10,000円の有料記事が1本売れたとき、販売・決済手数料を引いて残る金額は、販売先によって変わります。クレジットカード決済・紹介なしで比べると、noteは8,550円、Brainは8,800円、Tipsは8,600円。WordPressとStripeで販売する場合は、決済手数料3.6%を引いて9,640円です。

ただし、この差がそのまま利益の差になるわけではありません。振込手数料、サイトの運営費、紹介報酬など、比較に含める費用によって結果は変わります。

本記事では、単品販売と定期購読を分け、同じ売上・同じ条件でどこまで差が出るかを計算します。料金の確認日は2026年10月25日です。申し込み時には各サービスの最新条件も確認してください。


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10,000円の記事を売った場合の手数料比較

以下は、記事を単品で1本販売した場合の比較です。クレジットカード決済、紹介・アフィリエイトなし、割引・返金なしを前提にしています。Stripeは日本のアカウントで円建ての標準カード決済を使い、通貨換算等の追加費用がない場合です。

販売先 比較に使った手数料 10,000円から差し引く額 差し引き後の残額
note 事務手数料5%+その残額に利用料10% 1,450円 8,550円
Brain 販売価格の12% 1,200円 8,800円
Tips 販売価格の14%(税込) 1,400円 8,600円
WordPress+Stripe カード決済手数料3.6% 360円 9,640円

振込・出金手数料、サイト運営費、追加の有料機能等は、この表には含めていません。所得税等や、販売者自身の消費税の納付額も計算していません。「残額」は利益や最終的な銀行入金額を表すものではありません。

10,000円の記事を紹介なしで販売し、販売・決済手数料のみを差し引いた残額の比較

図も上の表と同じく、販売・決済手数料だけを比べたものです。ニュースレター型のSubstackは定期購読を中心とするため、後半で別に扱います。

各サービスで引かれる費用と計算方法

note:決済手段と販売形式によって変わる

noteは、購入者の決済手段に応じた事務手数料を引き、その残額にプラットフォーム利用料をかけます。

購入者の決済手段 売上に対する事務手数料
クレジットカード 5%
携帯キャリア決済 15%
PayPay・Amazon Pay 7%
PayPal 6.5%
noteポイント 10%

プラットフォーム利用料は、有料記事・有料マガジン・メンバーシップが10%、定期購読マガジンが20%です。利用できる決済手段は商品等によって異なるため、選べる方法も確認してください。

たとえば、10,000円の有料記事をカードで買ってもらうと、事務手数料は500円。残った9,500円に10%をかけた950円が利用料で、合計1,450円となります。5%と10%を単純に足した15%ではなく、実質14.5%です。

売上金の振込には、別途1回270円がかかります。

参考:コンテンツを販売する際に引かれる手数料(note)

Brain:通常販売と紹介報酬を分けて考える

Brainの公式FAQでは、販売価格の12%を販売者の手数料として案内しています。出金手数料は1回250円(税抜)、消費税10%なら275円です。

紹介報酬を設定した場合は、その分も販売者の残額から引かれます。公式FAQの例では、10,000円の記事に紹介報酬20%を設定して紹介経由で売れると、紹介料2,000円とシステム手数料1,200円を引き、販売者の残額は6,800円です。

紹介報酬は運営側の手数料とは別の費用です。今回の比較表は、この紹介報酬が発生しない販売を前提にしています。

参考:よくある質問&禁止事項「手数料体系」(Brain)

Tips:紹介経由では分配後の取り分に14%

Tipsの通常販売の手数料は14%(税込)です。出金申請ごとの振込手数料は、通常会員550円、プラス会員330円と公式ヘルプに案内されています。プラス会員を選ぶ場合は、会員料金も別途比較します。

アフィリエイト経由の場合は、売上を販売者と紹介者で分けた後、それぞれの取り分に14%がかかります。たとえば、10,000円の記事で紹介報酬率20%なら、販売者の取り分8,000円から1,120円を引き、残額は6,880円です。通常販売の「残額8,600円」とは条件が違います。

参考:販売手数料と振込手数料(Tips)

WordPress+Stripe:販売手数料と運営費を分ける

日本のStripe標準料金では、カード決済の成功ごとに3.6%がかかります。円建てで通貨換算等がない10,000円の決済なら360円です。

WordPressの無料プラグイン「YOMERU」は、記事の単品販売に対応し、YOMERU自体の販売手数料はかかりません。ただし、サーバー・ドメイン、保守、購入者への対応、集客などは運営者が用意します。返金や不審請求の申し立てがあった場合の費用も、今回の通常決済の試算には含めていません。

既存サイトで販売を追加する場合と、新しくサイトを作る場合では、追加で必要な費用が異なります。

参考:日本向け標準料金(Stripe)

単品販売で月10万円なら、年間の差はいくらか

10,000円の記事が毎月10本、12か月続けて売れた場合で計算します。全サービスで売上が同額になり、決済・紹介の条件も冒頭の表と同じとします。比較範囲を揃えるため、ここでも振込・出金手数料は全サービスで除外しています。

販売先 月10万円から手数料を引いた残額 12か月の残額
note(カード) 85,500円 1,026,000円
Brain(紹介なし) 88,000円 1,056,000円
Tips(紹介なし) 86,000円 1,032,000円
WordPress+Stripe 96,400円 1,156,800円

この条件では、noteとWordPress+Stripeの差は年間130,800円、Brainとの差は100,800円です。

これは「同額の売上を維持できた場合の手数料差」であり、販売先を移せば利益がそのまま増える、という意味ではありません。実際の比較では、出金回数に応じた費用や、移転後の売上・運営費も加えて判断します。

定期購読は、単品販売と分けて比較する

月額1,000円の購読者100人から、毎月10万円を受け取る例です。全員がカードで支払い、割引・返金・決済失敗がないものとします。振込・出金手数料とサイト運営費は除外し、YOMERU Proの利用料は明記して含めます。

Stripe Billingは手数料への消費税も含める

Stripe Billingの標準の従量課金料率は0.7%です。日本のアカウントではBilling手数料は消費税の対象となるため、消費税10%を含めると売上に対して0.77%相当です。カード決済3.6%と合わせ、この例では4.37%相当として計算します。

月10万円なら、カード決済手数料3,600円、Billing手数料700円、その消費税70円で計4,370円です。実際の請求では端数処理や契約条件によって差が出る場合があります。

参考:Stripeの料金体系/日本の事業者に対するStripe手数料の課税

販売方法 今回含める費用 月10万円から差し引いた残額
note メンバーシップ 事務手数料5%+その残額に利用料10% 85,500円
note 定期購読マガジン 事務手数料5%+その残額に利用料20% 76,000円
WordPress+YOMERU Pro(月額払い) Stripe関連4.37%相当+Pro月額1,980円(税込) 93,650円
WordPress+YOMERU Pro(年額払い) Stripe関連4.37%相当+Pro年額18,000円を月換算1,500円 94,130円(月換算)

年額払いの欄は、年間利用料を12で割って比較したものです。月々1,500円を支払うプランではありません。noteのメンバーシップと定期購読マガジンは機能や提供方法も異なるため、料金だけで同じ商品として扱わないようにします。

Substackは適用されるStripe料金を確認する

Substackはニュースレターを月額・年額等で提供するサービスで、有料購読の売上に対して10%がかかります。このほかにStripeのカード処理・継続課金の費用が発生します。

公式ヘルプには米国カードの例が掲載されていますが、その例や日本のStripe標準料金だけで、個別のSubstackアカウントに適用される条件を確定できるわけではありません。本記事では、日本の実際の適用料率を確認できていないため、「合計14.3%」「残額85,700円」とは断定しません。

月10万円の購読料なら、基本の比較式は100,000円−Substack利用料10,000円−実際のStripe関連費用です。通貨換算、手数料への税、Web経由かアプリ内購入かといった条件も確認します。利用中なら、Stripeの取引明細と請求書から実際の費用を確認するのが確実です。

参考:How much does Substack cost?(Substack)

YOMERU Proの利用料を含めた比較上の分岐点

noteのメンバーシップとYOMERU Proを、年間の売上が同額という前提で比べます。カード決済では、noteの手数料率は実質14.5%。今回のStripe関連費用は4.37%相当なので、差は10.13ポイントです。

この差額がProの年間利用料と等しくなる売上を計算します。

比較上の分岐点となる年間売上
= YOMERU Proの年間利用料 ÷(0.145 − 0.0437)
Proの支払い方 年間利用料(税込) 分岐点の年間売上の目安 月額1,000円を12か月継続する購読者数
年額プラン 18,000円 約17.8万円 15人なら年間18万円
月額プランを12か月 23,760円 約23.5万円 20人なら年間24万円
この分岐点は、掲載した販売・決済費用とPro利用料だけの比較です。サーバー・ドメイン・保守・集客費、出金費用、返金、解約や未払いは含みません。15人・20人という人数も、全員が月額1,000円で12か月支払う場合です。

年額プランは比較上の分岐点が低くなりますが、先に年間利用料を支払う必要があります。継続して運営する予定や、実際に必要な機能も合わせて判断してください。

手数料だけで販売先を決めない

プラットフォームには、サイト内検索やおすすめ、紹介機能など、読者と出会うための導線があります。ただし、登録すれば自動的に売れるわけではなく、紹介経由では別途報酬が発生する場合もあります。

WordPressでは、集客に加え、サイト保守、購入者への対応、個人情報の管理などを自分で担います。既存サイトに読者がいても、購入のしやすさや決済手段の違いによって売上が変わる可能性があります。

毎月の売上見込みから、販売・決済費用、固定費、対応にかかる時間を引いて比較すると、自分に合う方法を選びやすくなります。まず一部の記事で販売を試し、購入率や対応の負担を見てから広げる方法もあります。

WordPressで販売する場合の始め方

当サイトが提供する「YOMERU」は、WordPressの記事を単品販売できる無料プラグインです。Stripe決済と連携し、購入者用のマイページを用意できます。定期購読を提供する場合は、有料の拡張プラグイン「YOMERU Pro」を追加します。

販売したいもの 使うプラグイン 今回確認した利用料
記事の単品販売 YOMERU 無料。Stripe等の費用は別途
月額・年額の定期購読 YOMERU+YOMERU Pro Proは月額1,980円/年額18,000円(税込)。Stripe等の費用は別途

参考:YOMERU Proの機能と料金

導入前には、現在のテーマでの表示、購入から閲覧までの動作、返金や問い合わせへの対応も確認します。設定方法は次の記事で紹介しています。

販売に必要な表記や規約の準備、noteから記事を移す際の作業も、費用と合わせて把握しておくと進めやすくなります。

まとめ

単品販売では、紹介なし・同額売上・振込等の費用を除く条件なら、月10万円の売上でnoteとWordPress+Stripeの手数料差は年間130,800円になります。定期購読では、継続課金の費用とその消費税、有料プラグインの利用料も含めて計算する必要があります。

手数料差は販売先を選ぶ材料の一つです。自分の販売形式、決済方法、集客経路、運営にかけられる時間を確認し、比較表で除外した費用も加えて判断しましょう。

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