「オウンドメディアって、やる意味あるのかな……?」
「成果が出なくて、すぐやめてしまった……」
「なんとなく競合がやっているから始めたけど、目的が曖昧……」
オウンドメディア運営で、こんなことに悩んでいませんか? もし、上記の悩みを抱えているなら、ぜひ続きを読み進めてみてください。
この記事では、オウンドメディアを運営する真の目的を解説していきます。オウンドメディアは「なんとなく」 で始めてしまうケースが多いですが、運営する目的・意図を正しく理解してからスタートすべきだと、私たちは考えます。
そうしないと、「アクセスはそこそこ集まったけど、けっきょくそれ、ビジネスに影響してるの……?」 という状況になってしまいます。よくあるケースだと思います。
詳しくは本文で解説しますが、オウンドメディアは決して「SEOでアクセスを増やす」 ためだけに運営するものではありません。短期的な売上を伸ばすためにやるものでもありません。また、「ブランドイメージ」 という、曖昧な概念を構築するためにやるものでもないです。
では何のために?
「すべては、信念を変化させるために」
すべて読んでいただければ、この言葉の意味がわかると思います。オウンドメディア運営戦略を革新させる気づきが、きっと得られるはずです。
オウンドメディアは売上をあげるためのツールではない
まず大前提として、オウンドメディアは短期間で売上をあげるためのツールではありません。
売上や顧客をすぐに獲得したいなら、広告を出したほうがはるかに効率がいいですし、コントロールも利きます。広告にお金を投資すればするほど、それに比例して、より多くの商品が売れ、たくさんの顧客を獲得できるわけです。
対して、オウンドメディアは検索エンジンからの集客(SEO)を想定して運営します。あるいはTwitterやInstagramなどのSNSもあるかもしれません。
いずれにしろ、無料の集客手段ですね。広告にお金を投資して集客するのに比べれば即効性はないですし、コントロールも利きづらいです(SEOの検索順位はお金では操作できませんから)。
ちなみに、ネット集客で最も危険な間違いが、いきなりSEOで集客しようとすることだと思います。時間がかかりますし、順位が安定する保証もありません。不確定な要素が多すぎるわけです。
そのため、ビジネスの立ち上げ初期のころは、広告を使って素早く売上を作ったり顧客を獲得したりするのが鉄則です。
このように説明すると、「オウンドメディアって、やっぱりメリットないじゃん……」 と思うかもしれません。たしかに短期的な視点で見ると、メリットは小さいです。すぐに売上が立つわけでもないですし、大量の顧客を短期間で獲得できるわけでもありませんから。
しかし、長期的な視点で見ると、オウンドメディアを運営する意義は大きいです。長期的な視点とは、潜在顧客にリーチして新しい市場を育てるというものです。
潜在顧客にリーチして新しい市場を育てる【未来への種まき】
なぜ、潜在顧客にリーチして、新しい市場を育てる必要があるのか? それは、顕在顧客だけにアプローチしていると、ビジネスが縮小していくからです。
顕在顧客を刈り取るだけではビジネスはいずれ縮小する
以下は、見込み顧客の意識レベルを4段階で分けたものです。
広告は、3〜4の人たち(顕在顧客)しか、ターゲットにできません。1と2の人たち(潜在顧客)に広告したところで、ほとんど反応がないからです。
しかし、顕在顧客を刈り取ることだけに集中して、潜在顧客を育てて取り込むことをしないと、ビジネスは少しずつ、しかし確実に縮小していきます。あるいは、資金力のある強力な競合が現れて広告単価を釣り上げられたら、一気に窮地に立たされる恐れもあります。
だからこそ、短期的には売上に貢献しなくても、オウンドメディアの存在意義があるのです。
この、広告とオウンドメディアの根本的な違いを理解することが重要です。違いを理解できないと、「売上にならないから意味がない」といって、オウンドメディア運営を放棄してしまったり、セールスばかりの記事を書いたりしてしまいます(潜在顧客にリーチできない)。
「潜在顧客を育てる」とは、新しい価値観を受け入れてもらうこと
潜在顧客にリーチして新しい市場を育てる、と書くと、なんとなく難しく聞こえるかもしれません。もう少しイメージしやすい例を挙げます。
“新しい気づきを与えて、価値観を変化させ、行動を変えてもらうこと”
これが新しい市場を育てるということであり、オウンドメディアの本当の目的です。
新しい価値観の植え付け、意識のすり替え、信念の変換……。新しいステージ(世界)に、潜在顧客を引き上げてあげること。
たとえば、「バズ部」 さんは、「コンテンツマーケティング」という概念をWeb界隈に一気に広めて、新しい市場を作りました。「本当に質の高いコンテンツを作らなければ」という欲求を生み出したわけです。
「PPC広告頼りではいけない、コンテンツマーケティングにも取り組もう」
「コンテンツに向き合えば、小手先のスパム的なSEOから抜け出せる」
「質の高いコンテンツがあれば、コンテンツの量産をしなくてもいい」
このような気づきを与えて、既存の価値観を変化させ、新しい行動を選択してもらう。それによって、コンテンツマーケティングという市場を育てたわけですね。
それ以前にもコンテンツマーケティングを提唱していた会社はあったはずですが、わかりやすく市場に認知させたのは「バズ部」 が最初だと思います。その結果、大量の潜在顧客にリーチして、コンテンツマーケティングを牽引する存在になりました。
“新しい気づきを与えて、価値観を変化させ、行動を変えてもらうこと”
まさに、この実践例だといえます。
オウンドメディア運営を成功させる重要なポイント
ここから先は、オウンドメディア運営を成功させる、たった1つのポイントをご紹介します。
「潜在顧客を育てる、気づきを与える、価値観を変化させる……なんとなく、雰囲気はわかるけど、具体的にどうすればいいのか?」
このような疑問があるかもしれませんが、たった1つのポイントを押さえれば、とても簡単に思えてくるはずです。それが、以下の質問です。
「潜在顧客が”やめたい”と思っていることはなにか?」
ここに、ほぼすべての秘訣がつまっています。
潜在顧客が「やめたい」 と思っていることはなにか?
「やめたいけどやめられない……」 をやめさせる、代替案を提示できないかどうかを考えてください。極端な例ですが、「会社やめたい」 という人に対して、「この副業ビジネスをやれば、会社はいつでもやめられますよ」 といえば、簡単に乗ってきますよね。
ほかには、以下のような例があります。
「広告費が高騰して集客がしんどい……」
→「コンテンツマーケティングやれば、広告に依存しなくても集客できますよ」
「SEOが面倒で大変……でもやらなくちゃ」
→「SEOはあくまでマーケティングの一部。マーケティングを勉強すればSEOを意識しなくてもよくなりますよ」
人は、やめたいことをやめさせてくれるなら、簡単に過去の価値観を捨て去り、新しい価値観に乗り換えます。上記の例はまさに、価値観・信念が書き換わる瞬間。これこそが、オウンドメディアの真骨頂であり、コンテンツをたくさん発信する目的なのです。
あなたのビジネスの市場にいる潜在顧客は、なにをやめたいと望んでいますか? なにに苦痛を感じていますか? どんな代替案なら、彼(彼女)らにとって魅力的に映りますか?
ぜひ、ここを考えてみてください。
すべては信念を変化させるためにやる
オウンドメディアで発信するすべてのコンテンツは、読者となる潜在顧客の価値観・信念を変化させるために存在します。だから、読者の価値観・信念が一切変化しなければ、そのオウンドメディアの存在意義はありません。
オウンドメディアの本質は、SEOで上位表示したり、アクセスアップしたりすることではありません。それは表面的な見え方です。
単なるアクセス稼ぎの媒体ではなく、価値観・信念を変化させる情報を発信する媒体として、オウンドメディアを再定義しましょう。役に立つ情報ではなく、価値観・信念を変化させる情報をたくさん発信していくのです。
そうやって潜在顧客に働きかけて、新しい需要を創造しましょう。そこに新しい市場ができ、将来の顧客を獲得するチャンスを得られるというわけです。
潜在顧客の悩みや欲求を理解する質問
ここまで解説してきた考え方をもとに、プランニング(設計)を最初から固めておくことが、オウンドメディアの成功には欠かせません。まずは、潜在顧客の悩みや欲求を理解することから始めましょう。手始めに、以下の質問に答えていくことをオススメします。
<潜在顧客のプロファイリング>
- 夜も眠れないほどの悩み、心配事はなにか?
- 日々のイライラ、不満はなにか?
- 日々心のなかで描いている願望、理想の未来はなにか?
- 大金を払ってでも「やめたい!」と望んでいることはなにか?
まとめ
ここまでの要点を、簡単にまとめました。
- オウンドメディアは潜在顧客にリーチして新しい市場を育てるための媒体
- 潜在顧客の価値観・信念を変化させ、行動を変えてもらうことが重要
- 潜在顧客が「やめたい」 と思っていることを特定して、その代替案を提示
一言でいえば、信念を変化させることです。価値観・信念を変化させるためのコンテンツをたくさん発信して、潜在顧客に大きな一歩を踏み出してもらうこと。これがコンテンツマーケティングであり、オウンドメディアでやるべきことのすべてです。
役に立つ情報ではなく、価値観・信念を変化させる情報を発信する、という意識で、コンテンツの作成に取り組んでみてください。オウンドメディアが生まれ変わるはずです。