ブログのターゲット選定に悩んでいませんか?

ブログは「誰に(ターゲット)、何を言うか(メッセージ)」がほぼ全てです。

に(ターゲット)
を言うか(メッセージ)

集客できるブログを作るには
この2つが非常に重要

ターゲットを決めて、そのターゲットが興味を持つであろう情報を発信することが重要なのですが、ターゲットが曖昧な状態では何を言うべきかが定まりません。

結果として、自分が発信したい情報を一方的に押し付ける形になり、読者のニーズを満たすことが難しくなります。

趣味のブログであればそれでもいいかもしれませんが、収益を目的としたブログを運営する場合は、集客すべきターゲットを見極め、ターゲットのニーズに沿った情報を発信する必要があります。

では、ブログのターゲットはどのように決めるべきなのでしょうか?

よく言われるのは、「性別や年齢、ライフスタイルなど、詳細なペルソナ(人物像)を設定して、そのペルソナを思い浮かべて記事を書きなさい」というものです。この主張は半ば常識のようになっていますが、ブログのターゲット選定の方法としては不適切だと個人的に考えています。

なぜそう言えるのか?

この記事では、その理由を解説しつつ、ブログのターゲットを決めるための正しいノウハウをご紹介します。読み進めていただければ、ターゲット選定に関する論理的かつ体系的なノウハウが身に付くはずです。

「ターゲットを決めろって言うけど、よくわからない・・・」
「なんとなく感覚でターゲットを決めているけど、これで合ってるのかな?」

このような疑問をお持ちの方はぜひ、参考にしていただければ幸いです。

ブログ全体のターゲットは広く設定する

まず、ブログ全体のターゲットは、ある程度広く設定します。

「え、具体的に絞り込まなくて大丈夫なの?」

そう思われるかもしれませんが、大丈夫です。個別の記事になると話は変わってきますが、ブログ全体においては、ざっくりとしたターゲット設定で問題ありません。具体的なペルソナを設定する必要もありません。

なぜなら、あまりに個別具体化されたペルソナを設定すると、そのペルソナにドンピシャで該当するごく一部の人以外からの反応を著しく下げてしまうからです。その結果、集客できないブログになります。

間違ったペルソナの活用

例として、ライター起業のノウハウを教えるブログを想定してみましょう。

この場合、ターゲットは「お金を稼ぎたい、収入を増やしたい、貯蓄したい」という経済的志向が強い層が考えられます。加えて、「会社を辞めて独立起業して自由になりたい」という独立志向が強い層も含まれるでしょう。

これらの志向を持っている人であれば、男性であろうが女性であろうが、何歳であろうが、既婚だろうが独身だろうが、趣味が何であろうが、皆、ブログに興味を持ちます。

したがって、ブログ全体のターゲットは「ライター副業・起業(あるいは副業・起業全般)に興味のある、経済的志向・独立志向が強い人々」です。

このくらいのざっくりしたターゲットを設定することで、市場にいる見込みターゲットに幅広くリーチでき、読者を取りこぼすことがなくなります。

ブログ全体のターゲットを「30代の独身男性のためのライター起業ブログ」などと限定する必要性は全くありません。30代以外や女性、既婚者からの反応を下げるだけです。これはライター起業というジャンルだけでなく、アフィリエイトやネットビジネス、投資、Web制作といったジャンルのブログも同様です(年齢や性別を限定する必要性がない)。

もちろん、ファッションや恋愛、美容といったジャンルのブログでは、性別や年齢、既婚・独身といった要素でターゲットをある程度限定する必要はありますが、ただそれでも、出身地や学歴、趣味といった細々とした要素はほとんど関係ありません。「独身男性のための恋愛力向上ブログ」くらいのざっくりとしたターゲティングで十分です。

ブログ全体のターゲット = 市場だと捉えてください。たった一人の詳細なペルソナに焦点を当てるのではなく、見込みターゲットが存在する以下のような市場に狙いを定めるイメージです。

主要な市場(BIG3)
【健康・美容】 【人間関係】 【お金・ビジネス】
ダイエット
筋トレ
食生活
健康増進
ストレス軽減
交際
デート
結婚
子育て
起業
マーケティング
アフィリエイト
ブログ
ネットビジネス
投資
副業
節約

先ほど例に挙げた「ライター起業」であれば、【お金・ビジネス】の中の起業、副業の2つが、市場の候補になります。起業、副業という大きな市場を対象にすれば、ライターの仕事に興味がある顕在層だけでなく、ライターの仕事は知らないけれど起業、副業に興味がある潜在層にまでリーチできます。

ここまで説明した内容を踏まえれば、以下のような詳細なペルソナは、ブログ全体のターゲットを設定するうえでは不要だとわかります。ペルソナにドンピシャで該当するごくごく一部の人以外からの共感を失い、リーチできる見込みターゲットの数が減ってしまいます。

山田太郎。32歳の男性。独身。○○○大学を卒業後、都内の大手商社に就職。勤続10年目。家族構成は祖母、父母、妹。趣味はファッションで、休日には古着屋巡りをよくおこなう・・・etc

ただ、誤解してほしくないのですが、ペルソナが完全に無意味というわけではありません。詳細なペルソナを作ることが有効に働く場面はあります(詳しくは「ペルソナを活用したターゲティング」の項で解説します)。あくまで、ブログ全体のターゲットを決めるうえでは不要というだけです。

記事のターゲットを絞り込むための2つの切り口

先ほど説明したとおり、ブログ全体のターゲットは広く設定すべきですが、個別の記事は事情が異なります。

記事を読む人が置かれている状況(シチュエーション)や悩み・欲求の大小は様々であり、「○○○○○○に興味がある人」というざっくりしたターゲティングでは、効果的な記事を作れないからです。

「○○○○○○に興味がある人」をより掘り下げて、記事を届けるべきターゲットを特定する必要があります。

以下では、記事で狙うべきターゲットを絞り込むための方法を2つ、ご紹介します。

【OATHの法則】読者の認識・欲求のレベルによるターゲティング

まずご紹介するのは、読者の認識や欲求のレベルを基にターゲットを決める方法です。

コピーライティングには「OATH(オース)」と呼ばれる法則があります。

OATHの法則

これは、Oblivious(無知)、Apathetic(無関心)、Thinking(関心)、Hurting(痛み)の4つの認識レベルを軸に広告や記事のターゲットを分類するフレームワークです。

OATHの法則の概要
超潜在層 Oblivious(無知)
問題をそもそも認識していない人
まず問題を認識させることから始める必要がある(難易度は最も高い)。
潜在層 Apathetic(無関心)
問題を認識しているがまだ行動を起こしていない人
「なぜ、その行動を起こすべきなのか?」 「その問題を放置するリスクは何なのか?」 といったことを啓蒙する記事が必要。
顕在層 Thinking(関心)
問題を認識していて解決策を探している人
その解決策を試すべき理由やベネフィット、信頼できる根拠などを伝える記事が必要。
超顕在層 Hurting(痛み)
今すぐ問題を解決したい人
今すぐ実行できる、具体的なソリューション(解決策)や商品を提示する。

OATH、それぞれに対して具体的なメッセージ(記事タイトル)を当てはめると、例えば以下のようになります。

OATHの分類によるメッセージ例
Oblivious(無知) 「収入は青天井!?今話題のライター起業の実態に迫る」
⇒ライター起業という選択肢があることをまず認識してもらう記事。
Apathetic(無関心) 「ライター起業をする人の数が○○%増加!参入するなら今がチャンス?」
⇒「今すぐ行動しなければ」 という理由を与える記事。
Thinking(関心) 「ライター起業を成功させる7つの法則」
「ライター起業に必要な必須アイテム10選」
⇒欲求をより高めたり疑問を解消したりするための記事。
Hurting(痛み) 「おすすめのライター起業講座5選」
「ライティング教材○○○のレビュー」
⇒自分の販売コンテンツやアフィリエイト商材の訴求。

ちなみに、OATHの要素にはありませんが、「解決策をすでに試している人」をターゲットの分類に加えるのもおすすめです。

解決策をすでに試している人に対しては、既存の解決策よりも新しい解決策のほうが魅力的であることを訴求します(例:「せどりや転売よりもライター起業が優れている理由」)。

ペルソナを活用したターゲティング

次は、ペルソナを活用してターゲットを決める方法をご紹介します。

改めて説明すると、ペルソナとは性別や年齢、ライフスタイルなどを詳細に設定した架空の人物像のことです。「ブログ全体のターゲットは広く設定する」の章では、ブログ全体のターゲットを決める際にはペルソナが不要だと述べましたが、個別の記事のターゲティングではペルソナが役立ちます。

ペルソナを作る際は、以下のように、基本情報(性別や年齢など)と背景情報(商品や情報を探す動機、理由)、価値観・信念をまとめます。

基本情報
氏名 山田太郎
性別 男性
年齢 28歳
職業 プログラマー
年収 300万円程度
婚姻歴 独身(婚姻歴なし)
家族構成 祖母、父母、妹
情報源 YouTube、Twitter、検索エンジン(Google)
趣味 ネットゲーム、YouTube動画視聴
背景情報
もっとお金が欲しい。生活を安定させたい。

本業の収入だけでは不安だ。給料は安いし、ボーナスは出たり出なかったり。運よく出たとしても寸志程度。1年に2回ほど昇給はするが、社会保険料の負担率が上がったせいで手取りは変わらない。むしろ減っている。これじゃあ、結婚どころか、自分の生活もままならない。もちろん贅沢はできない。貯金もほとんどできていない。とりあえず生き延びているだけ。こんな人生、学生のころには想像もしていなかった。

こんな状況だから、とにかく、お金が欲しかった。そこで「副業 おすすめ」とGoogleで検索して出てきた記事を読んでみると、Webライティングという稼ぎ方がどうやらあるらしい。特別な資格がなくても、スキルを磨けば稼げるチャンスがあるみたいだし、在宅でもできると、これは、やってみるしかないなと。

将来的には、本業の給料にプラスして50〜80万円くらいの副収入になればいいかな。少しでも将来の貯蓄になったり生活費の補填になれば生活はだいぶ楽になるはずだし。あわよくば、これで独立して起業して自由に生きられるかも?

価値観・信念
・経済的志向(お金を稼ぎたい、収入を増やしたい、貯蓄したい)
・独立志向(会社を辞めて独立起業して自由になりたい)

とにかく生活を安定させたい、稼ぎを増やしたい、貯蓄したい。将来の不安の解消を強く求める。副業で稼げればまあいいかなという気持ちが強いものの、あわよくば独立起業して自由を手に入れるのも悪くないと思っている。

会社で出世するという道は諦めている。自分はそういうタイプの人間ではないと自覚している。だからこそ、自力で稼ぐ力を渇望している。

このペルソナを基に記事のターゲットを決める際は、ペルソナの一部分を切り取るのがポイントです。

例えば、上記のペルソナの中にある「将来的には、本業の給料にプラスして50〜80万円くらいの副収入になればいいかな」という部分を切り取り、「Webライティングで50万円の副収入を実現するためのロードマップを公開!」という切り口で記事を書くと仮定します。

こうすれば、本業にプラスして数十万円の副収入が欲しいと考えている層にリーチ可能です。

「あわよくば独立起業して自由を手に入れるのも悪くないと思っている」という部分を切り取って「今年、ライター起業で会社を辞める方法」という記事を書けば、独立起業を考えている層にリーチできます。

職業の「プログラマー」という部分を切り取って「プログラマーの副業はWebライティングがおすすめ!プログラミング的思考が記事執筆に役立つ理由」という記事を書けば、副業を探しているプログラマーにリーチできます。

年収の「300万円」という部分を切り取って「年収300万円の会社員必見!年収を増やすおすすめの副業9選」という記事を書けば、年収300万円前後の副業に興味のある会社員にリーチできます。

このように、ペルソナのどこか一要素を切り取って記事を作ることで、その要素を持つターゲットにリーチできます。

つまり、ペルソナの全要素に当てはまる人をターゲットにする必要はなく、ペルソナの一部の要素に該当する層をターゲットにすればいいわけです。ペルソナを小さく分解して活用するイメージですね。

ペルソナを細分化したターゲティング

そもそも、記事は不特定多数の人が閲覧するものですから、ペルソナの全要素にドンピシャで当てはまるたった一人を想定して記事を書くと、そこに当てはまらない大多数の人からの反応を下げてしまいます。

「ペルソナを作って、そのたった一人のリアルな人物像を想像して記事を書け」とよく言われますが、それは効果的なペルソナの活用方法ではないということです。

ターゲットを深く知るためのリサーチ手法

ターゲットを決めるには、ターゲットのことを深く理解する必要があります。

特に、前述したペルソナを作る際は、ターゲット理解が必須です(想像で作ってはいけない)。以下では、ターゲットを深く知るためのリサーチ手法を2つご紹介します。

アンケート

最も精度が高いのは、ターゲット層の人々に対するアンケートです。今の時代、クラウドソーシングを活用すれば手軽にアンケートを実施できるので、やらない手はありません。

アンケートの収集は、ランサーズを使うなら「モニター・アンケート・質問」のカテゴリで、タスク方式を選択して募集するのがおすすめです。

ランサーズの発注画面

単価は1件あたり数百円くらいにすると、多くの募集が素早く集まります。1件あたり10円程度の低単価に設定するよりも、真面目に回答してくれる割合も増えます。

設問に関しては、以下のように性別や年齢などの基本情報を取得する項目は、どのようなジャンルでも共通して使えます。

  • 性別
  • 年齢
  • 学歴
  • 職業
  • 年収
  • 婚姻歴
  • 家族構成
  • よく使う情報源
  • 趣味

基本情報以外では、ターゲットの悩みや不満、欲求、願望、価値観を知るための設問を設定します。

ここに関してはご自身で設問を考えることをおすすめします。あらゆるジャンルで共通して使えるテンプレは残念ながらありませんし、自分自身で頭を使って設問を考えるという行為自体が、ターゲット理解に確実に繋がるからです。

一例として、筆者が過去にアンケートを取った際の設問を載せますが、これをそっくりそのまま真似しても質の高い情報が手に入るとは限らないため、あくまで参考程度としていただければ幸いです。

  • ライターとしての年収をおおまかで良いので教えてください
  • 今の働き方のスタイルを教えてください。
  • ライターとしての経験年数を教えてください。
  • Webライターを始めた動機を教えてください。
  • Webライターという働き方、キャリアを知ったきっかけを教えてください。
  • 今のライターとしての働き方の満足度を5段階評価で教えてください。
  • なぜその満足度なのか、理由を教えてください。
  • クライアントによる教育やフィードバックへの満足度を5段階評価で教えてください。
  • なぜその満足度なのか、理由を教えてください。
  • クライアントへの不満、改善してほしいことは何がありますか?教えてください。
  • ライターとしてのキャリアへの不安や悩みを教えてください。
  • 何があれば、上記の不安や悩みが解消されると思いますか?
  • 今後のキャリアの方向性の希望を教えてください。

SNSやQ&Aサイト、掲示板

以下のようなSNSやQ&Aサイト、掲示板をチェックする方法もあります。

Twitter 数あるSNSの中でも、リサーチに最も適している。「Reply」 を辿っていけばリアルの会話に近い様子を観察できる。
Yahoo!知恵袋 Q&Aサイトの代表格。ベストアンサーの傾向から、ターゲットの求めるニーズ、解決策の当たりを付けやすい。
5ちゃんねる スレッドによっては過激な発言も多く気分を害するかもしれないが、ネガティブな不満、本音を拾うには最適な場所。

上記のSNSやQ&Aサイト、掲示板の共通点は、匿名性だということです。人々の本音が表れやすく、リアルな悩みや欲求、願望をリサーチするのに向いています。

ターゲットに関連するキーワードで検索して、投稿で使われている単語やフレーズをチェックしていくと、ターゲットが普段どんな言葉を使っていて、どんな悩みや欲求を持っているのかが見えてきます。

まとめ

ここまでの内容を端的にまとめると、以下のようになります。

  • ブログ全体のターゲットは広く設定する
  • 個別具体化されたペルソナを設定するとリーチできる見込みターゲットの数が減る
  • 結果として、集客できないブログになる
  • ブログ全体のターゲット = 市場だと捉える
  • たった一人の詳細なペルソナではなく、見込みターゲットが存在する市場に狙いを定める
  • ブログ全体とは異なり、個別記事はターゲットを具体的に絞り込む必要がある
  • OATHの法則ペルソナを活用して、リーチすべきターゲットを特定する
  • 大前提として、ターゲットのことを深く理解することが重要
  • ターゲット理解には、ユーザーアンケートを自ら実施するのが最もおすすめ
  • その他、SNSやQ&Aサイト、掲示板をチェックする方法がある

今回の記事でご紹介したターゲティングのノウハウを活用していただければ、ブログのターゲットを自信を持って決められるはずです。また、「このターゲットには、こういう情報を届ければいいのか」という記事の切り口のアイデアもどんどん湧き出てくるはずです。

ぜひ、活用していただければ幸いです。

なお、以下の記事を読むと、ブログのターゲティングに関する理解がより深まります。よろしければぜひ、チェックしてみてください。