ピアノ教室を運営している方にとって、魅力的なホームページを持つことは生徒集客や信頼感の向上に大きな効果があります。しかし、専門的な知識がないと「ホームページ作成は難しそう…」と感じてしまうかもしれません。

そんな方におすすめなのが、WordPressを使った簡単なホームページ作成方法です。本稿では、初心者の方でもすぐに実践できる「ピアノ教室のホームページの作り方」を、WordPressのテンプレートを活用してご紹介します。

WordPressテーマ「Cherie」

アトリエ、教室のためのWordPressテーマ。
集客できるホームページが作成できる。

Cherie

ピアノ教室がホームページを作成する重要性

ピアノ教室のホームページは、単なる情報発信の場にとどまりません。集客力向上、教室の信頼性向上、そして競合との差別化につながる、効果的なツールです。

ホームページを運営するメリット

  • デザインが綺麗で分かりやすいホームページは、信頼性向上につながる。
  • 他の教室との違いを明確にし、自教室の魅力をアピールすることができる。
  • 営業時間外であっても24時間いつでも情報発信ができる。
  • 写真や動画を掲載すれば、教室の雰囲気やレッスンの様子をリアルに伝えられる。
  • ホームページを通じて生徒さんを集めやすくなる。

ホームページを運営するデメリット

  • 年間1万円ほどのランニングコスト(ドメイン・サーバー代)。
  • ホームページ作成ツールを使うには、多少の学習が必要になる。
  • 写真撮影やページの作成など、ある程度の時間と労力が必要になる。
  • ホームページ集客をするには、ある程度の知識と労力が必要になる。
  • サービス内容や料金の変更など、更新作業が発生する場合がある。

メリットばかりに目が行きがちですが、このようなデメリットを理解しておくことで、より効果的なホームページの作成や運営につなげることができます。

ピアノ教室のホームページ集客の方法

ピアノ教室のホームページ集客には、さまざまな方法があります。集客方法によっては、ある程度の学習時間や労力が必要です。

日常的にピアノを教えながらホームページ集客をするのは負担になる場合がありますので、以下の方法をできる範囲で行ってみてください。

  • 習い事のポータルサイトに登録Lesson Parkなど、習い事の情報を集めたポータルサイトに登録。
  • 自治体のウェブサイトに登録:自治体のウェブサイトによってはホームページを登録できる(例:福岡市)。
  • Googleマップに登録Googleビジネスプロフィールから教室の情報とホームページの登録。
  • MEO対策:Googleマップなどの地図検索で店舗情報を上位表示させる対策。
  • SEO対策:Googleなどの検索エンジンでホームページを上位表示させる対策。
  • インターネット広告:検索連動型広告、ディスプレイ広告、SNS広告など。

ホームページの作成&固定費用

ホームページの作成・運営費用は作成方法によって大きく異なります。

作成方法 初期費用 固定費用
制作会社に依頼した場合 30万円〜40万円 月2万円〜4万円
WordPressで自作した場合 2万〜5万円 月1000円〜1500円

ホームページ制作会社に依頼した場合、手間を減らせるというメリットがありますが、コストは高めです。一方、WordPressを使って自分で作成した場合は、一定の手間はかかりますが、低コストでホームページを運営し続けられます。

WordPressはノーコードで初心者でもホームページが運営できるツールですので、比較的簡単に作成できます。もちろん、ドメイン・サーバーや初期設定などある程度自分でも勉強しないと、できませんが。

ただ、WordPressは多くの初心者の方でも利用しているツールなので、良いホームページを作りたい人にはおすすめです。

WordPressのメリット

WordPress(ワードプレス)とは、ホームページ作成ツールの一種です。世界中のウェブサイトの40%がこのWordPressで作成されていると発表されています。

ピアノ教室のホームページにWordPressが最適な理由がいくつかあります。

  • WordPressは無料で使える(ドメイン・サーバー代は別)。
  • 高品質なホームページが自作できる。
  • 制作会社に依頼するより大幅に費用を抑えられる。
  • 常にアップデートされており、セキュリティも安心。
  • 教室向けのWordPressテーマ(テンプレート)もあり、比較的簡単にホームページを作成できる。
  • 豊富なプラグイン(拡張機能)があり、お問い合わせフォーム、予約システムなども設置できる。
  • ピアノ演奏の音声や動画ファイル、YouTubeの動画なども貼り付けられる。
  • 会員制サイトや非公開ページを作成して、生徒さんだけが閲覧できるページも作成できる。
  • WordPressは世界中で広く使われているため、困った時に解決策を見つけやすい。

これらの理由から、WordPressはピアノ教室のホームページの作成に大きなメリットがあります。

ピアノ教室のホームページ完成までの手順

ピアノ教室のホームページを作成するための手順となります。

  1. レンタルサーバーの契約
  2. ドメインの契約
  3. ホームページタイトルの設定
  4. WordPressのインストール
  5. 各種設定
  6. WordPressテーマの選定
  7. WordPressプラグインの選択
  8. ページを作っていく
  9. ホームページ完成

自分でホームページを作成する方法の詳細は、以下の記事にまとめています。実際に作成する場合は、こちらの記事も参考にしてください。

レンタルサーバーの契約

はじめに、ピアノ教室のホームページを保存し、インターネット上に公開するための「レンタルサーバー」を契約します。こちらを契約した上でWordPressをインストールし、ホームページを作成します。

レンタルサーバーの契約

レンタルサーバーは、国内利用者の多いエックスサーバーまたはロリポップがおすすめです。どちらも無料お試しやサポートが付いており、サーバーの操作だけでなく、WordPressの困りごとにも対応してくれます。

ただし、WordPressがインストールできない料金プランもありますのでご注意ください。

ドメイン取得と設定

ドメインとは、「〇〇.com」や「〇〇.jp」などのURLの一部分のことを指して言います。大手のレンタルサーバーでは、ドメイン永久無料特典が付いており、ドメイン1〜2つの取得費用と年間更新料が無料になります。

レンタルサーバーとドメインをそれぞれ別会社で契約するよりも、設定が簡単になります。こちらの特典を利用するのがおすすめですが、すでに別のウェブサイトで利用している場合は、別途取得します。

ドメインは任意の文字列を入れることができ、これを独自ドメインと言います。ピアノ教室の場合は、教室の名称をローマ字や英語で取得するのが一般的です。

また、末尾は「.com」「.net」「.jp」などさまざまな種類を選択できますが、迷ってしまう方は利用者の多い「.com」が無難です。

例1:〇〇piano.com
例2:〇〇pianoclassroom.com
例3:
piano〇〇.com

設定するには、はじめに取得したドメインをレンタルサーバーとひも付けします(ネームサーバーの設定)。

エックスサーバーの永久無料特典を使い、契約した場合、同社のXserverドメインで取得した場合は、以下のように項目をチェックするだけで設定できます。

レンタルサーバー側のドメイン設定時に無料SSL(通信を暗号化するセキュリティ設定)と、ホームページ高速化などの設定があればしておきます。

SSLの設定をすると、「http://〜」が「https://〜」というURLになり、セキュリティが強化されます。

レンタルサーバーのドメイン設定

SEOを意識したホームページタイトルを付ける

SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで上位表示させるための対策です。ホームページの各種設定や質の高いコンテンツなど、さまざまな要因で順位が決まります。

店舗集客の場合、特に重要な要素として、「地域名」でのSEOです。

筆者は、依頼されたフラワーアレンジメント教室のウェブサイトで、月に1〜2名の生徒さんを獲得していたことがあります。

その経験や知識に基づいて考えると、ピアノ教室のトップページのタイトルは、以下のような形式がおすすめです。もし、「子供」「大人」「初心者」などのターゲットが決まっている場合は、そのワードも含めます。

ホームページタイトルの付け方:

  1. 地域名+ピアノ教室+教室名
  2. 地域名+子供+ピアノ教室+教室名
  3. 教室名+地域名(※)

ホームページタイトル例:

  1. 大阪市中央区のピアノ教室〇〇
  2. 3歳から始める梅田のピアノ教室〇〇
  3. 〇〇 – 天王寺の大人のピアノ教室

※教室名自体に「ピアノ教室」が含まれる場合

このように設定しておくと「地名+ピアノ教室」や「教室名」で検索された時に上位表示されやすくなります。

実際に設定する場合は、ピアノ教室がある地域名で検索されているのか、検索数を調べるツールを使用します。キーワード調査ツール「ruri-co」を使って「ピアノ教室 大阪」で調べた場合、実際に検索されているワードと検索数を確認できます。

>> ruri-co(るりこ)

キーワード調査

地域の人口が少なく、「ピアノ教室」の検索数(需要)が少ない地域の場合は、隣接する地名をさらに1〜2つ(合計2〜3つ)含めるか、市町村ではなく都道府県に範囲を広げる方法もあります。

地域名は範囲を絞ると同業者が減り、上位表示の確率は上がります。一方で検索数(需要)も減りますので、どこまでの地域で集客するかは重要な意思決定のひとつです。

また、ブログ記事で情報発信する場合も記事タイトルに「地名」を入れておくと、その周辺地域の人が検索してくれる可能性が高まります。特に、体験レッスン、イベント、採用情報をブログで発信する場合は、記事タイトルに地名を入れておくと良いでしょう。

WordPressのインストール

次に、WordPressをインストールしますが、レンタルサーバーによっては「WordPress簡単インストール」機能が付いています。操作手順は、契約したレンタルサーバーのマニュアルでご確認ください。

エックスサーバーの場合は、ログイン後に「WordPress簡単インストール」の項目を押して、ブログ名(実際はホームページのタイトル)などの必要事項を入力してください。

WordPress簡単インストール

インストール後に表示されたURLがWordPressの管理画面のURLです。こちらにアクセスしてログインします。

WordPressのログインページURL

WordPressのログイン画面が表示されますので、入力したユーザー名またはメールアドレスと、パスワードを入力してログインします。

WordPressのログイン

ホームページの各種設定

次に、ホームページの各種設定をしていきます。まずは、「設定」>「一般」を押して、いくつかの項目を設定します。

WordPressの設定

  • キャッチフレーズ:ホームページの簡単な説明を入力。
  • サイトアイコン(※):ブラウザのタブに表示されるアイコンを設定。
  • WordPressアドレス(URL):「http://〜」を「https://〜」に変更してSSLを適用。
  • サイトアドレス(URL):「http://〜」を「https://〜」に変更してSSLを適用。

※著作権フリーのアイコンは、ICOON MONOなどのウェブサイトからダウンロードできます。

次に、各ページのURLを表す「パーマリンク」の設定をします。こちらの設定をしないと、各ページを作成した場合に以下のようなURLになってしまいます。

例1:https://pianoclassroom.com/?p=706
例2:https://pianoclassroom.com/345/

ニュースサイトなどでは、数字ベースのページURLもありますが、一般的に教室や店舗ホームページでは使われないことが多いです。

そのため、こちらを設定するには、「設定」>「パーマリンク」の順に押し、「投稿名」にして保存するのがおすすめです。

パーマリンクの設定

ただし、このまま「ピアノ教室の体験レッスンを受付中」などのタイトルでページを作成すると、そのまま日本語のURLになります。

日本語のURLでも悪くはないのですが、URLが長くなってしまったり、途中で日本語が途切れてしまう場合もあります。そのため、実際にページを作成する場合は、簡潔なローマ字や英語のURLに直すことが多いです。

△:https://pianoclassroom.com/ピアノ教室の体験レッスンを受付中/
◯:https://pianoclassroom.com/trial-lesson/

その他のWordPressの設定方法は、以下の記事にまとめていますので、必要に応じて設定してみてください。

また、WordPressのインストール後であれば、レンタルサーバー側のセキュリティ設定もできます。

WordPressテーマの選定

次に、ピアノ教室のホームページに使えるWordPressテーマを選びます。教室運営に最適なWordPressテーマが豊富なTCDから選びます。

以下、4つのおすすめWordPressテーマを厳選しましたので、デザインや機能性からお選びください。

TCDテーマ Cherie
こちらは、教室やアトリエ向けのテーマです。トップページ、プロフィールページ、イベントページなどを作成できます。ブログも投稿できるためお知らせや情報発信もできます。

Cherie

TCDテーマ CANON
パッヘルベルの「カノン」から名付けられたテーマです。主にホテルや結婚式場向けですが、室内の雰囲気やサービス内容のページを作成できるため、ピアノ教室にも転用できます。

CANON

TCDテーマ Story

こちらは、主にブライダル向けのテーマですが、ピアノ教室をエレガントなイメージにしたい場合に最適です。コンセプトページや地図が掲載されたページも作成できます。

STORY

TCDテーマ SEEED

こちらは、オンライン教室などのサービスサイトで使えるテーマですが、地域のピアノ教室でも転用できます。グラフやチャートの表示、口コミページ、料金プランも表示できます。

SEEED

この他にも、さまざまな種類のTCDテーマを提供しています。もし、上記以外のテーマ以外をお探しの場合は、以下のページから探すことができます。

購入したWordPressテーマのインストール方法は、以下の記事からご確認ください。

WordPressプラグインの選択

次にWordPressのプラグイン(拡張機能)を選択します。初心者の方の場合は、どれを入れたら良いかわからないと思いますので、以下の記事におすすめのプラグインをまとめています。

特に、セキュリティ・プラグインのSiteGuardは、入れておくだけでセキュリティ対策になります。

プラグインは、WordPressの管理画面から「新規プラグインを追加」を押し、「人気」や「おすすめ」を押したり、検索して探します。

プラグインのインストール

ページを作っていく

WordPressでは、左サイドバーに「投稿」と「固定ページ」の2つの投稿画面があります。

  • 投稿:お知らせ、ニュース、コラム、専門的な情報などブログ記事の投稿
  • 固定ページ:トップページやお問い合わせページなど、主にホームページで使うページ

WordPressを新規インストールすると、投稿と固定ページにそれぞれ「サンプルページ」が自動作成されますので、そちらは削除してください。

今回はホームページですので、「固定ページ」>「新規固定ページを追加」を押して、ページを作成していきます。

固定ページの編集方法1

ページのタイトルを入れて、その下の画像や文章を入れます。右側には、ページ上部に表示されるアイキャッチ画像も設定できますが、固定ページを使う場合は必須ではありません。

一般的なブログサービスを利用したことがある方であれば、さほど問題なく利用できると思います。「投稿」の編集画面もほぼ同じですので、同じような操作で投稿できます。

固定ページの編集方法2

その他の編集画面の操作方法については、以下の記事でご確認ください。

ピアノ教室のホームページで一般的に掲載されているページとしては、以下のようなものがあります。全てのページが必須というわけではありませんので、必要なものだけ作成してください。

  • トップページ:教室の写真、簡潔な紹介文、詳細ページへのリンクなど。
  • レッスン内容:レッスンの種類、料金、スケジュールなど。
  • 講師プロフィール:講師の顔写真や、経歴・資格・実績など。
  • アクセス情報(※):住所、交通アクセス、Googleマップなど。
  • プライバシーポリシー:お問い合わせや予約フォームを設置する場合は必須。
  • お問い合わせ:お問い合わせフォームの掲載ページ。
  • レッスン予約:予約フォームやGoogleカレンダーの埋め込みなど。
  • 生徒さんの声:生徒さんや保護者様からの口コミページ。
  • ブログやお知らせ:発表会、特別レッスン、新規クラスの開設などの情報。

※市区町村だけを掲載し、体験レッスンに申し込んだ方だけに具体的な住所に教えている教室もあります。

各種ページの作成方法は、別の記事にまとめています。

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講師プロフィール:

アクセス情報ページ:

プライバシーポリシー:

お問い合わせページ:

レッスン予約ページ:

まとめ

ピアノ教室のホームページを作るために、WordPressとテンプレートを活用することで、専門的な知識がなくても簡単に魅力的なサイトを構築できます。

最初は戸惑うかもしれませんが、豊富なテンプレートのデザインと機能を使えば、ピアノ教室の魅力をしっかり伝えることができます。ぜひ、本稿事を参考に、ピアノ教室のホームページを作成してみてください。