インターネットは、コピーコンテンツで溢れ返っています。
それも「そのままコピペしたコンテンツ」ではなく、リライトによって生まれるコンテンツです。これを私は「グレーなコピーコンテンツ」と呼んでいます。
残念ながらグレなーコピーコンテンツはGoogleの検索上位にも食い込んでいることがよくあります。そのため、表向きには決して推奨されないものの、裏側では実に積極的に採用されている側面も否定できません。
本稿では、グレーなコピーコンテンツはどのようにして作られるのか、特徴や問題点について書いていきたいと思います。
目次
コピーコンテンツとは?
コピーコンテンツとは、言葉の通り、他のサイトやブログなどから盗用して作られたコンテンツです。
ただ、今はまるごと文章をコピーする人はほとんどいません。実際に盛んに行われているのは広義の意味でのコピーであり、リライトや調整によって巧妙に盗作されるため、「CopyContentDetector」といったコピペチェックツールも役に立ちません。
この記事では、グレーゾーンも含めた広義の意味でのコピーコンテンツを扱うものです。
コピーコンテンツにおけるリライト手法
コピーコンテンツを作る人が行う主なリライト手法はこうです。コピペチェックツールの判定から逃れるために細かく調整されてありますが、人による目視だと一発で盗用しているのがわかるのが特徴です。
語尾を変える
コピーコンテンツを作る際のリライトの基本は、「語尾を変える」です。
↓
コピーコンテンツが作られる経緯
言葉の置き換え
言葉の置き換えも多用されます。
- コピーコンテンツ → コピー記事
- 注意すべき点 → 気をつけるべき点
- いっぱい → 大勢
表現を変える
表現を変えるリライト手法。例えば、「1番であることの重要性」を語る上での例え話をする際には、下記のようにリライトされます。
↓
世界で一番高い山は「エベレスト」と答える人はたくさんいます。では、2番目に高い山は?「K2」と即答できる人は少ないでしょう。トップであることはとても重要なのです。
順番を変える
↓
ナポリタンのおいしさの秘密は、鉄板にあります。カリッとした食感と風味は鉄板で調理するから生まれるものです。
構成がほぼ同じ
構成がほぼ同じなのはコピーコンテンツにありがちなこと。それも長文のコンテンツほど構成をそのまま使っている傾向があります。
2. SWOT分析のやり方
3. 「xxx〇〇分析」で戦略を立てよう
4. SWOT分析の具体例
↓
1. SWOT分析とは?
2. SWOT分析の手順
3. xxx〇〇分析で戦略を立てる
4. SWOT分析の使用事例
コピーコンテンツかどうかの
判定ポイント
グレーゾーンのコピーコンテンツの特徴は、次のいずれか1つに該当すればコピーコンテンツと判断して良いと私は考えています。
- 検索上位の競合記事をミックスする
- 「構成・内容・表現」の2つ以上が似ている
- 筆者の経験や実践によるものではない
検索上位の競合記事をミックスする
よく見受けられるグレーなコピーコンテンツは、キーワード検索上位の競合記事をミックスして盗用されます。1つの記事だけを盗用するとバレやすいので、複数の記事の構成や内容などを織り交ぜてわかりにくくしています
もちろん、文章はコピペではなく、語尾や順序や言葉の置き換えといったリライト手法で誤魔化します。
見破る方法は、キーワードの検索上位5ページまでを丁寧に見ていくことです。見破ること自体は簡単ですが、手間はかかりますね。
「構成・内容・表現」の2つ以上が似ている
同じテーマについて記事を書いているなら、たまたま構成が似てしまうことはあるかもしれません。たまたま内容が似てしまうこともあるでしょう。
しかし、「構成・内容・表現」の2つ以上の要素が似ていればどうか。例えば、構成に加え、表現まで似ていればどうか。それは「インスパイア」とは言い難いものがあるでしょう。
裁判で著作権違反になるかはさておき、盗用された側は必ず気づきますので、気分がいいものではありません。もちろん盗作を載せているメディアの信用にも関わります。
筆者の経験や実践によるものではない
そもそもとして、記事が筆者の経験や実践によるものなのかがポイントになります。
引用や参考にしたURLを貼っているならまだしも、自分の言葉のようにリライトして書いている場合は広義の意味でコピーコンテンツとして判断できます。
こうしたコピーコンテンツには、オリジナリティや筆者独自の見解がないことが多いです。どこかに書かれていることを組み合わせてリライトしただけなので、文体からしてわかりやすいことが多いです。それらはオリジナルと言えませんし、読んでいる側にとっても参考にもならないコンテンツとなってしまいます。
なぜコピーコンテンツが生まれる?
コピーコンテンツが生まれる要因はいくつもあり、それらが複雑に混ざり合っています。ただ、それらの要因の本質を紐解いていくと「伝えたいことがない人が記事を書いているから」という共通項が見えてきます。
伝えたいことがないのに文章を書くアクションは、本来違和感しかないことです。伝えたいことがないなら、文章なんて書く必要がないからです。でも、そこにお金が絡んでくると、伝えたいことがない人も参入する市場となるのです。
十数年前に流行ったコピペによるスパムコンテンツがグレーゾーンのコピーコンテンツへと巧妙化していきましたが根っこは同じです。
そして、コピーコンテンツを作る人達の多くに共通すること(例外あり)、彼らに悪意はない点も挙げられます。検索上位の記事を”参考”にして記事を書くことは正当なテクニックだと思いこんでいるフシがあります。悪意がないから、クラウドソーシングでライターを募集してもそういう人がたくさん集まるし、ここまで広がるんですね。
また、メディア側が暗黙の中で「コピーコンテンツを量産したい」という意図があることも、この問題に拍車をかけています。
グレーかブラックか
広義の意味でのコピーコンテンツは、グレーでもありブラックです。グレーを狙うがゆえに、ブラック判定のリスクと常に同居しています。今後、グレーなコピーコンテンツはどうなっていくのでしょうか。
現状通用しているのは大手メディアだけ
検索上位を見ていると、コピーコンテンツが上位に表示されていることがあります。ただ、それらはいずれも大手メディア・キュレーションサイトに限定され、小規模なサイトでは通用していないようです。Denaの「WELQ」騒動後も、何もなかったように大手メディアでは同じやり方を継続しているところはまだまだあります。
結果がある程度出ているのは今でも確認できます。しかし、今後も続くかどうかは怪しいところです。
コンテンツとしての問題点
グレーなコピーコンテンツには、品質にも様々な問題を抱えます。例えば次のようなもの。
- コピー元の記事の内容に誤りがある場合、コピー先も同じ誤ちを犯してしまう。
- 独自の見解・主張がないゆえに、熱量のない薄い記事が生まれる(読み応えに欠ける)。
- Aiツールが作ったような感情に乏しい文章になる。
「いかがでしたかブログ」でもありがちですが、結局何も伝えたいことがなく中身が薄いものになりがちなのもコピーコンテンツの特徴です。書き手の属性が被っており、陸続きの問題になっているからです。
先に挙げたように「伝えたいことがない人が書く文章」とは、そうなりがちです。自ずと、品質の低いコンテンツになってしまいます。以下、コピーコンテンツの本質を捉えています。
単に検索結果の上位ページに書かれている内容を抜き出してまとめるだけでは、それはただの情報の羅列であり、コンテンツとして機能しません。
メディア側の対策
筆者はメディアを運営・編集する側の立場です。そのため、グレーなコピーコンテンツを自社メディアに掲載するわけにはいきません。なのですが、ライターさんから納品された原稿の中には、時折コピーコンテンツが混ざっていることも少なくないのが現状です。
そのため、コピーコンテンツかどうかの調査と判定基準を明確に持っておく必要があります。参考元の記事を書いた人が「パクられた」と感じるような残念な記事は掲載したくありませんから。前述したようにライターさんの中ではコピーコンテンツは一般化していますので、メディア側は気をつける必要があるでしょう。
まとめ
グレーのコピーコンテンツとは何か。特徴や問題点を書きました。
コピーコンテンツは当分減ることはないと思いますが、Googleのアップデートによって少しずつですが旨味は減っていくいくだろうと思います。これはメディア側・ライター側の双方に当てはまることです。
逆に、ひとたびフェーズが変われば、独自性のある記事が書ける人が脚光を浴びやすい時代になるかもしれませんね。
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