WordPressでAIを活用できる人気WordPressプラグイン「AI Engine」。記事作成や校正、チャットボットの設置、外部AIサービスとのAPI連携など、多彩な機能を備えています。
本記事では、AI Engineの概要・料金・使い方・チャットボットの導入方法まで徹底解説します。
目次
AI Engineプラグインとは?
AI Engineは、WordPress上でAIを手軽に利用できる多機能プラグインです。
記事作成やリライト、チャットボットの設置、OpenAI APIなど外部サービスとの連携まで幅広く対応しています。
無料版でも基本機能を試せますが、有料のPro版ではさらに高度な機能や商用向けの最適化が利用でき、サイト運営を大きく効率化できます。
主な機能
- API連携:外部AIサービスをWordPress内から利用可能
- チャットボット:WebサイトにAIチャットを設置し、訪問者対応を自動化
- 記事生成:トピックの入力で、記事の構成や本文を生成
- 校正・翻訳:投稿一覧ページやブロックエディタ上で、タイトル案の作成や翻訳
- 画像生成:テキストでイメージを伝えると画像を生成
- プレイグラウンド:各AIモデルのお試し、対話、文章の要約などができる簡易AI機能
- その他:AI検索、AIフォーム、AIアシスタントなど
メリット
- 無料利用可:基本機能は無料で試せるため、初めてAIを導入する人に最適
- オールインワン:チャットボット、記事生成、画像生成、その他AI機能を1つのプラグインで実現
- 初心者でも簡単:WordPress公式からインストールし、APIキーを入力するだけで利用開始可能
- 開発者の信頼性:開発者Jordy Meowは人気プラグインを複数提供しており、継続的なアップデートが期待できる
- カスタマイズ性:ショートコードを利用して、サイトに合わせて柔軟に組み込める
デメリット
- API利用コスト:外部AIサービスを利用するため、使いすぎると課金額が増える
- 日本語対応の精度:英語に比べて日本語出力が不自然になる場合があり、編集が必要
- サーバー負荷:大量に記事生成すると、WordPressの動作が重くなる可能性
- 競合リスク:テーマやセキュリティ系プラグインと相性が悪い場合、不安定になることがある
AI Engineで利用できるAPI一覧
- OpenAI(GPT): GPT-5やGPT-4.1などのOpenAIモデルを利用可能
- Anthropic(Claude): Claude系モデルを利用可能
- Google(Gemini): GoogleのGeminiモデルを利用可能
- Hugging Face: オープンソースモデルを多数利用可能
- OpenRouter: 複数ベンダーのモデルを統合利用可能
- Replicate: 画像生成・音声処理などを含むマルチメディア系モデルを利用可能
AI Engineの料金とプラン
無料版
AI Engineの無料版では、以下の機能を利用できます。
- チャットボット:カスタマーサポートなどに利用できるチャット機能をサイトに実装
- 文章生成:トピックを入力して記事を自動生成
- 画像生成:テキストから画像を生成
- ファインチューニング:データセット編集やAIモデル調整
- AIユーティリティ&コパイロット:エディター内で直接AI利用
- AIプレイグラウンド:各言語モデルのテストや翻訳、校正、対話が可能
- テンプレートシステム:記事や画像生成用のテンプレート作成・再利用
- 内部API:独自モジュールや他プラグイン拡張に活用可能
※無料版でも各AIサービスのAPI利用料は別途必要です。
Pro版(有料版)
Pro版は適用サイト数に応じて料金が変わります。
プラン名 | 年間ライセンス料 | 適用サイト数 |
---|---|---|
Starter | $59 | 1サイト |
Standard | $79 | 5サイト |
Professional | $149 | 20サイト |
Standard Life | $449 | 5サイト(※) |
Professional Life | $599 | 20サイト(※) |
Developer Life | $899 | 500サイト(※) |
Agency Life | $1,499 | 2,500サイト(※) |
※永久ライセンスが提供されます。
Pro版では以下の高度な機能が追加されます。
- 無料版の全機能を含む
- AIフォーム:動的フォームを作成し、対話型のAI応答を実現
- エンベディング:ナレッジインデックスを構築し、回答精度を向上
- コンテンツ認識:ページ内容を理解して適切に応答するチャットボット
- 統計&制限管理:リクエスト数の可視化や使用制限設定が可能
- AIアシスタント(GPTs):高度なAIアシスタントを作成し、多様なタスクを効率化
- 今後さらに追加予定:順次新機能がアップデート予定
APIの料金目安
AI Engineは、利用するAIサービスのAPIトークン消費量に応じて従量課金が発生します。料金はモデルや提供元ごとに異なり、頻繁に変更されることがあります。
ここでは大まかな価格帯の目安を示します。最新情報は必ず各社の公式サイトをご確認ください。
価格帯 | 100万トークンあたりの目安 | 主なモデル例 |
---|---|---|
低価格帯 | 約$0.2 〜 $2 | GPT-3.5 Turbo / Gemini Flash / Claude Haikuなど |
中価格帯 | 約$2 〜 $10 | GPT-5 / Gemini Pro / Claude Sonnetなど |
高価格帯 | 約$10 〜 $75 | Claude Opusなど |
最新の料金は以下の公式ページをご確認ください。
※ここでの価格はあくまで目安です。利用プランやリージョン、バッチ処理・長文入力などの条件によって変動する場合があります。
100万トークンでできること
トークンは文章量の単位です。1トークンは日本語でおおよそ1〜1.5文字程度に相当します。以下は100万トークンを利用した場合の目安です。
換算対象 | おおよその目安 |
---|---|
文字数換算 | 約70万〜100万文字(原稿用紙1,750〜2,500枚分) |
記事換算 | 1記事2,000文字を約300〜500本 |
小説換算 | 1冊10万文字の小説を約7〜10冊分 |
会話文(チャット) | 数千ターン分 |
※画像生成はトークン課金ではなく、1リクエストごとの課金(例:1枚あたり約$0.04〜$0.08)となるため、この表には含まれていません。
AI Engineの使い方
AI Engineでは多彩なAI機能が利用できますが、ほとんど入力だけのシンプルな機能もあります。
そこで、ここでは設定や操作方法にやや手間のかかるチャットボット・文章生成・画像生成機能の使い方を解説します。
インストール方法
- WordPress管理画面 > プラグイン > 新規追加
- 「AI Engine」で検索
- インストール → 有効化
以下のリンクから直接ダウンロードしてインストールすることもできます。
APIキーの取得と設定
まずは生成AIサービスのAPIキーを取得して入力します。ここでは OpenAI(GPT)のAPIキーを例に解説します。
OpenAI Platform公式サイトにアクセスし、アカウントをお持ちの方は「Log in」、新規の場合は「Sign up」をクリックしてください。
メールアドレスを入力するか、各種サービスのボタンをクリックしてアカウントを作成またはログインします。
「Create new secret key」をクリックします。
任意の名称を入力し、「Create secret key」をクリックします。
表示されたAPIキーをコピーしてください。
続いて、左メニューのBiling > Add payment detailsから支払い方法を設定します。
クレジットカードまたはデビットカードの情報と住所を英語入力します。住所の英語変換については、以下の記事をご参照ください。
参考:英語での住所の書き方と注意点!海外サイトでの住所の入力方法も | ECCオンラインレッスン
はじめに、利用料のチャージを行います。最低金額は5米ドルから入金できます。
自動チャージしない場合は、Would you like to set up automatic recharge?(自動チャージを設定しますか?)のチェックを外してください。
その後、右下のContinueをクリックして進めると設定完了です。
次に、WordPress管理画面で以下を操作します。
- Meow Apps > AI Engine
- 「設定」を開く
- 種類で「OpenAI」を選択し、APIキーを貼り付け
保存ボタンはなく、自動的に保存されます。
その下にある「AIデフォルト環境」で言語モデルを設定します。
最新モデルのままだと高額になりますので、予算に合ったモデルを選択してください。
チャットボット
チャットボットを任意のページに設置し、AIによるカスタマーサポートを実現できます。
- Meow Apps > AI Engine
- 「ダッシュボード」タブを開く
- 「チャットボットを有効化」にチェック
- 「チャットボット」タブを開く
- ショートコードの取得、テーマ(デザイン)の編集、全体有効化の切り替え
- 各種設定:AIモデルの選択、トークン制限、外観やUI Builderでの調整
- プレビュー:現在の設定で表示イメージを確認
「テーマ」をクリックすると、背景色やフォントの種類・サイズ・色などを変更できます。
投稿画面からショートコードを貼り付けて、「公開」をクリックしてください。
※ブロックエディタの場合は「ショートコード」ブロックを利用します。

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ページを開くとチャットボットが表示されます。
入力すると質問への回答が表示され、続けてやり取りができます。
「サイト全体のチャットボット」で「Default」を選ぶと、右下に吹き出しアイコンが表示されます。
このアイコンをクリックすると、右下のポップアップが表示され、ユーザーが質問できます。
コンテンツジェネレーター(文章生成)
文章生成機能を使うことで、執筆を効率化できます。ただし、生成された文章をそのままコピペするだけでは、独自性や品質の高い記事にはなりにくい点にご注意ください。
構成案や下書きとして利用し、一次情報でのファクトチェックやリライトを行うことが推奨されます。
参考:AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス|Google検索セントラル
利用手順は以下のとおりです。
- セクション > #of Sections:見出しの数を指定
- 本文 > 段落数:各見出しごとの段落数を指定
- 言語:日本語なら「Japanese」を選択
- Topic:テーマを入力し「生成」をクリック
※必要に応じて、テンプレート・言語モデル・投稿タイプなども設定してください。
生成結果にはタイトル、セクション、本文、抜粋がマークダウン形式で表示されます。
※WordPressのブロックエディタやクラシックエディタ(ビジュアルモード)は、一部のマークダウン記法に対応しています。

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内容を調整したい場合は、セクション数や段落数を変更し、「生成」を再実行してください。
「投稿の作成」をクリックすると、記事がWordPressの投稿として作成されます。
続いて「投稿の編集」をクリックすると編集画面に移動します。
投稿画面から修正や校正を行い、公開すれば完了です。
画像ジェネレーター
画像生成機能は、WordPress管理画面 > ツール > Generate Images から利用できます。
主な設定項目は以下のとおりです。
- Template:プロンプトのテンプレートを選択または編集
- プロンプト:生成したい画像の内容をテキストで入力
- 生成:入力後にクリックすると画像を生成
- Editor:開発中の機能のため利用不可
- モデル:AIサービスの種類やモデルを選択
- 設定:ContinuousをONにすると、新しい画像がリストに追加保存される
モデルはデフォルト(例:GPT-3 Turbo)でも動作しますが、画像生成専用モデルを選択した方が精度は高いです。
生成された画像は中央に表示され、右上の「✕」で削除できます。
簡単なプロンプトで画像を生成できますが、指示どおりにならない場合や日本語テキスト描画には制限があります。
必要に応じて、画像編集ソフトで加工してご利用ください。

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また、文章生成よりもAPI利用料が高くなる傾向がありますので、ご注意ください。
思うような画像が生成しにくい、API利用料が高いといった理由から、AI Engineは主にチャットボットや文章生成での活用が中心となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料版だけでも使えますか?
A. はい。基本的なチャットボットや記事生成機能は無料で利用できます。ただし外部AIサービスのAPI利用料は別途必要です。
Q. ChatGPTとの違いは何ですか?
A. AI EngineはWordPressに統合されているため、記事作成やチャット機能を直接サイト上で利用できます。外部ツールにアクセスせず、WordPress内で完結するのが特徴です。
Q. 日本語の精度はどうですか?
A. 英語に比べると日本語生成は不自然になることがあります。そのため記事作成時は必ず校正や修正を行うことをおすすめします。
Q. API利用料はどのくらいかかりますか?
A. 利用するAIサービスやモデルによって料金は異なりますが、安価なモデルでは100万トークンあたり1ドル未満、高性能モデルでは 10〜70ドル程度 になる場合もあります。
100万トークンは日本語で約70万〜100万文字(2000文字程度の記事300〜500本分)に相当します。
料金は頻繁に改定されるため、正確な最新情報は必ず以下の公式ページでご確認ください。
Q. サーバーへの負荷はありますか?
A. 通常の利用では問題ありませんが、大量に記事を生成すると動作が重くなることがあります。必要に応じてリソース管理やキャッシュ対策を検討してください。
Q. 他のAIプラグインとの違いは?
A. AI Engineは記事生成・リライト・チャットボット・画像生成・API連携をオールインワンで備えているのが強みです。用途ごとに複数のプラグインを導入する手間を省けます。
まとめ
AI Engineは、WordPressでAIをフル活用できる多機能プラグインです。
記事作成の効率化からチャットボット設置まで幅広く対応し、特に中小企業サイトに活用できます。
もし、必要なAI機能があれば活用してみてください。
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