近年、在庫を抱えずにネットショップを運営する「無在庫販売」が、個人や小規模事業者を中心に広がりを見せています。

無在庫販売は、仕入れや商品をストックしておく倉庫が不要なため、運営コストを大きく抑えられます。その反面、利用者への対応や商品管理など、通常のネットショップ運営とは異なる注意点があります。したがって、安易に始めるとトラブルに発展するケースがあるため、仕組みやメリット・デメリットを正しく理解しなければいけません。

この記事では、ネットショップの無在庫販売の仕組み、メリット・デメリット、具体的なやり方を詳しく解説します。

無在庫販売に関する正しい知識を身につけたい方、自分に合った販売スタイルを見つけたい方は、ぜひ最後までお読みください。

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ネットショップの無在庫販売とは

ネットショップにおける無在庫販売とは、商品を手元に持たずにサイトへ商品を掲載し、注文が入ってから仕入れ先に発注・発送を行う販売方法です。

通常のネットショップでは、商品をあらかじめ仕入れて在庫を抱える必要がありますが、無在庫販売ではその必要がありません。訪問者がショップで商品を購入すると、運営者は仕入れ先へ注文を転送し、商品が仕入れ先から直接配送されます。

運営者の主な役割は、以下のとおりです。

  1. ネットショップ(サイト)の運営
  2. 集客
  3. 注文処理

以下の業務は、仕入れ先が担当します。

  1. 商品の在庫管理
  2. 商品の梱包
  3. 発送作業

この販売方法はドロップシッピングとも呼ばれ、初期費用や在庫リスクを大幅に抑えられる点が魅力です。

ただし、仕入れ先との連携や利用者への納期案内など、通常の販売方法とは異なる運営上の注意点があります。また、商品(実物)を目で見て確認できない制約があるため、品質管理や適切な情報提供は欠かせません。

IMARCグループのレポートによると、日本のドロップシッピング市場規模は2024年に196億米ドルに達しています。

日本のドロップシッピング市場

参照元:imarc

ネットショップにおける無在庫販売のメリット

ネットショップにおける無在庫販売のメリットは、大きく分けると3つあります。

  1. 少ない資金で運営できる
  2. 在庫リスクがない
  3. さまざまな商品を販売できる

それぞれ詳しく解説します。

少ない資金で運営できる

無在庫販売のメリットは、ネットショップの運営コストを大幅に削減できる点です。

商品を事前に仕入れる必要がないため、高額な商品でも在庫資金がかかりません。加えて、商品を保管するための倉庫代や、梱包・発送作業を行う人件費なども不要です。

このように、ネットショップの無在庫販売は初期投資を抑えつつ始められます。資金に余裕がない個人や小規模事業者でも、比較的簡単にスタートできる点が魅力です。

在庫リスクがない

ネットショップ運営における悩みの種は、過剰在庫による経営リスクです。

商品が予想どおりに売れないと、仕入れた在庫が手元に残ってしまい、資金繰りが圧迫されます。

しかし、無在庫販売は注文が入ってから商品を仕入れるため、売れ残る心配がありません。季節限定の商品や流行品など、販売期間が限られる商品でも、在庫リスクを気にせず販売できます。

さまざまな商品を販売できる

無在庫販売は、取り扱う商品の種類や数を大幅に増やせるメリットがあります。

そもそも在庫を持つ必要がないため、重さや大きさ、種類が異なる商品を自由に販売できます。

たとえば、ファッションアイテムや雑貨、家具、食品など、通常なら仕入れや在庫管理が難しい商品を幅広く取り揃えることも可能です。これにより、利用者のさまざまなニーズに応えられるほか、集客力を高められるでしょう。

ネットショップにおける無在庫販売のデメリット

ネットショップにおける無在庫販売のデメリットは、以下のとおりです。

  1. 商品到着までに時間がかかる
  2. 仕入れ先から商品を直送すると品質をチェックできない
  3. 在庫切れの場合は注文をキャンセルするほかない
  4. 他社と商品が被るため、差別化しにくい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

商品到着までに時間がかかる

無在庫販売のデメリットは、注文された商品が到着するまでに時間がかかる場合があることです。

商品は注文後に仕入れ先に発注し、現地から発送されるため、通常の販売に比べると到着までに時間がかかる傾向にあります。特に発送地が海外ですと、1ヶ月から半年以上かかることもあります。

利用者の多くは、商品をできるだけ早く受け取りたいと考えています。したがって、納品時間がかかることは、購入を妨げる要因にもなります。

ショップサイト上には、商品の発送目安や到着までの日数を明確に記載し、事前に案内する必要があります。

仕入れ先から商品を直送すると品質をチェックできない

無在庫販売では商品を仕入れ先から直接発送するため、運営者が品質を事前にチェックできません。

これにより、仕入れ先のミスによる不良品の発送や梱包が不十分になる可能性が生じます。

クレームが寄せられた際も、状況を把握するまでに時間がかかるため、対応が遅れやすいです。したがって、信頼できる仕入れ先の選定、利用者からのフィードバックに素早く対応する体制を整える必要があります。

在庫切れの場合は注文をキャンセルするほかない

仕入れ先の在庫状況がリアルタイムで反映されないと、注文後に在庫切れが判明する場合があります。

そうなると、運営者は注文をキャンセルせざるを得ません。

在庫切れによる注文キャンセルは、利用者を落胆させるだけでなく、ショップの信用を大きく損なう行為です。特に、人気の高い商品や季節限定の商品を取り扱う際には、仕入れ先の在庫情報を頻繁に確認する必要があるでしょう。

リスクマネジメントとして、複数の仕入れ先を確保するなどの対策も講じるべきです。

他社と商品が被るため、差別化しにくい

無在庫販売に起こりがちなデメリットとして、他と差別化しにくいということが考えられます。

他が契約していない独自ルートを開拓しているならまだしも、誰もが扱っている商品をセレクトすると価格競争になります。ゆえに売上の分散や利益の低下を招きます。

もし無在庫販売を行うなら、独自ルートを開拓するか、希少価値の高い商品のみを扱うようにすると良いでしょう。

無在庫販売の仕入れルート

無在庫販売の仕入れルートは2通りです。

  • メーカーと直接契約する
  • ドロップシッピングサービスを使う

それぞれ詳しく解説します。

メーカーと直接契約する

メーカーや卸売業者と直接契約を結び、商品を販売する方法です。運営者に注文が入ると、運営者が仕入れ先に発注し、メーカーから商品が直接発送される契約を結びます。

有力商品との契約が締結できれば、ショップ販売も優位性を持てるようになります。

しかし、問題は直接契約に応じてくれるメーカーがどれだけいるか、です。メーカー側もブランドの信用を守りたいので、どこにでも卸すわけにはいきません。しかも、無在庫・直送契約となるとさらに交渉のハードルは上がります。

もし、無在庫販売の直接契約を結ぶとなると、あなた自身のネットショップが信用力の高いもの(膨大なアクセス数がある、販売実績がある等)であるか、営業力のない弱小メーカーを狙うしかないでしょう。

発想の転換で、注文が入ってから仕入れる方法もあります。BUYMAの出品者などによく見られる「注文が入ってから買付けする」パターンです。ネットショップに掲載する時点では無在庫です。この方法なら、商品を卸してくれるメーカーは数多くあるでしょう。デメリットは、商品到着までの時間がかかることですが、致し方ありません。

注文が入ってから買付けするパターンで成功するには、手に入りにくい商品を扱うことでしょう。そうなると、自ずと海外製品になります。国内で手に入らない商品は、意外と、というかかなりあります。

かなりも輸入業者、あるいは個人輸入で海外製品を手軽に買える環境

特に国内で扱ってない海外製品を仕入れることができれば、

メーカーと直接契約をして、

直送は、

メリットは中間業者を介さないため、仕入れ値を抑えやすい点です。また、メーカーと直接やり取りするため、新商品の情報や在庫状況をいち早く把握できる可能性があります。

ただし、取り扱う商品によっては複数のメーカーと個別契約を結ばなければいけません。

ドロップシッピングサービスを使う

ドロップシッピングは、専門サービスを利用して無在庫販売を行う方法です。

ドロップシッピングサービスは複数の仕入れ先と契約しているため、運営者はサービスに登録されている商品の中から自由に選んでショップに掲載できます。感覚的に言えば、アフィリエイトに近いです。

注文が入ると、運営者はドロップシッピングサービスに注文情報を送り、サービス経由で商品が購入者に発送される仕組みです。

ドロップシッピングサービスには次のものがあります。いずれも国内事業者です。

ネットショップの無在庫販売で
成功する方法

ネットショップでの無在庫販売で成功するには、次のことを意識する必要があります。

  1. 商品と仕入れ先の選定
  2. 無在庫販売する方法を決める
  3. ネットショップ(サイト)の作成
  4. 集客
  5. 受注処理
  6. 仕入れ先への支払い

それぞれ詳しく解説します。

①:商品と仕入れ先の選定

ネットショップで無在庫販売を始める最初のステップは、販売する商品と仕入れ先の選定です。

どのような商品を扱いたいかを考え、需要があるかを調査しましょう。

次にドロップシッピングサービスや卸売業者など、商品の仕入れ先を探します。

選ぶ際は以下のポイントに注目し、比較検討してください。

  1. 商品の品質
  2. 価格
  3. 送料
  4. 返品ポリシー

これらを参考に、信頼できるパートナーを見つけましょう。

②:無在庫販売する方法を決める

商品と仕入れ先が決まったら、無在庫販売の方法を決めます。

ドロップシッピングサービスを利用するのか、メーカーと直接契約を結ぶのか、発送代行サービスを活用するのか。取り扱う商品の種類や運営にかけられる時間、資金などを考慮し、最適な方法を選びましょう。

手軽にスタートしたいなら、手間がかからないドロップシッピングがおすすめです。

③:ネットショップ(サイト)の作成

無在庫販売の方法が決まったら、商品を販売するためのネットショップ(サイト)を作成します。

作成方法はさまざまです。

  1. WordPress(CMS)
  2. BASE(ベイス)
  3. Shopify

プラットフォームはさまざまですが、重視すべきはサイトのデザイン性と機能性です。これらはユーザーの購買体験に直結するため、自由にカスタマイズできる方法を選びましょう。

理想のネットショップを作成するなら、カスタマイズ性の高いWordPressがおすすめです。

テーマやプラグインを活用すれば、専門知識が不要で高品質なサイトを作成できます。

特に、ネットショップ専用のテーマを使用すれば、訪問者の購入意欲を自然に促進できるでしょう。

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④:集客

ネットショップが完成したら、人をショップに呼び込むための集客活動をスタートしましょう。

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSで商品の魅力を発信、ブログで商品の使い方や関連情報を提供、Web広告を出稿してアクセスを促すなど、方法はさまざまです。

ネットショップの集客にメディア機能が必要な理由は、以下の記事で解説しています。

ターゲット層に合わせた集客チャネルを選び、情報発信を継続すれば、ショップの認知度と売上を拡大できます。逆に何もしないと、アクセスも売り上げも期待できません。

⑤:受注処理

注文が入ったら、速やかに受注処理を行います。

注文内容を確認し、注文確認メールの送信、仕入れ先への発注作業を行う流れです。

注文情報に誤りがないかを確認し、お客様に商品の発送予定日や追跡番号などを案内します。常に、安心して利用してもらえる対応を心がけましょう。

⑥:仕入れ先への支払い

最後に、仕入れ先へ商品の代金を支払い、商品発送をしてもらいます。

ドロップシッピングサービスを利用している場合は、サービス側が代金決済の仲介を行うケースがあります。メーカー直送や発送代行サービスは、運営者がメーカーに直接支払うのが一般的です。

支払いのタイミングや方法は、仕入れ先によって異なります。トラブルに発展しないよう、事前に確認と取り決めを済ませましょう。

支払いが完了すると、仕入れ先から商品が発送され、取引が完了します。

ネットショップでの無在庫販売を成功させるポイント

ネットショップでの無在庫販売を成功させるポイントは、3つあります。

  1. 仕入れ値を抑える
  2. 市場・競合調査を怠らない
  3. 適切な価格を設定する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

仕入れ値を抑える

ネットショップの無在庫販売で利益を確保するには、商品の仕入れ値をできるだけ抑えなければいけません。

仕入れ値が安ければ、販売価格に上乗せできる利益が大きくなります。

複数の仕入れ先から相見積もりを取るほか、仕入れ先の変更を検討すれば、有利な条件で商品を仕入れられる可能性があります。

また、ドロップシッピングサービスによっては、商品の仕入れ価格を交渉できる場合があるため、積極的に交渉してみるのも有効です。

市場・競合調査を怠らない

ネットショップの無在庫販売を成功させるには、市場や競合の動向を把握し、調査を怠らない姿勢が必要です。

どのような商品に需要があるのか、競合はどのような商品をどのくらいの価格で販売しているのかを定期的にチェックしましょう。

ユーザーが本当に求めている商品を見つけ出し、独自の価値を付加すれば、競合との差別化を図れます。

適切な価格を設定する

ネットショップの無在庫販売で失敗しないためには、適切な価格設定が必要です。

商品の販売価格は、以下のコストをすべて考慮した上で決定しなければいけません。

  1. 仕入れ値
  2. 送料
  3. 手数料
  4. 広告費

ただ安くすれば良いわけではなく、ブランドイメージを損なわないよう、価値に見合った価格を設定するべきです。

競合の価格を参考にしながら、ユーザーが納得して購入できる適正価格を見つけましょう。

WordPress+ドロップシッピングを始めるならデザイン性が高く売上アップを期待できるテーマが必要

WordPressサイトでドロップシッピングを始める場合、デザイン性が高く、売上アップを期待できるテーマを選ぶ必要があります。

ショップのデザインは第一印象を決定づけるため、訪問者の購買意欲に直結する要素です。

WordPressテーマTCDは、専門知識がなくてもプロのような美しいデザインのサイトを簡単に構築でます。商品の魅力を最大限に引き出すレイアウトや、ユーザーが快適にショッピングできる導線が考慮されている点が強みです。

また、SEO対策にも強くカスタマイズの自由度も高いため、ショップのコンセプトに合わせて細部にまでこだわったデザインを実現できます。

ドロップシッピングでネットショップを開業しようと考えている方、WordPressユーザーにとっては、心強い味方となるでしょう。

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まとめ

ネットショップで無在庫販売を始める際は、ドロップシッピングサービスやメーカー直送、発送代行などの方法から、あなたのショップに合った形態を選びましょう。

特にWordPressでショップを構築する場合は、高いデザイン性と機能性を兼ね備えたWordPressテーマの活用をしてください。

そうすれば、ユーザーの購買意欲を促進できると共に、売上アップに繋げられます。

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「成功するネットショップ」シリーズの記事一覧

第1回 :ネットショップ開業が失敗する原因
第2回 :無在庫販売(当記事)