美容室やエステサロンなどを営まれている方や、個人でお店を開業されたばかりの方などは、お客さまのご予約をどのように管理されていますでしょうか。お客さまとメールでやりとりし、その都度スケジュールを手入力して管理する方法では、手間もかかり間違えるリスクも大きいはずです。

WordPressで構築されたサイトを運営されている方は、プラグイン一つで予約管理システムを導入できます。高いコストを払う必要はありません。今回は予約管理システムを導入できるプラグイン「MTS Simple Bookin C」についてご紹介させていただきます。

※なおこのプラグインは、2019年6月27日現在wordpress.orgには登録されていないようです。有限会社エムティシステムという国内の会社が開発しています。

スマホアプリで予約システムを実装したい場合は、こちらをご覧ください。

Googleカレンダーを予約システムとして使いたい場合は、こちらを覧ください。

プラグインのインストール

下記のボタンからサイトにアクセスして、プラグインをダウンロードできます。

MTS Simple Bookin C

初期設定

プラグインを有効化すると、管理画面に「予約システム」という項目が追加されます。その中にある「各種設定」にアクセスしてください。順番に紹介する各種設定をそれぞれ完了した後は、必ず「変更を保存」をクリックしてください。クリックせずに、次のタブに進むと設定が保存されません。

予約パラメータ内の設定

予約の受付のチェックボックスにチェックを入れます。チェックを入れることで、予約受付中になり、外すと予約の受付ができなくなります。受付を行っていないときに表示するメッセージは任意に設定可能です。基本的にそれ以外の設定は変更不要ですので、「変更を保存」をクリックし次へ進みます。

施設情報の設定

施設の名称や、住所、連絡先などの基本情報を入力します。予約された際に管理者に送信されるメールの送り先になりますので、E-Mailの欄は入力必須です。入力が済んだら「変更を保存」をクリックし次へ進みます。

予約メールの設定

予約が完了した際に、自動でお客さまに返信されるメールの設定です。各入力項目は「不要」「必須」「任意」から選択可能です。送信されるメール本文の内容は自由にアレンジ可能です。入力が済んだら「変更を保存」をクリックし次へ進みます。

隣のタブの「その他」の項目は特に設定する必要はありません。

予約品目の設定

管理ページ左側に「予約品目」の項目が追加されています。こちらで予約できる時間や人数制限を設定します。

新規予約品目を選択し、タイトルのみ入力します。

下にスクロールすると「予約時間割」という項目があります。クリニックや、美容室などのお客さんを対応できる時間帯をすべて追加します。

続けて、予約時間割ごとに対応可能なスタッフなどの条件を設定します。

一対一で施術を行うエステサロンや美容室などの場合は、上記で設定した時間割に対して対応できるスタッフは一人が上限ですので、上記のように設定します。すべてを設定したら、「公開」をクリックしてください。

テーブル席があるレストランや、宿泊施設などの場合は、下記のように設定することも可能です。

公開した後に予約品目の編集ページのURLに表示される「post=」の後の数字をメモしておきましょう。後ほど予約カレンダーを表示する為に使用します。

予約に必要なカレンダーと予約フォームを作成

カレンダーを作成

実際にお客さんが予約する為に使用するカレンダーを作成します。まず通常通り、固定ページを新規追加します。タイトルとパーマリンクを任意に設定した後に、下記のコードを本文に記述します。

[monthly_calendar id=”予約品目の編集画面でメモした数字“]

今回の例の場合は、2682という数字を入力しますので、下記のように記述します。

例えば、このまま公開すると下記のように表示されます。

文章を自由に入力可能なので、カレンダー上の表記の説明やキャッチコピーを記述することもできます。

予約フォームを作成

新たに固定ページを作成し、タイトルを入力します。本文は入力せず、スラッグには必ず「booking-form」と入力して公開します。ディスカッション部分のチェックは外しておきます。

同様に、新規固定ページ「予約完了」を追加します。タイトルのほか、本文に独自のメッセージを記載可能です。ディスカッション部分のチェックは外しておき、スラッグに「booking-thanks」と記入して公開します。

固定ページ一覧には、3つの新しいページがこのように表示されるはずです。

予約カレンダーのスケジュール調整

こちらで、受付可能な日をカレンダー上で設定できます。管理画面の「予約システム」の中から「スケジュール」を選択します。

予約品目の受付日をカレンダー上で設定していきましょう。曜日にチェックを入れることで、曜日単位で一括設定可能です。営業日にチェックを入れ、休業日からはチェックを外すという風に設定します。

半日のみの営業日などを設定する機能はありませんので、管理者側であらかじめ予約を入れておくことで一部の時間のみの予約が可能になります。

管理画面左の「予約システム」内の追加・編集を選択して、下記画面で必要な項目を入力完了後、「予約の新規追加」をクリックします。

実際の画面にはこのように表示され、午後のみ予約を受け付けることができます。

予約カレンダーを設置する

メニューにカレンダーを追加する

通常通り固定ページのリンクを設定する要領で、先ほど作成した「予約カレンダー」をメニューに追加します。管理画面の外観→メニューの固定ページの項目に追加されている「予約カレンダー」をメニューに追加します。

実際の画面ではこのように表示されます。

ウィジェットエリアに追加する

通常のウィジェットの設定と同様に、管理画面→ウィジェットを選択すると利用できるウィジェットに「MTSSB予約カレンダー」というウィジェットが追加されています。

任意のウィジェットエリアに追加するとこのように表示することが可能です。

実際に予約してみましょう(動作の確認)

実際にどのように受付され、正常に動作するか確認作業を行います。

1.設置した予約カレンダーの◯印をクリックします。

2.予約する時間帯を選択します。

3.予約フォームが表示されるので、※印のついた必須項目を入力します。

4.予約完了ページが表示されます。
確認後、「予約する」をクリックします。

5.ここまでの作業を行なった後、メールが2通届いているかを確認してください。
1通は、お客さま用として届く予約完了をお知らせする下記のようなメールです。

もう1通は、管理者に届く予約管理用の下記のようなメールです。

6.予約を受け付けた内容は、管理画面→予約システム→予約リストにて一覧で確認することができます。

まとめ

細かい設定があらかじめ必要ですが、無料で予約管理システムを導入することができます。この記事を参考に作業していただけると確実に設定できると思います。うまく活用すれば、大幅な管理コストを削減し、店舗やサービスの予約管理をスムーズに行うことができるでしょう。

なおこのプラグインには、無償版とビジネス版があります。当記事では、無償版のVer.1.4.0について解説いたしましたが、詳細については、制作元の公式サイトにてご確認ください。