SEOには、ほとんど意味がない施策がいくつか存在します。 代表的なのは、キーワードの出現率やキーワードの詰め込み、自作自演リンクなどです。
この記事では、そういった無意味なSEO施策の代表を7つ、ご紹介します。
自作自演リンク
自作自演のリンクは、現在では効果があまり期待できません。
たとえば、付加価値がほとんどない大量のサテライトサイトからのリンクなどです。SEO効果が期待できないどころか、ペナルティのリスクすらあります。
もちろん、ユーザーにとって価値があり、なおかつ関連性が高いサイトからリンクを貼るのは効果的です。たとえば、主力のメインサイトに対して、自社の関連サービスのサイトからリンクを貼るのはいいと思います。
TCDのサイトでも、『TCD MUSEUM』や『TCD GALLERY』などの関連サイトからメインサイト(https://tcd-theme.com/)へのリンクを貼っています。こうすると、メインサイトのSEOパワーが上がりやすくなります。
しかし、まったく関連性がなく、ユーザーにとっても価値がないサイト群からのリンクは、ペナルティリスクがあるので、やめたほうがいいです。
また、SEO業者からの有料リンクの購入も、あまりオススメできません。
「ペナルティリスクゼロ!」「○○年の経験によるリスク管理!」といったことを謳う業者であっても、ペナルティリスクは絶対に存在します。高度な外部SEOの知識があり、リスク管理ができる人でないと、痛い目を見るでしょう。リンクに関する知識がない場合は、依頼してはいけません。
キーワード出現率・含有率の調整
キーワード出現率・含有率の概念は、もはや過去の遺物です。忘れて構いません。
Googleのアルゴリズムは進化しているので、特定キーワードの使用回数だけでページを評価することはないからです。
「犬」を検索する場合、必要なのは「犬」という単語が何百回も出現するページではありません。つまり、ただクエリの言葉を繰り返すだけでなく、クエリに対する答えが含まれているページかどうかを見極める必要があります。
「クエリに対する答えが含まれているページかどうか」について、Googleは様々な判断基準を用いています。決して、特定キーワードが出現するパーセンテージだけで、ページの評価が決まるわけではありません。キーワード出現率・含有率の調整は、現在ではほとんど無意味です。
SEOでは、キーワードの出現率や含有率といった概念があります。 キーワードの出現率・含有率とは、特定のキーワードがページに出現する頻度やキーワードが使われている回数のことです。ひと昔前は、出現率・含有率を調整するとSEOに強くなると言われていましたが、現在では、気にする必要はまったくありません。 ...
特定キーワードの出現率にこだわるよりも、キーワードの広がり(バリエーション)を意識したほうが、いい結果を得られるでしょう。
SEOでは、共起語(きょうきご)という概念があります。 共起語を適切に使うことは、SEOに効果的だと言われていますが、それは本当なのでしょうか? 共起語の使用とSEOの関係について、ここでは解説していきます。 共起語とは? 共起語とは、記事内において、特定のキーワードと一緒に使用さ...
キーワードの詰め込み
SEOでは、キーワードを適切に使うことは重要です。
しかし、キーワードを詰め込むことは意味がないどころか、ペナルティのリスクが高まるので、注意してください。特に、titleタグにキーワードを詰め込むことは、避けたほうがいいでしょう。
キーワードを多く設定すれば、その分、上位表示するキーワードが増えると思いがちですが、実際は逆の結果になることが多いからです。キーワードごとの評価が分散してしまい、どのキーワードも順位が低迷する恐れがあります。
同じ検索ニーズをもつロングテールキーワードを複数入れるのは問題ありませんが、検索ニーズが異なるキーワードを詰め込んではいけません。1記事1キーワードを徹底することが重要です。
SEOコンテンツでは、1記事1キーワードを意識することが重要です。 1記事1キーワードとは、1つの記事(ページ)で対策するのは1つのキーワードに絞るという原則で、この原則を徹底することが、SEOに強いコンテンツを生み出すことにつながります。 SEOにおける1記事1キーワードの原則とは...
metaキーワードの設定
metaキーワードとは、ページに関連するキーワードを記述するためのmetaタグです。
かつては、ページ内容と関連性が高いキーワードをいくつか設定するのがSEO上のセオリーだとされていました。
しかし、Googleがmetaキーワードのサポートを停止した(metaキーワードの記述を考慮しなくなった)ため、現在ではSEO効果はありません。記述してもしなくても、検索順位には一切影響しません。
metaディスクリプションも、metaキーワードと同様にSEO効果はありませんが、こちらは検索結果でのクリック率に影響するので、設定する意義はあります。対して、metaキーワードはそのような影響もなく、設定するメリットはほとんどありません。気にしなくて大丈夫です。
*metaディスクリプションに関しては、以下の記事をチェックしてみてください。
ディスクリプションとは、検索結果で、ページタイトルの下に表示される説明文のことです。 ディスクリプションの正式名称は、meta description(メタ ディスクリプション)といいます。3種類のmetaタグ(title、description、keyword)のうちの1つです。 ...
不必要なalt属性の設定
画像のalt属性(代替テキスト)は、画像の内容を判断するためにGoogleが参考にするものです。また、何らかの事情で画像を表示できない環境のユーザーに対しては、alt属性のテキストが表示されるので、ユーザーの利便性向上にも役立ちます。
*alt属性の役割や書き方について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
ブログ記事を書いていると内容を補足するためや、リンク先のイメージを示すために画像を挿入することがあると思います。 画像を挿入時には、alt属性を正しく活用していますか?意外と見落としているケースも少なくありません。 実は読者にも検索エンジンにも有効で、SEO的にも効果を望めます。というわ...
alt属性を記述することは、Googleの画像検索でのヒット率を改善したり、ユーザービリティを上げたりするのに役立ちます。しかし、すべての画像のalt属性を設定する必要はありません。
たとえば、装飾目的のイメージ画像は、それ自体に特に固有の意味があるわけではないので、alt属性を設定する必要性がありません。
無料素材サイトや有料のストックフォトから取得したイメージ画像は、仮にその画像が表示されなかったとしても、ユーザーによってそれほど不都合はありません。記事内容の理解にも支障はないでしょう。alt属性は空白のままで問題ありません。
下手にキーワードを詰め込めば、ペナルティのリスクが上がります。
無意味な動画・画像の埋め込み
動画や画像の使用と検索順位との間に、因果関係は一切ありません。
Youtubeやニコニコ動画などの動画投稿サイトにアップされている動画をページに埋め込んでも、直接的なSEO効果は期待できないでしょう。画像の引用についても同様です。
もちろん、目を引く動画や画像をファーストビューに置くことで、直帰率や滞在時間が改善することはあるかもしれません。SNSでのシェア率にも影響するかもしれません。
それが間接的にSEOを強化する可能性は、たしかにあります。
しかし、検索順位の上昇を目的にして、不必要な動画や画像を掲載することに、あまり意味はないと思います。まして、オリジナルのコンテンツが薄く、他人の動画や画像の引用ばかりで構成されたページでは、Googleから評価されることはないでしょう。
動画や画像を使うと、たしかにリッチな見栄えになりますが、そのことと検索順位との間には因果関係が存在しません。動画や画像がないと評価されない、ということは決してないので、無意味に乱用する必要はないのです。
ユーザーの理解を促進させたり、ページの利便性を向上させたりといった、必要があるときにだけ使えば大丈夫です。
画像を使うことは、SEOに効果的なのか? 記事に画像を多く使ったり、質の高いオリジナル画像を挿入したりすると、検索順位が上がるというSEO理論があります。 たしかに、記事に画像を挿入するとリッチな見た目にはなりますが、検索順位に必ずしも影響するわけではありません。その根拠を、掘り下げて解...
長文SEO
「長文が評価されやすい」 「最低でも5000文字」といった長文SEOは、安易な思考なので避けたほうがいいと思います。たしかに、Googleの検索上位のページは、文字数が多い傾向にはあります。
しかし、これは文字数の多さそのものが評価されているわけではなく、記事の網羅性(他サイトの記事を読む必要がないほど充実した内容)やキーワードの関連性(関連語が豊富に含まれている)などが評価されているからであって、文字数を増やせば検索順位が上がるという単純な図式ではありません。
実際、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)は、文字数によって記事の検索順位が決まることはない、発言しています。
https://twitter.com/JohnMu/status/1021690796691607552
同意します。ワード数は品質を示すものではありません。ページによっては、何も語らない単語がたくさんあります。ページによっては、非常に重要でクエリに関連する単語が非常に少ないものもあります。あなたは自分のコンテンツを一番よく知っていて(できれば)、詳細な文章が必要かどうかを決めることができます。
そもそも、検索順位の決定には複数の要因が関係しているので、長文にすれば評価されるわけでは決してありません。文字数にこだわるよりも、検索キーワードに対する回答を盛り込んだり、キーワードと関連性のある情報を掲載したりすることのほうが重要であり、その目的を達成するために必要な文字数を書けばいいのです。
つまり、キーワードで検索するユーザーのニーズありきであって、文字数ありきではない、ということです。もし、ユーザーの求める情報を1000文字で伝えられるなら、1000文字程度で構いません。
「最低5000文字」 といった縛りを設定することに、ほとんど意味はないのです。
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まとめ
ここまで、意味のないSEO施策をご紹介してきました。
- 自作自演リンク
- キーワード出現率・含有率の調整
- キーワードの詰め込み
- metaキーワードの設定
- 不必要なalt属性の設定
- 無意味な動画・画像の埋め込み
- 長文SEO
「そんなSEOは効果がない」 と、GoogleやSEOの専門家がいくら警鐘しても、「もしかしたら、効果があるかも・・・」 という気持ちになることもあるでしょう。
しかし下手をすると、意味がないどころかペナルティを受けるリスクがあります。
この記事でご紹介した、無意味で古いSEOの手法は忘れてしまいましょう。
そして、意味のあるSEOだけに集中してください。
たとえば、専門性の高い有益なコンテンツを作ることなどです。時間も手間もかかりますが、そのような本質的なSEOの施策を愚直に継続することが、結果を出すためには必要になります。
本質的なSEOのノウハウを学ぶなら
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ここでは、SEOの基礎・本質の習得に役立つ、オススメの書籍を5つご紹介します。 記事でご紹介している5つの書籍を読めば、検索エンジンの仕組みやキーワード選定のコツ、SEOライティング技術やコンテンツ作成方法など、SEOに必要な知識は一通りマスターできます。 少し古い書籍もありますが、考え方自...
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