クラウドソーシングのライティング案件は、低単価のものが多いです。

もちろん高単価の案件もありますが、大手クラウドソーシングでは、1文字1円以下の案件が全体のおよそ6割を占めています。

〜0.9円 (34,753)
1円〜1.9円 (15,081)
2円〜2.9円 (3,183)
5円〜 (999)
3円〜3.9円 (966)

ランサーズ(https://www.lancers.jp/)のデータより(2021年4月時点)

なぜ、クラウドソーシングのライター文字単価は安いのか?
この記事では、クラウドソーシングのライター文字単価が安い理由を解説します。そして、高単価の仕事を獲得して、稼げるライターになるための方法もお伝えします。

「いくら書いてもロクな稼ぎにならない・・・」

そのように悩んでいるライターの方は、ぜひ最後まで読んでください。

ライター個人ではなく全体の仕組みが問題

まず大前提として、文字単価が安いのは、ライター個人の問題ではありません。

よく、「クラウドソーシングにいるライターはスキルが低いから低単価でも仕方ない」という声がありますが、正しい認識ではないと思います。

スキルの低いライターも当然いますが、いい仕事をするライターもいます。
彼(彼女)らは、スキルも実績もそれなりにあるわけですが、それでも、低単価(文字単価1円以下など)の仕事に甘んじていることが多いのです。

もっとスキルを上げて実績を積めば、文字単価は上がるのでしょうか?
残念ながら、そうはならないでしょう。

文字単価が低いのは、以下のようなクラウドソーシングというプラットフォームの仕組みが関係していて、ライター個人の努力ではどうにもなりません。

供給 > 需要の状態に傾いている

ライターの数が多すぎて、供給が需要を上回っていると、単価は必然的に下がります。

ランサーズやクラウドワークスなど主要プラットフォームは当然として、ライティング特化型の小さなクラウドソーシングサービスでも、徐々に供給 > 需要のバランスになりつつある状況です。

供給過多な状況なので、単価を低く設定しても、普通に応募が集まってしまいます。2000文字書いて50円など、極端に酷い単価になると話は違ってきますが、1文字0.5円くらいであれば、そこに応募するライターは一定数存在します。

このような供給 > 需要のバランスが続いているので、発注側からすれば、単価を高く設定する必要性がないのです。

そもそも発注側は安く依頼するために利用している

クラウドソーシングを利用する発注側の最大の意図は、コスト削減です。

雇用関係を結ぶ必要もなく、最低賃金などの規制もなく、必要なときにだけ、低コストでライターに依頼できるというのは、コストを抑えたい企業にとって魅力的でしょう。

法人・企業に依頼するとなると、何倍あるいは何十倍ものコストがかかりますし、面倒な契約手続きも発生します。となると、「安く、手軽に発注できるクラウドソーシングを使うか」 という発想になるのは、ある意味当然かもしれません。

このように、クラウドソーシングは安く発注したいという意図で利用されるものです。

もちろん、適正価格以上の高単価を払ってくれる発注者も一部いると思います。
ただ、それはあくまで少数の例外であって、全体で見れば適正相場とは言い難い低単価案件が多いわけです。

プラットフォーマー型ビジネスの宿命

クラウドソーシングのライター文字単価の問題を語るときは、全体を俯瞰して見なければいけません。

「高単価の案件もあるんだから、低単価の案件をわざわざ選んでいるライターが悪い、自己責任だ」などというのは、ミクロな視点でしか問題を見れていません。

クラウドソーシングというプラットフォーム自体が、安く発注する場として機能しているわけですから、低単価案件に甘んじるしかないライターが出てくるのは必然なのです。ライターの自己責任ではありません。

クラウドソーシングに限らず、Uber EatsやAmazon Flexなど、プラットフォーマー型ビジネスは、そこに登録している人を低単価で搾取するモデルになりやすいです。もちろんこれらのビジネスが悪いというわけではありません。プラットフォームのおかげで生活を維持できている人がいるのは事実でしょうから。

ただ、プラットフォームに登録して仕事を請けている人(いわゆるギグワーカー)を守るための仕組みを整備したり、十分な報酬を支払える体制を用意したりしないと、ただの搾取の場になってしまう危険性があるわけです(現にそうなりつつあります)。

クラウドソーシングにおいても、文字単価○円以下の案件は掲載不可といった規制があってもいいかもしれません。
「安い案件に応募しなければいいだけでは?」 という意見もあるでしょうが、人にはいろいろな事情があるものです。生活のために、安い仕事であっても請けざるを得ない人もいるはずです。

だからこそ、規制によって強制的に低単価の案件を排除して、適正価格の案件にだれもが応募できるようにすることが、クラウドソーシング側に求められることだと思います。

ライターの単価は仕事を請ける場所でほぼ決まる

ここまで説明してきた通り、クラウドソーシングというプラットフォームの仕組みがある以上、実力があるからといって高単価の仕事を獲得できるとは限りません。

クラウドソーシングのライター文字単価は将来的に改善されるかもしれませんが、それをただ待っているわけにもいかないでしょう。ライターの文字単価や記事単価は仕事を請ける場所でほぼ決まるので、クラウドソーシング以外で仕事を探すことも検討してみてはいかがでしょうか?

ライティングの仕事があるのは、クラウドソーシングだけではありません。企業との直契約で、高単価の仕事を請けられることもあります。

TCDのメディアでも、Webライターを募集しています。良い記事を納品してくれるライターには、1本数万円のフィーを支払えるので、腕に覚えのある方はぜひ、以下のページからご応募ください。

Webライター募集要項

高単価の仕事を獲得するためにまずやるべきこと

高単価の仕事を獲得するために、ライターがやるべきことをまとめました。

専門領域を持つ

「なんでも書きます!」 というスタンスではなく、特定分野の記事執筆のプロになることが重要です。
ネットで拾った情報をまとめるだけでは、高単価の仕事を得るのは厳しいので、「ここだけは誰にも負けない」という専門領域を持つプロフェッショナルとして、自分を位置付けましょう。

専門知識を身につけるには時間もお金もかかります。その専門知識や経験を記事にして提供することの価値を、ライターはもっと自覚すべきだと思います。大きな価値を提供している仕事です。

記事の構成力や文章力を鍛える

記事の構成力や文章力は、専門知識と同等に重要です。SEOを考慮した記事構成やわかりやすい文章作成力は、ライターとしてのスキルの中核であり、キャリアを支えてくれます。

構成力や文章力に関しては、以下の記事をぜひ参考にしてください。

読み手が見やすい画像を作れるようにしておく

記事の中で使う画像も重要なコンテンツです。

「画質が粗い」「スクショが縮小されすぎてて読めない」「注釈の入れ方が雑」といった画像を使うと、それだけで記事の印象は変わってきます。Webライターは文章を書くだけではなく、画像を使うことも多々あるため、画像をつくる技術も最低限学んでおきましょう。

サンプル記事を作成する

仕事を獲得したいと考えているメディアと親和性のあるテーマで、サンプル記事を作成しましょう。

納品サンプル記事

サンプル記事は実際の納品イメージがわかりやすいので、クライアントにとって安心感があります。特に、実績のないライターの場合、サンプル記事以外に実力を証明するものがないので、非常に重要です。必ず用意しましょう。

PR文を作成する

自己紹介や得意分野、実績などを掲載するPR文を作成しましょう。以下のような要素を盛り込むことをオススメします。

  • 氏名
  • 年齢
  • 職歴
  • 執筆歴
  • 得意分野
  • 実績
  • サンプル記事
  • 連絡ツール
  • 希望報酬

あるいは、ライティングの方法論をスライドにまとめて提示するのも効果的です。

ライティングの方法論の資料

要は、営業資料です。「私はこんな記事を提供できます」「私の記事作成の強みは○○○です」「他との違いは○○○です」といったことを訴求します。

企業・法人であれば当たり前に用意しているものだと思いますが、個人ライターの場合、こういった営業用のスライドを用意している例は少数です。
他ライターとの差別化になるので、ぜひ作成にチャレンジしてみてください。PowerPointやKeynote、あるいは『Canva』などのツールを使うといいでしょう。

仕事を獲得する

次は、仕事を獲得するステップです。
サンプル記事やPR文、営業用のスライドなどが用意できたら、クライアント候補にオファーを送りましょう。

メディアのサイトでWebライターを募集していることもありますし、そういった記載がなくても、直接メールでコンタクトを取ることはできます。あるいは、「○○○ ライター 募集」「○○○ ライター 応募」といったキーワードで、Google検索するのもいいでしょう(○○○の部分は、特定のジャンルの単語を入れる)。

TCDのメディアでも、Webライターを募集しています。

まとめ

ここまで、クラウドソーシングのライター文字単価が安い理由と、高単価の仕事を獲得するための方法を見てきました。

供給 > 需要のバランスや、安く発注する場として機能していることなど、クラウドソーシングというプラットフォームの仕組みが文字単価に影響しているため、ライター個人の努力ではどうにもならない部分が多くあります。

もちろん、クラウドソーシングでも高単価の案件を獲得できているライターはいるでしょう。それはそれで良いことだと思います。ただ、そのことを例に出して、「高単価の仕事を獲れている人もいるのだから、低単価の仕事しか獲れないのは努力が足りないからだ」 などと叩くのは筋違いです。

クラウドソーシングというプラットフォーム自体が、安く発注する場として機能しているわけですから、低単価案件に甘んじるしかないライターが出てくるのは必然であり、努力不足や自己責任で片付けていい問題ではないのです。
将来的に、だれもが適正価格の仕事を請けられる仕組みを整えることが必要でしょう。

Webライター、募集しています(平均記事単価12,000円)

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