WordPress(ワードプレス)で「関連記事」を自動表示したいと考えたとき、多くのユーザーに支持されているのが「YARPP(Yet Another Related Posts Plugin)」です。
本記事では、YARPPの基本機能から使い方、表示がうまくいかないときの対処法、さらにはカスタマイズ方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
関連記事の精度を高めて、サイトの回遊率・SEO効果をアップさせたい方はぜひ参考にしてください。
目次
YARPP(Yet Another Related Posts Plugin)とは?
YARPPは、WordPress初心者でも簡単に導入できる関連記事表示プラグインです。
無料で利用でき、記事の内容やタイトル、カテゴリ、タグなどをもとに関連性の高い投稿を自動で抽出・表示してくれます。
このプラグインを導入することで、以下のような効果が期待できます。
- 読者の回遊率がアップ(=ページ滞在時間が延びる)
- 関連性の高い記事を表示することで直帰率が低下
- SEO評価の向上(内部リンク強化)
プログラミング知識がなくても導入・設定が簡単なのも大きなメリットです。
主な機能
- 関連記事の自動表示:記事の内容をもとに、関連性の高い記事を自動で抽出して表示。
- 関連度スコアの詳細設定:タイトル・本文・カテゴリ・タグ・投稿タイプの一致などの詳細設定で、関連性の高い記事だけを精度高く表示可能。
- 表示形式の選択:テキストリンクだけのリスト形式、アイキャッチ画像つきのサムネイル形式、カスタムの3種類から選択。
- 表示件数・並び順のカスタマイズ:表示する関連記事の件数・順番・優先順位などを自由に調整可能。
- 各投稿タイプへの表示:投稿・固定ページ・カスタム投稿タイプにも表示でき、ページごとの表示設定も可能。
- ウィジェット対応:サイドバーやフッターに表示したい場合は、ウィジェットを使うことで簡単に表示可能。
- ショートコード:好きな場所に関連記事を表示するために、ショートコード(短い記述)を使用可能。
他の関連記事プラグインとの違い
YARPPが他の関連記事プラグインと比べて優れている点は、関連性の精度の高さとカスタマイズ性の柔軟性です。
独自の「関連スコア」アルゴリズムを用いて、単なるタグ一致ではなく文章全体の内容から類似性を判断します。
表示の見た目や挿入位置も細かく指定可能。テンプレートファイルを編集すれば自由にカスタマイズ可能。
ウィジェットやショートコードで自由に表示場所を調整できるため、サイドバーやフッターにも表示できます。
YARPPの使い方
インストールの手順
YARPPプラグインをインストールするには、以下の手順で行います。
- プラグイン > プラグインの追加
- 検索窓に「yarpp」と入力
- 「今すぐインストール」をクリックし、ボタンの表示が「有効化」に変わったら再度クリック
YARPPの初期設定をするには、左メニューの設定 > YARPPの順にクリックすると、設定画面が表示されます。
フィルター設定
YARPPのフィルター設定は、関連記事として表示する記事に制限をかける設定項目です。
読者に不要な記事を見せないようにすることで、表示の精度や品質を高められます。
- 含める投稿タイプ:投稿・固定ページ・メディア(ファイルの個別URL)・カスタム投稿への表示設定。
- Disallow by カテゴリー:特定のカテゴリーに属する記事の関連記事の除外設定。
- Disallow by タグ:特定のタグに属する記事の関連記事の除外設定。
- Disallow by カスタム投稿タイプ:特定のカスタム投稿タイプに属する記事の関連記事の除外設定。
- Display password protected posts(パスワード保護記事を表示):パスワード保護されている記事を関連記事に含めるかどうかを選択。
- Display sticky posts(先頭固定記事を表示):「先頭に固定表示」されている記事を、関連記事に含めるかどうかを選択。
- Display only posts from the past 〇〇(過去の投稿のみを表示):指定した期間内の過去記事のみを関連記事として表示。数値と月間・週間・日間を選択して指定可能。
- Display only posts older than current post(現在の記事より古い記事だけを表示):現在表示中の記事よりも古い記事のみを関連記事として表示。
- Limit to same post type(同じ投稿タイプの記事のみに限定):たとえば「投稿」記事には「投稿」だけ、「カスタム投稿タイプ」には同じタイプの記事だけを表示したい場合に使用。
アルゴリズム
関連記事として表示する記事の「関連度」を判断するための仕組みです。記事同士の内容がどれだけ似ているかをスコア化して、自動的に表示対象を決めます。
- 一致しきい値:関連スコアの最低ラインを設定。この値以上のスコアを持つ記事だけが関連記事として表示。※数値が高すぎると表示されない可能性あり。
- タイトル:記事タイトルの一致度を「検討する」「検討しない」「特別な重みを付けて考慮する」から選択。
- 内容:本文のテキスト内容の一致度を「検討する」「検討しない」「特別な重みを付けて考慮する」から選択。
- カテゴリー:同じカテゴリーに属する記事を「検討する」「検討しない」「特別な重みを付けて考慮する」「少なくとも1つの共通カテゴリーが必要」「1つ以上の共通カテゴリーが必要」から選択。
- タグ:共通のタグが付いている記事を「検討する」「検討しない」「特別な重みを付けて考慮する」「少なくとも1つの共通タグが必要」「1つ以上の共通タグが必要」から選択。
自動表示設定
関連記事を自動的に表示するかどうかを設定できる機能です。特定の投稿タイプ(例:投稿・固定ページ)ごとに、関連記事の自動表示をオン・オフできます。
- 関連するコンテンツを自動的に表示:投稿や固定ページの下に、関連記事を自動で表示するかどうかを設定。
- 投稿の最大数:表示する関連記事の最大件数を設定。例えば、3と入力すると、最大3件まで表示。
- Theme:リスト、Thumbnail(サムネイル)、Custom(カスタム)から選択して編集。カスタマイズ方法は別の項目で後述。
- 結果の表示順:関連記事の並び順を選択(例:関連スコア順、ランダム、日付順など)。
- YARPP のリンク設置:表示される関連記事リストの下に、「Powered by YARPP.」という署名リンクを付けるか設定。
- プレビュー:実際に設定したスタイルや件数で、どのように関連記事が表示されるか確認。モバイル(横幅320px)とタブレット(横幅768px)の選択可能。
- コードの表示:現在までの設定内容が反映されたコードが表示(開発者向け)。
- RSS Feed設定:RSSフィードに関連記事も表示するか設定。
- REST API設定:YARPPの関連データをWordPressのREST API(外部ツールがデータにアクセスするための仕組み)で取得できるようにする設定。
- Save Changes:設定を保存。
- Empty Cache:YARPPのキャッシュを空にする。
ウィジェットでの表示設定
Webサイトの指定の箇所に機能を追加できる「ウィジェット」にYARPPを追加することもできます。
- 外観 > ウィジェット
- Related Posts(YARPP)をドラッグまたはクリックしてウィジェットの一覧から選択
- ドラッグした場合は、任意の場所にドロップ
これで、設定した箇所に関連記事が表示されます。
各ページでの設定と表示確認
YARPPで設定した関連記事を各ページで表示するか、どんな関連記事が表示されるのか、投稿画面で確認できます。
- この投稿に関連するコンテンツを自動的に表示:初期設定ではチェック入りだが、外すと非表示。
- 設定オプション:YARPPの設定画面に移動。
- 再読み込み:関連記事が表示されなかったり、設定し直した場合にクリックして再読み込み。
YARPPのカスタマイズ方法
YARPPで表示する関連記事をカスタマイズをするには、設定 > YARPP > 自動表示設定 > Themeから行えます。
前述したとおり、Themeの項目ではリスト、Thumbnail(サムネイル)、Custom(カスタム)から選択して編集します。
リスト
リストを選択すると、テキストのみの関連記事を表示します。カスタマイズには、HTMLやCSSの知識が必要となります。
- 関連投稿の前 / 後:関連記事の見出し前後のHTMLタグや文言を設定。
- 各関連投稿の前 / 後:関連記事リストの前後のHTMLタグを設定。
- 抜粋を表示:各記事の抜粋の文字数や、見出し前後のHTMLタグや文言を設定。
- 関連記事がないときに表示するメッセージ:HTMLタグと表示文を入力して設定。
サムネイル
アイキャッチ画像つきの関連記事を表示するには、「Thumbnails(サムネイル)」をクリックして編集します。
- ヘッダー:見出しの文字を設定。
- デフォルト画像(URL):アイキャッチ画像がない記事に表示する代替画像のURLを指定(初期設定はYARPPの画像)。
- 不足しているサムネイルサイズを生成:チェックすると、サムネイルサイズが足りない場合に自動生成。
- 関連記事がないときに表示するメッセージ:HTMLタグと表示文を入力して設定。
カスタム
Custom(カスタム)は、より柔軟なレイアウトや独自デザインで関連記事を表示したいときに使います。
関連記事の表示レイアウトや内容を、自由にカスタマイズできる機能です。
- Template file:関連記事の表示に使うテンプレートを7種類から選択可能。
- サムネイルサイズ:表示するアイキャッチ画像のサイズを選択。最小サイズは120×120、最大サイズは2048×2048。
- 不足しているサムネイルサイズを生成:チェックすると、サムネイルサイズが足りない場合に自動生成。
ショートコード
YARPPでは、投稿や固定ページの好きな場所に関連記事を表示するために、ショートコード(短い記述)を使うことができます。
自動表示をオフにしている場合でも、手動で表示したい位置に挿入できます。以下が、基本のショートコードです。
[yarpp]
これを記事本文やウィジェットに貼るだけで、関連記事リストが表示されます。なお、表示形式や件数などは、YARPPの設定に従います。
その他、YARPPのショートコードは、以下のような属性を指定することで表示内容を細かく調整できます。
属性名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
limit | 表示する関連記事の最大件数 | [yarpp limit="3"] |
template | カスタムテンプレートを指定 | [yarpp template="yarpp-template-card.php"] |
order | 表示順(score , date , title , など) |
[yarpp order="date"] |
post_type | 投稿タイプを限定(例:post, page) | [yarpp post_type="post"] |
ショートコードやコードでのカスタマイズ方法は、以下のページも参考にしてください。
参考記事:YARPP – Yet Another Related Posts Plugin|WordPress.org
YARPPが表示されないときの対処法
- 他プラグインやテーマとの相性問題 → プラグインを一時停止したり、別のテーマに一時的に切り替えて動作確認。
- 記事同士に「関連性がない」→ 関連スコアの「一致しきい値」を少し下げる、カテゴリやタグを共通にする、コンテンツを増やして関連記事候補を増やす。
- 投稿タイプの設定ミス → 設定 > YARPP > フィルター設定 > 「含める投稿タイプ」にチェック。
- 自動表示がオフになっている → 設定 > YARPP > 自動表示設定 > 「投稿」「固定ページ」などを有効にする。
- ショートコードやテンプレートの使い方ミス → ショートコードをシンプルに戻す(例:
[yarpp]
だけ)。カスタムテンプレートのファイル名が正しいか確認(例:yarpp-template-〇〇.php
)。 - 表示位置の問題 → HTMLソースを確認し、YARPPのコードが出力されているかチェック。
display: none;
などのCSSで非表示になっていないか確認。 - キャッシュ系プラグインの影響 → サイトのキャッシュを削除(クリア)。ブラウザのキャッシュも念のため削除。

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まとめ
YARPPは、無料でありながら精度の高い関連記事表示と多彩なカスタマイズ機能を備えた、非常に優秀なWordPressプラグインです。
自動表示からショートコード、テンプレートカスタマイズまで幅広く対応できるため、初心者から上級者まで活用価値があります。
本記事を参考に、ぜひあなたのWordPressサイトにYARPPを導入し、読者の満足度とSEO効果の向上を目指してみてください。
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