アフィリエイト = SEO、というわけではありませんが、切っても切り離せない関係にあるのは事実。アフィリエイトを実践するなら、多かれ少なかれ、SEOを意識する必要があります。

SEOと一口に言っても、さまざまな実践方法があります。ここでは、アフィリエイトにおけるSEOの考え方と、成果を出すために意識したいSEOテクニックをご紹介します。

アフィリエイトのSEOは2種類ある

アフィリエイトのSEOには、おもに以下の2種類があります。

特定キーワードでの上位表示を狙うSEO

「○○○ おすすめ」「○○○ ランキング」あるいは商標名単体など、ビッグキーワード・ミドルキーワードでの上位表示を目指すタイプのSEOです。ページビュー(PV)やユニークユーザー数(UU)よりも、特定キーワードの検索順位を重視します。

検索数が大きく、なおかつ収益にも近いキーワードで上位表示すれば、莫大な利益が期待できる点が最大のメリットです。

ただし、ビッグキーワード・ミドルキーワードでの上位表示は一般的に、難易度が非常に高いです。今は、企業が運営する比較・ランキングサイトが、ビッグキーワード・ミドルキーワードで検索結果を独占し始めていますし、今後もその流れは加速するでしょう。個人が片手間でサイトを作っても、まず太刀打ちはできません。

特定キーワードでの上位表示を狙うSEOは、ビッグキーワードやミドルキーワードで上位表示させるための知識・技術がある人、もしくは企業サイト・事業サイトの強力なドメインを活用できる大手企業向けの戦略です。

また、確実性がなく安定もしないので、ややギャンブルに近い点は否めません。検索順位は本来アンコントローラブルなものであり、どれだけSEOに詳しい人でも、完璧に制御することは不可能です。今、検索1位のページが、来年も1位かどうかはだれにも予測できません。

ロングテールキーワードでの幅広い流入を意識するSEO

ビッグキーワード・ミドルキーワードでの上位表示に固執せず、多彩なロングテールキーワード(検索数の小さい複合キーワード)を拾っていく戦略です。

特定キーワードの検索順位よりも、キーワードの広がり・多様性を重視します。
顕在層が検索するキーワードから、潜在層が検索するキーワードまで、幅広く網羅して、見込み客との接点を増やすという思想が根底にあります。

瞬間的・爆発的な収益は期待できませんが、より確実性があり、安定もします。特定キーワードでの上位表示を目指すSEOと比べれば、難易度もそこまで高くはありません。

近年のSEOはどちらかというと、こちらが主流です。

オススメはロングテールキーワードでの集客

上位表示SEOとロングテールSEO、どちらを選ぶかは自由ですが、万人にオススメできるのはロングテールキーワードSEOのほうです。

ビッグキーワードやミドルキーワードでの上位表示は収益のインパクトが大きいですし、達成すればアフィリエイターとしての自尊心や有能感も満たされます。ただ現実問題、難易度の高いキーワードで上位表示の座を奪えるのは一握りのアフィリエイターだけであり、多くの人にとって現実的ではありません。

「そこをどうにかするのがSEOでありアフィリエイトだ」という主張もあるかもしれませんが、頑張って検索上位を達成したところで、順位下落のリスクはずっと付いて回ります。

特定キーワードでの上位表示に頼っていた場合、そのキーワードの順位が大きく下落すると、収益が一気に落ち込んでしまいます。Googleのアップデートで運悪く圏外に飛ばされれば、ほとんど再起不能になるでしょう。ハイリスクだといえます。

その点、ロングテール戦略であれば、数多くのキーワードで検索に露出することでリスク分散ができます(特定のキーワードに依存しない)。また、対策するのは3〜4語の複合キーワードになるので、よりニーズが具体化した状態の見込み客の流入が期待できます。

ロングテールSEOのより具体的な戦略については、以下の記事をご覧ください。

成果を出すために意識したい6つのSEOテクニック

ここからは、アフィリエイトで成果を出すために意識したいテクニックをいくつかご紹介します。SEOによる集客という点に限れば、ここでご紹介するテクニックを実践することで良い結果を残せるはずです。

抜け漏れや重複のないサイト構造

必要なコンテンツが過不足なく掲載されており、なおかつ、コンテンツ同士の重複がないサイト構造が理想的です。

抜け漏れのないサイトを作るには、特定テーマに対するペルソナ(ユーザーニーズの大まかな分類)を洗い出して、すべてのペルソナに対応できるだけのコンテンツを用意するのがオススメです。

一例として、「肌荒れの治し方」を総合的に扱うサイトであれば、

  • スキンケア
  • 皮膚科
  • 食事
  • 生活習慣
  • サプリ

などの切り口が考えられるでしょう(サジェストキーワードを参考にすると良い)。

これらのうち、たとえば「サプリ」のコンテンツを用意していなければ、サプリで肌荒れを改善したいというユーザーのニーズが満たせなくなりますし、サプリ関連のキーワードでの露出もできなくなります。サイト全体の網羅性という観点からもマイナスになります。

重複に関しては、カテゴリページとコンテンツページの重複に特に注意しましょう。

たとえば「肌荒れ対策」というカテゴリページと、「肌荒れ対策のおすすめ手法20選」というコンテンツページが存在すると、かなりの確率で重複コンテンツ扱いになります。

キーワードの重複(カニバリ)例

「肌荒れ対策」という同じキーワードを奪い合っている状態なので、どちらのページも検索順位が上がりづらくなります。

カテゴリページとコンテンツページで狙うキーワードの住み分けをしっかりやるか、いっそのこと、カテゴリページをnoindexにするなど、対処が必要です。

内部リンクの構造

内部リンクの貼り方にも、一定のルールがあります。

基本的には、関連性が高いページに対してのみ、内部リンクを貼るべきです。評価が高いページからその他のページに内部リンクするのは効果的なテクニックですが、関連性が低いページに対して無作為に貼らないほうがいいでしょう。逆に評価を落とす可能性があります。

同カテゴリの関連記事や、記事が属するカテゴリページへの内部リンクであれば、関連性は問題ないと判断できます。

ちなみに、コンテンツエリア(ヘッダーやサイドバー、フッターではない、いわゆる記事本文)に設置された内部リンクをGoogleは重要視します。

内部リンクの効果的な設定方法

重要な内部リンクはコンテンツエリアに配置し、前後のテキストもリンク先の内容との関連性を意識して記載する

重要な内部リンクはコンテンツの本文内に設置しましょう。内部リンク前後のテキストも、リンク先のページと関連性の高いテキストにすると、より効果が高まります。

titleタグ

今も昔も、titleタグの検索順位への影響は非常に大きいです。

狙っているSEOキーワードを含めることは大前提として、余計なキーワードが入っていないかどうか?という視点でもチェックしてみてください。

titleタグに入れている単語を一部削除しただけで、検索順位が大幅に上昇することも決して珍しくはありません。それだけ、キーワードの詰め込みで評価を落としているケースは多いということです。

サイトやコンテンツのtitleタグをチェックして、含めているキーワードが多すぎると感じた場合は、単語を削除して検索順位の変動をテストすることをオススメします。

タイトル修正はほとんどの場合、たいした工数ではありません。数分で完了することもあるでしょう。にもかかわらず、得られる効果は絶大というケースが多く、費用対効果は抜群です。

SEOは不透明な部分が多いですが、titleタグに限っては、確実に影響があることがハッキリしています。効果があることが証明されている施策は、手を抜かずにキッチリと対策していくことが重要です。

SEOのタイトルに関しては、以下の記事も参照ください。

検索意図の把握

検索意図とは、キーワードに込められたユーザーニーズのことです。

キーワードの検索意図を読み取り、ユーザーニーズの大枠に合致したコンテンツを作成することが、GoogleのSEOにおける大前提になります。

検索意図を把握する方法として最も簡単かつ確実なのは、キーワードで検索して、検索結果TOP10のページをチェックすることです。これでキーワードの意図を正確に把握できます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

注意点として、あくまでユーザーニーズの大枠を捉えることが目的であり、TOP10のページの中身を真似することが目的ではないので、そこを履き違えてはいけません。競合ページに内容を寄せてしまうと、SEO的にマイナスに働くからです。

必要なのは競合のパクリ的なコンテンツではなく、オリジナルコンテンツです(次で詳しく解説します)。

コンテンツのオリジナル性

勘違いしている方も多いですが、競合ページのリライトでは順位は上がりません。
ここで言うリライトとは、いくつかの競合ページの内容を寄せ集めて、文章表現を少し調整して記事を作る手法のことです(早い話、パクリです)。

なぜリライト的手法が横行するのか?
それは、検索意図を満たす = 他サイトのコンテンツと同じことを書く、という誤った解釈が広がっているからです。これは完全に間違っていると断言できます。

検索意図の把握はあくまでユーザーニーズの大枠を掴むためにやることであり、他コンテンツに内容を寄せることでは決してありません。もっとオリジナル性を意識しないといけません。Googleも、オリジナルコンテンツの必要性を語っています。

​​さらに、他のサイトでは提供されていない、新しくて便利なサービスを作ることも心がけてください。独自の調査に基づいた記事を掲載したり、面白いニュースをスクープしたり、または口コミを活用したりするのも良いでしょう。他のサイトにはない情報源や専門知識を活用することがポイントです。

出典:検索エンジン最適化スターターガイド

Googleの言うオリジナル性の定義は少し曖昧な部分もありますが、キーワードと関連性があり(重要)、なおかつ、他の上位コンテンツには掲載されていない独自の内容を載せると、成果につながりやすい傾向にあります。

一例として、書き手の主観的な意見や考察などを含めると、オリジナル性を出しやすいのでオススメです。「私はこう考える」 という主観は紛れもないオリジナルコンテンツになります。

「アフィリエイトは広告主の商品を紹介することで・・・」「アフィリエイトの市場規模は・・・」 といった事実を並べるだけでは独自性を出すのは難しいですが、「アフィリエイトで稼ぐのは難しいと言われていますが、私の経験からすると・・・」 といった主観を入れることで、オリジナル性を出せるわけです。

キーワードとの関連性があることは大前提として、他サイトでは使われていない単語・表現がどれだけ存在するか? という部分は、コンテンツの評価に大きく影響していると感じています。

コンテンツのボリューム(情報量)

コンテンツのボリューム、情報量も重要です。

単純に文字数を増やせばいいという話ではありませんが、情報の掘り下げが甘いコンテンツは評価されにくい傾向にあるので、ある程度の情報量は必要です。表面的な情報だけでなく、「これを知ったら、次は何を知りたくなるのか?」という視点で、情報を深く掘り下げて展開していく必要があります。

たとえば、商品の口コミ・評判の記事であれば、単に口コミを列挙するだけで終わらせるのではなく、口コミを踏まえた総評や考察、類似商品との比較なども載せるといいでしょう。

口コミや評判のキーワードで検索する人は、口コミを見ることが本当の目的ではなく、その商品が購入に値するかどうか見極めたいと潜在的に思っているはずです。キーワードの字面だけを捉えれば「口コミが見たい」ということになりますが、その顕在ニーズの裏にある潜在ニーズを満たすにはどんな情報が必要か? という視点をぜひ意識してみてください。

このように情報を掘り下げていく過程で、他サイトには掲載されていない情報が盛り込まれるので、コンテンツのオリジナル性も同時に担保しやすくなります。

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実践には注意が必要!グレーなSEO手法

以下は、実践に注意が必要なSEO手法です。
法律を犯した行為ではありませんが、ペナルティや信用低下などのリスクがあるので、実践するかどうかは慎重に判断しましょう。

中古ドメイン購入

中古ドメイン(オールドドメイン)は、前の運用サイトの評価を引き継ぐので、良い評価を受けていたサイトのドメインであれば、恩恵はあります。

当たり外れはありますが、優良な中古ドメインであれば、クロール頻度やインデックス速度、上位表示率などのパフォーマンスが新規ドメインよりも優れます。ただ、悪い評価も受け継ぐので、ペナルティを受けていたサイトのドメインを購入してしまうと、検索エンジンからまったく評価されない可能性もあります。

中古ドメインの費用は1つあたり数万円〜数十万円ほどで、しかも1回の購入でいきなり優良な中古ドメインに当たる確率は低いので、それなりの数を購入することになります。ある程度の資金力がないと実践するのは難しいでしょう。

アダルト領域など、少し特殊なジャンルでは中古ドメインがバリバリ使われていますが、通常のジャンルでは以前ほど見かけなくなりました。

被リンク購入

かつては猛威を振るっていたSEO手法。いわゆる有料リンク(金銭と引き換えにリンクを貼ってもらう行為)です。

現在でも被リンク自体のSEO効果は大きいですが、Googleの有料リンクの検出精度は非常に高まっています。アダルト領域のように、ほとんどのサイトがリンクスパムを実践しているという異常なジャンルは別かもしれませんが、通常のジャンルでは、どれほど精巧にリンクを貼ったとしても、いずれ発見されてペナルティを受けることになるでしょう。

有料リンク報告のフォームも用意されているので、機械による検出を逃れたとしても、競合などからGoogleに報告されて手動対策を受ける可能性もあります。

「ペナルティを受けてもいい。短期的に上げて、落ちたら売却する」というビジネスモデルならアリかもしれませんが、長期的に持続するアフィリエイトサイトを構築するなら、有料リンクには手を出さないほうがいいでしょう。

SEO評価の悪用

企業のアフィリエイトサイトが最近よくやっている手法です。

コーポレートサイトや事業サイトなど、強力なドメインのサブディレクトリにアフィリエイトサイトを開設して、そのドメインパワーによって上位表示を達成する、というものです。新規ドメインで作る場合と比べて、ヒットするキーワードの数や順位の付き方がまったく違ってきます。

事業内容と関連性があるアフィリエイトサイトならまだ理解はできますが、まったく関連性のないサイトをサブディレクトリで運用している例が多く、SEO評価の悪用として批判が集まっています。

旅行代理店が脱毛サロンランキングのサイトを運用したり、人材系会社がウォーターサーバー比較サイトを運用したり、といった具合です(どことなく、かつてのキュレーションメディアの乱立と状況が似ています)。​​Googleもこのことは認識しているので、いずれ何らかの対策がおこなわれるかもしれません。

サブディレクトリでサイトを運用するなら、関連性を意識したいところです。たとえば人材系会社が、事業サイトのサブディレクトリに転職サイトランキングのアフィリエイトサイトを開設するなど。関連性を意識した運用方法であれば、Googleから目を付けられるリスクはほとんどありませんし、ドメイン評価の恩恵もより大きくなるはずです。

まとめ

アフィリエイトをやるなら、SEOを完全に無視したサイト運用は難しいです。多かれ少なかれ、SEOについて考えなければいけません。

アフィリエイトのSEOは、

  • 特定キーワードでの上位表示を狙うSEO
  • ロングテールキーワードでの幅広い流入を意識するSEO

おもにこの2種類がありますが、低リスクで確実性があるロングテール戦略を採用することをオススメします。そのうえで、以下のテクニックを押さえてサイトを構築したりコンテンツを作成したりすることで、集客の成功率は上がるはずです。

ぜひ、一つひとつ確実に実行してみてください。

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