追加することもできます。シンプルに始めたい方も、長期的に本格派ECサイトに育てたい方にも対応できるわけです。
ちなみにTCDでは、下記テーマがWooCoommerceに対応しています。
- シンプルなECサイトをすぐに始められるWordPressテーマ「Ankle」
- 大規模ECサイトにも最適、トップページから強力にアピールできるWordPressテーマ「EGO.」
WooCommerceについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「コストをかけずにネットショップを開設したい」と考えている個人・企業に最適なのがWooCommerce。 使用料なし 本格的なネットショップが開設できる ECサイトに必要な機能が揃っている プログラミング知識は不要 WooCommerceは、ドメインとサーバーさえあ...
WooCommerceの魅力
WooCommerceの特徴を少しだけ掘り下げると、大きく分けて下記の3つの魅力があります。
低コストで運営可能
WordPressもWooCommerceもそれ自体は無料で使用でき、手数料や固定費がかからないため、他のECサイト作成サービスと比べて低コストでECサイトを運営できます。
基本的には、サイトを運営するために必要なサーバーやドメイン代(月額にして千円以内程度)のみしかかかりません。一方で、簡易的なECサイト作成サービスの多くは運営コストがかかったり、売上の数%を回収される仕組みとなっています。
独自ドメインで運営可能
WooCommerce+WordPressでつくるECサイトは、プラットフォームに依存した簡易的なネットショップと異なり、独自のドメインで運営可能です。デザインや用途に制限はなく、突然のサービス終了なども気にする必要はありません。
独自ドメイン=あなたのサイトなので、どこかに手数料を払う必要もなく、長期的に運営するほど本格的なブランド力やドメインパワーもついてきます。
カスタマイズしやすい
2015年にWordPress.comを運営するAutomattic社がWooCommerceを買収したことで、WordPressとの親和性が上がりました。ショップのデザインや機能を自在にカスタマイズできるWordPressテーマやプラグインが豊富に存在します。
また、WooCommerceは全世界の上位100万件のサイトのうち最も多く使用されているECサイト作成ツールであり、そのシェアは25%以上となります。
※参照元:E-Commerce Usage Distribution in the Top 1 Million Sites
利用者が多いことも、拡張性に貢献しているのでしょう。当記事ではそんなプラグイン「WooCommerce」のインストールから初期設定の方法を解説いたします。
WooCommerceのインストール
2022年3月現在、WooCommerceを利用する際の推奨環境はサーバーのPHP7.4以上、データベースMySQL 5.6以上となります。最新の推奨環境につきましては下記をご確認ください。
参照:WooCommerce Server Recommendations
ダッシュボード左メニュー【プラグイン】→【新規追加】から「WooCommerce」と入力して検索します。
ヒットした「WooCommerce」の「いますぐインストール」をクリックし、インストール完了後、「プラグインを有効化」をクリックします。
下のボタンからもダウンロード可能です。プラグインファイルをwp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。
初期設定
プラグインを有効化すると下記ページに遷移します。ここではストアに関する初期設定を行います。
ページ最下部「ストアの詳細の設定をスキップする」をクリックすると、初期設定をとばすことが可能です。以下で設定する内容はダッシュボード左メニュー【WooCommerce】→【ホーム】よりいつでも変更が可能なため、サイトをいち早く形にしたい場合は後回しにしても問題ございません。
ストアの詳細
店舗の所在地や商品の発送元の住所を入力してください。ここで設定した住所は、後で設定する送料や税金計算の基準となります。
下記はWooCommerceがプラグインの修正・改善に使用する範囲に限りデータの共有を求めているものです。設定自体には関係ございません。
業界
ストアで販売する商品に1番近いものにチェックを入れてください。
商品タイプ
販売する商品のタイプを選択してください。「実在商品」は実際にお客様に配送される有形の商品、「ダウンロード」は音楽データ等のバーチャル商品です。
なお、定期購入以下はWooCommerceだけではご利用できません。別途専用の有料プラグインをご購入いただく必要がございます。
ビジネスの詳細
ストアを含めたビジネスの規模や状況に関する質問に答えてください。
ビジネスの詳細
取り扱い商品数やWooCommerceで作成しているストア以外にサイトや店舗があるかに対する答えを、プルダウンの中から選択してください。
フリープラン機能
WooCommerceが薦める、サイトを運営する上で便利な無料プラグインにチェックが入っています。不要な場合はチェックを外して次の項目に進んでください。
テーマ
使用するテーマを選択します。現在有効化しているテーマを使用する場合は「有効なテーマをそのまま使用する」をクリックしてください。
まとめ
以上でWooCommerceプラグインのインストールから初期設定は完了です。
WooCommerceは低コストでECサイトを構築できる点や、利用者の多さに比例した拡張性の高さなど非常にメリットが多いプラグインです。設定項目は多いですが、その分自分にピッタリ合うECサイトを作成できます。
あなただけのECサイトでビジネスやブランドの価値を高めましょう。
インストールと初期設定が済んだ後は、ショップに関する基本設定を行っていきます。設定次第で越境ECやダウンロード商品の販売も可能ですので、下記記事を参考にご覧ください。
WordPressを無料でネットショップ化できるWooCommerceは、基本設定でお店のスタイルを設定していきます。ショップの住所や販売先の地域、商品の種類(物販/ダウンロード)などの設定次第で越境ECやデータを販売するネットショップなども構築可能です。 ただし、設定項目が細分化されているの...
- WordPressテーマ「EGO.」:アパレル・セレクトショップ・インテリア・家具・スポーツ用品
- WordPressテーマ「Ankle」:雑貨・アクセサリー・ギフト
- WordPressテーマ「common」:デジタルコンテンツ(写真・イラスト・セミナー・レッスン動画など)
- WordPressテーマ「BASARA」:和菓子・日本酒・和食器・呉服・和楽器・日本画・書道作品
- WordPressテーマ「RIKYU」:物販(あらゆる業種)
第1回 :WooCommerceとは?
第2回 :インストール(当記事)
第3回 :基本設定
第4回 :商品登録
第5回 :デジタルコンテンツ販売
第6回 :クーポンの設定
第7回 :レビューの承認制
第8回 :おすすめの決済サービス
第9回 :Stripeの導入
第10回 :PayPalの導入
第11回 :指定の商品のみを表示
第12回 :マイアカウントのカスタマイズ
第13回 :カートボタンのリンク先を変える
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